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行政書士試験の難易度は?合格率や偏差値・勉強時間を解説

更新日:2024年8月17日

行政書士試験の難易度は?合格率や偏差値・勉強時間を解説

 行政書士は人気資格ですが、実際のところ「どれぐらい難しいの?」「どれだけ勉強したら合格できるの?」など気になっている方も多いのではないでしょうか。

 このページでは、行政書士試験の難易度について、偏差値・合格率・勉強時間を他の資格と比較しながら解説していきます。

 また、難易度が高い理由や、合格点を超えるポイントなども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。行政書士、宅建士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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行政書士試験の難易度は?

行政書士試験の難易度は?

 行政書士試験の難易度は、合格率10%前後・偏差値62で、難関資格に位置付けられます

 また、合格するために必要な勉強時間は500~800時間といわれていますので、ちょっとした思い付きで合格できるような簡単な試験ではありません。本気で勉強しないと合格できません

 行政書士の難易度は、宅建と比較されることがよくありますが、確かに宅建よりも難しいと思います。

 ただし、私自身は、宅建より行政書士の方が短時間の勉強で合格できたため、宅建合格者にとっては、そこまで難しい資格ではないと考えていただいて大丈夫だと思います。

 以下では、合格率・偏差値・勉強時間に基づいて、行政書士の難易度を詳しく解説していきます。

行政書士の難易度
  • 合格率は約10%で推移
  • 偏差値62の難関資格
  • 合格に必要な勉強時間は500~800時間

合格率は約10%で推移

行政書士試験の合格率の推移

 では、行政書士試験の合格率から見ていきます。

 上のグラフは、行政書士試験の過去10年間の合格率の推移です。

 行政書士試験の合格率は、一番低いときで約8%、一番高いときで約15%とバラつきはありますが、おおむね10%前後で推移していることがわかります。

 合格率が10%しかない行政書士試験は、明らかに難関資格ですね。

 下の表は、過去10年の受験者数と合格者数、そして合格率を示した表です。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成26年度
(2014年度)
48,869 4,043 8.3%
平成27年度
(2015年度)
44,366 5,820 13.1%
平成28年度
(2016年度)
41,053 4,084 10.0%
平成29年度
(2017年度)
40,449 6,360 15.7%
平成30年度
(2018年度)
39,105 4,968 12.7%
令和元年度
(2019年度)
39,821 4,571 11.5%
令和2年度
(2020年度)
41,681 4,470 10.7%
令和3年度
(2021年度)
47,870 5,353 11.2%
令和4年度
(2022年度)
47,850 5,802 12.1%
令和5年度
(2023年度)
46,991 6,571 13.98%
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター

 直近の2023年度試験で見ると、受験者数 46,991人のうち6,571人が合格しており、合格率は13.98%となっています。

 合格者が6,571人と聞くと、かなり多くの人が合格するんだなぁと感じるかもしれません。しかし、46,991人が受験しているわけですから、40,420人が落ちていることになります。

 行政書士試験は、受験者のほとんどが落ちる難関試験だというのが実感できますね。

偏差値62の難関資格

 次は、行政書士試験の偏差値です。

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するのは、本来は不可能です。

 しかし、「資格難易度ランキング」というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、仮の偏差値を独自に算出する試みがなされています。

 この数値によると、行政書士の偏差値は62とされており、偏差値60以上は「難関資格」とされています。

合格に必要な勉強時間は500~800時間

 行政書士試験に合格するためには、初心者の場合、500~800時間の学習が必要になります。最低でも500時間の勉強時間が必要なことから難易度が高いことがわかりますね。

※ 以前は500時間といわれることが多かったですが、最近は800時間といわれることも増えてきています。

 もちろん、予備知識がある方や、宅建など他資格の学習経験がある方なら、もっと短時間での合格も可能です。

 私の場合は、先に宅建に合格していましたので、一般的に必要とされる半分の勉強時間(約240時間)で合格することができました。

 では、1日あたりの勉強時間ごとに、どれぐらいの学習期間が必要になるのか表にまとめると、以下のようになります。(この表では、500~600時間を目処にした勉強期間を算出しています。)

1日の勉強時間 1週間の勉強時間 合格までに必要な期間
5時間 35時間 4ヶ月(600時間)
4時間 28時間 5ヶ月(600時間)
3時間 21時間 6ヶ月(540時間)
2時間 14時間 9ヶ月(540時間)

 社会人が働きながら勉強することを考えると、1日に2時間ぐらいは頑張れば確保できると思いますが、3時間というのは私の経験上、少し無理をしないと難しいと思います。

 そこで、1日に2時間を確保するとすれば、9ヶ月ぐらいで合格ラインの500時間を超えることができます。

 少し無理をして、1日3時間頑張れば、半年の勉強で合格することもできそうですね。

 行政書士試験は11月の第2日曜日に実施されますので、1日に2~3時間の勉強をするとしたら、1月~4月頃には勉強を始めておく必要があります。

行政書士試験の難易度を他資格と徹底比較

 上記では、行政書士試験の難易度を測る指標として、合格率・偏差値・勉強時間について、それぞれ見てきました。

 次は、他の資格と比較した場合に、どれぐらいの難易度になるのか、見ていきたいと思います。

 士業や有名資格の難易度を一覧表にまとめると、下表のようになります。

No. 資格名 合格率 偏差値 勉強時間
1 弁護士 (予備試験)3%
(司法試験)40%
77 6,000時間
2 公認会計士 10% 77 3,000時間
3 司法書士 4% 76 3,000時間
4 税理士 【科目合格】15%
【最終合格】2%
75 3,000時間
5 中小企業診断士 【1次】30%
【2次】18%
【最終合格】6%
67 1,000時間
6 社労士 6% 65 1,000時間
7 土地家屋調査士 8% 64 1,000時間
8 行政書士 10% 62 500~800時間
9 マンション管理士 9% 62 500時間
10 簿記2級 20% 58 200~300時間
11 宅建士 15% 57 300時間
12 FP2級 学科:40%
実技:50%
48 150~300時間
偏差値の出典:資格難易度ランキング

合格率は社労士・司法書士より高く、宅建士より低い

行政書士の難易度を合格率で比較したグラフ

 行政書士試験の合格率を、他の有名な法律系資格と比較してみると、上のグラフのようになります。

 このように、司法書士は4%しか合格率がなく、明らかに超難関資格です。そして、社会保険労務士も6%しかありません。

 一方で行政書士は、10%ほどの合格率があり、宅建士の15%よりやや難しいぐらいの位置づけです。

 行政書士は難関資格ではありますが、法律系の国家資格の中では比較的手軽にチャレンジできる資格といえますね。

 とはいえ、9割の人は落ちる試験ですから、十分な受験対策が必要です。

資格名 合格率
司法書士 約 4%
社労士 約 6%
行政書士 約10%
宅建士 約15%

士業・有名資格の偏差値ランキング

士業・有名資格の偏差値ランキング

 では、行政書士試験の偏差値を、士業や有名資格と比較すると、上のグラフのようになります。

 このグラフを見ると、偏差値70以上の超難関資格(弁護士、公認会計士、司法書士、税理士)は別格ですね。

 そして、行政書士は、中小企業診断士や社労士・土地家屋調査士に次ぐ難易度というのがわかります。

 また、マンション管理士と同等の難易度で、宅建士や簿記2級、FP2級と比べた場合は、行政書士の方が難しいというのもわかりますね。

資格名 偏差値
弁護士 77
公認会計士 77
司法書士 76
税理士 75
中小企業診断士 67
社労士 65
行政書士 62
マンション管理士 62
簿記2級 58
宅建士 57
FP2級 48
出典:資格難易度ランキング

勉強時間は中小企業診断士より少なく、マンション管理士より多い

行政書士試験の初心者にとっての難易度は?勉強時間の目安

 勉強時間についても、上記の偏差値と同様に、士業・有名資格と比較してみたいと思います。

 このグラフを見ると、弁護士の6,000時間から公認会計士・司法書士・税理士の3,000時間までの超難関資格は、まるで別格というのがわかります。

 行政書士の500~800時間という勉強時間から見た難易度も、上記の偏差値と同様、社労士や中小企業診断士、土地家屋調査士に次ぐ難易度で、マンション管理士よりやや難しい難易度といえそうですね。

資格名 初心者に必要な勉強時間
弁護士 6,000時間
公認会計士 3,000時間
司法書士 3,000時間
税理士 3,000時間
社労士 1,000時間
中小企業診断士 1,000時間
土地家屋調査士 1,000時間
行政書士 500~800時間
マンション管理士 500時間
宅建士 300時間
簿記2級 200~300時間
FP2級 150~300時間

行政書士の難易度が高いといわれる2つの理由

行政書士の難易度が高いといわれる2つの理由

 行政書士試験は、合格率10%の難関資格です。10人受験すれば9人が落ちる試験です。

 では、なぜこれほどに合格率が低く、難易度が高いのでしょうか。その理由として、次の2点が考えられます。

行政書士の難易度が高い理由
  • 試験範囲が広く、足切り点が設けられている
  • 出題形式が多様で対策が難しい

理由①:試験範囲が広く、足切り点が設けられている

 まず、難易度が高い理由として考えられるのは、試験範囲が広く、足切り点が設けられているという点です。

 行政書士試験は、法令科目として、

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法(会社法)
  • 基礎法学

 があり、基礎知識科目として、

  • 一般知識
  • 行政書士法等の諸法令
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

 があります。

 このように、法律系資格でありながら、法令系科目だけでなく、「基礎知識」という科目まであるということです。

 そして、法令科目と基礎知識のそれぞれに足切り点が設けられていますので、いくら法令科目で満点を取ったとしても、基礎知識で足切り点を超えられなければ合格できない、ということになります。

 ですので、行政書士試験は、試験範囲が広く、その広い範囲の知識を確実に一定レベル以上習得する必要があります。

 このため、行政書士試験は、難しいということに繋がってくるわけです。

理由②:出題形式が多様で対策が難しい

 次に、行政書士の難易度が高い理由として考えられるのは、択一式だけでなく、記述式や多肢選択式といった多様な形式で出題されるという点です。

 一般的な資格試験では、択一式のマークシート方式のみ、というパターンが多いかと思いますが、行政書士試験では、択一式だけでなく、多肢選択式と記述式の出題もあります。

 確かに、五肢択一式のマークシートが出題の中心にはなりますが(全体60問のうち54問)、多肢選択式が3問、記述式が3問出題されます。

 多肢選択式というのは、問題文が穴埋めで出題され、「1~20の選択肢から空欄ア~エに当てはまる語句を選択せよ」といった出題です。

 そして、記述式というのは、「設問に対する回答を40字程度で記述せよ」といった出題です。

 行政書士試験では、多様な形式で出題されますので、正誤を判断するだけの択一対策だけでなく、別途、多肢選択式の問題を解く訓練をしたり、記述式対策のために自分で文章を書く訓練をする必要があります。

 このため、しっかりとした受験対策ができなかった場合は、なかなか合格点を超えることができず、合格できないことになります。

行政書士試験の合格点

行政書士試験の合格点

 続いて、行政書士試験に合格する基準について確認しておきたいと思います。

合格点は絶対評価で算出

 一般に、国家試験では「相対評価」で合否が決まる試験が多く、あらかじめ何%、又は何人を合格させるか決められているケースが多いです。

 しかし、行政書士試験では、「絶対評価」が採用されていて、何点以上正解すれば合格、という合否の決め方になっています。このため、毎年の合格率に変動が生じることになります。

 行政書士試験は、下表のように、試験科目と出題形式に応じて配点が決められています。

試験科目 出題形式 出題数 配点 小計 合計
法令等 5肢択一式
(4点/問)
40問 160点 244点 300点
多肢選択式
(8点/問)
3問 24点
記述式
(20点/問)
3問 60点
基礎知識 5肢択一式
(4点/問)
14問 56点 56点

合格点は6割の正解

 合格点は、「法令等」が50%以上、「基礎知識」が40%以上、総合得点が60%以上(=180点以上)とされています。

 つまり、合計点で60%以上が合格ラインです。ただし、足切りが設けられており、法令等で50%と基礎知識で40%は得点する必要があるということですね。

 なお、2006年度試験以降、合格点については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置が加えられることがあるとされています。(実際に、この補正措置が加えられ、合格点が引き下げられたのは、2014年度試験のみです。)

行政書士試験に合格するための3つのポイント

行政書士試験の合格するための3つのポイント

 行政書士試験に合格するためのポイントは主に3つあります。

行政書士試験の合格するための3つのポイント
  • 基礎知識科目は最小限にとどめて法令科目を中心に対策する
  • 法令科目のうち特に配点の高い行政法と民法を重点的に勉強する
  • 過去問とテキストを往復しながら知識を定着させる

 ここでは、上記の3つのポイントについて詳しく解説していきます。

①基礎知識科目は最小限にとどめて法令科目を中心に対策する

 行政書士試験は法令科目と基礎知識科目に分かれています。

科目 配点 基準点
法令科目 244点 足切り点 122点(50%)
基礎知識科目 56点 足切り点 24点(40%)
合計 300点 合格点  180点(60%)

 法令科目は、全体300点の配点のうち244点を占めていて、最低でも122点の得点が必要です。

 一方、基礎知識科目は、全体300点のうち56点の配点しかなく、そのうち24点以上を取れば足切り点がクリアできます。

 このように、基礎知識科目は配点が少なく、足切り点も低めに設定されていますので、多くの勉強時間を注ぐのは効率が悪いですよね。

 基礎知識は出題範囲が無駄に広く、掴みどころのない科目です。高得点を狙おうとすると多くの学習時間を費やす必要があるため、足切りに引っ掛からないように最低限の学習で済ませるのが効率的です。

 このため、法令科目を中心に対策するようにしましょう。

②法令科目のうち特に配点の高い行政法と民法を重点的に勉強する

 法令科目244点のうち、「行政法」は112点、「民法」は76点の配点があり、この2科目の合計188点で法令科目の77%、試験全体の63%を占めています。

法令科目 五肢択一式 多肢選択式 記述式 合計
憲法 20点 8点 28点
行政法 76点 16点 20点 112点
民法 36点 40点 76点
商法(会社法) 20点 20点
基礎法学 8点 8点
合計 160点 24点 60点 244点

 つまり、この行政法と民法だけで、合格点の180点を超えるということです。(ただし、基礎知識で足切りを超える必要はあります。)

 行政法と民法は、基礎知識のような掴みどころのない科目とは違い、試験範囲をしっかり勉強すれば確実に点数が取れる科目です。

 勉強すれば勉強しただけ得点できますので、この2科目にしっかりと勉強時間を割いて、確実に高得点できるように仕上げるのが、行政書士試験合格のカギといえますね。

③過去問とテキストを往復しながら知識を定着させる

 勉強というと、テキストを読むのが中心になると考えがちですが、実際の勉強時間の配分は、過去問演習を中心にするべきです。

 とはいえ、過去問を覚えるわけではありません。テキストに載っている知識を覚えるんです。

 テキストの知識を覚えれば試験に合格できるわけですが、テキストを読むだけでは記憶に定着しません。

 過去問演習をすることで、テキストの知識を記憶することができるんです。

 過去問を解きながら、その知識がテキストのどこに書いてあったか頭に思い浮かべます。頭に浮かばなければテキストを開いてその都度確認します。

 このように、過去問とテキストの往復を繰り返すことで、確実に合格できる知識が身についていきます。

行政書士は独学でも合格できる?

行政書士は独学でも合格できる?

 では、難関試験である行政書士試験は、独学でも合格できるのでしょうか。それとも、通信講座や予備校を利用しないといけないのでしょうか。

 結論、独学でも合格可能です。その詳細について以下で解説します。

独学でも合格可能!

 私を含め、行政書士試験に独学で合格している方は数多くいらっしゃいます

 行政書士試験は、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、独学でも十分に合格可能な資格です。

 独学の勉強法のポイントは、以下のとおりです。

行政書士に独学で合格する方法
  • テキスト・問題集を購入する(最低限1冊ずつあればOK)
  • テキストを通読し、全体像を把握する
  • 章ごとにテキストを読み、そこに対応する問題集を解く
  • 問題集のみを解いていく(最低でも3回は解く)
  • 模試を受験する(又は予想問題集を解く)

 行政書士試験に独学で合格するための勉強法については、以下の記事で紹介していますので、そちらを参照してください。

 また、独学におすすめのテキストについては、以下の記事で紹介していますので、そちらを参考にしてください。

独学が不安な方は通信講座を受講すれば安心

 ただし、自分でテキストを読んで勉強するのが苦手な方もいらっしゃるかと思います。

 テキストを読んでもよく理解できない、眠くなってくる、といった方は、プロ講師の講義が受講できる通信講座(通信教育)を利用すれば、安心ですね。

 行政書士は人気資格ですので、各社から様々な講座が提供されています。以下の記事を参考にしてみてください。

行政書士の試験制度(試験日・受験資格・出題形式)

行政書士の試験制度(試験日・受験資格・出題形式)

 次は、 行政書士試験の試験日や受験資格、出題形式など、試験制度についてご紹介します。

試験日は年に1回・11月の第2日曜日

 行政書士試験は、年に1回だけ、11月の第2日曜日に実施されます。 

 この行政書士試験は、総務大臣の指定試験機関として都道府県知事から委任を受けた「一般財団法人 行政書士試験研究センター」が実施しています。

 2024年度の試験日程は、以下のとおりです。

行政書士試験の試験日程【2024年度】
申込期間 <郵送>
令和6年7月29日(月)~8月30日(金) ※消印有効
<インターネット>
令和6年7月29日(月)午前9時~8月27日(火)午後5時
一般財団法人 行政書士試験研究センター
試験日時 令和6年11月10日(日)
午後1時~午後4時(3時間)
合格発表 令和7年1月29日(水)午前9時
受験料 10,400円
※令和3年度までは7,000円でしたが、令和4年度以降10,400円に改定されています。

受験資格はなく誰でも受験できる

 行政書士試験には、年齢、学歴、国籍などの制約はありませんので、どなたでも受験できます。

出題形式はマークシート57問+記述式3問

 行政書士試験は、法令知識と基礎知識について問われる筆記試験で、マークシート(五肢択一式・多肢選択式)と記述式(40字程度)が出題されます。

 出題数は、マークシートが57問で、記述式が3問の合計60問です。

科目区分 試験科目 五肢択一式 多肢選択式 記述式
法令科目 憲法、行政法、民法、商法(会社法)、基礎法学 40問 3問 3問
基礎知識 一般知識、行政書士法等の諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解 14問 -- --

行政書士試験の難易度に関するよくある質問

行政書士試験の難易度に関するよくある質問

 行政書士試験の難易度に関するよくある質問について詳しく回答してご紹介します。行政書士の受験を検討する際、ぜひ参考にしてみてください。

弁護士・税理士・司法書士・行政書士の中で難易度が高いのはどれ?

 弁護士・税理士・司法書士・行政書士の合格までの勉強時間や合格率で比較してみると、以下のようになります。

資格 合格率 勉強時間の目安
弁護士(予備試験) 4% 6,000時間
司法書士 4% 3,000時間
税理士 【科目合格】
15%
【最終合格】
2%
3,000時間
行政書士 10% 500~800時間

 上記の表から、弁護士・司法書士・税理士と比べると、行政書士は比較的易しい難易度というのがわかりますね。

 合格率からも読み取れますが、勉強時間で見た方が、よりはっきりとわかります。

 行政書士は、弁護士の10分の1程度、司法書士・税理士の5分の1程度の難しさということになります。

行政書士の難易度を大学の偏差値に例えるとどれくらい?

 行政書士の偏差値は、上記のとおり「62」とされています。

 大学受験でいえば、MARCHぐらいに相当するのではないでしょうか。難関大学ですので、行政書士も難関資格だといえますね。

 ただし、行政書士試験の合格には、偏差値や大学は関係ありません。勉強すれば誰でも合格するチャンスがあります。

 とはいえ、大学受験で勉強習慣や勉強のコツが身に付いている方は、合格できる可能性が高まるかもしれませんね。

行政書士試験で民法の難易度はどのくらい?

 行政書士試験において、民法はもっとも難しい科目といわれています。

 民法は、行政書士をはじめ、司法書士や司法試験など法律系資格においても、中心的な試験科目ですので、奥が深いんです。

 行政法は暗記が中心ですが、民法は単純な暗記だけで対応できるものではありません

 暗記事項を暗記するのは当然のこととして、条文の趣旨目的からしっかり理解し、それを事例に当てはめて、判断できるようになる必要があります。

 民法を苦手とする受験生も多いため、受験生の中で、できる人とできない人に差が付く科目です。

 配点も、行政法に次いで2番目に大きい科目ですので、しっかり得点できれば、他の受験生に差をつけて、合格に近づくことができます。

合格者の平均受験回数は?

 行政書士試験合格者の平均受験回数は2回程度といわれています。

 行政書士と難易度が近い社労士・中小企業診断士・土地家屋調査士などの平均受験回数をまとめると、以下の表のようになります。

資格名 合格者の平均受験回数
社労士 4回
中小企業診断士 3回
土地家屋調査士 3回
マンション管理士 3回
行政書士 2回
宅建士 2回

 社労士試験の平均受験回数は4回、中小企業診断士・土地家屋調査士・マンション管理士は3回ですので、それに比べると、行政書士試験は短期合格者が多いですね。

 受験回数の内訳は、2回が一番多く、次に多いのが1回といわれていますので、一発合格者もかなり多く存在します

行政書士の難易度まとめ

 以上、行政書士試験の難易度について見てきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

行政書士の難易度まとめ
  • 行政書士は合格率10%、偏差値62、勉強時間500~800時間の難関資格
  • ただし、士業の中では、中くらいの標準的な難易度に位置付けられる
  • 6割正解すれば合格できる (ただし、基礎知識の足切り4割に注意)
  • 試験範囲が広く、足切り点が設けられていることや、出題形式が多様なことが、難易度が高い理由
  • 合格のポイント①法令科目を中心に対策 ②行政法・民法を重点的に ③過去問とテキストの往復
  • 独学でも合格可能!

 このように行政書士試験は、合格率10%・偏差値62という難関資格であり、10人中9人は落ちる試験です。

 しかし、士業の国家資格としては、標準的な難易度です。

 そして、絶対評価が採用されており、6割正解すれば合格できる試験です。

 ですので、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、500~800時間程度の勉強をしっかりとこなせば、誰でも合格することができます。

 ぜひ行政書士試験の合格を目指して頑張ってください!


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