更新日:2023年10月24日
フォーサイトとユーキャンは、優れた教材(フルカラーテキスト&充実のeラーニング)をベースとした宅建通信講座の代表格です。
宅建講座は数えきれないほど存在しますが、なかでもこの2社は、私の中でとても似通った共通のイメージを持っています。
このため、宅建講座を検討する際には、この2社でどちらにしようか悩むケースも多いのではないでしょうか。
そこで、私自身が、フォーサイトとユーキャンの宅建講座を実際に受講してみましたので、その体験に基づき2社を比較しながら徹底レビューします!
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フォーサイトとユーキャンの宅建講座を比較する理由
冒頭で、フォーサイトとユーキャンの宅建講座が、私の中で、とても似通った共通のイメージを持っていると記載しましたが、その理由について、少しご説明させていただきます。
業界トップクラスの通信教育講座
フォーサイトは、宅建講座において、業界初のフルカラーテキストを使用したことで有名で、それに加えて、eラーニングシステムで特許を取得し、通信教育業界のeラーニングを牽引する存在です。
ユーキャンは、言わずと知れた通信教育の最大手であり、あらゆるジャンルの通信講座を手掛けています。そして2021年向け講座から、ついにテキストをフルカラー化し、宅建講座においても、フォーサイトに並ぶ存在になりました。
教材をベースとした講座作り
そして、フォーサイトとユーキャンの2社は、テキストやeラーニングといった「教材」をベースとした講座作りをし、そこに解説講義を付与する形の通信講座を提供しているという点で共通しています。
要するに、「講義」ではなく、「教材」がベースになっているという意味です。※あくまでも私のイメージです。
通信講座としては、通学スクールを運営する資格予備校が提供するような、「講義」をベースとした通信講座(例:LEC・TAC・大原など)と、通信教育専門の会社が提供する「教材」を中心とした通信講座(例:フォーサイト・ユーキャン)とに大きく分かれます。
なお、かつては通学スクールを運営していた会社が、通信教育に特化していくケースもあります。(例:クレアール)
また、最近では、eラーニングのみに特化したような通信講座もあります。(例:スタディング・スタケン)
さらに、通信教育に特化しながらも、資格予備校のように「講義」を中心とした講座を提供する通信講座もあります。(例:アガルート)
フォーサイトとユーキャンは共通している
このように、様々に分類できる通信講座が存在する中で、フォーサイトとユーキャンは、まさに同じ分類に属する通信講座というわけです。
※ 何度も言いますが、この分類は、あくまでも私の主観的なイメージによるもので、このような分類が存在しているわけではありません。
ということで、以下では、この共通するイメージを持つ2社(フォーサイト・ユーキャン)の宅建講座について、徹底的に比較していきたいと思います。
【フォーサイトvsユーキャン】比較一覧表
まずは、フォーサイトとユーキャンについて、詳細な比較検証に入る前に、ザッと一覧表で比較しておきたいと思います。
運営実績の比較
両社の運営実績を比較すると、下の表のようになります。
比較項目 | フォーサイト | ユーキャン |
---|---|---|
開講時期 | 1993年 不動産研修会社として創業し、宅建研修及び宅建通信講座開始 2002年 行政書士・社労士・FP・簿記などを開講 |
1954年 東京人形学院として設立 その後、各種講座を順次開講 1979年 宅建講座開講 |
受講者数 | 宅建講座:累計7万人突破 (全講座:累計37万人突破) |
宅建講座:累計40万人突破 (全講座:不明) |
講座数 | 約20講座 | 約150講座 |
公式サイト | フォーサイト宅建講座 |
ユーキャン宅建講座 |
さすが”通信教育といえばユーキャン”のイメージどおり、ユーキャンは古くからの歴史がありますね。
とはいえ、フォーサイトも約30年もの運営実績がありますので、十分な実績ですね。
宅建講座の比較
次は、フォーサイトとユーキャンの宅建講座に関する比較一覧表です。
- ※ユーキャンに関しては、「宅地建物取引士講座」についてレビューしていますが、宅建試験の6ヶ月前からは(4月〜)、「宅建士短期合格講座」が開講します。
- 短期合格講座では、基本的にテキストはほぼ同じものを使用しますが、アウトプット講義が約3分の1に圧縮され、添削課題が7回から1回(模試)に削減されます。
比較項目 | フォーサイト宅建講座 | ユーキャン宅建講座 |
---|---|---|
公式サイト | ![]() ⇒ フォーサイト公式サイト |
![]() ⇒ ユーキャン公式サイト |
受講料 | ![]() 宅建スピード合格講座(バリューセット3)【2024年試験向け】 [Web通信] セット価格→ 69,800円 ※「不合格者」全額返金保証! |
![]() ユーキャンの宅地建物取引士講座【2024年試験向け】 [Web通信]63,000円 |
カリキュラム | <講義:約18時間> <模試・答練:計5回> ・入門講座 ・基礎講座 ・過去問講座 ・直前対策講座 ・科目別答練講座(4回) ・模擬試験(1回) |
<講義:約60時間> <模試・答練:計7回> ・基礎テキスト ・実戦テキスト ・完成テキスト ・添削課題(7回※最後は模擬試験) |
テキスト | フルカラーテキスト ※Web版もあり |
フルカラーテキスト ※Web版もあり |
問題集 | 2色刷り 4肢択一式分野別過去問題集(約650問収録/過去13年分相当) ※Web版もあり |
2色刷り 一問一答式分野別過去問題集(約1800肢収録/過去9年分相当) ※Web版もあり |
講師 | 窪田義幸講師が一貫して講義を担当 また、バーチャル講師(萌えキャラの美少女講師)による講義も選択可能 |
5名の講師を中心に各解説動画を分担して担当 |
講義・スライド・板書 | 画面に「テキスト」を表示してマーカーしながら解説 ※1.0〜1.5倍速の2段階に調節可能 |
画面に「スライド」を表示してマーカーしながら解説 ※0.5〜2.0倍速まで4段階に調節可能 |
eラーニング | 学習スケジュール 講義視聴 テキスト参照 確認テスト 過去問演習 ※マルチデバイス(パソコン、スマホ、タブレット) |
学習スケジュール 講義視聴 テキスト参照 〇×チェック 過去問演習 ※マルチデバイス(パソコン、スマホ、タブレット) |
サポート体制(質問対応) | Webによる質問対応(回数制限あり⇒バリューセット3:20回、バリューセット2:15回、バリューセット1:10回) | Web、郵便による質問対応(回数無制限。ただし、1日3問まで) |
合格率・実績 | 受講生の合格率75.0%(2022年度) 872名の合格者を輩出(2022年度) |
1,776名の合格者を輩出(2021年度) |
公式サイト | フォーサイト宅建講座 |
ユーキャン宅建講座 |
受講料の比較
まず、宅建講座の受講料について比較してみます。
いずれも相場どおりでほぼ同額の費用
フォーサイトの宅建スピード合格講座(バリューセット3)は、69,800円で、ユーキャンの宅地建物取引士講座は、63,000円となっており、フォーサイトの方が若干高めですが、ほぼ同等です。
一般的な宅建の通信講座と比較してみても、ほぼ相場どおりの受講料になっているかと思います。
また、いずれも教育訓練給付金の対象講座になっていますので、要件を満たせば受講料の20%が給付されます。⇒教育訓練給付制度とは【通信講座の受講料がキャッシュバック!】
フォーサイトには不合格者全額返金制度あり!
ただし、フォーサイトには、「不合格者全額返金制度」が用意されていますので、その点を考慮すれば、フォーサイトの方がコスパは高いと言えそうですね。
カリキュラムの比較
では次は、フォーサイトとユーキャンの宅建講座のカリキュラムについて比較してみたいと思います。
フォーサイト宅建講座のカリキュラム
カリキュラムの大きな流れとしては、フォーサイトは、「基礎講座」で、テキストに沿った解説講義でインプット学習をしつつ、適宜、「確認テスト(一問一答Web問題集)」で知識を確認しながら学習を進め、全科目のインプット学習が終わってから、「過去問講座」で過去問演習を行う、というカリキュラムになっています。
カリキュラム | 内容 |
(1)基礎講座 | 宅建業法→法令上の制限→その他の法令→権利関係 ※適宜、「確認テスト(一問一答Web問題集)」 |
(2)過去問講座 | 宅建業法→法令上の制限→その他の法令→権利関係 |
(3)科目別答練講座 | 4回 |
(4)直前対策講座 | 法改正・統計資料対策編、択一対策編 |
(5)模試 | 1回 |
ユーキャン宅建講座のカリキュラム
一方、ユーキャンは、3科目に分かれる学習範囲について、科目ごとに、「基礎テキスト」によるテキスト学習と解説講義でインプット学習をしつつ、適宜、「〇×チェック(一問一答Web問題集)」で知識を確認しながら学習を進め、1科目のインプット学習が終わった段階で「添削課題」を出し、そして、「実戦テキスト」を使ってその科目の過去問演習を行う、という流れを科目ごとに繰り返すカリキュラムになっています。
カリキュラム | 内容 |
(1)権利関係 | 基礎テキスト1→添削課題1→実戦テキスト1→添削課題1 |
(2)宅建業法 | 基礎テキスト2→添削課題2→実戦テキスト2→添削課題2 |
(3)法令上の制限/税・その他 | 基礎テキスト3→添削課題3→実戦テキスト3→添削課題3 |
(4)完成テキスト | 完成テキスト→添削課題7 |
※基礎テキストには、適宜「〇×チェック(一問一答Web問題集)」あり |
両社ともイン・アウト平行カリキュラムで効率的
このように、フォーサイトとユーキャンのカリキュラムでは、科目ごとに分けるか分けないかという違いがありますが、いずれのカリキュラムも、インプットとアウトプットとを平行して進めるという方式を採用していますので、いずれも学習効率の高いカリキュラムですね。
また、フォーサイトでは、「科目別答練講座」が4回と「模試」が1回あり、ユーキャンでは、添削課題7回のうち1〜6回が「答練」に相当するもので、最後の1回が「模試」です。
このように、答練・模試については、回数に若干の違いがあり、また、答練に取り組む時期にも違いはありますが、そう大きな違いではないかと思います。
なお、講義時間数のボリュームにかなりの違いがありますが、その点については、下記の「講義の比較」のところで触れたいと思います。
テキストの比較
次は、テキストについて見ていきたいと思います。テキストは、まさしくフォーサイトにとってもユーキャンにとっても、最大のセールスポイントと言える部分です。
フォーサイトが一回り大きいサイズだが厚みは同じ
まずは、外観から比較してみます。
まず、サイズとしては、上の写真のように、フォーサイト(左)がB5サイズ、ユーキャン(右)はA5サイズで、フォーサイトの方が一回り大きいサイズです。
次に、厚みとしては、上の写真のとおり、ほぼ同じ厚みです。
フォーサイトは洗練されたフルカラーテキスト
次は、いよいよテキストの中身の比較です。
フォーサイトもユーキャンも、業界では数少ないフルカラーテキストを採用していますが、フォーサイトは業界で初めてフルカラーを導入し、毎年改訂を繰り返しながら完成度を高め、洗練されたフルカラーテキストに仕上がっています。
ユーキャンは赤・黒の2色をベースにした配色
出典:ユーキャン宅建士講座
一方、ユーキャンは、2021年向けのリニューアルで初めてフルカラー化したばかりです。
基本は黒と赤の2色刷りで、そこに適宜、項目の見出しや表の見出し、アイコンなどに、アクセントとして黄や青の色を配色しているような程度です。
フルカラーの色使い・デザインはフォーサイトが優れている
このため、フルカラーとしての色使い、色分け、デザインなどについては、フォーサイトが優れていると思いますね。ここまで色使いに気を配ったテキストは他に存在しないと思います。
フォーサイトは効率性を追及したコンパクトなテキスト
では、本文はどうかというと、フォーサイトは、とにかく効率性が追及されています。
文章による解説が少なく、本文そのものがコンパクトに簡潔な言葉で記載されており、それがそのまま重要箇所として色枠で囲まれています。
この色枠は重要度に応じて配色を区別し、1〜5つの星マークが記されています。
文章による解説は少ないため、自分で読み進めて、しっかりと理解しながら学習するようなテキストではありませんね。
ユーキャンは文章でしっかり解説+重要知識を集約
一方、ユーキャンは、文章でしっかりと解説したあとに、そこまでの内容の重要箇所を「CheckPoint」として整理して囲むという構成です。
しっかりと文章で解説されているため、読んで理解しながら学習を進めることができるテキストですね。ただし、重要度のランク分けはありません。
個人的には、ユーキャンのテキストの方が私は好きですね。解説を読んで、重要ポイントを整理してくれる、というパターンになっていますので、理解しながら勉強できますし、どこを覚えればいいのか、重要箇所もはっきり認識できます。
このユーキャンのテキストの編集は、かなり画期的なものだと思います。重要部分を表で整理する、という編集はどんなテキストでもよくありますが、すべての項目、すべての内容について、重要知識をその都度、整理し尽くすという、ここまで明確に解説と重要事項とを区別して構成したテキストは見たことがありませんから。
それぞれに優れた特色があり、人それぞれ好みの問題
ちょっとユーキャンの方に偏ったコメントになってしまいましたが、これはもう、どちらが使いやすいかは、人それぞれでしょうね。
フォーサイトのテキストの方が、カラフルでやる気も出て勉強しやすいし、解説なんか最小限でいいからポイントだけ書いておいてくれればいい、という方もいるでしょうし、やはりユーキャンの方が、自分で読み進めることができて、自分で重要箇所をしっかり認識できるから勉強しやすい、という方もいるでしょうし。
ということで、テキストに関しては、フォーサイトもユーキャンも、とても優れたテキストで、甲乙つけがたく、人それぞれの好みの問題、ということにしておきたいと思います。
公式サイト | フォーサイト宅建講座 |
ユーキャン宅建講座 |
問題集の比較
次は、問題集について比較してみたいと思います。ユーキャンの問題集は、「実戦テキスト」という名前ですが、これが実質的には問題集になっています。
フォーサイトの方が一回り大きく、分厚い
まず、サイズとしては、上の写真のように、フォーサイト(左)がB5サイズ、ユーキャン(右)はA5サイズで、フォーサイトの方が一回り大きいサイズです。
次に、厚みとしては、上の写真のとおり、フォーサイトの方が分厚いです。
フォーサイトは四肢択一式・ユーキャンは一問一答式
中身に関しては、フォーサイトは4肢択一式の過去問題集で、テキストに出てくる順番に収録した分野別問題集になっています。印刷は、2色刷りです。
一方、ユーキャンは一問一答式の過去問題集で、テキストに出てくる順番に収録した分野別問題集です。印刷は2色刷りです。一問一答式の分野別問題集というのは、つまり、過去に出題された4肢択一式の過去問を、1肢ごとにバラして、一問一答式の〇×問題として、重要な肢をテーマ別に整理し、編集したものです。
フォーサイト宅建講座の問題集
出典:フォーサイト宅建講座
ユーキャン宅建講座の問題集
出典:ユーキャン宅建講座
フォーサイトは左に問題・右に解答、ユーキャンは問題・解答が縦に並ぶ
ページ構成については、フォーサイトは左ページに問題、右ページに解答解説という構成で、一方ユーキャンは、問題と解答解説が縦に並んでいます。(上の画像では、Q1として問題がありますが、そのすぐ下にA1として解説が記載されているという構成です。)
フォーサイトは13年分相当・ユーキャンは9年分相当の過去問
収録問題数は、フォーサイトは4肢択一式で、およそ650問収録されています。1年分で50問ですので、およそ13年分に相当する問題数です。(肢別に換算すると、2600肢になります。)
一方、ユーキャンは肢別の過去問がおよそ1800肢収録されています。4肢択一に換算すると、450問になりますので、1年分は50問ですので、9年分の過去問に相当します。
フォーサイトは難易度ランクや「捨」マークにより効率化
なお、フォーサイトでは、各問題ごとに、難易度がAランク(易しい問題で必ず正解しないといけない問題)〜Dランク(超難問で演習不要のため、飛ばす問題)まで分類されており、さらに、難問奇問で学習不要な肢については、「捨」というマークも記載されています。
問題数はフォーサイトの方が1.4倍ほど多いですが、そもそも重要でない問題も含まれていますし、捨て問も含まれていますので、その分、無駄があります。その代わり、難易度ランクや「捨て問」表示で重要度を区別することにより効率化が図られています。
ユーキャンは重要な問題のみを収録
ユーキャンには難易度ランクはありませんが、そもそも肢別になっているため、捨て問などは収録されておらず、重要な問題のみが収録されています。
さらにユーキャンは、基礎テキストと同じ「CheckPoint」が掲載されているというのも大きなポイントですね。基礎テキストの重要知識を集約した「CheckPoint」をここにも掲載することにより、実戦テキストで問題演習をしながら、基礎テキストに戻って知識を確認するという手間を省くことができるというわけです。
これは、全ての重要知識を「CheckPoint」に集約し尽くしているからこそできる編集方法ですね。
いずれも甲乙つけ難い
私がこのように比較して書くと、ユーキャンの問題集の方が良さそうな気がしてきますね。
しかし、ユーキャンは、問題と解答解説とがズラズラッと縦に書かれているんです。これは、正直、問題集としては、使い勝手は悪いように思います。
皆さん、いかがでしょうか。個人的には、重要知識の選択肢だけで構成された肢別問題集の方が好きです。ですが、問題と解答解説が縦にズラッと並んでいるのは使いにくいです。でも、CheckPointが掲載されているのはかなり便利です。
それぞれにメリットとデメリットがあり、甲乙つけ難いといったところでしょうかね。。。
講師の比較
では次は、講師について見ていきたいと思います。
フォーサイトは窪田講師が講義からテキストまで一貫して担う
フォーサイトの宅建講座は、窪田義幸 専任講師が、講義内容の作成からテキストの執筆まで、すべて一貫して担っています。
ユーキャンは5名の講師で講義を分担
一方、ユーキャンの宅建講座の講師は、下記の写真の左から順に、高野 敦 講師、青山 真也 講師、朝比奈 信之 講師、井上 哲二 講師、江嵜 浩 講師の5名を中心とした講師陣となっており、権利関係は朝比奈講師を中心に、法令上の制限は高野講師を中心に、といった具合に、それぞれで分担して解説動画が収録されています。
フォーサイトは誠実にわかりやすい言葉で丁寧に解説
フォーサイトの窪田講師の講義は、決してスマートな語り口調ではありませんが、とても誠実で、わかりやすい言葉で丁寧に解説してくれるのが印象的です。この人になら、安心して任せられると感じますね。
ただし、予備校講師のような百戦錬磨のトークができるわけではありませんし、テキスト自体がコンパクトで洗練されているため、基本的にはテキストをなぞるような解説となっています。
しかし、受講生への語り掛けは常に忘れず、受講生に対するモチベーションアップのためのフォローは、しっかりと丁寧にしてくれます。
バーチャル講師による講義も受講可能に!
さらに、2021年向け講座からは、窪田講師のほか、「バーチャル講師」による講義も受講できるようになりました。
バーチャル講師というのは、フォーサイトが独自に開発し、CGで制作したバーチャルキャラクターです。
2020年8月4日にデビューし、現在、2人の美少女と1人のイケメンがバーチャル講師としてフォーサイトの各資格講座を担当しており、宅建講座については、真鍋サキ講師が担当しています。
講義自体は、講師が監修しているため、言葉の言い回しなどに違いはありますが、ほぼ同じ内容です。
窪田講師はオジさんで、お世辞にも見た目はイケメンとは言い難いですし、喋りもスマートとは言えません。
一方、このバーチャル講師は、美少女ですし、聴き取りやすい声で解説してくれます。
ユーキャンは淡々と解説に徹する
一方、ユーキャンは、フォーサイトと違って、講師の個性や人柄といったものは一切、表に出さず、あくまでもテキストが中心であり、解説講義はテキストの理解を補うためのもの、というスタンスが貫かれています。
このため、講義は淡々と、ひたすら解説に徹します。
ということで、講師に関しては、フォーサイトの方が圧倒的に好印象ですね。もちろん、淡々と解説してくれる講師の方が好きだという人もいらっしゃるかと思いますので、人それぞれの好みによるかと思いますが。
公式サイト | フォーサイト宅建講座 |
ユーキャン宅建講座 |
インプット講義の比較
それでは次は、実際の講義の比較に入っていきたいと思います。
フォーサイトはテキストと講義が完全連動
フォーサイトの講義は、テキストと講義が完全に連動した形で進められます。
講師が、「テキストの〇ページを開いてください。」といった形で講義が開始され、フルカラーテキストを画面に映し出し、講師がそのテキストにアンダーラインを引いたりメモ書きしたりしながら解説してくれますので、とても勉強しやすいと思います。
フォーサイト宅建講座インプット講義
出典:フォーサイト宅建講座
ユーキャンはテキスト学習を進めつつ講義を視聴
一方、ユーキャンの講義は、あくまでもテキストの理解を補うためのもの、という位置づけです。このため、まずは自分でテキストを読むところから始めます。
出典:ユーキャン宅建士講座の画像に基づき加工
すると、テキストの各項目の最後に、「CheckPoint」という重要知識、覚えるべき知識を集約した欄があり、このCheckPointのところに「動画」マークが記されていますので、このタイミングで「講義を視聴する」ボタンを押して解説講義を視聴します。
「テキストをベースに学習を進め、テキストの理解を補うために解説講義を視聴する」というスタンスです。
出典:ユーキャン宅建士講座
講義は、大画面の前に講師が立ち、そこにスライドを映し出して、講師がアンダーラインを引いたり、メモ書きしながら解説するスタイルになっています。
このように、フォーサイトでは、講師の主導により、テキストに沿って講義が進められるのに対し、ユーキャンは、自分でテキストを読み、随時、CheckPointが来たタイミングで解説講義を再生する、というところが、まず大きな違いです。
フォーサイトはテキストで、ユーキャンはスライドで解説
そして、フォーサイトでは、すべての講義が、画面に映し出したテキストに基づいて解説されるのに対し、ユーキャンでは、テキストとは別に作成したスライドに基づいて解説される、というのも大きな違いです。
このスライドは、テキストから抜粋して作成されたものの場合もありますし、講義独自のスライドの場合もあります。独自のスライドは、確かにそのときはわかりやすいとは思いますが、結局は、知識のベースになるのはテキストであって、解説講義の中でその場限りで表示されるスライドではありません。
一方、すべての講義がテキストに基づいて解説されるということは、すべての情報をテキストに集約することができることを意味します。このため、復習の際は、テキストだけ見れば、講義による解説をそのまま思い出すことができるという効果があると思います。
フォーサイトはコンパクト・ユーキャンは丁寧な講義
次に、講義時間数については、フォーサイトは12時間しかありませんが、ユーキャンは30時間の講義があります。
フォーサイトは、基本的にはテキストをなぞるような解説になっており、そもそもテキスト自体が文章で説明するようなものではなく、簡潔な言葉でコンパクトに書かれているものですので、必然的に講義もコンパクトになります。
一方、ユーキャンは、テキストとは別途作成されたスライドを使用し、CheckPointに至るまでの文章で説明されているテキストに沿って解説することから、講義時間は長くなってきます。
その意味では、ユーキャンの方が充実した講義と言えますが、コンパクトな講義で理解できてしまうのなら、フォーサイトの方がよいとも言えます。そもそもテキストの文字量も、フォーサイトの方が圧倒的に少ないですから。
ということで、講義に関しては、講義がテキストに連動しているか、テキストを読み進めながら随時講義を再生するか、という点では、講義がテキストに連動しているフォーサイトの方が良いと思います。テキストベースかスライドベースかという点でも、テキストベースのフォーサイトの方が良いと思います。
しかし、講義時間数から見ると、ユーキャンの方が充実していますが、フォーサイトのコンパクトな講義とどちらがよいかは、人それぞれといったところでしょうか。
アウトプット講義の比較
では次は、アウトプット講義について見ていきたいと思います。
フォーサイトもユーキャンも重要な過去問をピックアップして解説
フォーサイトの過去問講座では、重要な問題を講師がピックアップし、問題集の問題ページや解説ページを画面に表示しながら解説していくという形態が取られます。このため、自主学習と講義の受講とを平行して進めていく形になります。
一方、ユーキャンについても、実戦テキストの中の重要な問題について、解説動画がついており、解説用に作成したスライドを画面に表示して解説していきます。
このように、重要な問題についてのみピックアップして解説するという点は同じですね。
フォーサイトはコンパクト・ユーキャンは充実した解説
この解説講義は、フォーサイトでは、全過去問約650問(肢別に換算すると2600肢)のうち2〜3割程度について講義があり、講義時間数は約6時間です。
一方、ユーキャンでは、全過去問約1800肢のうち3割程度について解説講義があり、講義時間数は約30時間です。
この違いは、フォーサイトの解説講義は、問題と解説のページを画面に映し出してとてもシンプルに解説する講義になっているのに対し、ユーキャンの解説講義は、解説するために別途作成したスライドを画面に映し出して、丁寧に解説することから、このような差がついています。
ということで、アウトプット講義に関しても、フォーサイトはコンパクト、ユーキャンの方が充実、という比較結果です。
ただし、問題集については、解説を読めば大概はわかりますので、コンパクトな解説でも十分かもしれません。どちらがいいかは、人それぞれ好みによる、といったところでしょうか。
公式サイト | フォーサイト宅建講座 |
ユーキャン宅建講座 |
スマホ学習機能の比較
次に、eラーニングシステム(スマホ学習機能)について比較したいと思います。
フォーサイトもユーキャンも学習スケジュール作成機能あり
フォーサイトの宅建講座では、eラーニングにログインするとまず始めに、「学習スケジュール」の作成から始まります。
曜日ごとに、1日のおおまかな過ごし方(睡眠、食事、通勤・通学、会社・学校、入浴、空き時間、プライベート)を30分刻みに設定していくと、空き時間の何パーセント、通勤時間の何パーセントといった形で、学習することが可能な時間数が自動的に算出されるというシステムになっています。
このシステムで算出された学習時間数に基づいて、本試験当日までの学習スケジュールが組み立てられますので(例えば、〇月〇日に基礎講座の〇〇の講義を受講するといった形)、それに従って、学習を進めていけばいいようになっています。
ユーキャンの宅建講座も同様に、ログインすると、まず始めに学習スケジュールの作成からスタートします。
これを設定すると、自動的に試験日までの学習スケジュールが計算されるようになっています。
ということで、この点については、基本的には同様の機能と考えてよいかと思います。
フォーサイトには確認テスト・過去問演習システムあり
フォーサイトの宅建講座では、各科目の一定の区切りのところで(例えば、宅建業法@が終わったところや、宅建業法Aが終わったところなど)、一問一答式のWeb問題集「確認テスト」を受けるというカリキュラムになっています。
この確認テストは、これまでの講義やテキストで学んだ基礎知識を確認し、記憶に定着させていくためのものです。画面に出題された問題に対し、「〇」か「×」かをクリックすると、即座に正誤が判定され、解説が表示されるというシステムになっています。
ちなみに、この「確認テスト」には、通常版とゲーム版の2種類あり、「通常版」というのは、通常通りのWeb問題集ですが、「ゲーム版」というのは相撲で相手を倒すというゲーム性を取り入れたWeb問題集になっています。
また、この確認テストとは別に、「過去問演習システム」が、バリューセット3で利用することができます。このシステムでは、問題を解いたデータが蓄積され、苦手な問題を効率的に復習できるようになっています。
ユーキャンには〇×チェック・実戦テキストの問題演習機能あり
一方、ユーキャンについては、フォーサイトの確認テストに相当するものとして、解説講義を聴き終わったタイミングで、〇×チェックという一問一答式のWebテストを受けます。「正しい」か「誤り」かを選択すると、その正誤が判定され、「解説を見る」を押すと解説が表示されるようになっています。
また、実戦テキスト(過去問)についてもWeb版があり、〇×チェックと同様に、「正しい」or「誤り」を選択すると、即座に正誤が判定され、「解答・解説を見る」を押すと、解説の画面に展開するという仕組みになっています。このWeb問題集では、復習の優先度を高・中・低の3段階に分類し、問題演習の復習ができる機能も備わっています。
また、このWeb問題集では、解説画面にも解説動画が貼り付けられていますので、問題を解いて解説を確認すると、そのまま解説動画を再生することができるというのが、フォーサイトにはない機能です。また、解説の画面には、図解などの解説も入っていますので、この点もフォーサイトより優れていると思います。
両社とも素晴らしい優れたeラーニングシステム
以上のとおり、フォーサイトの確認テストとユーキャンの〇×チェックは、ほぼ同等だと思います。ただし、ゲーム版があるという点では、フォーサイトの方が楽しみながら問題演習ができるというメリットがありそうですね。
過去問演習に関しては、ユーキャンの方が動画講義もそのまま聴けますし、図解などの解説まで入っていますので、ユーキャンの方が良いように感じます。
といったところで、いずれも素晴らしい優れたeラーニングシステムで、甲乙つけがたいですね。
サポート体制の比較
次は、サポート体制の比較です。
フォーサイトは「質問箱」からいつでも質問可能
フォーサイトの宅建講座では、学習を進めるうえで疑問が生じた場合は、eラーニングシステムの「質問箱」から、いつでも質問メールを送信することができるようになっています。
質問には回数制限があり、バリューセット1は10回、バリューセット2は15回、バリューセット3は20回までとなっていますが、実際のところ、それほどの回数の質問をすることはあり得ないと思いますので、回数制限に関しては、これだけあれば十分に余裕だと思います。
事実、フォーサイトの公表によると、年間の平均質問回数は、3回程度とのことです。
ユーキャンは「学びオンラインプラス」からいつでも質問可能
一方、ユーキャンの宅建講座では、「学びオンラインプラス」という受講生専用サイトから、Eメールにより質問を送信できるようになっているほか、郵便による質問も可能です。質問回数は無制限です。(ただし、1日に3問までという制限はあります。)
回数制限の有無という点では、ユーキャンに軍配が上がりますが、実質的には、回数制限を超えるほどの質問はしない可能性が高いですので、同等と考えてよいのではないかと思います。
合格率・合格実績の比較
最後は、合格率・合格実績の比較です。
フォーサイトは業界トップクラスの合格率を誇る!
フォーサイトでは、通信講座業界では非常に珍しい「合格率」を公表しており、2022年度試験では、なんと受講生の75.0%が合格するという驚異的な合格率を叩き出しています。
これは、全国平均17.0%の4.41倍もの合格率であり、業界トップクラスの数値です。
しかもこれは、この年に限った話ではありません。例年、受講生の6〜8割が合格するという高い合格率をキープしています。
これは、宅建講座の中ではズバ抜けた合格実績であり、フォーサイトが人気ナンバーワンの宅建講座である証明にもなっています。
フォーサイトを信じて勉強すれば、ほとんどの方が合格できるわけですね。
なお、フォーサイトでは、合格率だけでなく、合格者の人数も公表しており、2022年度は872名もの合格者を輩出しています。
ユーキャンは業界トップクラスの合格者数を誇る!
一方、ユーキャンでは、合格率は公表されていません。
その代わり、合格者の人数を公表しており、2021年度試験においては、なんと1,776名もの合格者を輩出しています。
フォーサイトは872名(2022年度)ですので、その約2倍にあたりますね。こちらも、業界トップクラスの数値です。
確かに、人数の上ではフォーサイトを上回っていますが、実際のところ、合格率はどうなのでしょうか。。
ユーキャンは、圧倒的な知名度を誇りますので、受講生の人数も、圧倒的に多いはずです。となると、合格者の人数が多くなるのは当然のことです。
ここで気になるのは、やはり合格率ですが、、、公表されていないものは比較しようがありませんので、これ以上はなんとも言えませんね。
とにかく、フォーサイトもユーキャンも、合格実績に関しては、業界トップクラスであることに違いはありません。
フォーサイトvsユーキャン宅建講座の比較まとめ
以上のとおり、フォーサイトとユーキャンの宅建講座について、項目ごとに細かく比較してきました。
比較結果の一覧表
ここまでの比較結果を一覧表に整理すると、以下のようになります。
比較項目 | フォーサイトvsユーキャン 比較コメント |
判定 |
---|---|---|
受講料 |
いずれも6〜7万円で相場どおり。いずれも教育訓練給付金の対象講座。 フォーサイトには、さらに「不合格者全額返金制度」があるため、コスパは高い。 |
フォーサイト優勢 |
カリキュラム |
いずれもインプット・アウトプットの平行学習カリキュラムを採用し、効率的な学習が可能。 |
引き分け |
テキスト |
フォーサイトはフルカラーの色使い・デザインが洗練されている。また、とにかく効率性を追求し、コンパクトに要点を絞ったテキスト。 ユーキャンは「文章による解説」+「重要知識を集約したCheckPoint」で、理解と暗記を両立させるテキスト。 |
それぞれに優れた特色があり、いずれも素晴らしいテキスト |
問題集 |
ページ構成はフォーサイトが使いやすい。ユーキャンは問題と解説が縦に並んでいて問題集としては使いにくい。 ただし、ユーキャンは重要知識を集約し尽くした「CheckPoint」を再掲してあるため便利。 問題量は、フォーサイトは、13年分相当の過去問で、ユーキャンは9年分相当という違いがある。 ユーキャンは一問一答で重要な肢のみに編集済みで無駄なく効率的。 フォーサイトは4肢択一だがランク分けもあり、不要な肢には「捨」マークがあるなど、効率化が図られている。 |
いずれもよくできた素晴らしい問題集 |
講師 |
フォーサイトの窪田講師の人柄や受講生への語り掛けによるモチベーションアップなどのフォローがしっかりしている。 さらに、バーチャル講師の講義も受講できる。 ユーキャンは、講師の個性や人柄は一切出さず、淡々と解説に徹する。 |
フォーサイト優勢 |
インプット講義 |
テキストと講義が連動するフォーサイトの方がスムーズに勉強できる。 テキストをそのまま使って解説するするフォーサイトの方がわかりやすい。 講義時間数はフォーサイトの方がコンパクト(テキストがコンパクトだから)。 ユーキャンの方が充実(テキスト自体もしっかりした解説だから) |
好みによる |
アウトプット講義 |
重要問題をピックアップして解説する点では同等。 講義はフォーサイトがコンパクト。 ユーキャンは丁寧。 |
好みによる |
スマホ学習 |
スケジュール管理機能は同等。 問題演習機能は、フォーサイトの「確認テスト」と「〇×チェック」は、ほぼ同等。 ただし、ゲーム版があるという点では、フォーサイトの方が楽しみながら問題演習ができる。 過去問演習に関しては、ユーキャンの方が動画講義もそのまま聴けて、図解などの解説まで入っている。 |
いずれも素晴らしく、甲乙つけがたい。 |
サポート体制(質問対応) |
いずれもEメールで質問可能。 フォーサイトには回数制限があるものの、十分な回数がある。 |
引き分け |
合格率・実績 |
フォーサイトは合格率が業界トップクラス ユーキャンは合格者数が業界トップクラス |
引き分け |
総合評価 | フォーサイト優勢:2 ユーキャン優勢:0 引き分け:8 |
以上のとおり、はっきりとした判定ができず、申し訳ございません、、、とにかく、フォーサイトもユーキャンも業界トップを走る2社ですから、明らかに劣っているような点は、そもそもないんですよね。。
違いは「フォーサイトはコンパクト」「ユーキャンは丁寧」
ですので、基本的な考え方としては、”コンパクトなテキストとコンパクトな講義”これがフォーサイトの特徴です。
一方、”丁寧なテキストと丁寧な講義”これがユーキャンの特徴です。
それと、テキストと講義が連動しているフォーサイトの方が、学習を進めやすいですが、ユーキャンは、テキストを読みつつ適宜講義を再生するといった形になるため、学習のスムーズさの点で若干、劣ると思います。
講義については、窪田講師による語り掛けや、バーチャル講師がある点で、フォーサイトの方が優勢だと思います。
- フォーサイト⇒コンパクトなテキスト・講義
- ユーキャン⇒丁寧なテキスト・講義
効率的に合格したいならフォーサイト!
以上を総合的に考えた場合、好みの問題が大きい部分はありますが、誰しも”効率的に合格したい”というのが共通の願いだと思います。
この「効率的に合格」をキーワードに考えた場合は、やはりフォーサイトのコンパクトなテキスト・コンパクトな講義、というのが最も効率的に合格できる講座になっているのではないかと思います。
事実、フォーサイトでは、受講生の合格率が公表されており、2022年度試験においては、全受講生の75.0%が合格という驚異の合格実績を残しているわけですから。(全国平均17.0%の4.41倍の合格率)
といったところで、フォーサイトとユーキャンの宅建講座の徹底比較を終えたいと思います。
参考になったかどうかはわかりませんが、このページの検証結果を参考に、フォーサイトかユーキャンか、いずれかご自身に合った講座を選んでみてください!