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行政書士の独学初心者におすすめの勉強法!必要な勉強時間も解説

更新日:2025年5月7日

行政書士の独学に必要な勉強時間は?おすすめ勉強法を解説

 このページでは、行政書士の独学初心者におすすめの勉強法や合格に必要な勉強時間について解説します。

 また、効率的な勉強のコツや勉強スケジュールなど、実際に独学で行政書士試験に合格した私の経験に基づき詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください!

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。行政書士、宅建士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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行政書士の独学初心者におすすめの勉強法

独学で短期合格するコツと注意点

 それでは、初心者が独学で行政書士に合格するためのおすすめ勉強法について、紹介したいと思います。

 この勉強法は、私が行政書士試験に合格した当時の勉強法そのものではなく、その後、司法書士やFP1級などの難関資格に挑戦するなかで、いかに効率的に勉強するか追及し、ブラッシュアップした勉強法になります。

 おすすめ勉強法の全体の流れは下記のようになりますので、以下で順に解説していきます。

行政書士の勉強法
  1. テキスト・過去問を選ぶ(最低限、1冊ずつあればOK)
  2. テキストを通読して全体像を把握する
    • 注意点:わからなくても気にせず前に進むこと
  3. 問題集を解きながらテキストを覚える(最低3周)
    • コツ①:知識はテキストに集約する
    • コツ②:問題集を解くことでテキストを記憶する
    • コツ③:テキストの確認した箇所に線を引く
    • コツ④:基礎知識科目の対策は最小限にとどめる
    • コツ⑤:行政法と民法を重点的に勉強する
  4. 模試を受験する(又は予想問題集を解く)

1. テキスト・問題集を選ぶ

勉強法①:テキスト・問題集を選ぶ

 行政書士に独学で挑戦するためには、まずはテキスト選びから始めましょう。

 そして、そのテキストに対応した問題集も併せて選びます。

 独学の場合、最低限、テキストと問題集がそれぞれ一冊ずつあれば合格できます!

テキストの選び方

 行政書士試験に独学で合格しようとする場合、テキスト選びはとても重要です。

 以下の2点に重点を置いて選ぶのがおすすめです。

テキストの選び方のポイント
  • 丁寧な解説がなされているか(憲法:判例、民法・行政法:法の理解)
  • メリハリをつけて記述されているか(暗記事項・解説、図表、イラスト、事例、判例)

 テキストを選ぶうえで最も大切なことは、初心者がイチから理解できるよう、丁寧に解説されていることです。

 そして、判例が重要な憲法では、争点や判旨などが整理してわかりやすく記述されていること、また、法の理解が重要な民法や行政法では、法の趣旨や事例などわかりやすい解説がなされていること、がポイントになってきます。

 ただし、ズラズラダラダラと書かれていても、最後まで読む前に挫折してしまいます。

 たとえ最後まで読めたとしても、何を理解して、何を暗記すればいいのかわからず、頭に何も残りません。

 このため、しっかりメリハリをつけて記述されていることが大切です。

 メリハリというのは、暗記事項と解説との区別のほか、図表で整理したり、イラストを使ったり、事例で解説したり、判例の争点・判旨等の区別などの工夫も含みます。

 以下の記事では行政書士の独学におすすめの初心者向けテキストや参考書を詳しく紹介していますので、気になる方はぜひ合わせてご覧ください。

問題集の選び方

 問題集の選び方は、以下の2点に注意して選ぶのがおすすめです。

問題集の選び方のポイント
  • 色んな種類があるが、分野別過去問題集が必須
  • 原則、テキストと同シリーズの問題集を選ぶ

 行政書士の問題集には、「分野別過去問題集」「一問一答問題集」「年度別過去問題集」など、いくつかの種類がありますが、この中で必須なのは「分野別過去問題集」です。

 行政書士試験は、最低限「基本テキスト」と「分野別過去問題集」の組み合わせだけを、しっかり取り組めば、それだけで十分に合格できます

 そして、原則、テキストと同シリーズの分野別過去問題集を選ぶのがおすすめです。

 というのは、問題集にはテキストの参照ページが明記されています。このため、問題を解きながら素早くテキストに戻って確認できるからです。

 以下の記事では、行政書士の独学におすすめの問題集や過去問をまとめています。独学を検討している方は、ぜひ合わせてご覧ください。

2. テキストを通読して全体像を把握する

勉強法②:テキストを通読し、全体像を把握する

 独学用のテキスト・問題集が決まったら、いよいよ勉強開始です!

 まずは、行政書士の試験科目のうち、法令科目についてテキストを一通りザッと読みます

 細かいところは気にせず、大雑把にイメージを把握するぐらいで構いません。細かいところを気にすると前に進めなくなり、挫折するおそれがありますので。。

注意点:わからなくても気にせず前に進むこと

 独学の場合、講座を受講するのと違って、わからないことがあっても講師に質問することはできません

 わからないことが出てきた場合は、ネットで検索するなど自分で解決するしかありません

 ただし、ここで深入りすると前に進まなくなるため、これが独学の大きな落とし穴になります。わからないから悩む、、そして解決できずに投げ出す。。

 こうならないようにするには、気にせず前に進むことです。とにかく進む!

 何度も繰り返すうちにわかるようになります。テキストでわからなくても、問題集を解けばわかることもあります。一度解いてわからなくても、二度目に解いたらわかることもよくあります。

 ですので、とにかく悩み込むんでしまうのが一番ダメです。

 最初にテキストを読む際は、余計なところで引っ掛からないように注意してください。

3. 問題集を解きながらテキストを覚える(最低3周)

勉強法③:過去問を解きながらテキストを覚える(最低3周)

 テキストを一通り読んで全体像を把握したら、次は問題集を解きながらテキストを覚えていきます

 これが、全体の8~9割を占める重要な勉強のパートになります。

 問題集を解くといっても、いきなり問題を解くわけではありません。

1周目の解き方

 1周目は、以下の手順で解き進めます。

1周目の解き方
  1. 問題の肢を読む
  2. その問題に対応するテキストの箇所を探す(該当部分を見つけるまでは斜め読み)
  3. その問題が解ける範囲でテキストを読む
  4. テキストの内容が頭にインプットできたら問題を解く

 これを、1肢ずつ繰り返していきます。

2周目の解き方

 2周目は、以下の手順で解き進めます。

2周目の解き方
  1. 問題の肢を読む
  2. テキストの内容が頭に浮かべばそのまま解く
  3. 頭に浮かばないときは、テキストの該当部分を読んで頭にインプットしてから問題を解く

 この手順で2周目を解いていきます。

3周目以降の解き方

 そして、3周目以降も基本的には同じ解き方で進めます。

 ただし、3周目ぐらいになれば、テキストが頭に浮かぶ問題が増えてくると思いますので、記憶が曖昧な問題は、あとで復習できるようにチェックを入れておきます。(チェック欄がある問題集ならそこにチェックを入れる。チェック欄がないなら☆印を入れるなど)

 3周目が解き終わったら、チェックを入れた問題を解き直し記憶がまだ曖昧な問題には、もう一つチェックを入れておきます。(チェック欄がなければ、☆☆印を入れるなど)

 その後さらに、ダブルチェックが入った問題を解き直します

 これで、最低3回、苦手な問題は4~5回は解いたことになりますので、これだけ解いておけば、もう合格レベルに達しているはずです。

コツ①:知識はテキストに集約する

 上記の勉強法で、問題の肢を読んで、テキストの内容が「頭に浮かばないときは、テキストの該当部分を読んで頭にインプットしてから問題を解く」と書きました。

 行政書士試験は、ほぼほぼ暗記試験です。知識として頭に入っているかどうか、試験問題を解く際に、その知識を思い出すことができるかどうか、が問われる試験です。

 思い出すときは、必ずテキストを思い出すようにします。問題集の解説を思い出すわけではありません

 テキストと問題集に記憶が分散してしまうと、正確な知識にならずロスが出てしまいます

 また、問題集で覚えると体系的な知識になりません。バラバラで継ぎはぎの知識にしかならないんです。

 このため、問題を解くための知識がテキストに載っていない場合は、テキストにメモを書き込むようにします。

 必ずテキストを思い出すことを徹底することで、知識がテキスト1ヶ所に集約され、体系的な知識にすることができます

 そうすることで、同じ論点でも異なる角度から問われる問題や、応用的な問題にも対応できるようになります。

コツ②:問題集を解くことでテキストを記憶する

 問題集を解くことは、テキストの知識を記憶に定着させるための手段です。

 テキストを読むだけではなかなか知識を定着させることができませんが、記憶を何度も出し入れすることで、定着させることができます

 問題を解くことで、目の前にテキストがない状態で、テキストの内容を思い出す練習ができるわけです。

 問題を解く際に、テキストの内容が頭に浮かんでこなければ、必ずテキストを読み返すことを徹底しましょう。

 問題演習とは、思い出す訓練です。問題を解くことで、テキストを記憶するんです

 そして、その問題で直接問われている知識だけでなく、関連知識もすべて頭に浮かべられる状態にまで記憶していきます。(関連知識というのは、過去問の解説ページで整理されているような周辺知識のことです。)

 これは、私にとって、法律系資格の勉強における鉄則だと思っています。

コツ③:テキストの確認した箇所に線を引く

 問題を解くためにテキストを読む際や、曖昧な知識を確認するためにテキストを読み返した際は、そのポイントとなるキーワードに鉛筆やマーカーなどで線を引くようにしましょう。

 私は、行政書士試験の勉強の際は、マーカーで線を引いていましたが、最近は(司法書士試験やFP試験)、鉛筆(シャープペン)だけで線を引くようになりました

 マーカーで線を引くと、引き間違いや引き過ぎなどの修正がしにくいことや、強弱の変化を付けにくいのが理由です。

 マーカーで色分けすれば、意味合いに変化を持たせることもできますが、私はシャープペンで、下線のみ、四角く囲む、丸く囲むなど変化をつけています

 また、何度読んでも記憶に残っていないところは、そこを確認するたびにシャープペンで何重にも線を引いたり、グリグリ囲ったりしながら頭に叩き込むことができるので、私は鉛筆(シャープペン)で線を引く方が好きです。

 なお、テキストを読んだ際に、すっと頭に入ってこなかった場合は、次に読んだ際に同じことを繰り返さないように、自分なりに理解した過程や記憶した過程を一言でわかりやすくメモしておくといいですね。

コツ④:基礎知識科目の対策は最小限にとどめる

 行政書士試験は、「絶対評価」が採用されており、法令科目で50%以上、かつ、基礎知識科目で40%以上、かつ、総合得点で60%以上(=180点以上)が得点できれば合格です。

 この合格点を効率的に超えるためには、コツがあります。

 行政書士試験は法令科目と基礎知識科目に分かれています。

科目 配点 基準点
法令科目 244点 足切り点 122点(50%)
基礎知識科目 56点 足切り点 24点(40%)
合計 300点 合格点  180点(60%)

 法令科目は、全体300点の配点のうち244点を占めており、最低でも122点の得点が必要です。

 一方、基礎知識科目は、全体300点のうち56点の配点しかなく、そのうち24点以上を取れば足切り点がクリアできます。

 このように、基礎知識科目は配点が少なく、足切り点も低めに設定されていますので、多くの勉強時間を注ぐのは効率が悪いですよね。

 基礎知識は出題範囲が無駄に広く、掴みどころのない科目です。高得点を狙おうとすると多くの学習時間を費やす必要があるため、足切りに引っ掛からないように最低限の学習で済ませるのが効率的です。

 このため、法令科目を中心に対策するようにしましょう。

コツ⑤:行政法と民法を重点的に勉強する

 法令科目244点のうち、「行政法」は112点、「民法」は76点の配点があり、この2科目の合計188点で法令科目の77%、試験全体の63%を占めています。

法令科目 五肢択一式 多肢選択式 記述式 合計
憲法 20点 8点 28点
行政法 76点 16点 20点 112点
民法 36点 40点 76点
商法(会社法) 20点 20点
基礎法学 8点 8点
合計 160点 24点 60点 244点

 つまり、この行政法と民法だけで、合格点の180点を超えるということです。(ただし、基礎知識で足切りを超える必要はあります。)

 行政法と民法は、基礎知識のような掴みどころのない科目とは違い、試験範囲をしっかり勉強すれば確実に点数が取れる科目です。

 勉強すれば勉強しただけ得点できますので、この2科目にしっかりと勉強時間を割いて、確実に高得点できるように仕上げるのが、行政書士試験合格のカギといえますね。

4. 模試を受験する(又は予想問題集を解く)

勉強法④:模試を受験する(又は予想問題集を解く)

 行政書士試験を受験する場合は、独学の場合であっても、模試(模擬試験)は受験しておいた方がよいと言われることがあります。

 模試を受験することにより、自分の学習の進み具合の確認ができ、自分の苦手分野・弱点を把握できるからです。

 また、順位が出ますので自分の実力を知ることができますので、ここで把握した弱点を、本試験に向けて集中的に補強していくことができます。

 さらに、受験指導校が過去の出題傾向を分析したうえでの予想問題が出題されるため、その年の本試験に出題される可能性が高い問題を押さえることもできます。

 そして、本試験と同じ時間・形式で行われるため、解答の時間配分やマークシートの解答形式、本試験での緊張感に慣れることなどの効果も期待できます

 私自身は、模試を受験するような時間的余裕がなかったため受験しませんでしたが、模試にはこのように様々な効果がありますし、1回受験するだけなら数千円で済みますので、時間が確保できる方は、受けるに越したことはないと思います。

 模試としては、予備校が実施する模試を受験するという方法と、それに代えて予想問題集(模試)を解くという方法の2種類が考えられます。

 それぞれ、以下のページで紹介していますので、参考にしてください。

【参考】基礎知識(旧:一般知識)の勉強法

 ちなみに、基礎知識(旧:一般知識)については、私は試験の2週間前ぐらいからテキストを読みましたが、問題集は解きませんでした。

 基礎知識の対策に無駄に時間を費やすことは避けるべきです。

 試験直前期に最後の詰め込み学習として、「一般知識」「行政書士法等」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」のうち、「行政書士法等」、「情報通信・個人情報保護」の分野を中心に、テキストを読み込んで、なんとか最低限の対応ができるようにしておけばよいと思います。

 もちろん、日頃から社会に関心をもって、ニュースなどで情報取集をしておくというのが一番の対策だとは思いますが。。。

【参考】記述式の勉強法

 なお、法令科目に関して、記述式の問題が3問出題されますが、私は特別な対策は何もしませんでした。

 40字程度で解答文を作成するため、一問一答的な解答にしかなりませんので、択一対策の学習の中でしっかりと知識が身についていれば、ある程度の解答は書けると思います。

 ただし、択一式はしっかり解けるのに、記述式はさっぱり書けないという方は、記述式に特有の解き方(テクニック)を身につければ対応できるようになるはずですので、「記述式問題集」を別途購入して対策することはとても有効だと思います。

行政書士の独学に必要な勉強時間は?

行政書士の合格に必要な勉強時間は?

 次は、行政書士試験に独学で合格するために必要な勉強時間について、解説します。

行政書士の勉強時間
  • 初心者の勉強時間の目安は、500時間(~800時間)
  • 宅建合格者なら最短300時間で合格も可能
  • 学習期間は6ヶ月~1年が標準的

初心者の勉強時間の目安は500時間(~800時間)

 一般的に、初心者が行政書士試験に合格するためには、500時間の勉強時間が必要といわれています(※最近は800時間とする説も増えてきました)。

 人それぞれ、法学部で法律を学んだことがあるかどうか、他資格の受験経験など予備知識がどれだけあるかなど違いがありますので、500時間というのはあくまでも目安になりますが、初心者の方は、とりあえず500時間を目処に勉強計画を立てていただければと思います。

 下記の関連記事では、行政書士の勉強時間や難易度について、他資格と比較しながら解説していますので、気になる方はそちらも合わせてご覧ください。

宅建合格者なら最短300時間で合格も可能

 宅建試験の合格者なら、最短300時間の勉強時間で合格することも可能です。

 実際に私の場合は、宅建試験の受験勉強で、行政書士試験の重要な科目のひとつ「民法」を学習済みだったことから、独学で約240時間の勉強時間で行政書士に合格できました。

 ですので、宅建試験や司法書士試験など、試験科目が被る資格試験の合格者なら、私のように300時間ほどの勉強時間で行政書士に合格することも可能なはずです。

学習期間は6ヶ月~1年が標準的

 一般的に、行政書士に合格するためには6ヶ月から1年程度の学習期間が必要と言われています。

 とはいえ、1日の勉強時間によって、この学習期間というのは大きく変わりますよね。

 私の場合は、行政書士試験に独学で合格するまでの学習期間は、約4ヶ月間でした。

 行政書士試験は、11月の第2日曜日に実施されますので、その4ヶ月前の8月から勉強を開始しました。

1日の勉強時間は何時間?何ヶ月で合格できる?

 では、行政書士試験に合格するためには、1日に何時間ぐらい勉強すればいいのか、また、その勉強時間に応じて何ヶ月で合格できるのか、以下で解説していきます。

1日の勉強時間
  • 1日に3時間の勉強で半年、2時間なら9ヶ月かかる
  • 3ヶ月の短期合格は非現実的、4ヶ月なら可能性あり
  • 1日の勉強時間が多い方が勉強効率は高い

1日に3時間の勉強で半年、2時間なら9ヶ月かかる

 行政書士の勉強時間が500時間とした場合に、1日の勉強時間によって、必要な学習期間がどのように変化するか整理すると、以下のようになります。

1日の勉強時間 学習期間
3時間 半年
2時間 9ヶ月
1時間 1年半

 例えば、1日に3時間の勉強時間が確保できるなら半年程度の期間になりますし、1日に2時間なら9ヶ月程度、1日に1時間しか勉強できないなら1年半程度の期間が必要になる、と考えていただければいいかと思います。

3ヶ月の短期合格は非現実的、4ヶ月なら可能性あり

 もし仮に、最短3ヶ月(~4ヶ月)という短期合格を果たすには、どれぐらいのスケジュールで勉強しないといけないのでしょうか。

 以下では、実際に3ヶ月の学習期間で進める場合のスケジュールの目安を紹介します。

3ヶ月で合格するための勉強スケジュール

 3ヶ月で500時間というのは、社会人がフルタイムで働きながら勉強する場合、平日と土日で勉強時間に差が出るはずですので、1週間で40時間の勉強をする必要があると考えた方がわかりやすいですね。(40時間×4週×3ヶ月≒500時間)

3ヶ月で合格するための1週間の勉強時間
例1 (平日)3時間×5日=15時間
(土日)12.5時間×2日=25時間
1週間合計 40時間
例2 (平日)4時間×5日=20時間
(土日)10時間×2日=20時間
1週間合計 40時間

 いかがでしょうか?ちょっと現実離れしているように感じますよね。。

 私の経験上、フルタイムで仕事をしている場合、平日の勉強時間は、どう頑張っても3時間が限界でしたし、休日は8時間ぐらいが限界でした。

 もちろん、もっと勉強できる方もいらっしゃるかもしれませんが、この案は、本当に最悪のケースですよね。できることなら、もっと余裕を持って勉強したいですよね。

4ヶ月で合格するための勉強スケジュール

 では、4ヶ月で500時間の勉強をしようとした場合は、1週間で30時間になります。(30時間×4週×4ヶ月≒500時間)

4ヶ月で合格するための1週間の勉強時間
例1 (平日)3時間×5日=15時間
(土日)7.5時間×2日=15時間
1週間合計 30時間
例2 (平日)2時間×5日=10時間
(土日)10時間×2日=20時間
1週間合計 30時間

 いかがでしょうか。平日に3時間なら、土日は7時間30分。平日に2時間なら土日は10時間ということになります。

 正直、かなりハードなスケジュールには違いありませんが、頑張ればできないことはなさそうですよね。

 勉強は、長期間になればなるほど大変ですが、4ヶ月という短期決戦なら、瞬発力で乗り切ろうと思えば乗り切れる期間です。

 ということで、最短合格を目指すにしても、4ヶ月ぐらいの期間は見ておいた方がよさそうですね。

1日の勉強時間が多い方が勉強効率は高い

 1日1時間で1年半勉強するのも、1日3時間で半年勉強するのも、勉強時間の合計は同じですが、その勉強効率は1日3時間の方が圧倒的に高くなります。

 というのは、1日の勉強時間が少なくて長期戦になる場合は、覚えたことを忘れてからまた覚え直すサイクルが長くなってしまい、記憶の定着がなかなか進まないためです。

 1日の勉強時間を長くして短期集中で勉強する方が、繰り返しのサイクルが早くなりますので、勉強の効率は格段に上がります

 このことは、私が司法書士の勉強をした際に、強く実感しました。1日の勉強時間が増えると、こんなにも勉強の捗り方が違うのか、と痛感しましたね。

 1日の勉強時間が2倍に増えれば勉強が2倍捗るといった単純な話ではなく、3倍にも4倍にも効率が上がるイメージです。1回転するのが早くなればなるほど、記憶の定着が効率的に進むんですね。

忙しい社会人はスキマ時間を活用する

 行政書士試験の勉強は、基本的には、仕事が終わってから勉強したり、朝早く起きて勉強することになると思います。

 私も、仕事から帰ってきてから行政書士の勉強をしていましたし、管理業務主任者試験では、朝1時間早く起きて勉強していました。司法書士試験では、睡眠時間を削って勉強していたこともありました。

 しかし、仕事で忙しい社会人は、なかなか勉強時間の確保が難しいと思います。

 そこで、活用すべきは”スキマ時間”です。

  • 通勤時間
  • 昼休み時間
  • 食事時間
  • 移動時間
  • 入浴中・布団の中の時間

通勤時間

 私は、車通勤のため通勤時間は使えませんでしたが、電車通勤の方にとっては、電車の中で過ごす通勤時間は、勉強するには適した時間なのではないでしょうか。

昼休み時間

 昼休みの時間もけっこう使えると思います。

 私は、マンション管理士試験の際は、昼休みにスマホを使って勉強していました。

 昼休みは1時間あったので、最低でも30分程度は時間が余りますよね。この時間に、休憩所でコーヒーを飲みながら、スマホで勉強していましたね。

食事時間

 賃貸不動産経営管理士試験の際は、朝食(パン)を食べながらの時間や、その後のコーヒーを飲みながらの時間も、勉強時間にしていました。

移動時間

 司法書士試験のときは、暗記事項をまとめた手のひらサイズの小さな紙切れを自分で作って、移動中に歩きながらチラチラ見ながら、何度も何度も暗唱して覚えていましたね。

入浴中・布団の中の時間

 FPの試験では、入浴中や布団の中で、その日に勉強した内容を、ひととおり頭に思い浮かべて再生することで、記憶に定着させたりしていました。


 このように、勉強に活用できるスキマ時間は、探せばいくらでもあります。

 仕事で忙しく、なかなか勉強時間が確保できない方は、このようなスキマ時間をフル活用して、勉強時間を確保してみてください。

勉強スケジュールと勉強時間の配分

行政書士試験の勉強スケジュールと勉強時間の配分

 それでは実際に、私がおすすめする行政書士の勉強法に沿って具体的に勉強時間を配分し、スケジュールを組んでみたいと思います。

行政書士の勉強スケジュール
  • テキストを通読する【53時間】
  • 問題集を解きながらテキストを覚える時間【150時間×3周】
  • 模試を解いて復習する時間【9時間×3回分】

テキストを通読する時間【1周53時間】

 まず最初に、テキストを通読する時間です。

 行政書士の基本テキストは、800ページ前後のものが主流ですので、800ページとしておきます。

 そして、1時間に読めるページ数は、私の場合15ページぐらいですので、ここでは15ページと仮定しておきます。

 800ページを1時間に15ページのペースで読むと、テキストを通読するのに53時間かかることになります。

問題集を解きながらテキストを覚える時間【150時間×3周】

 次に、問題集を解きながらテキストを覚える時間です。

 問題集の収録数は、五肢択一式(選択式・記述式を含めて)の厳選問題集の場合は300問程度のものが主流ですが、ここでは過去10年分の過去問を解くと仮定し、600問としておきます。

 そして、1時間に4問(20肢)解くとすると、全問を解き終わるのに150時間かかることになります。

 これを3周回すとすれば、150時間×3周=450時間です。

模試を解いて復習する時間【9時間×3回分】

 次に、模試を解いて、復習する時間です。

 市販の模試は、3回分収録されているものが中心ですので、3回分で計算します。

 1回分を解くのに3時間で、その復習に倍の6時間かかるとすると、1回あたり9時間です。

 これを3回分で、9時間×3回=27時間になります。

具体的な勉強スケジュール表【トータル500時間】

 以上を前提に、どれぐらいの勉強時間になるのかスケジュールを組んでみると、次のようになります。

勉強スケジュール表
勉強内容 勉強時間
1. テキストを通読する 53時間
2. 問題集を解きながらテキストを覚える 150時間×3周=450時間
3. 模試を解いて復習する 9時間×3回=27時間
合計 530時間 ≒500時間

 以上のようなスケジュールになり、概ね500時間の勉強時間になってきますね。

スケジュールは柔軟に見直しを

 上記はあくまでも、ひとつの例ですので、実際にこれと同じようにスケジュールが進むわけではありませんが、参考にしていただければと思います。

 実際の勉強スケジュールの組み方としては、まずは大まかなスケジュールを立てたあと、ひとまず勉強を始めてみて、自分が1時間で何ページぐらい読めるのか、そして1時間に何問ぐらい解けるのかを確認しながら進めていきます。

 その後、そのペースに基づいて、随時スケジュールを見直していく、というスケジュールの組み方をするのが良いかと思います。

 スケジュールに余裕があることがわかれば、過去問を解く回数を増やしたり、五肢択一の過去問のほか、肢別過去問集を採り入れることなども検討すればいいと思います。

 逆に、スケジュールが間に合わないことがわかれば、過去問を解く回数を(科目に応じて)減らすことや、そもそも使う過去問を、収録問題数が少ない厳選された過去問集に変更することなどを検討しながら、柔軟にスケジュールを見直していけばいいかと思います

勉強スケジュールの組み方
  1. おおまかなスケジュールを立てる。
  2. 勉強を進めながら、1時間で何ページ読めるのか、何問解けるのかを確認する。
  3. 随時スケジュールを見直す。
    ⇒余裕があるなら、過去問を解く回数を増やすことや、別の過去問集を採り入れることなどを検討
    ⇒間に合わないなら、解く回数を減らすことや、厳選問題集に変更することなどを検討

行政書士の勉強時間と勉強法まとめ

 以上、行政書士に独学で合格するための勉強時間や勉強法について紹介してきました。

 最後に、ここまでの内容を整理しておきたいと思います。

独学による勉強法と勉強時間のポイント!
  • 最低限、基本テキストと分野別過去問題集が一冊ずつあれば合格できる
  • おすすめの勉強法は、テキストを通読する → 問題集を解きながらテキストを覚える(最低3周) → 模試(又は予想問題集)を解く
  • 問題集を解くことでテキストの記憶をする。テキストを確認した際には線を引く。
  • 勉強時間の目安は500時間 (~800時間)
  • 勉強期間は半年~1年程度が標準的
  • 4ヶ月の短期合格も、頑張れば可能
  • 忙しい社会人はスキマ時間を活用する
  • モチベーションの維持が一番大変なため、維持するための工夫が必要

 独学は、確かに通信講座や通学講座を受講する場合に比べ、デメリットも多くありますが、多くの方が独学でも合格しているという事実があります。

 私自身も、宅建の受験経験があったとはいえ、4ヶ月間の独学で行政書士に合格することができました。

 このページでは、私自身の経験を踏まえ、独学特有のデメリットを払拭できるよう記載しましたので、この記事を参考に、行政書士試験に独学でチャレンジし、見事に合格を勝ち取ってください!

独学にかかった費用

 ちなみに、私が行政書士試験対策に要した費用は、テキスト・問題集・六法の購入費用として、1万8千円でした。

 独学ならではのお安さに収まっています!

 このほかに、行政書士試験の受験手数料として、10,400円(私が受験した当時は7,000円)がかかります。

 私が実際に購入したテキスト等の教材は以下のとおりです。

【テキスト 4冊】

  • LEC「出る順行政書士 合格基本書」
    → 別のテキストに乗り換えたため、ほとんど使用しませんでした。
  • 週刊住宅新聞社「うかるぞ行政書士 基本テキスト」(現在は絶版)
    → メインのテキストとして使用しました。
  • 週刊住宅新聞社「うかるぞ行政書士 行政法入門講座」(現在は絶版)
    → 行政法の理解を深めるために使用しました。
  • LEC「出る順行政書士 重要事項総まとめ」
    → 一般知識の補強に使用しました。

【問題集 3冊】

  • LEC「出る順行政書士 ウォーク問過去問題集」2冊
    → メインの問題集として使用しました。
  • LEC「出る順行政書士 直前予想模試」
    → 試験直前期に、解答の時間配分等を確認するために使用しました。
【六法 2冊】
  • LEC「行政書士 合格六法」
    → メインの六法として使用しました。
  • ダイエックス「行政書士マスター六法&判例」(現在は絶版)
    → 判例を引くために使用しました。

独学による受験結果

 最後に、私が独学で行政書士試験を受験した結果を掲載しておきます。

合格通知

行政書士試験の合格通知(204点)

平成19年度合格 : 300点満点中、204点(択一式:180点、記述式24点)
※ 合格ライン:180点以上

合格証書

合格証書(行政書士試験 平成19年度第4509号 大西雅明)

行政書士試験の合格証書です。総務大臣と県知事の名で発行されています。

独学が不安な方は通信講座もおすすめ

 なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には通信講座もおすすめです。

 下記の記事では、行政書士のおすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式で紹介しています。費用の安さや合格率の高さ、サポートの充実度など項目別のおすすめ講座も紹介していますので、参考にしてください。


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