司法書士の即独にチャレンジ!独立開業の準備・手続・費用
更新日:2024年11月19日
私は、司法書士試験に合格した後、実務経験なしの独立開業(即独)にチャレンジしています。
このページでは、司法書士の即独は可能なのか、そして、実際に即独にチャレンジしている私の独立開業の実体験を書き記していきたいと思います。
この記事が、即独するかどうか迷っている方、そして、これから独立開業を目指そうとする方に役立つような記録になれば幸いです。
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司法書士の即独とは?
まずはじめに、司法書士の即独とは何なのか、簡単に説明しておきたいと思います。
- 司法書士試験合格後、勤務せずに独立開業することを『即独』という
- パターン①:補助者として実務経験のある方が即独するケース
- パターン②:実務経験なしで即独するケース
試験合格後、勤務せずに独立することを『即独』という
司法書士の独立開業は、試験に合格した後、まずは事務所に数年間勤務し、仕事をひととおり覚えてから独立するのが一般的です。
しかし、この一般的なルートを経ずに、試験合格後すぐに独立することを”即独”といいます。
①補助者として実務経験のある方が即独するケース
パターンとしては、補助者として実務経験のある方が、試験合格後に即独するケースがあります。
このケースは実務経験がありますので、即独といってもリスクは少ないですし、実際に、補助者から即独するケースは多いと思います。
②実務経験なしで即独するケース
もうひとつのパターンは、実務経験なしで即独するケースです。こちらは、実務がわからない状態で独立するわけですから、リスクが大きいですし、レアケースだと考えられます。
しかし私は、実務経験なしで、即独にチャレンジしようと考えました。
司法書士は即独できる?
司法書士の即独に関しては、”即独は、やめておいた方がいい”という意見が大半を占めますが、逆に”即独しても大丈夫”という意見があるのも事実です。
勤務した方がいいのは当然
もし仮に、「勤務してから独立するか、即独するか、どちらがいいでしょうか?」と、先輩に相談したとすれば、「勤務して経験を積んでから独立する方がいい」と言われるのは当然のことと思います。
これはつまり、適切な例えかどうかわかりませんが、例えば、「司法書士試験を受験する前に、模試を受けた方がいいですか?」と聞かれれば、それは当然、「受けた方がいいに決まっている」と、司法書士試験合格者なら誰もが答えるのと同じことです。
どちらの選択肢も選べるのなら、そりゃ模試を受けた方がいいに決まっています。司法書士の開業もそうです。勤務か即独か、どちらも選べるのなら、そりゃ勤務してから独立した方が良いに決まっています。
ですから、「勤務した方がいいかどうか」という質問をすること自体、意味がないんです。
即独は厳しいが不可能ではない
では、「即独は、可能か不可能か」という質問だったらどうでしょう。
即独は「不可能ではない」というのが答えになるはずです。事実、即独している人もいるわけですから。
ですので、「即独か勤務か」の問いには当然「勤務」。しかし、「即独が可能か不可能か」の問いなら「可能」が答えになる、ということですね。
もちろん、即独はリスクがあるでしょう。自分だけの問題ではなく、お客様に迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょうし、さらには、司法書士業界全体に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
しかし、「即独しても大丈夫」とおっしゃってくれる先輩もいらっしゃるわけですから、その言葉を信じて、私はチャレンジすることにしました!
私が即独にチャレンジする理由
そもそも、そんなリスクがあるのに、なぜ即独するの?勤務すればいいじゃないか、と疑問に感じる方もいらっしゃるかと思います。
私はもう十分働いた
私は、2020年までの22年間、市役所に勤めていました。これが実は激務でした。
夜9時10時まで残業するのが当たり前で、夜12時を過ぎることもありました。酷かった時期は、深夜2時を過ぎることもありました。もちろん休日出勤もしていました。そういう時期が7~8年続きました。
退職前の最後の3年間は、幸いにも残業がほとんどない部署に異動になりましたが、”私はもう十分働いた”というのが正直な気持ちでした。
やりたい仕事だけしながら、ゆっくりのんびり暮らしたい
そして、定年までの市役所生活のちょうど半分(大卒23歳から定年65歳まで働くとすれば、43年間の半分の22年間)を経過したところで、市役所を辞めました。
”セミリタイア”するような感覚です。
”この先の人生は、自分のやりたい仕事だけしながら、ゆっくりのんびり暮らしたい”と思ったんです。
そういうわけで、独立できる司法書士試験に合格した今、どこかの事務所に勤務して、毎日朝から晩まで誰かに拘束されながら仕事をするという道を、私は選びたくないんです。
少しは前提知識や経験がある
市役所では、市民課や資産税課、建築指導課や空き家対策に従事していたため、相続人調査で戸籍を追うことや、不動産登記簿を見ることには慣れていますし、嘱託登記(道路の所有権移転・地目変更)も経験していました。
宅建の資格を持っていますし、家を新築した経験もありますので、不動産取引の知識も少しはあります。
株式会社の設立も経験していますので、商業登記の実務も少しは知っています。
実質、私ひとりだけの会社ですが、実際に会社を経営していますので、司法書士事務所を経営するための経理などの知識もあります。
市役所では、窓口職場ばかりでしたので、お客様との接遇も、ある程度はできます。
というような、私自身に前提知識や経験が少しはあることも、即独を後押ししているのかもしれません。
即独に関する助言と同期の状況
私は、即独することについては、やはり不安が大きかったので、先輩司法書士にも相談しました。
勤務を勧める助言
まず最初に相談した先輩司法書士からは、以下のとおり、勤務を勧める助言をいただきました。
- 司法書士の仕事は、やり直しがきかない。間違ったでは済まされない。
- 1年か、最低でも半年は勤務をして、しっかり経験を積んでから開業することをお勧めする。
即独も可能との助言
そして、次に相談した先輩司法書士からは、以下のとおり、即独も可能との助言をいただきました。
- 配属研修で、不動産登記・商業登記の事件受任から完了までのワークフローがわかれば即独は可能。
- 事務所によってはお客様扱いのところもあるので、早期開業を目指して実務を身につけたい旨を配属研修先に伝えるとよい。
即独のススメ
そして、司法書士会の新人研修の中で、以下のように、即独を勧める助言をいただきました。
- 新人研修は、即独できるように研修メニューを考えている。致命的なミスさえしなければ大丈夫。私の話を信じて即独し、廃業した人は誰もいない。
- 皆さんはこれまで色んな仕事を経験してきて、今回ようやく司法書士試験に合格できたんだから、今さら誰かに雇われたいですか?独立でしょ!(林修先生の「いつやるか?今でしょ!」風に)
まさしく、この順番で私は助言を受けたわけです。
つまり、「即独はお勧めしない」 ⇒ 「即独も可能」 ⇒ 「即独を勧める」の順番です。
こうなってくると、もう即独ですよね!
もしこれが、逆の順番で話を聞いていたら、もう少し迷いが生じたかもしれませんが、私は幸運にも、話を聞けば聞くほど、即独の道へと導かれていきました。
もう、迷いはなくなりました!
同期の即独状況
私と同じ年度に司法書士試験に合格した同期にも、未経験からの即独を考えている方が、複数いらっしゃいました。たまたま研修で前後の席になった方がそうでしたし、合格者のグループLINEにも、Twitterにもいらっしゃいました。
というようなことで、未経験からの即独を目指しているのは、私だけじゃないんだなぁということがわかりました。
ネットで検索しても、即独した人の情報って、あまり出てこないんですよね、、、実際に生の声を聞いてみると、意外といるもんだなぁと思いましたね。
同じように即独する人がいるのなら、心強いです。
即独するには『配属研修』は必須
では、ここからは、司法書士の即独に向けた私の実体験を記録していきたいと思います。
配属研修 - 独立開業するための研修
司法書士試験に合格した後は、司法書士になるための”新人研修”が用意されています。
新人研修には、「中央研修」・「ブロック研修」・「配属研修」の3つがあり、中央研修とブロック研修は、eラーニング又は集合研修の形式で、先生から講義を受ける座学の研修です。
一方、「配属研修」というのは、一定期間(兵庫県では、6週間=実日数30日)、実際に司法書士事務所に配属され、その事務所で扱う案件を通じて、実務を学ぶことができます。
配属研修に関しては、受講するかどうかは任意ですが、未経験からの独立開業を目指すなら配属研修は必須です。(司法書士事務所に勤務する方は、配属研修は受講しないのが一般的です。)
即独に失敗しないためには、配属研修で、どれだけ実務を吸収できるかが勝負だと思います。
私も、即独を目指している旨を配属先に伝え、すぐに独立しても大丈夫なように、先生から実践的な指導を受けました。
研修は、基本的に、その事務所で受任した案件をもとに、書類のチェックの仕方や申請書の書き方、申請書類の組み方、オンライン申請の仕方、職務上請求書の書き方、戸籍の読み方、相談の受け方、報酬の決め方など、司法書士の実務をするうえで最低限必要な事項の全範囲について、指導を受けていきます。
その他、金融機関での書類の受け渡しや決済立会い、法務局での登記の申請、市民センターでの戸籍の請求、公証人役場での定款認証、などにも同行します。
※ 配属先の事務所によって取り扱う業務に違いがあるため、研修内容は異なってきます。
先生には、日々お忙しいなか、私のために手をとめてご指導いただき、本当に感謝しています。
新人研修の詳細については、下記の関連記事をご参照ください。
★重要★即独に失敗しないために開業後も相談できる関係を
実は私は、配属研修が始まる際に、研修期間を延長できないか相談していました。標準は6週間(実日数30日間)ですが、もし可能なら2ヶ月や3ヶ月に延長できないかと。
つまり、3ヶ月ほど勤務を経験するのと同じ状態を作りたかったわけです。
毎週1回、修行させてもらえることになった
そして、幸いなことに、研修終了後も配属先事務所のご好意により、週に1回、事務所に行って修行させていただけることになりました。(研修期間の延長ではなく、研修とは切り離したお互いの合意に基づくものです。)
これは、めちゃくちゃ有難い話です。開業後に自分が受任した案件について、いつでも相談できるわけですから、即独の不安が一気に吹き飛びましたね。
配属先事務所と関係を築くことはとても重要
まぁ、形はどうあれ、即独に失敗しないためには、配属先事務所と相談できる関係を築いておくことはとても重要だと思います。
実際、私が開業後に受任した案件について、毎週先生に質問して教えていただいていますので、めちゃくちゃ助かっています。1週間待てない場合は、携帯に電話して教えていただいたりもしています。
正直、この関係が築けていなかったら、即独は失敗していただろうなぁと思います。。
ちなみに、私の同期で即独した人や、私の2年後に即独した方(Twitterで知り合った方)も、私と同じく、配属研修後にそのまま修行させてもらいながら独立していますので、このパターンは、司法書士の即独に失敗しないための定番の方法なのかもしれませんね。
配属先がムリなら先輩や同期と相談できる関係を
もし、配属先事務所と良好な関係が築けなかった場合は、同期や先輩など、気軽に相談できる環境を作っておくことが大切ですね。
別の同期は、青年会にも積極的に顔を出して先輩との人脈を作り、わからないことがあれば、その先輩に聞いているそうです。いつも同じ人に聞くわけにもいかないので、複数の相談先を確保しておくことが重要です。
配属研修だけで全てを身につけるのは不可能
とにかく、配属研修だけで全てを身につけるのは不可能です。その都度その都度、疑問にぶち当たります。
しかも、即独した人が知りたいことは、実務書をいくら読んでも載っていないことばかりです。
つまり、理論的な難しい話やレアケースな取扱いの話ではなく、ごく当たり前の、実務的な運用上の話でわからないことが多いんです。
法的な問題ではなく、慣習上・運用上の問題、例えば、コピーは両面か片面か、綴じるのはクリップかホッチキスか、納品書類に何を入れるか、レターパックは赤か青か、決済の関係者(仲介業者・金融機関・相手方司法書士)と何を連絡調整すればいいか、など、とても小さな話でわからないことが出てきます。
こういう運用上の話は、実際に実務をしている人に聞くしかありませんので、いつでも気軽に聞ける人を作っておくことは、即独するうえで絶対的に必要なことだと思います。
司法書士の独立開業に向けた準備
次は、私が配属研修中に進めた独立開業に向けた準備について紹介します。
事務所の手配 - レンタルオフィス・シェアオフィスの注意点
私は、レンタルオフィス(シェアオフィス)で司法書士事務所を開業することにしました。
レンタルオフィスは、好立地でありながら家賃を安く抑えることができます。ひとりぼっちの事務所だと寂しいですが、レンタルオフィスなら寂しくありません。
さらに、レンタルオフィスでは、様々な職種の方が働いていますので、色んな人との出会いもあり、そこから仕事を広げていくこともできます。
レンタルオフィス(シェアオフィス)で開業する場合の注意点
ただし、司法書士事務所をレンタルオフィスで開業するには、いくつかの注意点があります。
実は、私はこの注意点を知らずに司法書士の登録申請をし、審査に落ちてしまいましたので。。
要するに、司法書士として”守秘義務が遵守できるかどうか”という観点です。
最初に登録申請をしたレンタルオフィスは、個室型ではなく、パーテーションで仕切られているブースでした。そして、相談スペースもパーテーションで仕切られているだけでした。
そこで、書類は鍵付きロッカーに保管すること。面談は原則として訪問することとし、もし訪問が困難な場合は近隣の貸会議室を利用することを提案しましたが、納得していただけませんでした。。
やはり、個人情報を含んだ書類を扱う観点から、”個室かどうか”が最重要ポイントのように感じましたね。
たとえ、書類を鍵付きのロッカーに片づけるとしても、ちょっと席を外す際に、その都度すべての書類をロッカーに片づけるのは現実的ではありません。席を外した際に、第三者が机の上に出ている書類を目にする可能性や手を伸ばす可能性などを指摘されました。
お客様との面談に関しては、近隣の貸会議室を利用することは、二重事務所の扱いになるとの見解でした。
レンタルオフィスで司法書士事務所を開業する場合の具体的な基準が定められているわけではありませんが、私の失敗経験から、以下の2点を満たす必要があると考えられます。
- 執務スペースは、個室で施錠できること。
- 相談スペースは、会話が他の利用者に聞こえないこと。
この注意点を満たせば、レンタルオフィスでも、司法書士事務所の開業ができるはずです。
ということで、日程の都合上、一旦自宅で事務所登録をした後、これらを満たすレンタルオフィス(シェアオフィス)を探し、そこに事務所を移転しました。
⇒ ところがその後、このシェアオフィスが閉店することになったため、当初審査に落ちたシェアオフィスに戻らざるを得ないことになりました。
しかし、同じ失敗は繰り返しません。今回は、オフィス運営者と協議しながら特別に許可を得て、約30万円かけて環境を整備させてもらいました。執務スペースには鍵付きの個室を設置し、相談スペースには、防音対策を施した個室状のブースを設置させてもらいました。
そして無事に、シェアオフィス『エリンサーブ』(加古川オフィス)に引っ越しが完了しました。
電話回線の手配 - やはりFAXも必要
司法書士の開業に向けて、電話回線の手配も必要になります。
私は、固定電話は置かず、すべてスマホで受信・発信できるようにしました。
無料の050(IP電話)と悩みましたが、社会的信用を考慮して、市外局番付きの番号にしました。
これは、「クラウドPBX」という仕組みを利用するもので、大雑把に言うと、インターネット上の電話交換機のイメージです。
NTTの”ひかり電話”はインターネット回線を利用していますので、そのインターネットを通じてかかってきた電話を、インターネット上の電話交換機を使って、スマホに繋ぐ、というイメージですね。
※ クラウドPBXを利用するには、通常のNTTひかり電話の利用料金に加えて、初期費用10,000円、月額3,000円が必要になります。
※ 私の居住地の市外局番は非対応でしたが、全国主要都市の市外局番なら、【03plus】の方が安く導入できます(NTTとの契約不要で月額1,280円~) 。
また、司法書士業務では、FAXの利用頻度が高いため、FAX用の電話番号も追加番号として契約しました。
※ 市外局番付きの電話番号にこだわらないなら、ネットFAX【eFAX】の方が安く済みます。
複合機の購入 - A3ノビ対応のものを
FAXと兼ねて、プリンター&コピー機の機能が付いた複合機も購入しました。
売買契約書や抵当権設定契約書などはA3用紙のものが多いため、複合機はA3に対応したものが必須です。
さらに言うと、「A3ノビ」に対応したプリンターの方がいいと思います。
「A3ノビ」というのは、A3より少し大きいサイズを指しますが、例えば、権利証の表紙に事務所名やお客様の氏名を印字したい場合に、このA3ノビに対応したプリンターでないと、印刷できないという不都合が生じます。
⇒ エプソン PX-M6011F (45,000円~50,000円程度で購入できます。)
私が購入したこの複合機は、A3ノビにも対応していますし、FAXの受信データをメールに送信できる機能もありますので、パソコンでFAXが受信できるようになります。(この機能では、送信は複合機からしかできません。)
業務ソフト・システムの導入 - 実務能力を高めてくれる
司法書士は、業務を行う上で様々な書類を作成しますが、そういった書類作成を含め、司法書士の業務全般を支援してくれる「業務ソフト(業務システム)」が販売されています。
業務ソフトは、登記申請書や各種書類の作成、登記のオンライン申請、見積書・請求書などの作成や管理、登記情報の取得、相続関係説明図の作成など、司法書士のあらゆる業務に対応しています。
オンライン申請をするだけなら、このような業務ソフトを使用せずに、法務省が無料で提供している「申請用総合ソフト」で申請することも可能です。
ただし、私の場合は、実務経験がない状態で開業しますので、業務ソフトの機能をフルに活用して、少しでも仕事の質を高めたいと考えています。
司法書士の業務ソフトとしては、権(ちから)、司法くん、2in1、タスカル、サムポロなどがありますが、司法書士業界で、もっとも高機能で人気の高い、株式会社リーガルの”権(ちから)”を導入することにしました。
⇒ 株式会社リーガル”権(ちから)”
※ 最高グレードの「MAX」で、月額9,000円~10,000円(+保守に加入すれば保守料5,500円)ほどです。
他社のシステムに比べると、若干コストはかかるかもしれませんが、未経験の私の業務能力を高めてくれるのなら安いものです。
※ ちなみに、私が初受任した商業登記の案件は、”権(ちから)”では対応していましたが、私の配属研修先が入れているシステムや即独した同期が入れたシステムでは対応していないことを後で知り、”権(ちから)”を選んで本当に良かったと思いました。。。
登記・供託オンライン申請システムの申込み
登記事項証明書をオンラインで請求したり、登記をオンライン申請するためには、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」に、申請者情報を登録する必要があります。
登録は、オンライン上で完了できますので、すぐに使える状態になります。
登記情報提供サービスの申込み
登記情報提供サービスとは、オンライン上で、登記情報が閲覧できるサービスです。
「登記事項証明書」と同一の情報がPDFで提供されますが、登記官の認証印が押印されないため証明書にはならない、というのが登記事項証明書との違いです。
登記情報提供サービスは、オンラインで申込みができますが、利用者IDが郵送で発行されますので、これが届くまで1週間ほどかかります。
職印(資格印)の作成
司法書士として開業するためには、司法書士の登録(+司法書士会の入会)の手続が必要ですが、その申請書類に「職印(資格印)」を押印する必要があります。
このため、司法書士になる前に、司法書士の職印を作成しないといけません。
まだ司法書士になっていなくても、職印ができ上がってくると気分がアガりますね!
私は、格安で印鑑が作成できるネットショップで注文しました。
⇒ はんこプレミアム
こちらの印鑑ショップは、私の会社の実印を作成したときにもお世話になったショップですので、格安ですが、安心して作成できました。
ネットで注文すると、翌日にデザインの確認メールが届き、それでOKなら、その翌日には出荷されるというスピード対応です。
司法書士の職印は、サイズは18mmで角印が一般的のようです。
※ 角印というのは形状・印影が四角い印鑑で、丸印というのは丸い印鑑です。
私も、18mmの角印で、書体は篆書体(てんしょたい)、材質は黒水牛で作成し、お値段は 7,580円でした。これと、印鑑ケース1,200円も購入しました。
彫刻する文字は、登録申請の注意事項に、「職印には、”司法書士 何某”と彫刻しなければならない」との記載があったため、「”之印”は彫刻してはならない」という意味も含まれていると解釈し、”之印”は入れませんでした。※ 実際には、”之印”を入れても問題ないようです。
以上が、配属研修中に準備した独立開業の記録です。
司法書士の開業の手続き
そして、6週間の配属研修が終わった翌日に、早速、司法書士会に登録・入会の申請手続に行きました。
司法書士会へ登録・入会申請
登録・入会というのは、日本司法書士会連合会が備える司法書士名簿に登録し、開業予定地の司法書士会に入会することをいいます。
この登録・入会を済ませた後でなければ、司法書士を名乗ることはできませんし、もちろん開業することもできません。
登録・入会の申請をしてから、実際に登録・入会が完了するまでには、おおむね1ヶ月程度の期間を見込んでおく必要がありますので、開業予定日には、注意が必要ですね。
申請書類
申請書類一式は、事前に司法書士会に連絡し、郵送してもらいました。
申請書類は、原則、持参することとされており、どうしてもやむを得ない場合を除き、郵送は認められていません。
実際、書類の書き方がわからない点が何か所かありましたので、窓口で教えてもらいながら書き加えていきました。
申請書類のほか、以下の書類を準備する必要があります。
- 5×5cmの顔写真(3枚)
- 住民票の写し(本籍必要・マイナンバー不要)
- 身分証明書(破産開始決定の通知を受けていないことのみを証明したもの。本籍地の市町村役場にて入手)
- 合格証書のコピー2枚(原本の持参も必要)
登録・入会費用
登録・入会にかかる費用は、以下のとおりです。
- 登録免許税 30,000円(収入印紙を事前に購入して、申請書に貼り付ける)
- 登録手数料 25,000円
- 入会金 40,000円
- バッジ代(徽章代) 7,000円
- 合計 102,000円 ※登録免許税30,000円以外は、申請時に現金で支払います。
登録面接
そして、申請書の提出から5日後に、「登録面接」を受けることになりました。(面接日は、面接をしてくださる役員の方の日程調整をしたうえで決定されます。)
登録面接は、所属する司法書士会の役員2名の方(会長・総務部長)との面接でした。事前に、司法書士を目指した理由や、取り扱いたい業務などを答えられるように考えていましたが、そういったことは一切質問されず、今後、司法書士になってからの注意点などについてお話をしていただきました。時間的には20分ほどだったと思います。
登録常務会
そして、月に2回ほど開催される「日本司法書士会連合会 登録常務会」の審査に通れば、登録完了です。(私の場合は、登録面接の2週間後に開催)
登録常務会というのは、日司連で開催されますので、申請者が出席する必要はありません。
つまり、登録までに司法書士会に直接訪問する必要があるのは、①申請書の提出、そして②登録面接の計2回ということになります。
ただし、私の場合は、レンタルオフィスでの開業ということで、上申書の提出や、登録常務会で落ちてしまったので、さらに追加書類の提出や追加面談(日司連 登録常務会のメンバー5名とのオンライン面談)など、1ヶ月間で5回ほど、司法書士会に通うことになりましたが。。。
登録
そして、無事に登録常務会で登録が認められれば、その翌日に司法書士会から連絡が入ります。(落ちた場合は落ちた旨の連絡があります。。)
この連絡で、登録番号が教えてもらえます。そして、その1週間後ぐらいに、登録証書・会員証・徽章などを、司法書士会に受け取りに行きました。
電子証明書サービスの申込み
司法書士の登録ができれば、すぐに「電子証明書」の取得手続に入ります。電子証明書を取得しないと、オンライン申請ができませんからね。
司法書士の電子証明書は、セコムが発行してくれます。
上記のサイトから申請し、およそ3週間ほどで取得できました。
開業届・青色申告書の届出
そして、司法書士として開業すれば、開業届を税務署に提出します。司法書士は、個人事業主ということになります。
私は、税理士の先生にお願いして、開業届と青色申告書を提出してもらいましたので、詳しいことはわかりません。
開業届を提出すれば、開業届の控えがもらえますので、これを使って銀行口座の開設に進むことができます。
銀行口座(屋号入り)の開設
ということで、次は銀行口座の開設です。
普通に個人名義の銀行口座を使ってもいいのかもしれませんが、やはりお客様からの信頼の観点や、会計処理の観点から、屋号入りの銀行口座を開設することにしました。
個人名義の銀行口座は、口座名義が「氏名」ですが、屋号入りの口座というのは、口座名義が「〇〇司法書士事務所 氏名」という形になります。
必要書類は、金融機関によって異なるかと思いますが、一般的には、①本人確認書類、②開業届の控え、③事業内容が確認できる書類の3点が必要になります。
私は、楽天銀行で開設しましたが、①運転免許証のコピー、②開業届の控え、③司法書士会のホームページの会員名簿のページ の3点を提出しました。
それと、引落口座用に、地元の信用金庫の口座も作りました。(ネット銀行は、自動振替に対応していないため)
クレジットカードの作成
司法書士を開業すると、クレジットカードも必要になります。
「登記情報提供サービス」は、クレジットカード決済ですし、色んな消耗品や備品の購入もそうですよね。
登記情報提供サービスは、最初の登録時は個人のカードで登録しましたが、司法書士事務所のカードができてから、カード情報を変更しました。
私は、クレジットカードも楽天銀行で作りました。楽天銀行では、クレジットカードと同様の使い方ができる「デビットカード」が年会費1,100円で利用できるので便利です。
司法書士として独立したら必要になるもの
以上で、とりあえず手続的なものは完了ですね。では次は、司法書士として独立開業したら必要になる物品の紹介です。
事務所ゴム印の作成
これは、いわゆる”親子判”と呼ばれるゴム印です。1段ずつバラすこともできますし、それぞれ組み合わせて使うこともできます。
住所や氏名を記入する機会は頻繁にありますので、こういったゴム印の作成は必須ですね。
私は、①住所 ②事務所名 ③司法書士 〇〇〇〇 ④TEL FAX の4段の親子判を作成しました。
認印(申請印)の購入
認印(申請印)とは、職印とは別に、法務局に提出する書類に押印する印鑑です。
原本還付の原本証明をしたり、別送の添付書類の表紙に押印したり、書面申請する際の申請書に押印する場合に使用します。
認印は、ちゃんとした専用の印鑑を注文するのが一般的なのかもしれませんが、私の配属研修先の事務所では10mmの小さいハンコを使用しており、その先生からも、”100均の印鑑を買えばいい”と言われたので、普通に100均で売っている苗字だけのハンコ(10mm)を2本購入しました。
報酬表の作成
司法書士として開業すると、報酬を自分で決めないといけません。これにはかなり悩みました。。
司法書士の報酬については、平成30年に日本司法書士連合会が全国の司法書士にアンケート調査を行った結果が公表されています。
このアンケート結果や、周辺地域の事務所のホームページに載っている料金表、配属研修先の報酬額などを参考にしながら、とりあえず、これぐらいでどうかなという報酬表を作成してみました。
ただし、まだまだこれから業務を受任しながら、修正を加える必要があると思っていますので、ここで公表するのは差し控えさせていただきます。
配属研修では、報酬の設定に関して、次のように教わりました。
- 新人だからといって安い報酬を設定してはいけない。一度安く設定してしまうと値上げすることは難しい。価格競争になり司法書士業界の低迷を招く。
- 適正な価格を設定し、もしも高いと言われれば、値引きで対応すればいい。新人だからと言って安くせず、きちんとした価格を設定すること。
- その代わり、報酬の根拠をきちんと説明できるようにしておくこと。見積書には、一式といった曖昧な記載はせず、しっかりと明細を分けて記載するように。
会計ソフトの導入
司法書士として独立開業すれば、個人事業主として事務所の経営をすることになります。
そうなると当然、経理もしないといけませんし、確定申告も必要になります。
私は、前々から付き合いのある税理士の先生にサポートしていただくことにしましたが、日々の記帳は自分でやっています。
記帳は、クラウド会計ソフトの『freee』を使っています。
この会計ソフトは、簿記の知識がなくても、小遣い帳をつけるような感覚で入力できるのが、とても便利です。料金も、年払いで12,936円ですので、月々約1,000円で、ほとんど負担になりませんね。
ホームページの作成
司法書士を開業すれば、ホームページも作成したいですね。
集客のためというのはもちろんですが、お客様からの信頼という意味でも、ホームページはある方がいいと思います。やはり、口コミで紹介していただいた場合でも、まずはホームページを検索すると思うんですよね。
ということで、私はWordPressで自作しました。
とはいえ、WEBデザインはさっぱりできませんので、画像や写真がまったくない、ごくシンプルなホームページになってしまいましたが。。(どうにかして画像を足し込みたいところです。) ⇒ とりあえず、トップページの画像は、知人の紹介でデザイナーの方(株式会社Coloris | デザイン制作)に格安価格で作成していただき、なんとか格好がつくようになりました!
⇒ 大西雅明司法書士事務所 | 加古川市の相続登記なら当事務所へ
QRコードリーダー(バーコードリーダー)の購入
不動産登記のオンライン申請で、登記識別情報(12桁の英数字)を入力する場合、手打ちで入力しても構いませんが、QRコードリーダーがあれば便利です。
平成27年2月23日以降に作成された登記識別情報には、「QRコード」が入っていますので、これをQRコードリーダーを使って読み込むことで、入力の手間が省け、ミスなく入力することができます。
大げさなバーコードリーダーもありますが、私は、配属研修先が使っていたものと同じ、手のひらに収まるコンパクトなバーコードリーダーを購入しました。
これで読み取れば、一発です!
Tera ワイヤレス バーコードリーダー サイズ: 8cm×4cm×1cm 接続方式: USBケーブル/Bluetooth/2.4Gワイヤレス 価格: 約5,000円 |
ハンディープリンターの購入(ドットプリンターの代替として)
- この商品は、いつの間にか販売終了になっていました。。。
抵当権の設定登記を受任した場合、金融機関から抵当権設定契約書を預かり、それを登記原因証明情報として添付することになりますが、この抵当権設定契約書には、対象物件が印字されていないことが、ほとんどです。
「物件の表示」の欄には、司法書士が印字するのが慣例となっていますので、自分で印字しないといけません。
もちろん、手書きで記入しても問題ありませんので、手書きしている先生も多くいらっしゃいますが、「ドットプリンター」というプリンターを使って印字するのが一般的です。
※ 一般的なプリンターでは、実印を押印済みの契約書を手差しトレイから挿入した場合、紙詰まりで契約書がクシャクシャになるリスクがあるため、そのリスクを回避するために、給紙・排紙の構造がシンプルなドットプリンターが使用されます。
私の配属研修先の事務所も、ドットプリンターを使っていました。
ただし、このドットプリンターは、とても高額で(10万円以上かかります)、サイズもデカいんです。。
手書きするのも書き損じのリスクがありますし、汚い字で記入するのも気が引けます。。
そこで、ネットで色々と調べていたところ、「ハンディープリンター」を使って物件印字をされている先生を発見しました。
(参考記事)販売終了に伴いページが閉鎖されたので、リンクを消しました→ RICOH Handy Printer ビジネス活用事例:製本済みの契約書に直接印字。登記情報の追記作業を大幅短縮
ということで、私もリコーのハンディープリンターを購入し、物件印字にチャレンジしてみました!
緊張して手が震えながらでしたが、見事に成功!今後も、このハンディープリンターを使って物件印字をしていくつもりです。
リコー RICOH Handy Printer サイズ: 4.6 x 12.1 x 8.1 cm 価格: |
ちなみに、サンプルとして印字した写真を掲載しておきます。
このように、罫線が入っているタイプの用紙に対しても、1行ずつ狙いを定めながら印刷することができます。(通常は、フォントサイズ12ptで印刷する場合は2行ずつの印字になります)
その他事務用品
その他の事務用品として、権利証表紙、名入れ封筒、ファイル、文房具、ゴム印、名刺なども購入する必要があります。
司法書士特有の事務用品については、司法書士サプライセンター、法令書式センターのいずれかで購入することになると思います。
私としては、司法書士サプライセンターの方が安くで購入できるのでおすすめですね。同じような商品なら、法令書式センターよりも、司法書士サプライセンターの方が確実に安いです。
権利証表紙、権利証封筒、識別情報保護シール、ゴム印(原本還付・職務上請求書に押すゴム印)などは、司法書士サプライセンターで購入しました。
その他、司法書士に特有ではない事務用品(付箋、クリアファイル、日付印、朱肉、スタンプ台、印鑑マット、パンチ、修正テープ、のり、ホッチキス、クリップ、クラフト封筒、ファイル、コピー用紙、名入れ封筒など)は、アスクルで購入しました。
あと、各種のゴム印については、最初は司法書士サプライセンターで既製品をいくつか買いましたが、最近は、ヤフーショップのはんこ屋吉報堂というハンコ屋で、「1行オーダーゴム印」をいつも注文しています。
独立開業にかかった費用
以上、独立開業にかかった費用を集計すると、以下のようになります。
余計な出費が多い気がしますので、一般的にはもっと圧縮できるかと思いますが、とりあえず参考にしていただければと思います。
開業費合計
シェアオフィスで司法書士事務所の開業にかかった費用の合計は、およそ60万円でした。
ちなみに、実務書の購入に約15万円かかっていますので(←買いすぎ)、それを除けば約45万円になります。
項目 | 費用 |
---|---|
(1) 開業手続関連 | 133,830円 |
(2) 事務所関連 | 109,786円 |
(3) OA機器・システム・ホームページ関連 | 159,715円 |
(4) 文具・事務用品・実務書 | 230,297円 |
合計 | 633,628円 |
※ 毎月かかる費用は、後記の「月額固定費」の項目で別途計上しています。
開業費の明細
では、上記の合計金額の明細について、もう少し詳しく紹介していきます。
(1) 開業手続関連
まずは、 開業手続関連として、司法書士として開業するためには最低限、必ずかかってくる費用になります。(税理士報酬5,500円については、開業届を自分で出せばかかりません。)
項目 | 費用 |
---|---|
司法書士会入会・登録費用 | 103,100円 |
司法書士職印、職印ケース | 9,220円 |
司法書士電子証明書発行手数料 | 7,260円 |
開業届税理士報酬 | 5,500円 |
小計 | 133,830円 |
(2) 事務所関連
次は、 シェアオフィスの事務所関連の費用です。
項目 | 費用 |
---|---|
シェアオフィス初期費用 | 31,000円 |
イス、キャビネット、スチールワゴン、デスクライトなど | 40,718円 |
電話・FAX・ネット回線初期費用 | 38,068円 |
小計 | 109,786円 |
※ 私が利用しているシェアオフィスでは、机は備付けですが、その他の什器は自分で用意する形です。
(3) OA機器・システム・ホームページ関連
次は、 OA機器やシステム、ホームページ関連の費用です。
項目 | 費用 |
---|---|
A3対応 複合機(FAX付き) | 44,440円 |
ハンディープリンター | 39,410円 |
電子署名用PDFソフト(SkyPDF Professional) | 14,300円 |
バックアップ用ハードディスク | 8,480円 |
バーコードリーダー | 5,169円 |
ホームページドメイン取得 | 1,980円 |
ロゴデザイン費 | 33,000円 |
会計ソフト(年払い) | 12,936円 |
小計 | 159,715円 |
(4) 文具・事務用品・実務書
そして最後は、文具・事務用品、実務書などの費用です。
実務書を買いまくった結果(33冊)、15万円もかかってしまいました。。
項目 | 費用 |
---|---|
各種ゴム印、登記識別情報厚紙など | 29,993円 |
名入れ封筒 | 6,221円 |
朱肉、スタンプ台、パンチ、付箋、コピー用紙、電卓その他文具 | 45,681円 |
実務書(33冊) | 148,402円 |
小計 | 230,297円 |
月額固定費
次は、 上記の開業費とは別に、これから司法書士事務所を経営するうえで、毎月固定費としてかかってくる費用になります。
項目 | 月額費用 |
---|---|
司法書士会会費 | 23,000円 |
シェアオフィス家賃 | 27,333円 |
電話・FAX・ネット回線 | 8,107円 |
業務ソフト | 14,410円 |
税理士顧問料 | 16,500円 |
司法書士賠償責任保険(オプション) | 2,186円 |
月額合計 | 91,536円 |
独立開業にかかる費用まとめ
ということで、私が司法書士事務所を開業するためにかかった費用の合計は、約60万円。そして、毎月の固定費が約9万円ということになります。
項目 | 費用 |
---|---|
開業費 | 約60万円 |
月額固定費 | 約9万円 |
つまり、最低でも毎月9万円は稼がないと、赤字になるということですね、、厳しい。。。
開業資金はいくら必要?
こう考えると、開業資金としては、最低50万円ぐらいは必要で、100万円ぐらいあった方が安心できそうですね。
私の場合は、シェアオフィスを利用していますので、初期費用や什器代などが安く済んでいますし、あと、パソコンもプライベート用をそのまま利用していますので、買わずに済んでいます。
ですので、もし、事務所を1室借りる場合や、パソコンを別途購入する場合は、その辺りも考慮して、ご自身の開業資金を見積もってみてください。
開業後の売上状況|赤字継続中・・・
私は、2022年4月21日に司法書士として登録(自宅登録)し、6月からシェアオフィスを借りて、事務所として開業しました。
そこからの仕事の受任状況について、ここで報告したいと思います。
私は、営業活動は一切していませんので、最初の半年間は、直接の知人・友人や、その親族からのご依頼のみでした。
そして、半年を過ぎたあたりから、ホームページ経由でのご依頼がポツポツと月に1件ほど入るようになりました。
ところが、開業後1年を経過したあたりから、ホームページからの問い合わせはパッタリと来なくなり、その代わりにリピーターのお客様や紹介でのご依頼が続いている状況です。
開業後の最初の年(2022年の9ヶ月間)にご依頼いただいた件数は、不動産登記が4件、商業登記が1件、裁判書類作成業務が2件の計7件になります。
※ この件数は、登記申請件数ではなく、ご依頼があった件数でカウントしています。例えば、贈与で名変・移転を申請した場合は1件、売買で抹消・移転・設定を申請した場合も1件、という数え方です。
そして、次の年(2023年)は、不動産登記が9件、商業登記が2件、裁判書類作成業務が2件、その他書類作成が1件の計14件でした。
分類 | 内訳 | 1年目(9ヶ月間) 2022.4~2022.12 |
2年目 2023.1~2023.12 |
---|---|---|---|
不動産 | 相続 | 1 | 4 |
売買 | 1 | 3 | |
贈与 | 1 | 2 | |
新築 | 1 | ||
商業 | 設立 | 1 | |
役員変更 | 1 | ||
組織変更 | 1 | ||
裁判書類 | 相続放棄 | 2 | 2 |
その他 | 1 | ||
合計 | 7 | 14 |
司法書士開業時の想定(目標)は、1ヶ月に1件の仕事をするぐらいのペースで、のんびりやっていきたいなぁと思っていましたので、ほぼ想定どおりで進んでいます。
実際のところ、このペースで仕事をすると、赤字になります。毎月の固定費が9万円かかるわけですから、当然ですよね。
しかも、友人・知人からのご依頼が中心ですから、通常価格よりもかなり割り引いた価格で受けていますので。。