TAC宅建講座の評判・口コミは?徹底レビュー!
更新日:2024年11月5日
TACの宅建講座には、通信講座と通学スクールがあり、通信講座については、当サイトの宅建講座おすすめランキングにおいて、おすすめNo.10という下位で紹介しています。
TACは、あくまでも通学教室をメインとした資格学校のため、教室運営にコストがかかり通信講座の受講料が高額になるのが、おすすめ上位で紹介できない大きな理由です。
また、”通学スクール”に関しては、宅建の学校・予備校おすすめランキングにおいて、おすすめNo.3としています。
講座内容自体は、カリキュラムも充実していますし、講師も教材も優れており、優れた講座が提供される予備校であることは間違いありません。
このページでは、TACの宅建講座の概要や、どのような点が優れているのか、また、どのような点が残念なのか、評判・口コミを踏まえながら掘り下げて紹介していきたいと思います。
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TACの宅建講座に関する評判・口コミ
まずはじめに、TACの宅建講座に関する評判・口コミから確認しておきたいと思います。
TACに関する代表的な評判・口コミを整理すると、以下のようなものが挙げられます。
良い評判・口コミ
- 大手スクールで実績と知名度もあり、安心できる。
- 合格者数を公表しており、確かな実績がある(例年1,000人を超える合格者)。
- 多彩なコースが用意されており、自由に選べる。
- 通信講座でも自習室が利用できる、回数無制限の質問など、サポート体制が充実している。
悪い評判・口コミ
- 受講料(価格)が高い。
- 教材、カリキュラムが充実し過ぎ。合格ではなく満点を目指しているように感じる。
このように、TACの宅建講座に関しては、良い評判も悪い評判も存在していますね。
TAC宅建講座の概要
次は、TAC宅建講座の概要について、簡単に確認しておきたいと思います。
TACは、1980年に公認会計士・税理士講座を開講し、会計の資格学校としてスタートしましたが、その後、宅建士、行政書士などの法律系・不動産系資格にも拡大し、業界最大規模の予備校になっています。
宅建士に関しては、テキストの出版にも力を入れており、「みんなが欲しかった!」シリーズなど多くのラインナップを揃え、ベストセラーになっていますね。
なお、2009年にWセミナー(早稲田セミナー)と事業統合し、司法試験や司法書士など法律系の資格講座もTACのブランドとして運営しています。
⇒ TAC宅建講座公式サイト |
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※ 教育訓練給付金の対象講座には、を表示しています。教育訓練給付制度は雇用保険制度のひとつで、要件を満たす方には通信講座の受講料の20%が給付されます。 |
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講座ラインナップ/受講料 |
<初心者向けコース>
<短期集中コース> <学習経験者向けコース> |
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公式サイト | TAC 公式サイトへ |
以下では、TACの宅建講座の初学者向け講座のメインコース「宅建士 総合本科生S Plus」を中心に、講座を構成する項目ごとに分けて、詳しく紹介していきたいと思います。
TAC宅建講座の講師・講義をレビュー!
まずは、TAC宅建講座の講義・講師からレビューしていきます。
試験対策のエキスパート講師陣
TACの宅建講座は、「わかりやすいこと」「宅建試験に合格すること」を第一の指導方針にしています。
宅建試験を知り尽くした試験対策のエキスパート「頼れる講師陣」が、わかりやすさと合格への熱意をもって、「戦略的カリキュラム」と「オリジナル教材」を最大限に活用した講義で指導してくれます。
ただし、LECや日建学院のような看板講師・名物講師といった講師は不在ですし、これまで主任講師を務めていた講師がいなくなった今では、他社に比べるとやや弱い印象です。
なお、講義は黒板の前に立ち、板書しながら講義を進めるスタイルです。通信講座の収録講義も、この教室講義を収録したものが使用されます。
通学スクールの受講形態
TAC宅建講座は、「通学」する場合には、以下の受講形態があります。
- 教室講座
… 講師から直接講義を受ける形態です。 - 個別DVD講座
… 自身のスケジュールに合わせて通学し、教室講義を生収録した映像を専用ブースで視聴する形態です。
TAC宅建講座のスケジュール・カリキュラムをレビュー!
次は、TAC宅建講座の学習スケジュール・カリキュラムについて見ていきます。
TACの戦略的カリキュラム
出典: TAC宅建講座
TACのカリキュラムは、短期間での合格を可能とする戦略的カリキュラムになっています。
宅建試験では、50問中概ね35問程度以上の正答が必要とされているため、TACのカリキュラムでは、試験範囲の全てをやみくもに勉強するのではなく、7割以上の正解ができる知識を効率よく学習できるようになっているんですね。
また、インプットとアウトプットの平行カリキュラムというのも、TACの戦略的カリキュラムのポイントです。
もちろん、平行カリキュラムというのは、どこの講座でも採用されていますが、毎講義ごとにミニテストを行うなど、TACでは、インプットと完全融合した豊富なアウトプットトレーニングが繰り返されるのが特徴的ですね。
総合本科生S Plusのカリキュラム
インプット講義は、「入門講義」、「基本講義」、「解法テクニック講義」、「直前対策講義」があり、アウトプットとして、「過去問答練」、「基礎答練」、直前ハーフ答練」、「直前答練」が、それぞれインプット講義と並行して実施されます。
出典:TAC宅建講座
このように、TACでは、インプットとアウトプットのバランスを重視したカリキュラムで、インプット講義で学習した内容をアウトプットで問題を解きながら確認していくという形で、効率よく学習を進められるようになっています。
総合本科生Sのカリキュラム
上記の「総合本科生S Plus」から、過去問答練(13回)を省いたコースになります。
総合本科生のカリキュラム
「総合本科生S」から、さらに入門講義(3回)を省いたコースになります。
答練本科生
学習経験者向けコースの「宅建士 答練本科生」では、問題演習不足を痛感している学習経験者が、とにかく問題演習をこなし、本試験での得点力を高めるためのアウトプット完全制覇コースとなっています。
これまで、インプット学習にばかり時間を費やしてしまい、アウトプット学習が不足していると実感している受験生におすすめします。
この「宅建士 答練本科生」では、まずは、過去問対策を徹底的に行う「過去問答練(13回)」から始まり、科目ごとに基本的知識の確認を行う「基礎答練(4回)」、そして、科目別に本試験で通用する応用力を身に付けていくる「直前ハーフ答練(3回)」と続きます。
直前期に入ると、出題予想論点を重点的にピックアップした本試験形式の「直前答練(4回)」が始まり、そして最後に、本試験の疑似体験として最終チェックを行う「全国公開模試(1回)」で総仕上げを行います。
このように、「答練本科生」は、着実に本試験対応力を身に付けるためのアウトトップ専用カリキュラムになっています。
150時間を超える充実のカリキュラム
以上のカリキュラムにより、TAC宅建講座の総講義時間は163時間という、たっぷりのボリュームになっています。(インプット講義:100時間、アウトプット講義:63時間)
講義時間数が長いということは、それだけ丁寧な講義を受けることができるわけですが、逆に言うと、それだけ学習期間が長くかかってしまうことにもなります。
この点については、ご自身が確保できる勉強期間と相談しながら判断する必要がありますね。
TAC宅建講座のテキスト・問題集・アプリをレビュー!
次は、TAC宅建講座の教材に関するレビューです。
ノウハウを凝縮したオリジナル教材
TACの宅建講座では、長年の受験指導によって蓄積された合格するためのノウハウが詰まった完全オリジナルの「基本テキスト」、「過去問題集」、「講義レジュメ」などが使用されます。
出典:TAC宅建講座
その他、入門講義レジュメ、まとめ講義レジュメ、ミニテスト、解法テクニック講義レジュメ、各種答練の問題・解説冊子など、充実した教材群が用意されています。
ただし、印刷は、いずれも白黒印刷です。
テキストは重要ポイントが一目瞭然
メインテキストとして使用される「基本テキスト」は、難しい内容もわかりやすく丁寧に解説し、図解とポイントマークで学習の重要ポイントも一目瞭然になっています。
<基本テキストの特徴>
- 重要度をランク付けし、メリハリをつけて講義で解説
- 近年の出題傾向を示すことで、本試験での重要度を判断
- 各章末の「POINT」で、重要事項やポイントを公式化
- 「ケース・スタディ」で、試験の出題形式にあわせた一例を示すことで、得点を取るための思考法を身に付ける。
問題集はA5サイズでコンパクト
メインのアウトプット教材として、基本テキストに連動した過去問題集「トレーニング」が使用されます。
出典:TAC宅建講座
見開きの左ページが問題、右ページが解説となっており、学習しやすいレイアウトになっています。
テキストよりも一回り小さいA5サイズになっていますので、持ち運びに便利ですね。
アプリなど充実のデジタル教材
TACの通信講座は、Web通信とDVD通信のいずれかから選択することができ、このうちWeb通信を選択した場合は、講義動画をWebで受講することができます(スマホ、タブレット、パソコンいずれも利用可)。
音声ダウンロードも可能なため、携帯音楽プレイヤー等で講義を聴くこともできます。
なお、講義動画は、7段階に速度調節が可能で、0.8倍速から2倍速まで調整して再生することが可能となっています。
また、過去問がアプリで解ける「スマトレアプリ」も導入されていますので、外出先などのスキマ時間にも問題演習ができますね。
さらに、「スマートテキスト」としてデジタルテキストも用意されていますので、過去問だけでなく、テキストもスマホで読むことができます。
TAC宅建講座の合格率・合格実績
つづいて、TAC宅建講座の合格実績を確認しておきたいと思います。
過去11年で11,882名の合格者を輩出!
TACの宅建士講座(本科生)では、2023年度の宅建試験において、940名の合格者を輩出するなど、例年数多くの合格者を輩出しており、2013年度から2023年度の11年間で、11,882名もの合格者数になります。
年度 | TACの合格者数 |
---|---|
2013年度 | 910名 |
2014年度 | 1,097名 |
2015年度 | 1,049名 |
2016年度 | 1,216名 |
2017年度 | 1,256名 |
2018年度 | 1,255名 |
2019年度 | 1,285名 |
2020年度 | 911名 |
2021年度 | 1,063名 |
2022年度 | 900名 |
2023年度 | 940名 |
この数字は、通信だけでなく、通学講座も含めた数字ですが、このように具体的な数値を公表するというのは、安心できますね。
TAC宅建講座のサポート体制
次は、TAC宅建講座のサポート体制です。
回数無制限の質問対応
TACの宅建講座では、インターネットフォローシステム(i-support)やFAX(質問カード)により、質問することができます。質問回数は無制限です。
通学スクールの場合は、もちろん講師に直接、質問や相談をすることも可能です。
自習室も利用可能
また、通信講座の受講生であっても、全国各地にあるTACの校舎で、自習室が利用できますので、学習に専念できる環境で自習することも可能です。
TAC宅建講座の特徴まとめ表
⇒ TAC宅建講座公式サイト |
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受講料 |
(給付制度は通学のみ)
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講義時間数・スタイル |
①163時間(インプット100時間+アウトプット63時間) ②130時間(インプット100時間+アウトプット30時間) ③113時間(インプット83時間+アウトプット30時間) ④73時間(インプット53時間+アウトプット20時間) 講義は通学講座を収録。黒板の前に立ち、板書しながら解説 |
教材 |
【テキスト】白黒冊子版テキスト 【問題集】冊子版問題集 【eラーニング】講義受講、テキスト参照、問題演習(スマホ、タブレット、パソコンいずれも利用可) |
合格実績 |
940名の合格者を輩出(2023年度) |
サポート体制 |
メール・FAXによる質問対応(回数無制限) |
総合評価 |
65点 |
公式サイト | TAC 公式サイトへ |
TACの宅建講座を徹底レビュー!【まとめ】
TACは、会計の資格学校からスタートしたとはいえ、今では法律系も不動産系も、あらゆる資格で実績を積み重ねています。
ただし、宅建試験に関しては、いわゆる名物講師・カリスマ講師と呼ばれるような人気講師が不在ということもあり、目立った推しポイントが少ないように感じます。
他社と差別化ができているとすれば、戦略的カリキュラムでしょうか。
とはいえ、信頼できる実績や、プロフェッショナル講師陣による講義、ノウハウを凝縮した教材、戦略的カリキュラムなど優れた講座が提供される予備校であることは間違いありません。
高額な受講料と、それに見合った充実した講座内容で、万全の合格力を身に付けることができます。
ですので、「通学スクール」を検討する場合には、候補にひとつに必ず入ってくるはずです。
ただし、”通信講座”で考えた場合は、正直なところ、これほどまでの学習をする必要はないのではないか、と感じてしまいます。。もっと低価格で、シンプルなカリキュラムの講座で十分に合格できるわけですから。
TACのカリキュラムは、通学講座を前提としているため、通学してもらう以上、万全の知識を提供しようということなのかもしれません。
ですので、”通信講座”を検討する場合は、やはり通信講座専門校(アガルート・フォーサイト・スタディングなど)の中で検討するのがベターかと思います。