更新日:2023年11月18日
TACから出版されている宅建士のテキスト「わかって合格(うか)る宅建士」は、宅建の正統派テキストとして、生講義スタイルで、初学者が、理由付けや趣旨などから法の理解を深めることができるテキストになっています。
このテキストは、フルカラーで見やすさも兼ね備えていますし、さらに、度重なる改訂により、レイアウトも工夫されメリハリもついてきました。
このため、TACの3シリーズ(「みんなが欲しかった!」「スッキリ」、「わかって合格る」)の中では、一番におススメできるテキストです!
この「わかって合格(うか)る宅建士」シリーズは、基本テキストのほか過去問や一問一答問題集などもラインナップされていますので、このページでは、私自身も実際に購入して中身を読んだうえで、それらのラインナップについて、それぞれ詳しくレビューしていきたいと思います。
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わかって合格る宅建士シリーズ(TAC)のラインナップ
TACが出版している「わかって合格(うか)る宅建士」シリーズは、以下のようなラインナップが揃えられています。他のシリーズよりも、問題集の種類が多いことが特徴的ですね。
一般的に、基本テキストと分野別過去問題集が必須のラインナップですが、「わかって合格る宅建士」シリーズでは、その他に、年度別過去問題集と一問一答問題集もあり、全部で4種類がラインナップされています。
ただし、必ずしも全ての教材を購入する必要はありませんので、やはり、基本テキストと分野別過去問題集は必須として、あとは、一問一答問題集あたりを、必要に応じて購入すればよいのではないかと思います。(どんな場合に購入するのが効果的かについては、後述します。)
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。
基本テキスト
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わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト(2024年度)![]() 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/11/17 ページ数: 788ページ サイズ: 21 x 14.8 x 3.5 cm 価格: 3,300円 |
分野別過去問題集
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わかって合格(うか)る宅建士 分野別過去問題集(2024年度)![]() 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/11/17 ページ数: 652ページ サイズ: 21 x 14.8 x 3 cm 価格: 2,750円 |
年度別過去問題集
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わかって合格(うか)る宅建士 過去問12年PLUS(プラス) (2023年度) 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/1/25 ページ数: 1040ページ サイズ: 21 x 14.8 x 2.5 cm 価格: 2,860円 ※2024年度版の予約販売中(1/29発売予定) |
一問一答問題集
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わかって合格(うか)る宅建士 一問一答 セレクト600(2023年度) 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/1/22 ページ数: 464ページ サイズ: 18.2 x 12.8 x 2 cm 価格: 1,980円 ※2024年度版の予約販売中(1/25発売予定) |
それでは、「わかって合格る宅建士」シリーズのラインナップについて、順に見ていきたいと思います。
わかって合格る宅建士 基本テキストを徹底レビュー【理解重視の正統派テキスト!】
まずは、「わかって合格(うか)る宅建士」シリーズの基本テキスト「わかって合格る宅建士 基本テキスト」からご紹介します。
しっかり理解したうえで合格するのがコンセプト
このテキストは、生講義スタイルの「ですます」調で、かみくだいた解説で理解できる(わかる)から、合格できる(うかる)、というコンセプトのテキストになっています。
フルカラーで4分冊にセパレート
まず、見た目の特徴としては、フルカラー(2018年版からフルカラーにリニューアル)で、分野ごとに4分冊にセパレートできるようになっています。
フルカラーで分冊というのは、最近流行りの定番ですね。フルカラーですので、とても読みやすいですし、分冊できるのも持ち運びに便利です。
また、付属の赤シートで重要なキーワードを隠して暗記することもできます。
理由づけや趣旨から解説する正統派テキスト
本文は、講義形式の解説で、「みんなが欲しかった!」など、とっつきやすいタイプのテキストとは異なり、しっかりと理由付けや趣旨などを解説してくれますので、正統派のテキストの部類に入ると思います。
このため、コンセプトどおり、初学者でもきちんと理解しながら学習でき、丸暗記は最小限に抑えることができますね。
また、直近5回分の過去問網羅率100%を誇るなど、かなり詳しく書かれたボリューム感のあるテキストです。
出典(2023年度版):Amazon
TACの3シリーズでは一番のおすすめ
フルカラー化される前は、固めの講義でズラズラダラダラとした記述でしたが、その後、レイアウトにも工夫が重ねられ、かなり改善されてメリハリもついてきましたので、TACの3シリーズ(「みんなが欲しかった」、「わかって合格る」、「スッキリ」)の中では、一番におススメできるテキストになったと思います。
なお、このテキストのその他特徴として、以下のようなものがあります。
- 過去12年間の出題箇所にアンダーラインを引き、出題年度を併記
- 本試験で狙われる超重要ポイントと法改正箇所にアイコン表示
- 本試験で狙われる事例を“ケーススタディ形式”でしっかり解説し、要点は、「試験に出る!POINT整理」として図表で整理
- 巻末に「厳選過去問プレミアム50」として本試験形式の出題予想模試を掲載
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わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト(2024年度)![]() 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/11/17 ページ数: 788ページ サイズ: 21 x 14.8 x 3.5 cm 価格: 3,300円 |
- フルカラーで、4分冊にセパレート
- 赤シート対応
- 生講義スタイルで、理解できる(わかる)から、合格できる(うかる)というコンセプト
- 理由付け・趣旨から解説する正統派テキスト。初学者でも理解しながら学習できる
- 直近5回分の過去問網羅率100%でボリューム感あり
- レイアウトに工夫が重ねられ、メリハリがついてきた
- TACの3シリーズで最もおススメ
わかって合格る宅建士 分野別過去問題集を徹底レビュー
次は、分野別過去問題集「わかって合格る宅建士 分野別過去問題集」です。
こちらも、分野別に4分冊にバラして使用できるようになっています。
この問題集は、超定番の重要過去問305問に厳選して、分野別に収録した過去問題集です。
この305問という収録数は、他社や他シリーズの標準的な分野別過去問題集とほぼ同等の収録数になっています。(250〜300問程度が主流。らくらく宅建塾シリーズとスッキリわかる宅建士シリーズは例外的に600問程度あり)。
ページの構成は、左ページに問題、右ページに解答・解説という構成になっています。
問題ページの下端に、その問題を解くためのヒント(問題によっては図解)が書かれていますので、初めて解く際は分かりやすくていいですが、2回目以降は目に入ってしまわないように注意が必要ですね。
また、解説ページの下端には、その問題を解くうえでのポイント(出題の意図や解答テクニックなど)が整理してあります。
印刷は赤系の2色刷りになっており、付属の赤シートで解答と解説文の重要箇所を隠せるようになっています。
なお、テキストとのリンクについては、「わかって合格る宅建士 基本テキスト」の該当する章項番号を明記する形でリンクされています。
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わかって合格(うか)る宅建士 分野別過去問題集(2024年度)![]() 2023/11/17発売 |
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著者・編集
TAC宅建士講座 |
出版社
TAC出版 |
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収録内容
305問(超定番の重要過去問を厳選) |
出題形式
4肢択一式 |
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掲載順
科目・分野別 |
ページ構成
左ページに問題、右ページに解答・解説 |
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テキストとの関連付け
『わかって合格る宅建士 基本テキスト』にリンク(問題ごとに、該当の章項番号を明記) |
目隠しシート対応
付属の赤シートで解答や重要ポイントを隠せる |
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ページ数
652ページ |
価格
2,750円 |
わかって合格る宅建士 過去問12年PLUSを徹底レビュー
次は、年度別過去問題集「わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS」です。
この過去問題集は、過去12年分の過去問を、年度別に収録した過去問題集です。
年度別の過去問題集というのは、一般に、過去問学習として使用することは稀だと思います。私が宅建試験の受験勉強をした際も、使用しませんでしたし、実際のところ、年度別過去問題集を出版しているシリーズも少ないです。
それに、分野別過去問題集に比べると、解説がシンプルで、ポイント整理などの工夫もありませんので、年度別過去問題集をメインの問題集として使用するようなことは絶対にしてはいけません。
ということで、この年度別過去問題集をわざわざ購入する必要はないのではないかと思います。
なお、ページ構成は、本の前半分が問題、後ろ半分が解説となっており、問題部分と解説部分とに2分冊できるようになっています。解説ページは文字ばかりですが、一応、2色刷りになっており、重要なキーワードは赤字で印刷されています。
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。 ![]() |
わかって合格(うか)る宅建士 過去問12年PLUS(プラス) (2023年度) 著者: TAC宅建士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2023/1/25 ページ数: 1040ページ サイズ: 21 x 14.8 x 2.5 cm 価格: 2,860円 ※2024年度版の予約販売中(1/29発売予定) |
<参考>年度別過去問題集の活用法
年度別過去問題集の使用方法として考えられるのは、例えば、試しに1年分の過去問を解いてみて、どれぐらい得点できるかを試してみるといった使い方や、本試験の時間配分を確認するといった使い方ぐらいかと思います。
しかし、そのような使い方をするとしても、それなら予想問題集(模試)を解いた方が、これから受験する年度の予想問題を解くことができますので、意味があるように思います。
わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600を徹底レビュー
次は、一問一答問題集「わかって合格る宅建士 一問一答セレクト600」です。
この問題集は、一問一答式、つまり、過去問は4肢択一式ですが、この4つの選択肢をバラバラにして、そのひとつの選択肢に対して〇か×かを判断する、というタイプの問題集になります。
収録問題は、膨大な過去問の中から、頻出論点・重要知識を厳選した約600肢となっています。
また、コンパクトサイズ(B6判より少し小さいぐらい。一般的なテキストはA5判)ですので、持ち運びにも便利です。
ページの構成は、左側のページに問題、右側のページに解答・解説となっています。印刷は赤系の2色刷りで、答えと解説の重要語句が赤字になっているため、赤シートに対応しているのかと思いきや、残念ながら、赤シートでは文字は消えません。。。
それと、基本テキストとのリンクについては、各テーマごとに大雑把に記載されていますが、問題が肢別に綺麗に並んでいますので、テキストを参照するうえでは不自由はないと思います。
なお、基本的に、問題集としては分野別過去問題集があれば十分ですので、別途、このような一問一答問題集を購入する必要性は低いと思います。
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わかって合格(うか)る宅建士 一問一答 セレクト600(2023年度) 2023/1/22発売 ※2024年度版の予約販売中(1/25発売予定) |
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著者・編集
TAC宅建士講座 |
出版社
TAC出版 |
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収録内容
600肢(頻出・重要知識を厳選) |
出題形式
一問一答式 |
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掲載順
科目・分野別 |
ページ構成
左ページに問題、右ページに解答・解説 |
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テキストとの関連付け
『わかって合格る宅建士 基本テキスト』にリンク(該当の章項番号を明記) |
目隠しシート対応
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ページ数
464ページ |
価格
1,980円 |
<参考>一問一答問題集の活用法
一問一答問題集の良いところは、ひとつの論点をひとつの選択肢だけで学習できるため、4肢択一式で学習するよりも効率的に学習できるというメリットがあります。
それともう1点は、1問を解くごとに解答を見ることができるため、スピーディーにサクサクと問題演習を進めていくことができるという2点のメリットがあると考えています。
私も、個人的には一問一答問題集は好きで、他の資格試験(管理業務主任者試験)を受験する際、勉強期間があまり確保できなかったため、一問一答問題集のみで済ませたこともありました。
ただし、合格に必要なすべての論点を網羅しているタイプの一問一答問題集であれば、それだけで構わないのですが、この「セレクト600」に関しては、600肢だけでは少し不安ですので、使い道は限定されてしまうかと思います。
例えば、通常の勉強時間とは別に、スキマ時間を活用して問題を解くような使い方なら、一問一答の方が使いやすいですね。
また、試験までに過去問を全部解くような時間がなく、間に合わないと切羽詰まった際に、この一問一答問題集で、イチかバチか勝負を賭けるという使い方もあるかと思います。
わかって合格る宅建士シリーズの徹底レビューまとめ
以上、TACの「わかって合格(うか)る宅建士」シリーズをご紹介してきました。
このラインナップの中で、「わかって合格る宅建士 基本テキスト」については、正統派のテキストとして、初学者が、理由付けや趣旨などから法の理解を深めることができるテキストになっていますし、フルカラーで見やすさも兼ね備えています。そして、度重なる見直しにより、レイアウトも工夫され、メリハリもついてきました。
その他の問題集については、特別に評価すべきポイントはなく、いたって標準的な問題集のように思いますが、これは、どのシリーズでも言えることで、問題集で特別な特色を打ち出すことはあまりありませんので、特に問題はないと思います。
宅建の教材を選ぶ際は、それぞれ独自の特色を打ち出している「基本テキスト」を基準に選ぶべきだと思いますので、「わかって合格る宅建士」シリーズは、おススメできるシリーズだと思いますし、買って損はないと思います。
わかって合格るシリーズの使い方 ・勉強法
「わかって合格る宅建士」シリーズは、多彩なラインナップが揃えられていますが、全部揃えるような必要性はまったくありません。
上述したように、基本テキストと、分野別過去問題集があれば十分です。
基本テキストと分野別問題集を使った勉強法については、宅建は独学で合格できる!おすすめ勉強法のページで解説していますので、そちらを参考にしてください。
あとは、ご自身の必要に応じて、スキマ時間の勉強用などに、一問一答問題集の購入を検討いただければと思います。
あとは、当シリーズにはありませんが、「予想問題集(模試)」ですね。予想問題集については、宅建のおすすめ問題集(予想問題集)でご紹介していますので、そちらをご参照ください。
ただし、私としての一番のおススメは、徹底的に噛み砕いたわかりやすい解説の「らくらく宅建塾」であり、フルカラーテキストでいえば、図解・イラストを中心としながらもシンプルでわかりやすい解説のLEC「宅建士 合格のトリセツ」です。
それぞれ、以下のページでご紹介していますので、興味のある方はご覧いただければと思います。
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