行政書士の合格に必要な勉強時間は?勉強スケジュールも解説
更新日:2025年9月3日
このページでは、行政書士試験に独学で合格するために必要な勉強時間について解説します。
また、勉強スケジュールや時間配分についても、実際に独学で合格した私の経験に基づき解説しますので、ぜひ参考にしてください!
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行政書士の合格に必要な勉強時間は?
では、行政書士試験に独学で合格するために必要な勉強時間について、解説します。
- 初心者の勉強時間の目安は、500時間(~800時間)
- 宅建合格者なら最短300時間で合格も可能
- 学習期間は6ヶ月~1年が標準的
初心者の勉強時間の目安は500時間(~800時間)
一般的に、初心者が行政書士試験に合格するためには、500時間の勉強時間が必要といわれています(※最近は800時間とする説も増えてきました)。
人それぞれ、法学部で法律を学んだことがあるかどうか、他資格の受験経験など予備知識がどれだけあるかなど違いがありますので、500時間というのはあくまでも目安になりますが、初心者の方は、とりあえず500時間を目処に勉強計画を立てていただければと思います。
下記の関連記事では、行政書士の勉強時間や難易度について、他資格と比較しながら解説していますので、気になる方はそちらも合わせてご覧ください。
宅建合格者なら最短300時間で合格も可能
宅建試験の合格者なら、最短300時間の勉強時間で合格することも可能です。
実際に私の場合は、宅建試験の受験勉強で、行政書士試験の重要な科目のひとつ「民法」を学習済みだったことから、独学で約240時間の勉強時間で行政書士に合格できました。
ですので、宅建試験や司法書士試験など、試験科目が被る資格試験の合格者なら、私のように300時間ほどの勉強時間で行政書士に合格することも可能なはずです。
学習期間は6ヶ月~1年が標準的
一般的に、行政書士に合格するためには6ヶ月から1年程度の学習期間が必要と言われています。
とはいえ、1日の勉強時間によって、この学習期間というのは大きく変わりますよね。
私の場合は、行政書士試験に独学で合格するまでの学習期間は、約4ヶ月間でした。
行政書士試験は、11月の第2日曜日に実施されますので、その4ヶ月前の8月から勉強を開始しました。
1日の勉強時間は何時間?何ヶ月で合格できる?
では、行政書士試験に合格するためには、1日に何時間ぐらい勉強すればいいのか、また、その勉強時間に応じて何ヶ月で合格できるのか、以下で解説していきます。
- 1日に3時間の勉強で半年、2時間なら9ヶ月かかる
- 3ヶ月の短期合格は非現実的、4ヶ月なら可能性あり
- 1日の勉強時間が多い方が勉強効率は高い
1日に3時間の勉強で半年、2時間なら9ヶ月かかる
行政書士の勉強時間が500時間とした場合に、1日の勉強時間によって、必要な学習期間がどのように変化するか整理すると、以下のようになります。
1日の勉強時間 | 学習期間 |
---|---|
3時間 | 半年 |
2時間 | 9ヶ月 |
1時間 | 1年半 |
例えば、1日に3時間の勉強時間が確保できるなら半年程度の期間になりますし、1日に2時間なら9ヶ月程度、1日に1時間しか勉強できないなら1年半程度の期間が必要になる、と考えていただければいいかと思います。
3ヶ月の短期合格は非現実的、4ヶ月なら可能性あり
もし仮に、最短3ヶ月(~4ヶ月)という短期合格を果たすには、どれぐらいのスケジュールで勉強しないといけないのでしょうか。
以下では、実際に3ヶ月の学習期間で進める場合のスケジュールの目安を紹介します。
3ヶ月で合格するための勉強スケジュール
3ヶ月で500時間というのは、社会人がフルタイムで働きながら勉強する場合、平日と土日で勉強時間に差が出るはずですので、1週間で40時間の勉強をする必要があると考えた方がわかりやすいですね。(40時間×4週×3ヶ月≒500時間)
例 | 3ヶ月で合格するための1週間の勉強時間 |
---|---|
例1 | (平日)3時間×5日=15時間 (土日)12.5時間×2日=25時間 1週間合計 40時間 |
例2 | (平日)4時間×5日=20時間 (土日)10時間×2日=20時間 1週間合計 40時間 |
いかがでしょうか?ちょっと現実離れしているように感じますよね。。
私の経験上、フルタイムで仕事をしている場合、平日の勉強時間は、どう頑張っても3時間が限界でしたし、休日は8時間ぐらいが限界でした。
もちろん、もっと勉強できる方もいらっしゃるかもしれませんが、この案は、本当に最悪のケースですよね。できることなら、もっと余裕を持って勉強したいですよね。
4ヶ月で合格するための勉強スケジュール
では、4ヶ月で500時間の勉強をしようとした場合は、1週間で30時間になります。(30時間×4週×4ヶ月≒500時間)
例 | 4ヶ月で合格するための1週間の勉強時間 |
---|---|
例1 | (平日)3時間×5日=15時間 (土日)7.5時間×2日=15時間 1週間合計 30時間 |
例2 | (平日)2時間×5日=10時間 (土日)10時間×2日=20時間 1週間合計 30時間 |
いかがでしょうか。平日に3時間なら、土日は7時間30分。平日に2時間なら土日は10時間ということになります。
正直、かなりハードなスケジュールには違いありませんが、頑張ればできないことはなさそうですよね。
勉強は、長期間になればなるほど大変ですが、4ヶ月という短期決戦なら、瞬発力で乗り切ろうと思えば乗り切れる期間です。
ということで、最短合格を目指すにしても、4ヶ月ぐらいの期間は見ておいた方がよさそうですね。
- 3ヶ月の合格は独学では困難ですが、短期講座を受講すれば実現可能です⇒ 行政書士に3ヶ月で最短合格!独学は無理?短期講座おすすめ3選
1日の勉強時間が多い方が勉強効率は高い
1日1時間で1年半勉強するのも、1日3時間で半年勉強するのも、勉強時間の合計は同じですが、その勉強効率は1日3時間の方が圧倒的に高くなります。
というのは、1日の勉強時間が少なくて長期戦になる場合は、覚えたことを忘れてからまた覚え直すサイクルが長くなってしまい、記憶の定着がなかなか進まないためです。
1日の勉強時間を長くして短期集中で勉強する方が、繰り返しのサイクルが早くなりますので、勉強の効率は格段に上がります。
このことは、私が司法書士の勉強をした際に、強く実感しました。1日の勉強時間が増えると、こんなにも勉強の捗り方が違うのか、と痛感しましたね。
1日の勉強時間が2倍に増えれば勉強が2倍捗るといった単純な話ではなく、3倍にも4倍にも効率が上がるイメージです。1回転するのが早くなればなるほど、記憶の定着が効率的に進むんですね。
忙しい社会人はスキマ時間を活用する
行政書士試験の勉強は、基本的には、仕事が終わってから勉強したり、朝早く起きて勉強することになると思います。
私も、仕事から帰ってきてから行政書士の勉強をしていましたし、管理業務主任者試験では、朝1時間早く起きて勉強していました。司法書士試験では、睡眠時間を削って勉強していたこともありました。
しかし、仕事で忙しい社会人は、なかなか勉強時間の確保が難しいと思います。
そこで、活用すべきは”スキマ時間”です。
- 通勤時間
- 昼休み時間
- 食事時間
- 移動時間
- 入浴中・布団の中の時間
通勤時間
私は、車通勤のため通勤時間は使えませんでしたが、電車通勤の方にとっては、電車の中で過ごす通勤時間は、勉強するには適した時間なのではないでしょうか。
昼休み時間
昼休みの時間もけっこう使えると思います。
私は、マンション管理士試験の際は、昼休みにスマホを使って勉強していました。
昼休みは1時間あったので、最低でも30分程度は時間が余りますよね。この時間に、休憩所でコーヒーを飲みながら、スマホで勉強していましたね。
食事時間
賃貸不動産経営管理士試験の際は、朝食(パン)を食べながらの時間や、その後のコーヒーを飲みながらの時間も、勉強時間にしていました。
移動時間
司法書士試験のときは、暗記事項をまとめた手のひらサイズの小さな紙切れを自分で作って、移動中に歩きながらチラチラ見ながら、何度も何度も暗唱して覚えていましたね。
入浴中・布団の中の時間
FPの試験では、入浴中や布団の中で、その日に勉強した内容を、ひととおり頭に思い浮かべて再生することで、記憶に定着させたりしていました。
このように、勉強に活用できるスキマ時間は、探せばいくらでもあります。
仕事で忙しく、なかなか勉強時間が確保できない方は、このようなスキマ時間をフル活用して、勉強時間を確保してみてください。
勉強スケジュールと勉強時間の配分
それでは実際に、私がおすすめする行政書士の勉強法に沿って具体的に勉強時間を配分し、スケジュールを組んでみたいと思います。
- テキストを通読する【53時間】
- 問題集を解きながらテキストを覚える時間【150時間×3周】
- 模試を解いて復習する時間【9時間×3回分】
テキストを通読する時間【1周53時間】
まず最初に、テキストを通読する時間です。
行政書士の基本テキストは、800ページ前後のものが主流ですので、800ページとしておきます。
そして、1時間に読めるページ数は、私の場合15ページぐらいですので、ここでは15ページと仮定しておきます。
800ページを1時間に15ページのペースで読むと、テキストを通読するのに53時間かかることになります。
問題集を解きながらテキストを覚える時間【150時間×3周】
次に、問題集を解きながらテキストを覚える時間です。
問題集の収録数は、五肢択一式(選択式・記述式を含めて)の厳選問題集の場合は300問程度のものが主流ですが、ここでは過去10年分の過去問を解くと仮定し、600問としておきます。
そして、1時間に4問(20肢)解くとすると、全問を解き終わるのに150時間かかることになります。
これを3周回すとすれば、150時間×3周=450時間です。
模試を解いて復習する時間【9時間×3回分】
次に、模試を解いて、復習する時間です。
市販の模試は、3回分収録されているものが中心ですので、3回分で計算します。
1回分を解くのに3時間で、その復習に倍の6時間かかるとすると、1回あたり9時間です。
これを3回分で、9時間×3回=27時間になります。
具体的な勉強スケジュール表【トータル500時間】
以上を前提に、どれぐらいの勉強時間になるのかスケジュールを組んでみると、次のようになります。
勉強内容 | 勉強時間 |
---|---|
1. テキストを通読する | 53時間 |
2. 問題集を解きながらテキストを覚える | 150時間×3周=450時間 |
3. 模試を解いて復習する | 9時間×3回=27時間 |
合計 | 530時間 ≒500時間 |
以上のようなスケジュールになり、概ね500時間の勉強時間になってきますね。
スケジュールは柔軟に見直しを
上記はあくまでも、ひとつの例ですので、実際にこれと同じようにスケジュールが進むわけではありませんが、参考にしていただければと思います。
実際の勉強スケジュールの組み方としては、まずは大まかなスケジュールを立てたあと、ひとまず勉強を始めてみて、自分が1時間で何ページぐらい読めるのか、そして1時間に何問ぐらい解けるのかを確認しながら進めていきます。
その後、そのペースに基づいて、随時スケジュールを見直していく、というスケジュールの組み方をするのが良いかと思います。
スケジュールに余裕があることがわかれば、過去問を解く回数を増やしたり、五肢択一の過去問のほか、肢別過去問集を採り入れることなども検討すればいいと思います。
逆に、スケジュールが間に合わないことがわかれば、過去問を解く回数を(科目に応じて)減らすことや、そもそも使う過去問を、収録問題数が少ない厳選された過去問集に変更することなどを検討しながら、柔軟にスケジュールを見直していけばいいかと思います。
- おおまかなスケジュールを立てる。
- 勉強を進めながら、1時間で何ページ読めるのか、何問解けるのかを確認する。
- 随時スケジュールを見直す。
⇒余裕があるなら、過去問を解く回数を増やすことや、別の過去問集を採り入れることなどを検討
⇒間に合わないなら、解く回数を減らすことや、厳選問題集に変更することなどを検討
行政書士の勉強時間まとめ
以上、行政書士試験に合格するための勉強時間について紹介してきました。
最後に、ここまでの内容を整理しておきたいと思います。
- 勉強時間の目安は500時間 (~800時間)
- 勉強期間は半年~1年程度が標準的
- 4ヶ月の短期合格も、頑張れば可能
- 忙しい社会人はスキマ時間を活用する
独学は、確かに通信講座や通学講座を受講する場合に比べ、デメリットも多くありますが、多くの方が独学でも合格しているという事実があります。
私自身も、宅建の受験経験があったとはいえ、4ヶ月間の独学で行政書士に合格することができました。
行政書士試験に独学でチャレンジし、ぜひ合格を勝ち取ってください!
独学が不安な方は通信講座もおすすめ
なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には通信講座もおすすめです。
下記の記事では、行政書士のおすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式で紹介しています。費用の安さや合格率の高さ、サポートの充実度など項目別のおすすめ講座も紹介していますので、参考にしてください。
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