司法書士の口述試験とは?合格率は?過去問などの対策方法と体験談
更新日:2024年10月4日
司法書士の筆記試験を突破すれば、いよいよ最後の砦”口述試験”です。
口述試験は、「遅刻せずに試験会場に行きさえすれば合格する」と言われていますので、そこまで心配する必要はありませんが、そうは言っても不安ですよね。。
そこで、このページでは、司法書士の口述試験とはどんなものなのか、そして、どんな対策をすればいいのかなど私の体験談を交えながら紹介したいと思います。
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司法書士の口述試験とは?
それではまず、司法書士の口述試験とはどんなものなのか、解説したいと思います。
- 口頭の質問に口頭で解答する試験(面接面識)
- 試験日程は合格発表の約2週間後の平日
- 会場は全国8会場(筆記の15会場よりも少ない)
- 試験時間(午前or午後)は受験票で通知
- 出題数は約10問、所要時間は10~15分
口頭の質問に口頭で解答する試験(面接形式)
司法書士の口述試験とは、受験生が一人ずつ部屋に入って面接官2人の前に座り、口頭で出される質問に対して口頭で解答する試験です。
口述試験は、筆記試験に合格した人だけが受験できます。筆記試験では、紙に書いてある問題文を読んで、その正誤を判断する形式でしたが、口述試験では、耳で問題を聞いて、自らの言葉で答えを説明する必要があるわけです。
これは、筆記試験とはまた違った難しさがありますよね。
日程は合格発表の約2週間後の平日
口述試験の日程は、筆記試験の合格発表の約2週間後の平日に実施されます。土日ではありません。
仕事がある方は事前に調整が必要ですので、注意してください。
筆記試験の合格発表 | 令和6年10月3日(木)16時 |
---|---|
口述試験の試験日時 | 令和6年10月15日(火)午前 or 午後 |
最終合格発表 | 令和6年11月5日(火)16時 |
会場は全国8会場(筆記の15会場よりも少ない)
令和6年度の口述試験の試験会場は、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松の8会場で実施されます。
筆記試験は15会場ですので、半分近くに減りますね。
筆記試験の15会場と口述試験の8会場との対応は、下表のとおりです。
筆記試験の会場 | 口述試験の会場 |
---|---|
東京、横浜、さいたま、千葉、静岡 | 東京 |
大阪、京都、神戸 | 大阪 |
名古屋 | 名古屋 |
広島 | 広島 |
福岡、那覇 | 福岡 |
仙台 | 仙台 |
札幌 | 札幌 |
高松 | 高松 |
ちなみに、私が受験した大阪では、「大阪法務局」で実施されました。
口述試験の会場と集合時間は、口述試験の受験票(ハガキ)で通知されます。
私の場合、この受験票は、合格発表の2日後に届きました。早い人は翌日、遅い人は3~4日後というケースもあります。
このハガキは、法務局の管轄ごとに発送されるため、管轄によって普通郵便の場合と簡易書留の場合があるようです。(大坂法務局からは、簡易書留で届きました。)
この受験票(ハガキ)の表面には、筆記試験に合格した旨の通知が記載されており、裏面が口述試験の受験票になっています。
試験時間(午前or午後)は受験票で通知
受験票には、口述試験の時間(午前 or 午後)が指定され、試験会場と集合時刻・試験開始時刻、持ち物などの注意事項が記載されています。
口述試験は、筆記試験よりも試験会場が少なく、県外まで受けに行く人が多く発生しますので、午前・午後の割り振りは、試験会場に近い方は午前、遠方の方は午後に指定される傾向があるようです。
私の場合、筆記の受験地は神戸(兵庫県)でしたが、口述試験は大阪で実施されるため、午後に指定されました。
私以外の神戸の方も、聞いた範囲では皆さん午後でした。逆に、受験地が大阪の方は、午前に指定されている傾向がありましたね。
内容は3科目で約10問、所要時間は10分~15分
口述試験の内容(試験範囲)は、不動産登記法・商業登記法・司法書士法の3科目で、計10問程度が出題されます。
具体的な出題内容については、後述の「口述試験で聞かれた質問内容と私の解答」をご参照ください。
所要時間は、一人あたり、およそ10分~15分程度です。
口述試験に落ちた人はいない?ほぼ100%の合格率
司法書士の口述試験は、自分の言葉で解答するという独特の難しさがありますが、その合格率は、ほぼ100%で、遅刻せずに試験会場に行きさえすれば合格できると言われています。
ですので、必要以上に心配する必要はありません。
- 合格率はほぼ100%で、落ちる人はほぼいない
- 口述試験の目的は、本人確認(替え玉受験の防止)や人間性を見るため(反社会的勢力の排除、品位保持の職責)と考えられている
- もしも落ちた場合は、翌年の筆記試験が免除になる
口述試験の合格率は99.7%~99.9%
口述試験の合格率は、下表のとおり99.7%~99.9%で、ほぼ100%の合格率になっています。
ただし、”100%”ではありません。
※ ここでいう合格率とは、筆記試験の合格者のうち、その年度の口述試験に合格した者の割合をいうものとします。
※ 最終合格者の中には、前年度の筆記試験合格者(前年度の口述試験の不合格者で、当年度の口述試験の受験者)が含まれているため、その人数を控除して合格率を算出しています。
年度 | 筆記試験 合格者数 |
最終 合格者数 |
左記のうち 当年度筆記合格者数 |
口述試験 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和2年度 (2020年度) |
593 | 595 | 591 | 99.7% |
令和3年度 (2021年度) |
613 | 613 | 611 | 99.7% |
令和4年度 (2022年度) |
659 | 660 | 658 | 99.8% |
令和5年度 (2023年度) |
695 | 695 | 694 | 99.9% |
私が受験した令和3年度試験では、筆記試験の合格者613名中611名が最終合格していました(最終合格者数は613名ですが、内2名は前年度の筆記合格者)。
つまり、2名が口述試験に落ちたことになります。
このように、毎年1~2名が口述試験に落ちているんです。
しかしこれは、口述試験を受験したうえで落ちたのではなく、何らかの事情で、当日出席できなかったケースではないかと推測されます。
※ 口述試験で、緊張しすぎて一言も喋れなかったため落ちた人がいる、と聞いたことはありますが。。
口述試験の目的
では、なぜわざわざ口述試験が実施されるのでしょうか。
その本当の理由はわかりませんが、一般には、以下のような目的があるのではないかと言われています。
- 本人確認のため。つまり、”替え玉受験の防止”ということですね。
- 人間性を見るため。つまり、”反社会的勢力の排除”ということですね。また、司法書士は”常に品位を保つ”ことが職責として求められていますので(司法書士法第2条)、そういった観点もあるのではないでしょうか。
もしも口述試験に落ちたら
もし万が一、口述試験に落ちてしまった場合はどうなるのでしょうか。
体調不良で欠席した場合や、交通事情で遅刻した場合、その他何らかの事情で出席できなくなることも考えられます。
このように、口述試験に落ちてしまった場合は、翌年度の司法書士試験の筆記試験が免除になります。
ですので、もし万が一落ちてしまったとしても、再度筆記試験を受け直す必要はありません。ただし、この免除は、あくまでも「翌年」に限られていますので、注意してください。
司法書士の口述試験対策
次は、司法書士の口述試験対策として、何をすればいいのか解説します。
- 予備校の口述模試を受ける
- 模試を受けない場合は知人にシミュレーションしてもらう
- 口述試験の過去問・マニュアルを入手する
予備校の口述模試を受ける
伊藤塾やLEC、TACなどの各予備校では、「口述模試」が実施されています。
この口述模試に参加すれば、実際の口述試験のシミュレーションができます。
口述試験には独特の緊張感がありますし、筆記試験とは頭の使い方も違いますので、やはり、ぶっつけ本番というのは、ちょっと怖いですよね。。
私の場合は、10年以上も前の話になりますが、土地家屋調査士の口述試験を受験した経験がありました。
その時も口述模試は受けずに受験しましたが、無事に合格できましたので、今回もまぁ何とかなるかなぁと思い、口述模試の参加は見送ることにしました。
初めての経験の場合は、参加しておいた方が安心できると思いますので、行けそうな日程や会場があれば、参加した方がいいですね。
模試を受けない場合は知人にシミュレーションしてもらう
もし、予備校の模試に参加できない場合は、家族や知人などに、過去問を口頭で質問してもらうようなシミュレーションをするのがおすすめです。
私も、知人に過去問を読み上げてもらい、解答する練習をしてから試験に臨みました。
過去問・マニュアルを入手する
各予備校では、原則、”口述模試の受験者”に対して、口述試験の対策方法や過去問などを収録したマニュアルを配付するというスタンスを取っています。
ただし、模試を受けない受験生に対しても、なんらかの形でマニュアルの配付のみも受け付けています。
元々予備校に通っていた方は、その予備校で貰えると思いますが、独学の方や模試しか受けていないような方は、どうやって過去問を入手すればいいかわからないと思いますので、以下で紹介します。
口述試験の過去問・テキストの入手方法
口述模試を受けずに口述試験の過去問・テキストを入手する場合は、配付方法が”有料か無料か”、”講座受講生に限定されるかどうか”、”アンケートの回答が必要かどうか”、”PDFだけか冊子もあるか”など、各社によって異なりますので、その点を中心に紹介します。
伊藤塾の口述試験マニュアル
伊藤塾では、筆記試験合格者なら誰でも無料で「口述試験マニュアル」を配付しています。
PDFダウンロードフォームから申し込むと、すぐに口述試験マニュアルのPDFデータがもらえます。加えて、マニュアル冊子を郵送してもらうことも可能です。
申し込み後に、改めて「合格体験記」の提出を求められますので、期限までに提出する必要があります。
- 筆記合格者なら誰でも
- 合格体験記・アンケート不要
- 無料
- PDFデータ
LECのブレークスルー・口述対策編(口述過去問集)
LECでは、無料で「ブレークスルー・口述対策編(口述過去問集)」を配付しています。
特に、有料講座の受講や合格体験記の提出は条件になっていませんが、申し込む段階でアンケートの回答が必要です。
冊子版は、合格発表の1週間後にならないと発送されませんが、PDFデータはすぐにダウンロード可能です。
- 筆記合格者なら誰でも
- アンケートの回答は必要
- 無料
- PDFデータ&郵送
TACの口述試験対策キーポイント講義&レジュメPDF
TACでは、有料(2,200円※一定のTAC受講生は無料)で「口述試験対策キーポイント講義&レジュメPDF」を配付しています。
- 筆記合格者なら誰でも
- 合格体験記・アンケート不要
- 有料 ※一定のTAC受講生は無料
- PDFデータ
辰已法律研究所の口述試験の受験の手引き・過去問集
辰已法律研究所では、基礎講座や答練などの受講生に対し、無料で「口述試験に関する一般的注意事項(受験の手引き)」、「本試験再現付問答集(過去問集)」を配付しています。
- 基礎講座・答練などの受講生に限る(模試のみは不可)
- 合格体験記不要
- 無料
- PDFデータ
私の口述試験対策と勉強時間
では、私が実際に口述試験に向けて対策した内容と勉強時間を紹介します。
- 伊藤塾とLECの過去問を活用&司法書士法1条・2条の暗唱
- 1日1時間ずつ合計10時間の勉強時間
伊藤塾とLECの過去問を活用&司法書士法1条・2条の暗唱
私は、「伊藤塾」と「LEC」が配付している口述試験マニュアル・過去問を取り寄せて、それを使って口述試験対策をしました。
それと、司法書士法の1条・2条は必ず聞かれるという噂でしたので、この条文の暗唱ですね。
当初の予定では、これまで筆記試験の勉強で使っていたテキストを読み直し、知識を呼び戻しておこうと考えていましたが、そこまで勉強する気力が出ず、テキストの読み直しは省略しました。
1日1時間ずつ合計10時間の勉強時間
口述試験対策は、筆記試験の合格発表の4日後から、1日1時間ずつ勉強しました。
最初の1週間で、伊藤塾の『口述試験マニュアル』内のアレンジ過去問集を2周回し、その時点で、口述試験まで残り4日ありましたので、LECの『ブレークスルー(口述対策編)』も1周回しました。
これにて、口述試験対策は終了です。1日1時間×10日=10時間ですね。
口述試験当日の服装・持ち物
口述試験の当日は、服装はスーツで、カバンは黒のリュックにしました。
実際、出席者のほぼ全員がスーツを着ていましたので、服装に関しては、何も迷わずスーツを着ていけばいいと思います。
カバンは、スーツに合う普通のビジネスバッグなどを持っていけば問題ありません。
持ち物は、「口述試験の受験票」と「筆記用具(ボールペン)」です。それと、待ち時間での喉の渇きに備えて、コンビニで500mlの「水」を買っていきました。
- 服装は、迷わず「スーツ」
- 持ち物は「口述試験の受験票」、「筆記用具(ボールペン)」
口述試験では何が聞かれる?質問内容と私の体験談
ということで、いよいよ口述試験の本番です。
口述試験の順序は”くじ引き”で決められる(先着順の会場もあり)
私は、午後に当たっていましたので、集合時間(13時)の30分前に大阪法務局に到着しました。
集合場所の会議室に入ると、受験番号順にイスが並べられていましたので、自分の座席に座りました。
その時点で、既に半分以上の受験生が席についていましたね。
座席には、「氏名票(受験番号と氏名か記載されたA4用紙)」と「封筒(新人研修・特別研修の案内)」が置いてありました。
13時になると説明が始まり、スマホなどの通信機器の電源は切って、カバンに入れるよう指示がありました。
口述試験の順序は、”くじ引き”で決めるとのこと。
※ 試験会場によっては、受付の先着順で順序が決められるところもあるようです。
私が入った部屋には39名の受験生が座っており、3つの組に分かれて(受験番号順に3等分で13名ずつ)、くじ引きの順番で試験を受けるとのことでした。(会議室はもう1部屋ありましたので、そちらもいくつかの組に分かれるのだと思います。)
3つの組それぞれで、番号札の入った封筒が持ち回られて、私はなんと、ラッキーなことに、2番目のくじを引くことができました。早く帰れるぅ~♪
そして、「氏名票」に番号札の番号を記入して提出し(ここで筆記具を使いました。もし氏名票の漢字に誤りがあれば訂正します)、引いたくじの順番に、座席を移動しました。
口述試験は、一人あたり10分程度との説明があり、各組ごとに13人ですので、最後の人は2時間ぐらい待つことになるとの説明がありました。
試験室への入室・レイアウト
一人目が呼ばれ、試験室へ。その10分後ぐらいに私も呼ばれました。
試験の補助員の方に引率されて部屋の前へ移動し、部屋の入り方(扉が2枚あるため1枚目の扉はノックする必要はなく、2枚目の扉は開放されているが、その扉をノックするように)と、荷物の置き場所(荷物は全部持って入って、イスの横にある荷物置き用のイスに置くように)など簡単な説明を受けて、イスに座って待機。
そしていよいよ私の順番です。ドアをノックして、「失礼します」と言いながら部屋に入ると、荷物置き用のイスに荷物を置くように指示がありました。
そこに荷物を置き、「よろしくお願いします。」と挨拶をしてから、受験番号・氏名・生年月日を伝えると、席に座るように指示がありましたので、「失礼します。」と言って座りました。
試験室のレイアウトは、2名の試験官が長机に座り、そこから2mぐらい離れたところのイスに座っている状態です。
口述試験で聞かれた質問内容と私の解答
私が口述試験で聞かれた質問内容と、それに対する私の解答は以下のとおりです。
不動産登記法
- オンライン申請の場合、申請情報・添付情報には誰が電子署名するか?【過去問あり】
⇒ 申請情報は申請人、添付情報は作成者。 - 電子証明書の種類は?
⇒ 個人は、公的個人認証サービス電子証明書。法人は、登記所が作成する電子証明書。すいません、正確な表現はわかりません。(正解は、電子認証登記所電子証明書)
※ 私は市役所に勤めていた頃、電子証明書の発行事務を担当していたことがあったため、ラッキーなことに「公的個人認証サービス」という単語がスムーズに出てきました。 - オンライン申請の場合、取下げはどのようにするか?【過去問あり】
⇒ オンラインでする。
商業登記法
- 管轄外に本店移転する場合、新本店所在地分の申請書はどこに提出するか?
⇒ 旧の本店所在地に経由同時申請する。 - 旧本店所在地分と新本店所在地分の申請書はどのように提出するか?(先ほどと重複しますが)
⇒ 旧の本店所在地に経由同時申請する。 - そのように提出する理由は?
⇒ 登記が存在しない状態が発生しないように、新本店所在地の登記が完了してから旧本店所在地の登記を閉鎖するため。 - 新本店所在地分の申請が却下された場合、旧本店所在地分の申請はどうなるか?
⇒ 却下される。(正確には、却下したものとみなされる。)
司法書士法
- 司法書士の業務を3つあげよ。【過去問あり】
⇒ 登記・供託の手続の代理、登記・供託に関する審査請求の手続の代理、法務局に提出する書類の作成。 - 司法書士が登録制度になっている理由は?【過去問に類似問題あり】
⇒ (しどろもどろになりながら・・)司法書士の活動を把握し、管理監督できるように・・・。(それは司法書士会の登録制度の話で、司法書士の登録制度とは別の話だから、と指摘され、助け舟を出してもらいましたが、結局正解は不明) - 司法書士会が設置されている目的は?【過去問あり】
⇒ (しどろもどろになりながら・・)会員の品位を保持し、業務の改善進歩を図るため、指導・連絡を行うこと。
私が覚えている限りでは、以上の10問でした。時間は、10分弱(8分ぐらい?)だったと思います。
答えられなかったのは、10問中1問だけでしたので(司法書士の登録制度)、たぶん大丈夫だと思います!無事に終了~!!
結局、司法書士法1条・2条は出題されませんでしたね、、せっかく暗記したのに。。。
試験官は、二人とも穏やかで、とても優しそうな方でした。そのおかげで、必要以上に緊張せず、落ち着いて答えることができました。
最後に、「以上で終わります。」と言われたとき、私がホッとしてニコッと笑ったのに合わせて、笑顔で送り出してくれました。
最後は、「ありがとうございました。失礼します。」と言って、退室しました。
助け舟を出してくれる試験官もいらっしゃるとの噂に関しては、私の場合、1回だけ的外れな答えをしたときに(司法書士の登録制度)、助け舟を出してもらいましたが、結局その問いには、「すいません。これ以上、思いつきません。」と返答し、次の質問に進みました。う~ん、、正解は何だったんだろうか。。
司法書士の口述試験まとめ
こうして口述試験を振り返ると、「司法書士法」については、ほぼ過去問からの出題でしたので、予備校で入手した口述マニュアルや過去問が確実に役に立ったと思います。
一方、「不動産登記法」と「商業登記法」に関しては、過去問からの出題は少なかったです。
とはいえ、”理由が問われるという心づもりができた”という意味では、役に立ったのではないかと思います。
それと、もし筆記試験が終わってから、一切、不登法にも商登法にも触れずに口述試験に臨んでいたとしたら、完全に知識が飛んだ状態になっていたと思いますので、その意味でも役に立ったのは間違いありません。
過去問を見ることで、直接同じ問題は出題されないにしても、なんとなく頭の中に、不登法と商登法の知識の欠片が呼び戻され、口述試験でもなんとか記憶を手繰り寄せることができたような気がします。
ということで、司法書士の口述試験対策としては、筆記試験で使ったテキストをイチから読み直す必要まではないけれど、予備校が配布する口述マニュアルや過去問には、ひととおり目を通して、司法書士法に関してはしっかりと過去問で対策すること。そして、不登法と商登法は、過去問を通して記憶の欠片ぐらいは呼び戻しておくこと。といった対策でよいのではないでしょうか。
- 遅刻せずに試験会場に行きさえすれば合格できるため、必要以上に心配する必要はない。
- 可能であれば口述模試に参加する(難しいなら、家族や知人にシミュレーションしてもらう)。
- 筆記試験のテキストをイチから読み直す必要まではない 。
- 予備校が配布する口述マニュアルや過去問を入手する。
- 司法書士法は、過去問を使ってしっかり対策する。
- 不登法・商登法は、過去問が直接出題されることは少ないが、過去問を通じて記憶の欠片ぐらいは呼び戻しておく。
以上、司法書士の口述試験対策と私の体験談でした。