大原の行政書士講座の評判・口コミは?徹底レビュー!
更新日:2024年11月8日
大原の行政書士講座は、2024年度をもって通学講座から撤退しました。このため、通信講座のみとなります。
その通信講座についても大きく見直し、これまでの手厚いコースは廃止し、スマホだけで合格を目指す「パススル行政書士」という、スタディング類似の講座に生まれ変わりました。
当ページでは、まだパススル行政書士の情報を反映できていませんので、ご了承ください。
資格の大原の行政書士講座には、通信講座と通学スクールがあり、通信講座については、当サイトの行政書士講座おすすめランキングにおいて、おすすめNo.11という下位で紹介しています。
大原は、あくまでも通学教室を中心とした資格学校ですので、教室運営のためにどうしてもコストがかかってしまいます。
このため、受講料が高額になるというのが、おすすめ上位で紹介できない大きな理由です。
また、”通学スクール”に関しても、おすすめNo.5という下位の順位としています。
大原は、簿記・税理士・公認会計士などの会計資格や公務員試験を中心とする資格学校ですので、法律資格では存在感が薄く、指導体制も手薄な印象がありますね。
このページでは、大原の行政書士講座の概要や、どのような点が優れているのか、また、どのような点が残念なのか、評判・口コミを踏まえながら掘り下げて紹介していきたいと思います。
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大原の行政書士講座に関する評判・口コミ
ではまず始めに、大原の行政書士講座に関する評判・口コミから確認しておきたいと思います。
大原に関する代表的な評判・口コミを整理すると、以下のようなものが挙げられます。
良い評判・口コミ
- 講義は熱心で分かりやすい。
- テキストと連動した問題集が使いやすい。
- 自習室が利用できるなどサポートが充実している 。
悪い評判・口コミ
- 価格(受講料)が高い。
- テキストが白黒なのが残念。
- 講義は通学教室を収録しただけのもので、わかりにくい。
このように、大原の行政書士講座に関しては、良い評判も悪い評判も存在していますね。
大原の行政書士講座の概要
それでは、上記の評判・口コミを踏まえて、大原の行政書士講座について、紹介していきたいと思います。
「資格の大原」は、学校法人 大原学園が運営する資格学校です。
1957年に大原簿記学校を創立して以来、簿記・税理士・公認会計士などの会計資格や公務員試験を中心に、その他、行政書士・宅建士などの法律資格も手掛ける大手の資格予備校です。
ただし、法律資格としては、行政書士・宅建士・社労士という人気の3資格しか取り扱っておらず、大手予備校なら当然取り扱うであろう司法試験や司法書士試験などの取扱いはありません。
このことからも、法律資格に関しては、その指導体制に不安を感じてしまいますね。。やはり大原は、会計資格と公務員試験を中心に考えるのが妥当ではないでしょうか。
![]() ⇒ 資格の大原 行政書士講座 公式サイト ![]() |
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初学者向け通信講座のラインナップ/受講料 |
行政書士 入門合格コース【2024年試験向け】 行政書士 合格コース【2024年試験向け】 行政書士 速修合格コース【2024年試験向け】 |
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公式サイト | 資格の大原 公式サイトへ |
とはいえ、大手予備校として行政書士講座を開講している以上、一定水準のレベルは備えていますので、大原の下記の特徴について詳しくレビューしていきたいと思います。
- 満足度の高い講義
- 効率的に短期合格を目指すカリキュラム
- 充実のオリジナル教材
- 大手予備校ならではのサポート体制
- 過去8年で累計1,168名の合格実績!
大原 行政書士講座の講義・講師をレビュー!
出典:資格の大原 行政書士講座
では、大原行政書士講座の講義・講師から紹介していきます。
満足度の高い講義が魅力
大原の行政書士講座では、行政書士試験の合格ノウハウを知り尽くした経験豊富な講師陣が、丁寧で分かりやすく全面サポートしてくれます。
大原のアンケートによると、受講生の89.4%が大原の講義は「大変わかりやすい」又は「分かりやすい」と回答したほどの満足度の高い講義が展開されます。
ただし、通信講座の映像講義は、通学教室を収録したものになっており、黒板の前に立って、板書しながら講義を進めるスタイルです。
このため、評判・口コミのところで触れたように、通信講座専用に収録された講義映像に比べると、見やすさや集中しやすさは劣ると言わざるを得ませんね。
通学スクールの受講形態
大原の行政書士講座は、「通学」する場合には、以下の受講形態があります。
- 教室通学
… 講師から直接講義を受ける形態です。 - 映像通学
… 自身のスケジュールに合わせて通学し、教室ライブ講義を収録した映像講義を、個別視聴ブースで視聴する形態です。
効率的に短期合格を目指すカリキュラム
出典:大原 行政書士講座
大原の講義は、基礎知識を習得する基本講義、段階別に理解度をチェックする問題演習、本番をシミュレーションする直前対策の3段階で、ムダなく効率的に短期合格を目指すカリキュラムが採用されています。
その特徴は、学習の初期段階から、理解度をチェックする復習テストや、科目ごとの定例試験など様々な問題演習を実施することで、ウイークポイントを明らかにしながら得点力アップを図っていくものです。
さらに直前期には、「択一式演習」や「記述式演習」、「全国統一公開模擬試験」など、本試験形式の演習で、本番のシミュレーションを行い、ラストスパートをかけていきます。
このような”豊富な問題演習”は、大手予備校らしさを感じますね。
やはり、いくらインプット学習をやっても知識は定着しませんから、とにかくアウトプットを繰り返すことで、効率的に知識を習得していくカリキュラムになっています。
大原行政書士講座のテキスト・トレーニング問題集をレビュー!
大原の行政書士講座では、 試験傾向を徹底分析し、大原の合格ノウハウを凝縮したオリジナル教材が使用されます。
ただし、テキストも問題集もすべて白黒印刷というのが残念なところですが。。
- テキスト
- トレーニング問題集
- 定例試験
- 重要科目演習
- 記述演習
- 中間模擬試験・全国統一公開模擬試験
- 試験委員対策
合格ノウハウを凝縮したオリジナルテキスト
大原のテキストは、試験の合格に必要な重要ポイントに加え、趣旨・理由、具体例が充実しています。
これにより、ポイントを覚えやすくし、併せて、理解力や現場思考力を向上させられるテキストになっています。
<テキストの特徴>
- 「趣旨・理由」を充実 ⇒ 理解しやすく覚えやすい
- 「具体例」を充実 ⇒ イメージしやすく、事例問題にも対応しやすい
- 豊富なイラストで理解をサポート
- まとめ表の充実により、比較しながら覚えられる
テキストに完全連動したトレーニング問題集
大原の問題集は、テキストに完全連動したトレーニング問題集が使用されます。
テキストを学習する都度、問題演習できるように、トレーニング問題集のどこを演習するかがテキストに明記されています。
問題集側にテキストのページ数が明記されるケースはよくありますが、逆に、テキストから問題集にリンクが貼られているというのは珍しいですね。
その他にも、テキストの掲載順に揃えて問題を掲載するといった形で、とにかく”テキスト→問題集”へと復習しやすいよう工夫されています。
この問題集には、過去20年分の過去問に加え、必要に応じて他資格試験(司法試験、公務員試験、司法書士試験、公認会計士試験など)の過去問やオリジナル問題なども収録することで、合格に必要十分な問題量が確保されています。
行政書士の過去問演習は、「過去10年分」というのがスタンダードな演習量ですが、大原は「過去20年分」というところが、なかなかスゴいですね。さらに、他資格試験やオリジナル問題まで入っていますので、かなりの演習量です。
カリキュラムのところでも触れましたが、”豊富な問題演習”というのが、大原の特徴だと感じますね。
ただし、きっちりと厳選された問題集を使用するのに比べると、これだけ大量の問題演習をすることが、果たして”効率的”なのか??という疑問にも繋がります。
とにかく過去20年分全部解け!他資格試験もオリジナル問題も解け!というのは少々乱暴な気がします。
ここは、法律資格に弱い大原ゆえに、試験の分析ができず、効率的な指導ができないからこうなってしまうのでは?と思ってしまいますね。
なお、記述式対策として、オリジナル問題を収録した問題集も用意されていますので、記述式問題に特有の解法テクニックがマスターできます。
eラーニングについて
出典:資格の大原 行政書士講座
大原の行政書士通信講座では、WEB通信とDVD通信の受講形態のうち、WEB通信を選択した場合は、動画講義をWebで受講することができます。(パソコン、スマホ、タブレットいずれも可)
講義動画は、0.1倍刻みでスピード調整ができ、最大2倍速まで速度を上げることができるようになっています。
大原の過去問アプリ 「行政書士トレ問」
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大原では、スマホ専用アプリ「資格の大原 行政書士トレ問(トレーニング問題集)」を販売しています。(通信講座とは別売りです。)
このアプリでは、科目ごとに購入する仕組みになっており、合計3,000問の過去問が収録されています。
1科目当たり、250円~860円という価格設定で、以下の8科目に分かれています。(全科目を揃えると5,000円ほどかかります。)
- 基礎法学・憲法
- 行政法1
- 行政法2
- 民法総則・物権
- 民法債権・親族・相続
- 商法・会社法
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護
「政治・経済・社会」のみ安い価格設定で250円ですが、その他主要な科目は610円~860円ほどの価格になっています。
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問題は、科目ごとに解いていくことができ、出題の難易度(Aランク or Bランク)や出題形式(一問一答 or 五肢択一)を設定することができます。
一問一答では、〇か×かを選択すると正誤が判定され、解説が表示されます。五肢択一では、いずれかの選択肢を選択後に判定ボタンを押すと正誤が判定されて解説が表示されます。
また、解いた問題の正解不正解が自動で記録され、その正答率に応じて、自分の苦手な問題だけを抽出して出題するような使い方もできます。
さらに、理解度(もう一度 or あと少し or 完璧!)について、一問ずつ自分でチェックを入れることもでき、その理解度に応じて、抽出して出題することも可能になっています。
このように、様々な機能がついていますが、通信講座と別売りというのは、少し残念ですね。
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大手予備校ならではの手厚いサポート体制
次は、 大原行政書士講座のサポート体制を確認しておきます。
原則、回数無制限の質問対応
大原では、学習中にわからないことがあった場合は、Eメールで質問できます。
質問回数は無制限ですので、安心していつでも質問できますね。※質問回数が制限される場合もあるとのことです。
自習室も利用可能
また、通信講座の受講生であっても、全国各地にある大原の校舎で、自習室が利用できますので、学習に専念できる環境で自習することも可能です。
自宅ではなかなか集中できないような場合に、図書館に行ったり、カフェで勉強したりといった工夫をされる方も多いと思いますが、自習室が使えるのは、大手予備校ならではのメリットですね!
合格者の減少に伴い合格実績の公表を打ち切り
大原の行政書士講座では、2021年度試験までは、下記のとおり合格実績が公表されていました。
年度 | 合格者数 |
---|---|
2012年度 | 231名 |
2013年度 | 192名 |
2014年度 | 183名 |
2015年度 | 200名 |
2016年度 | 88名 |
2017年度 | 136名 |
2018年度 | 73名 |
2019年度 | 65名 |
2020年度 | 76名 |
2021年度 | 45名 |
2022年度 | (合格者の声)5名 |
2023年度 | (合格者の声)6名 |
ところが、ご覧のとおり、合格者数が激減したことに伴い、合格実績の公表は打ち切られ、2022年度からは、合格者の声を公式サイトに公開する形に変更されました。
そして、その合格者の声は、通信よりも通学講座が中心となっています。
行政書士試験の合格者数自体が減っているわけではありません。逆に増えているぐらいですので(2012年度の全合格者数:5,508名⇒2023年度:6,571名)、大原の合格者数が減っていることを意味しています。
大原の行政書士講座の受講コースと料金
次は、大原行政書士講座の受講コースと価格について、紹介しておきたいと思います。
行政書士 入門合格コース
まずは、大原行政書士講座のフルコースが盛り込まれた「行政書士 入門合格コース」です。
出典:資格の大原 行政書士講座
このコースは、例年、10月~3月に開講するコースで、早期に学習をスタートする初学者向けの万全のコースになっています。
このコースでは、まず、基礎力養成期に「入門講義(3回)」で、重要科目の憲法、民法、行政法の全体像をつかんだあと、「基本講義(54回)」で科目ごとに合格に必要な知識を習得します。
また、毎回の基本講義ごとに前回の復習テストを実施し、科目ごとに定例試験を実施することで知識の定着を図っていきます。
そして、直前対策期には、「中間模擬試験(1回)」、「択一式演習(6回)」、「全国統一公開模擬試験(2回)」、「記述式演習(4回)」など豊富な演習講座・模試によって、合格に必要な得点力を身に付けるというカリキュラムが用意されています。
これだけのカリキュラムがあれば、まさに万全ですね。
150時間を超える充実のカリキュラム
以上のカリキュラムにより、総講義時間は180時間という、たっぷりのボリュームになっています。(インプット講義:142時間、アウトプット講義:38時間)
講義時間数が長いということは、それだけ丁寧な講義が受けられるわけですが、逆に言うと、それだけ学習期間が長くかかってしまうことにもなります。
この点については、ご自身が確保できる勉強期間と相談しながら判断する必要がありますね。
ただし、他の大手資格予備校の中で比較すると、LECやTACはいずれも200時間を超える講義時間になっていますので、それと比べれば、まだ効率的と言えるかもしれません。
講座名 |
行政書士 入門合格コース【2024年試験向け】 |
---|---|
特徴 |
早期に学習をスタートする初学者向け |
料金 |
[Web通信] |
行政書士 合格コース
次は、「行政書士 合格コース」です。初学者が行政書士の学習を始める場合の最もスタンダードなコースになるかと思います。
このコースは、例年、11月~6月にかけて開講するコースで、上記の「入門合格コース」から、「入門講義(3回)」を省いたコースになります。
出典:資格の大原 行政書士講座
そもそも「入門講義」というのは、これから始める法律学習にスムーズに入れるように、聞き慣れない法律用語に慣れ、主要科目の全体像をざっくりと概観するような講座ですので、言い方は悪いですが、”あってもなくても問題ないもの”なのかもしれませんね。
例えば、独学で学習する際に、いわゆる「基本書」から読み始めるのが一般的ですが、ちょっと不安だからまず先に「マンガ入門」から読んでみる、みたいなものでしょうか。
ですので、特別に法律学習に苦手意識が強い方でない限りは、この「合格コース」を受講すればいいと思います。
講座名 |
行政書士 合格コース【2024年試験向け】 |
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特徴 |
初学者(又は学習経験者)が学習するスタンダードなコース |
料金 |
[Web通信] |
その他 学習経験者向け、短期集中など多彩なコース
大原の行政書士講座は、初学者向けの標準的なコースとしては以上の2コースで、その他、学習経験者向けコースや短期集中コースなども用意されています。
各コースのご紹介は、ここでは省略させていただきますので、詳しくは公式サイトでご確認ください。
講座名 | 特 徴 |
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行政書士 速修合格コース | 短期学習で合格を目指すコース [開講時期:3~6月] 【全61回】 |
行政書士 丸ごと教材セット | 行政書士 合格コースで使用する教材のみで学習するコース(講義なし) |
公式サイト | 資格の大原 行政書士講座 |
大原の行政書士講座を徹底レビューまとめ
大原は、さすが大手予備校だけあって、満足度の高い講義やオリジナル教材、効率的なカリキュラム、回数無制限の質問サポートなど、行政書士試験に合格するには十分な講座が提供されます。
ただし、簿記、税理士、公認会計士などの会計資格や公務員試験を中心とした講座展開を行っているため、法律系資格では存在感が少し薄いように感じます。
合格実績も、かつては公表されていましたが、合格者数の減少に伴い、公表が打ち切られてしまいました。
通学スクールとして通うなら、LECやTACと並んで検討対象になりますが、通信講座を選ぶにあたって、法律資格である行政書士試験で敢えて大原を選択する必要はないのではないかと思います。
まとめ表
![]() ⇒ 資格の大原 行政書士講座 公式サイト ![]() |
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受講料 |
①行政書士 入門合格コース【2024年試験向け】 ②行政書士 合格コース【2024年試験向け】 ③行政書士 速修合格コース【2024年試験向け】
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講義時間数・スタイル |
①インプット講義 :142時間 ②インプット講義 :135時間 ③インプット講義 :135時間 黒板の前に立ち、板書して解説 |
教材 |
【テキスト】白黒 冊子版テキスト 【問題集】冊子版問題集 【eラーニング】講義視聴 ※受講形態でWebを選択した場合
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サポート体制 |
メールによる質問対応(回数無制限) |
合格実績 |
6名の合格者の声を掲載(2023年度) ※2022年度:5名 |
総合評価 |
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