更新日:2023年8月30日
2023年度(令和5年度)の行政書士試験は下記の日程で実施されます。(7/3公示済み)
- 【申し込み】令和5年7月24日(月)〜8月25日(金)
※インターネット申込みは8月22日(火)午後5時まで - 【試験日】令和5年11月12日(日)13時〜16時
※ 日程の詳細は、当ページ内の試験日程(2023年度)をご参照ください。
これから行政書士試験を受験しようとお考えの皆さんは、行政書士試験はいつ実施されるの?どうやって申し込むの?どんな試験科目が出題されるの?など気になっているのではないでしょうか。
そこで、このページでは、行政書士試験の試験日程や申し込み方法、試験内容などの概要について、ご紹介していきたいと思います。
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行政書士試験の試験日
まずは、行政書士試験の試験日・スケジュールからご紹介していきます。
年1回・11月の第2日曜日
行政書士試験は、年に1回だけ、11月の第2日曜日に実施されます。
チャンスは年に1度しかありませんので、十分な準備をして試験に臨む必要がありますね。
試験日程(申し込み・試験日・合格発表)【2023年度】
2023年度(令和5年度)の行政書士試験は、以下の試験日程で実施されます。(7月3日公示済み)
案内配付 | 令和5年7月24日(月)〜8月25日(金) ⇒一般財団法人 行政書士試験研究センター ![]() |
申し込み期間 | <郵送> 令和5年7月24日(月)〜8月25日(金) ※消印有効 |
<インターネット> 令和5年7月24日(月)午前9時〜8月22日(火)午後5時 |
|
試験日 | 令和5年11月12日(日) |
試験時間 | 午後1時〜午後4時(3時間) |
合格発表日 | 令和6年1月31日(水) 午前9時 |
受験料 | 10,400円 ※令和3年度までは7,000円でしたが、令和4年度以降10,400円に改定されています。 |
申し込み方法
次に、行政書士試験の申し込み方法についてご紹介します。
申し込みは、「郵送」又は「インターネット」のいずれかが選べます。
郵送による申し込み
郵送で申し込む場合は、以下の手順になります。
- 「受験願書」を窓口又は郵送で入手する(行政書士会や都道府県庁などで配布しています。⇒配布場所一覧
)
- 「受験願書」に必要事項を記入し、「顔写真(縦4cm×横3cm)」を貼り付け
- 「受験手数料(10,400円)」を専用の振替払込用紙により郵便局で払込み
- 「受験願書」に「振替払込受付証明書」を貼り付けて郵送
このように、郵送で申し込むのは、かなりの手間がかかりますね。
インターネットによる申し込み
インターネットで申し込む場合は、以下の手順になります。
- 受験申込画面で必要事項を入力し、顔写真画像を登録
- クレジットカード又はコンビニで受験手数料(10,400円)を払込み
このように、インターネットで申し込む方が、簡単で便利ですので、特に事情がない限りは、インターネットによる申し込みをおススメします。
なお、具体的な受験願書の取寄せやインターネットの申込みについては、行政書士試験のご案内(行政書士試験研究センター公式サイト)をご確認ください。
行政書士試験の受験資格その他概要
次は、行政書士試験の受験資格、試験会場などの概要について、ご紹介します。
受験資格に制約はない
行政書士試験には、受験資格はあるのでしょうか。
行政書士試験には受験資格は設けられていない。
行政書士試験には、年齢、学歴、国籍などの受験資格は設けられていません。
国家試験の中には、学歴や実務経験が必要などの受験資格が定められているものもありますが、行政書士試験にはそのような制約、条件等は一切ありません。
ですので、年齢、男女、中卒・高卒・大卒、実務経験、国籍を問わず、どなたでも受験することができます。
行政書士の資格登録には欠格事由がある
ただし、行政書士試験に合格後、行政書士として資格登録する際には、未成年者や破産者、禁錮以上の刑に処せられて3年を経過しない者など、欠格事由に該当する方は登録ができないことになっています。
ですので、例えば未成年者が行政書士試験に合格したとしても、行政書士として業務を行うことはできないということになります。
行政書士試験以外で行政書士になる方法もある
逆に、そもそも行政書士試験を受験しなくても、行政書士になる資格を取得する方法もあります。
その方法としては、国家公務員、地方公務員又は一定の独立行政法人の職員として、行政事務に20年以上(高卒以上の学歴がある場合は17年以上)従事することによっても、行政書士の資格を取得することができます。
また、弁護士、弁理士、公認会計士又は税理士のいずれかの国家資格を取得することによっても、行政書士の資格を得ることができます。
ですので、このような方は、そもそも行政書士試験を受験する必要がない、ということになりますね。
試験会場は居住地にかかわらず全国で受験できる
行政書士試験は、居住地にかかわらず、全国の試験会場で受験することができます。
試験会場は、都道府県ごとに1ヶ所以上設けられ、1ヶ所のみの県が大半ですが、東京都なら10ヶ所以上あるなど、受験者数や立地等に応じて設けられています。
- 試験会場や持ち物の詳細はこちら⇒行政書士試験の試験会場や持ち物などの注意点
合格発表は掲示・HP掲載・通知にて実施
行政書士試験の合格発表は、以下の方法により実施されます。
- 試験センター事務所の掲示板に公示
- ホームページへの掲載
- 受験者全員に合否通知書(得点も記載)を発送
※合格者には、合格発表の2〜3週間後に合格証を発送
- 行政書士試験当日に実施される解答速報はこちら⇒行政書士試験の解答速報まとめ
※解答速報で自己採点すれば、合格発表まで待たなくても、ある程度の結果が判断できます。
行政書士試験の受験者数・合格率・難易度
次は、行政書士試験の受験者数や合格率といった統計データについて、ご紹介します。
受験者数の推移
行政書士試験の受験者数は、上のグラフのとおり、40,000人前後で推移しています。
私の手元のデータでは、2003年(平成15年)の81,242人をピークに減少に転じました。
その後、徐々に減少傾向が続きましたが、2019年から上昇に転じ、少しずつ増加しています。
いずれにしても、受験者数が4万人というのは、人気資格といえますね。
合格率・難易度
そして、合格率・難易度については、おおむね10%前後の合格率で推移していますので、難関資格といえますね。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
H25 (2013) |
55,436 | 5,597 | 10.1% |
H26 (2014) |
48,869 | 4,043 | 8.3% |
H27 (2015) |
44,366 | 5,820 | 13.1% |
H28 (2016) |
41,053 | 4,084 | 10.0% |
H29 (2017) |
40,449 | 6,360 | 15.7% |
H30 (2018) |
39,105 | 4,968 | 12.7% |
R1 (2019) |
39,821 | 4,571 | 11.5% |
R2 (2020) |
41,681 | 4,470 | 10.7% |
R3 (2021) |
47,870 | 5,353 | 11.2% |
R4 (2022) |
47,850 | 5,802 | 12.1% |
合格率や難易度の詳細は、行政書士試験の難易度は?合格率・偏差値・勉強時間で徹底比較!のページで詳しくご紹介していますので、そちらをご参照ください。
行政書士の試験内容
次は、行政書士試験とは、どのような試験内容なのか、その試験科目、出題形式・出題数、配点・合格点などについて、ご紹介したいと思います。
試験内容の概略
行政書士試験は、法令知識と一般知識について問われる筆記試験で、択一式(五肢択一式・多肢選択式)と記述式で実施されます。
出題数は、択一式が57問で、記述式が3問の合計60問です。
そして、合格基準点は絶対評価になっており、合計60%以上(=180点以上)を正解すれば合格になりますが、法令科目で50%以上、一般知識で40%以上の点数(足切り点)を取る必要があります。
- 試験科目: 法令科目/一般知識科目
- 出題形式: 択一式(五肢択一式・多肢選択式)/記述式
- 出題数: 択一式57問/記述式3問
- 合格基準点: 絶対評価で60%以上(=180点以上)の正解。ただし、法令科目50%以上、一般知識40%以上が必要
それでは、以下で順に、詳しくご紹介していきます。
試験科目は法令科目と一般知識科目に分かれる
行政書士試験の試験科目は、次のとおり公表されています。
- 行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題)
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)、民法、商法及び基礎法学
- 行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題)
政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
上記のとおり、行政書士試験の科目は、法令科目と一般知識とに分かれています。科目名だけでは内容がわからないと思いますので、それぞれの試験科目について、もう少し具体的に見ていきたいと思います。
法令科目
まずは、行政書士の試験科目のうち、憲法、行政法、民法、商法(会社法)及び基礎法学が出題範囲となっている法令科目から見ていきます。
試験科目 | 出題内容 |
憲法 |
憲法とは、日本における最高法規です。 憲法は、「総論」、「人権」、「統治」の3つに分けることができますが、このうち、行政書士試験では、国民の権利について定めた「人権」(自由権、幸福追求権など)、国の政治の仕組みについて定めた「統治」(国会、内閣、裁判所)を中心に出題されます。 |
民法 |
民法とは、一般市民の日常生活(売買契約のような取引など)に関して定めた身近な法律です。 憲法は、国家と国民との関係を定めたものであるのに対し、民法は国民同士の関係を定めた法律であり、その内容は、財産法(総則、物権、債権)と家族法(親族、相続)とに大きく分かれます。 民法は、行政法に次いで高い配点ですので、行政書士試験では、メイン科目として対策する必要があります。 |
行政法 |
行政法は、「行政法」という名称の法律が存在するわけではなく、行政に関する法令の総称として行政法と呼ばれています。 この行政法では、「行政法の一般的な法理論」、「行政手続法」、「行政不服審査法」、「行政事件訴訟法」、「国家賠償法」、「地方自治法」からの出題が中心となります。 行政法は、最も出題数が多く、配点の高い、最重要科目となりますので、得意科目にしなければならない科目と言えます。 |
商法(会社法) |
商法では、「商法」と「会社法」の二つの法律が出題されます。 商法は、民法と同じく国民同士の関係について定めている法律ですが、民法は一般市民同士の取引を対象としているのに対し、商法は、民法の特別法として、個人事業主や会社などが営利目的で継続的に行う取引を対象とした法律です。 また、会社法は株式会社を中心とした会社の組織・運営などについて定めている法律です。 この科目は試験範囲が広いため、株式会社の機関(株主総会、取締役会など)や株式など、出題可能性の高いテーマに絞って学習をするのがコツです。 |
基礎法学 |
基礎法学とは、法律全般に関わる基礎的な知識が問われる科目です。 出題範囲が広い割に出題数が少ないため、過去問を中心に時間をかけずに対策をするのが効果的とされています。 |
一般知識科目
次は、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護及び文章理解が出題範囲となっている一般知識科目です。
試験科目 | 出題内容 |
政治・経済・社会 |
「政治」では、政治体制や行政改革などから、「経済」では、国の予算や地方財政、国際経済などから、「社会」では、社会保障問題や環境問題などから出題されます。 |
情報通信・個人情報保護 |
「情報通信」では、インターネット技術や情報セキュリティ技術、IT関連法などから、「個人情報保護」では、個人情報保護法等の条文知識から出題されます。 |
文章理解 |
「文章理解」では、「空欄補充」や「並べ替え」、「要旨把握」といった、国語(現代文)のような問題が出題されます。 |
出題形式は五肢択一式・多肢選択式・記述式の3形式
行政書士試験は、試験科目に応じて、次の出題形式で出題される筆記試験です。
試験科目 | 出題形式 |
法令科目 |
択一式(五肢択一式・多肢選択式)(マークシート方式)及び記述式(40字程度) |
一般知識科目 |
五肢択一式(マークシート方式) |
- ※ 五肢択一式・・・1〜5の選択肢から正解を選択
- ※ 多肢選択式・・・1〜20の選択肢から空欄ア〜エに当てはまる言葉を選択
- ※ 記述式・・・設問に対する回答を40字程度で記述
試験科目に応じた出題形式・出題数
そして、試験科目に応じた出題形式と出題数は、次の表のようになっています。
試験科目【法令等】 | 5肢択一式 | 多肢選択式 | 記述式 |
憲法 | 5問 | 1問 | − |
行政法 | 19問 | 2問 | 1問 |
民法 | 9問 | − | 2問 |
商法(会社法) | 5問 | − | − |
基礎法学 | 2問 | − | − |
合計 | 46問 |
試験科目【一般知識等】 | 択一式 |
政治・経済・社会 | 8問(又は7問) |
情報通信・個人情報保護 | 3問(又は4問) |
文章理解 | 3問 |
合計 | 14問 |
試験科目免除の制度はある?
ちなみに、行政書士試験には、試験科目を免除するような制度はありません。
宅建試験や賃貸不動産経営管理士試験では、講習を修了すれば、一部の科目(5問)が免除になったり、マンション管理士試験や管理業務主任者試験では、いずれかの合格者は他方の試験で一部の科目(5問)の免除が受けられたりしますが、行政書士試験では、受験者の全員が全科目を受験する必要があります。
なお、試験そのものを免除する制度については、前記「行政書士試験以外で行政書士になる方法もある」に記載したとおりです。
合格点は絶対評価で60%以上の正解+足切りあり
次に、試験科目と出題形式に応じた配点を確認しておきたいと思います。
一般に、国家試験では「相対評価」で合否が決まる試験が多く、あらかじめ何%又は何人を合格させるか決められているケースが多いのですが、この行政書士試験では、「絶対評価」が採用されており、何点以上正解すれば合格するという合否の決め方になっています。このため、毎年の合格率に変動が生じることにもなっています。
試験科目 | 出題形式 | 出題数 | 配点 | 小計 | 合計 |
法令等 | 5肢択一式 (4点/問) |
40問 | 160点 | 244点 | 300点 |
多肢選択式 (8点/問) |
3問 | 24点 | |||
記述式 (20点/問) |
3問 | 60点 | |||
一般知識等 | 5肢択一式 (4点/問) |
14問 | 56点 | 56点 |
合格基準点は、「法令等」が50%以上、かつ、「一般知識等」が40%以上、かつ、全体の得点が60%以上(=180点以上)とされています。
つまり、合計点で60%(180点)以上が合格ラインですが、ただし、足切りが設けられており、法令等で50%と一般知識等で40%は得点しておかなければならないということですね。
なお、合格基準点については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置が加えられることがあるとされています。
- 合格点や難易度の詳細はこちら⇒行政書士試験の合格点・難易度
行政書士試験は独学でも合格できる?
では、行政書士試験は、独学でも合格できるのでしょうか。
私自身は、独学で行政書士試験に合格することができました。今の時代、ネットで検索すればすぐにわかりますが、独学で合格している方は数多くいらっしゃいます。
独学におすすめの勉強法・テキスト
行政書士試験は、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み込み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、十分に合格可能な資格です。
独学の勉強法のポイントは、以下のとおりです。
- テキスト・問題集を購入する(最低限、1冊ずつあればOK)
- テキストを通読し、全体像を把握する。
- 章ごとにテキストを読み、そこに対応する問題集を解く。
- 問題集のみを解いていく(最低でも3回は解く)。
- 模試を受験する(又は予想問題集を解く)。
行政書士試験に独学で合格するための勉強法については、行政書士は独学で合格できる!おすすめ勉強法のページで詳しくご紹介していますので、そちらをご参照ください。
また、独学におすすめのテキストについては、行政書士のおすすめテキスト・参考書のページでご紹介していますので、そちらを参考にしてください。
独学の勉強時間・スケジュール
また、初心者が行政書士試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的に500時間(〜800時間)といわれています。
この500時間という勉強時間を達成するために何ヶ月かかるのか逆算すると、以下のようになります。
1日の勉強時間 | 要する勉強期間・スケジュール |
3時間 | 半年 |
2時間 | 8ヶ月 |
1時間 | 1年半 |
ですので、試験日(11月の第2日曜日)の半年〜1年前ぐらいから勉強を始めるのがおすすめですね。
独学が不安な方は通信講座もおすすめ
なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には、通信講座もおすすめです。
下記の記事では、行政書士のおすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式でご紹介しています。初心者向け講座をはじめ、費用の安さや合格率の高さ、サポートの充実度など項目別のおすすめもご紹介していますので、参考にしてください。
- 行政書士通信講座おすすめランキング
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国家試験”行政書士試験”の実施団体・公式サイト
行政書士試験は、行政書士法第3条の規定に基づき、総務大臣が定めるところにより、行政書士の業務に関し必要な知識及び能力について、毎年1回以上行うこととされている試験です。
この行政書士試験は、法律に基づき実施される試験ですので、まさしく”国家試験”ですね。
ただし、国が直接実施しているわけではなく、指定試験機関として総務大臣の指定を受けた「一般財団法人 行政書士試験研究センター」が、都道府県知事の委任を受けて実施しています。
一般財団法人 行政書士試験研究センター
〒102-0082
東京都千代田区一番町25番地 全国町村議員会館3階
一般財団法人 行政書士試験研究センター(公式サイト)