【独学 合格体験記】司法書士試験の勉強スケジュール&受験記録
私は、2008年度に社会人(兼業受験生)として独学で司法書士試験の勉強を始め、途中8年のブランクを経て、2020年度に仕事を辞めて専業受験生になり、2021年度にようやく司法書士試験に合格することができました。
このページでは、私が独学で司法書士試験の勉強をした記録(勉強スケジュール・勉強法・受験結果など)を、合格体験記として記しています。
ズラズラと書いていますので、かなり読みにくいと思いますが、これから司法書士試験を目指す方にとって、何かの参考になれば幸いです。
※ 独学おすすめ勉強法や勉強時間を整理したページはこちら⇒司法書士の独学に必要な勉強時間とおすすめ勉強法
【執筆者】 |
執筆者紹介 |
私が司法書士を目指したきっかけ
私はもともと、公務員として市役所に勤めていました。
市役所6年目で建築指導課に配属された際に、あまりにも知識が足りないと思い、宅建の資格を取り、その後、条例制定や不服申立てなどに携わったことで法律への興味が沸き、行政書士の資格を取りました。
建築指導課や資産税課では不動産登記に触れ、市民課では戸籍や住民票に携わり、空き家対策では相続問題に関わるなど、司法書士の不動産登記業務と関連性のある部署を経験してきました。
こういった中で、法律への興味が高まり、法律の専門家になりたい、私も司法書士の仕事がしてみたいと思うようになったことが、私が司法書士を目指すようになったきっかけです。
もし司法書士に合格できた場合には、市役所を辞めて独立したいという思いも頭の片隅に持っていました。
司法書士試験に独学で合格するまでの私の勉強スケジュール
次は、私が司法書士試験に独学で合格するまでの勉強スケジュールと勉強時間を紹介します。
社会人として働きながらの勉強スケジュール
私が独学で司法書士試験の勉強を始めた当初は、社会人として働きながらの兼業受験生でしたので、毎日仕事から帰ってきてから1日に2時間程度の勉強時間を目標に勉強を始めました。
平成20年度(2008年度)
勉強期間 | 約7ヶ月(H19.12月~H20.7月) |
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勉強時間 | ほぼ目標どおり1日2時間程度を確保 |
受験結果 | 【第1回目受験】 択一は半分くらいの正解。記述は3割程度しか書けませんでした。 |
⇒ 平成20年度の基準点は、午前28問・午後26問でしたが、私の成績は、午前16問・午後18問で、基準点には遠く及びませんでした。
平成21年度(2009年度)
勉強期間 | 約6ヶ月(H20.12月~H21.5月)※準備不足及び仕事の都合上、5月で打ち切り |
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勉強時間 | 1日1時間程度しか勉強できず。 |
受験結果 | 受験せず。 |
平成22年度(2010年度)
勉強期間 | 約10ヶ月(H21.7月~H22.4月)※学習計画の半分も進まなかったため、4月で打ち切り |
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勉強時間 | 最初の3ヶ月は1日1時間程度の勉強ができましたが、その後は1週間に2時間程度、、平均すれば、1日10分程度か。。 |
受験結果 | 受験せず。 |
平成23年度(2011年度)
勉強期間 | 前年と同様。 |
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勉強時間 | |
受験結果 | 受験せず。 |
平成24年度(2012年度)
勉強期間 | 12ヶ月(H23.7月~H24.7月) |
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勉強時間 | 昨年、一昨年と同様に最初の3ヶ月は1日約1時間、その後は1週間に2時間程度、、、しかし、ラスト3ヶ月はエンジンフル回転で、1日3時間の大奮闘!! |
受験結果 | 【第2回目受験】 4年ぶりに受験しました。自己採点では、択一は7~8割程度の正答率。ひょっとして??と思いましたが、ダメでした。。 |
⇒ 平成24年度の基準点は、午前28問・午後26問のところ、私の成績は、午前26問・午後25問で、基準点まであと一歩のところまで来ました。
この5年間で、およそ1,000時間の勉強時間になりました。
しかし、仕事の都合上、これ以上勉強を続けることは難しくなったため、一旦、司法書士の勉強を中断することになりました。
その数年後、少しぐらいなら勉強時間が取れそうになってきたため、司法書士ほども難しくない他の資格試験を受験することにし、管理業務主任者試験(H28)、マンション管理士試験(H29)、賃貸不動産経営管理士試験(R1)を受験し、それぞれ一発合格することができました。
専業受験生になってからの勉強スケジュール
そして、令和2年(2020年)3月末に、それまで勤めていた市役所を辞め、8年のブランクを経て、専業受験生として本気で司法書士を目指すことにしました。
令和2年度(2020年度)
想定では、4月から6月までの3ヶ月間で、すべての可処分時間を勉強に費やし、1日10時間ぐらい勉強するつもりで勉強を始めましたが、結局、1日5~6時間程度しか勉強できない日々が続きました。これはヤバい、、、と思っていた矢先、試験日程が3ヶ月ほど延びることになりました。ラッキー!
そのお陰で、かなりの勉強時間を確保することができました。
結果的に、この半年間の1日の勉強時間は、以下のような具合です。
毎朝8時に起床し、午前中に2時間、午後に4時間というのが標準的なリズムでした。8月・9月は、それに加えて夜に2~3時間プラスしたような形です。
時期 | 1日当たりの勉強時間 |
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4月 | 6時間 |
5月前半 | 4時間 |
5月後半 | 中断※ |
6月~ | 5~6時間 |
7月後半 | 6時間 |
8月 | 8時間 |
9月 | 9時間 |
※ 5月後半の中断というのは、ちょうど新型コロナの影響で試験日程の延期が発表され、どうにも勉強のやる気が起こらなくなったため、思い切って2週間中断した時期です。
この半年間の勉強時間をトータルすると、およそ1,000時間になります。
過去、司法書士試験のために、平成20年から平成24年まで5年間勉強しましたが、そのトータルの勉強時間が、およそ1,000時間でしたので、その5年間に匹敵する勉強量を、この半年間でこなしたことになります。
勉強期間 | 6ヶ月(R2.4月~9月) ※試験日が9月末に延期された年です。 |
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勉強時間 | 専業受験生として1日の大半を勉強に費やし、この半年間で、およそ1,000時間の勉強をしました。 前半3ヶ月間は1日5~6時間、後半3ヶ月間は1日6~9時間程度。 |
受験結果 | 【第3回目受験】 8年ぶりに司法書士試験を受験しました! 自己採点では、午前択一:35問中31問、午後択一:35問中32問と、合格間違いなし!かと思いきや、記述:30点程度という、足切り点を超えるか超えないか、、いや超えないだろう、、という結果になりました。。でも、超えてくれーー!! ※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更 |
⇒ 結局、不合格が確定。。
合計得点は合格点を13点上回っていましたが、やはり記述が足切り点(32点)を超えることができませんでした。
基準点は、午前25問・午後24問のところ、私の成績は、午前32問・午後32問(なんと、午後は全国9位!)。そして記述は、、、不登法17.5点・商登法9.0点で26.5点、、、情けない。。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
令和3年度(2021年度)
2020年度の司法書士試験を受験した後、2021年1月4日から専業受験生として勉強を再スタートしました。
1月4日から7月3日までですので、ちょうど半年間の勉強期間になります。
2020年度はちょうど半年間で1,000時間の勉強時間を確保できましたので、2021年度も同じペースで勉強することにしました。
しかし、勉強を再開した1月当初はなかなか気合が入らず、朝も起きれず、日中もダラダラしてしまう、、という状態だったので、これではいけないと思い、平日は毎日9時~17時まで、コワーキングオフィスで勉強することにしました。
これで、会社員がオフィスに出社するのと同様、まさに専業受験生!
前半3ヶ月間は、平日の日中6時間、土日3時間。後半3ヶ月間は、平日の日中6時間+夜2時間、土日4時間 のペースで勉強しました。
ちなみに、午前の2時間が記述対策で、それ以外の時間は択一対策です。
時期 | 1日当たりの勉強時間 | |
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1月~3月 | 平日 | 6時間(午前2時間:記述、午後4時間:択一) |
土日 | 3時間(択一) | |
4月~6月 | 平日 | 8時間(午前2時間:記述、午後4時間+夜2時間:択一) |
土日 | 4時間(択一) |
この半年間の勉強時間は、およそ1,000時間ですので、司法書士の勉強を始めてから合計3,000時間の勉強時間を達成したことになります。
- 2008年~2012年の5年間で1,000時間 (兼業受験生時代)
- 2020年の半年間(4月~9月)で1,000時間 (専業受験生)
- 2021年の半年間(1月~7月)で1,000時間(専業受験生)
一般に、司法書士に合格するためには3,000時間の勉強時間が必要と言われていますので、まさにその3,000時間です。
勉強期間 | 6ヶ月(R3.1月~7月) |
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勉強時間 | 平日は毎日9時~17時まで、コワーキングオフィスで勉強 前半3ヶ月間は、平日の日中6時間、土日3時間。 後半3ヶ月間は、平日の日中6時間+夜2時間、土日4時間 のペース この半年間の勉強時間は、およそ1,000時間 司法書士の勉強を始めてから、合計3,000時間の勉強時間を達成 |
受験結果 | 【第4回目受験】 自己採点では、択一は、午前35問・午後29問で、余裕で基準点超え。ただし、記述が5~6割程度。。 今年こそは、記述の足切りを超えて欲しい。。。 |
⇒ ついに、筆記試験に合格しました!
基準点は、午前27問・午後22問のところ、私の成績は自己採点どおり午前35問・午後29問。
そして問題の記述はというと、、、基準点34点のところ、なんとスレスレの35点でセーフ!!!
これは冷や汗もんでした。。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
とはいえ、択一で高得点が取れているため、総合得点では、140位の成績で合格することができました!(筆記試験合格者 613人中140位ですので、上位23%ぐらいですね。)
司法書士試験の私の独学勉強法
それでは次は、司法書士試験の私の独学勉強法について、ご紹介したいと思います。
まず、勉強を開始した当初(兼業受験生時代)の勉強法(2008~2012年度)を紹介してから、専業受験生になり合格に一気に近づき、合格した年度の勉強法(2020年度・2021年度)を、順にご紹介していきます。
社会人時代(兼業受験生)の勉強法
勉強を開始した当初は、ごく一般的な勉強法どおり、基本テキストを読んで、過去問を解いて、、という勉強法でした。
まず、テキストについては、いくつかのテキストを試した結果、オートマシステムを使用することにしました。(詳細は、司法書士の独学におすすめのテキストのページ参照)
過去問についても、いくつかの過去問を試した結果、厳選された伊藤塾の過去問を使用することにしました。(詳細は、司法書士の独学におすすめの問題集のページ参照)
しかし、勉強を始めて2年目以降は、勉強時間が1日に1時間も取れなくなり、1年でテキストの全範囲を読み終えることさえできない状況が続きました。
その後、勉強を始めて5年目(2012年度)に入り、勉強時間を確保できない中で、とにかく短時間の勉強で効果を上げる方法を探した結果、次のような方法が非常に効率的であるという考えに至りました。
詳細は、司法書士の独学におすすめの問題集のページに記載していますが、
この勉強法により、基準点まであと一歩のところまでいくことができましたが、ここで一旦、司法書士の勉強は中断になります。
ちなみに、当時は記述対策には、ほとんど手が回っていませんでした。
合格”前”年度の勉強法
では、この令和2年4月から半年間の勉強法を、具体的に記したいと思います。
まず、基礎知識に関しては、8年前に、オートマシステムと必出3300選を使って、択一基準点まであと一歩のところまで来ていましたので、イチからやり直すことはしないことにしました。
- 「オートマシステム」・・・「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
- 「必出3300選」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。
ですので、必出3300選を使って勉強を開始しようと思いましたが、いかんせん、かれこれ5年も改訂版が出版されていないことに気づきました。(民法は2019年に改正民法対応版が出版されていましたが、他の科目については2020年4月~6月にかけて、ようやく出版されました)
このため、必出3300選のベースとなっている伊藤塾の「択一クイックマスター総整理講座」を受講し、その教材をメインテキストとして使用することにしました。
※ 当時は約6万円で購入できましたが、現在は、パック講座「学習経験者向けExceed(エクシード)コース」内に択一総整理編として組み込まれ、約40万円の講座になってしまいました。。(割引期間なら約25万円で購入できます)
※ 以下、クイックマスター総整理講座の教材についても、「必出3300選」と記載することとします。
そして、8年前の受験の際に、必出3300選だけではあと一歩及ばなかった印象があったため、「でるトコ一問一答」を使って、知識を補おうと考えました。
- 「でるトコ一問一答」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。
択一対策としては、必出3300選とでるトコ一問一答があれば大丈夫だと思いましたが、念のため、伊藤塾の通信講座で「択一実戦力養成答練」も申し込みました。
- 「択一実戦力養成答練(伊藤塾)」・・・「司法書士のおすすめの模試・答練」のページでご紹介しています。
一方、記述対策については、8年前までの受験勉強の際も、しっかりと勉強できたことが一度もなかったため、ほぼイチから始めるぐらいの気持ちでした。
まずは、雛形集「オートマシステム 試験に出るひながた集」を使って雛形を覚えるところから始め、「オートマシステム〈記述式〉」を使って基礎から応用までマスターし、最後に伊藤塾の「記述式答案構成力養成答練」で仕上げるというようなイメージです。
- 「オートマシステム 試験に出るひながた集」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。
- 「オートマシステム〈記述式〉」・・・「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
- 「記述式答案構成力養成答練(伊藤塾)」・・・「司法書士のおすすめの模試・答練」のページでご紹介しています。
合格年度の勉強法
次は、2021年度 司法書士試験に向けた勉強法について、記載していきます。
2020年度は、総合得点では合格点を13点も上回りながら、記述で足切りになるという非常に悔しい思いをしました。。(午前32問、午後32問、記述26.5点)
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
その敗因は、午後の択一に時間をかけ過ぎたことでした。
つまり、最優先課題は、「午後択一の解答スピードを上げること」です。
そして、択一対策としては、昨年「必出3300選」(→実際には、このベースになっている伊藤塾 択一クイックマスター総整理講座のテキストを使用)と「でるトコ一問一答」だけで、9割正答することができましたので、今年も同様の勉強方法で進めることにしました。
ちなみに、基本テキストについては、9年ほど前にオートマを読んだっきり読んだことがありません。昨年、ブランクを経て勉強を再開した際も、「クイックマスター」と「でるトコ」だけで択一の対策をしました。
もちろん、何か調べものをする際は、基本書を引っ張り出して確認しますが。(手元には、古い版ですがオートマが全巻揃っていますし、一部の科目だけリアリスティック、Vマジック、合格ゾーンテキストもあります。)
なお、今回の会社法の法改正対策のために、オートマ会社法だけは新たに購入して法改正部分だけ読みました。
- 「必出3300選(→クイックマスター)」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。 ただし、法改正に対応した改訂版の出版時期が遅いため、必出3300選のベースとなっている「択一クイックマスター総整理講座(伊藤塾)」を購入しました。 ⇒現在は、「学習経験者向けExceed(エクシード)コース」内の「択一総整理編」に組み込み
- 「でるトコ一問一答」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。
- 「オートマシステム」・・・「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
そして、記述対策としては、こちらも昨年同様、オートマ雛形集と、オートマ記述式を使用しました。
- 「オートマシステム 試験に出るひながた集」・・・「司法書士の独学におすすめの問題集」のページでおすすめしています。
- 「オートマシステム〈記述式〉」・・・「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
さらに、答練についても、昨年同様、伊藤塾の答練を申し込みました。
- 「択一実戦力養成答練(伊藤塾)」・・・「司法書士のおすすめの模試・答練」のページでご紹介しています。
- 「記述式答案構成力養成答練(伊藤塾)」・・・「司法書士のおすすめの模試・答練」のページでご紹介しています。
そして、今回の最優先課題である「午後択一の解答スピードアップ」については、ネットで情報収集したうえで、模試を受験しながら解法の実戦演習を積むことにしました。詳細は、後述します。
- 「全国公開模擬試験(LEC)」・・・「司法書士のおすすめの模試・答練」のページでご紹介しています。
合格”前”年度の勉強の記録
それではここからは、合格”前”年度(2020年度)の具体的な勉強内容を記録していきます。択一対策
【T-1①】4月
必出3300選の全科目を1周
一問一答部分(左ページ)を解きながら、順次、テキスト部分(右ページ)を確認
【T-1②】5月~(5月後半中断)~6月
必出3300選の全科目を1周
一問一答部分(左ページ)を解きながら、順次、テキスト部分(右ページ)を確認
司法書士試験では、その知識が何の知識なのか、よく似た制度、混同しやすい知識を比較しながら覚えていくことが大切ですので、ページとページにリンクを張りながら(関連するページ番号を余白にメモ書きしながら)勉強を進めていきました。
また、余白のメモでは追いつかないような場合は別途、書き出していました。
それ以外にも、特別に暗記する必要がある事項など(数字モノ)についても、別途書き出して、スキマ時間などに暗記するようにしました。
このようにして書き出したメモについては、「司法書士試験の暗記メモ・関連知識の覚え方」のページで公開していますので、興味のある方は、ご覧ください。
【T-1③】7月
必出3300選の全科目を1周
一問一答部分(左ページ)を解き、知識があやふやな問題や間違えた問題についてチェックを入れながら、順次、テキスト部分(右ページ)を確認
【T-1④】8月前半
必出3300選の一問一答部分でチェックを入れた問題のみを解き、まだあいまいな問題についてさらにチェックを入れながら全科目1周
【T-1⑤】8月後半
必出3300選の一問一答部分で二重にチェックが入っている問題のみ、全科目1周
【T-2①】8月下旬~9月中旬
でるトコ一問一答を、知識があやふやな問題にチェックを入れながら解き、1科目終えるごとに、チェックを入れた問題を復習。さらにあいまいな問題にチェックし、復習。
この要領で、でるトコ一問一答の全科目終了
結果的に、でるトコ一問一答を使ったのは、大成功でした。「必出3300選」と「でるトコ一問一答」の組み合わせは、最強だと思います。最強だと思う理由については、「司法書士の独学におすすめの問題集」のページに記載していますので、そちらをご参照ください。
ちなみに、でるトコ一問一答を解くうえで、正直、刑法については、必出3300選のカバー率が物凄く低く、かなり苦労しました。。その他の科目については、いい具合に必出3300選のスキマを埋めてくれるような出題が多いように思います。
【T-3①】7月中旬~8月末
伊藤塾の択一実戦力養成答練で、知識の確認(土曜に1回分、日曜に1回分)
通信講座のため、自宅で適宜、受験しました。この答練では、およそ8割程度の正解ができるような状態でした。まぁ、こんなもんかな~と思いながらも、少し気になったのは解答に要する時間でした。
民法は制限時間内で解けるのですが(20問を55分→1問約3分)、その他の科目がさっぱり制限時間(25問を55分→1問約2分)に収まりません。20分ほどオーバーしてしまいます(要するに、1問3分かかっているということ)。
どうしたもんかな、、と思いながらも、「試験当日は、もっと急いで解けば何とかなるだろう」ぐらいにしか考えず、特に何も対策は採りませんでした。この判断が、試験当日の命取りになろうとは、思いもよりませんでした。。。
【T-3②】9月頭~9月半ば
伊藤塾の択一実戦力養成答練で、復習のためにチェックを入れていた問題について土日に復習
記述式対策
【K-1】5月~6月
オートマシステムひながた集(不登法・商登法)を1周
【K-2】7月~8月中旬
オートマシステム〈記述式〉(不登法・商登法)を1周
このオートマシステムを解きながら、なんとなく自分なりの答案構成のやり方を作り上げていきました。テキスト自体にメモ書きをしてしまうと、復習の際に使えなくなってしまうと思ったため、基本的にメモ用紙にメモ書きするという手法です。
伊藤塾の答案構成の手法に近いものだと思います。ただし、メモ書きする内容は、辰已の超速解の手法に近いものになりました。この手法については、「司法書士試験の記述式対策 - 答案構成用紙の使い方」のページでご紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
- 「うかる!司法書士 記述式 答案構成力(伊藤塾)」・・・今回の受験勉強では使用していませんが、8年前にサラッと読んだことがありました。「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
- 「超速解 司法書士試験 記述式(辰已法律研究所)」・・・こちらも、今回の受験勉強では使用していませんが、同様に、サラッと読んだことがありました。「司法書士の独学におすすめのテキスト」のページでおすすめしています。
【K-3①】8月下旬~9月中旬
伊藤塾 記述式答案構成力養成答練を1周
基本的に、1日に、不登法1問と商登法1問を解くというリズムで進めました。
不登法の添付情報を、選択肢から選ぶという解答方法が「面倒くせぇ~」と思いながら取り組みました。たしか8年前に受験したときは、この出題形式を一度も経験しないまま、本試験当日の一発勝負でしたからね。。ちゃんと慣れておかないといけませんね。
記述式の答練については、解答時間は若干オーバーする程度で(1問当たり10分程度)、そこまで気になるほどではありませんでした。
ちなみに、この答練については講義を聴きたかったのですが、なんと伊藤塾は、試験日程が延期されたにもかかわらず、視聴期限を延長するには有料(2,000円)とのことでした。しかも、この「答練」については、延長制度の対象外となっており、延長できませんでした、、なんじゃそりゃ。。
【K-3②】9月中旬~下旬
伊藤塾 記述式答案構成力養成答練を、もう1周
試験前日まで毎日、不登法1問・商登法1問のリズムで続けました。
司法書士試験当日までの3日間
試験前の最後の3日間に何をすべきか、物凄く迷いました。
最近は、知識があやふやでチェックを入れていた問題しか解いていなかったため、それ以前はしっかり頭に入っていたとしても、その後に抜け落ちている知識がないだろうか、、と物凄く不安になったからです。
「必出3300選」の見直しをするか、するにしても、一問一答ベースでいくか、テキストベースでいくか、それとも「でるトコ」を回すか、、、いずれにしても、全範囲を回すことは不可能、、、と思いつつ、とりあえず必出3300選の民法について、一問一答を全問解き始めました、、、が、当然、時間ばかりが過ぎて、進みません。。
ということで、結局、チェックが入っている問題だけを解くことにしました。まる1日かけて民法が終了。う~ん、、これでは全範囲を見直すのは無理だな、、と思い、不動産登記法以降は、二重にチェックが入っている問題だけを見直すことにし、2日目が終了。
そしてラスト1日。最後の1日は、暗記事項を再度確認しようと思っていましたので、ひたすら暗記事項の確認をしました。それでもやはり、総復習がどうしても気になり、でるトコの民法について、二重にチェックが入っている問題を解き始めましたが、結局、寝る予定の時間までに終わらず、半分程度で終了し、もう諦めて眠ることにしました。(夜23時頃)
合格”前”年度の受験記録
2020年9月27日(日)、いざ決戦の日です。
当日の朝は、6時に起床し、7時に出発。試験会場に8時30分に到着しました。
お昼はコンビニのおにぎり3個を用意していきました。
持ち物は、受験票、マークシート用の太字のシャープペン(0.7mm)、記述用のボールペン(油性0.5mm)、多機能ボールペン(記述のメモ書き用のシャープペン(0.5mm)とボールペン(0.3mm))、プラスチック消しゴム2個です。
午前の択一式試験
午前9時30分から11時30分までの2時間が、午前の択一試験です。35問の問題を120分で解きますので、1問3分で解けば、お釣りが来ます。
私は、問題を解く順番などに関しては、特に策はなく、前から順番に解いていきます。しかし、憲法の1問目から、いきなりわからない問題が出てきたため、飛ばして2問目にいこうかと一瞬迷いましたが、とりあえず、わからないなりにも答えを出してから進もうと思い留まり、1問目から解き始めました。
その後、そこそこ順調に、1問3分のペースで解き進め、最後は15分ほど余らせて解き終わり、かなり良い手応えでした。
午後の択一式試験
次は、午後の部です。午後の部は、13時から16時までの3時間(180分)で、35問の択一問題と2問の記述式問題を解きます。
一般に、午後の択一は1問2分で解いて70分で解き終わり、残り110分を記述式問題に確保する必要があると言われています。
私は、最初の数問は、1問2分で解き進めることができましたが、3問目、5問目、10問目と進むにつれて、ペースが遅れていくことに気づいていました。
しかし、どうすることもできません。急いで解こうと思っても、選択肢が長く、検討に時間を要する出題が続きます。
くそ~、、と思いながら、アとイだけで答えが出ると思う出題であっても、それだけでは不安で、ウ~オまで全ての選択肢を読んでしまいます。これではダメだ~!と思いながらも、そのまま続けてしまいます、、どうすればいいんだ、、このままでは記述を解く時間がなくなってしまう。。
とにかく急ごう!それだけです。最悪、1問およそ2.5分かかって90分で択一を解き終われば、残り90分。この場合、記述1問45分で解くことになりますが、細かいところを端折れば、なんとかなる。そう考えて納得して解き進め、なんとかギリギリ90分で択一を解き終わりました。
記述式試験
さて、記述問題です。不動産登記法の問題を読むと、なんと長文、、、伊藤塾の答練では、こんな長い文章はありませんでした。ひょっとすると、模試を受ければこういう問題が出題されるのかもしれませんが、とにかくヤバい、、と思いました。私は、過去問さえも解いたことがありませんでしたので。。
でもとにかく、解くしかありません。不動産登記法については、「添付情報」の欄は、思い切って全て空欄で飛ばすことに決めました。
途中、解答を書く欄を間違えて時間をロスしてしまいました。しかも、この書き間違えた欄には、けっこう多くの文字を書きましたので、大きなロスです。
そうこうしながら、添付情報欄以外は、ほぼすべて埋めることができ、不動産登記法を約50分で解き終わりました。
残り40分で、商業登記法です。問題文を見たところ、割とスタンダードな問題のように感じました。これなら行けるかも!そう思いながら解き始めました。
そして第1回目の申請のところは、ほぼ全て書き切ることができました。
しかし、第2回目の申請に入ったところで、試験時間は残りわずか3分・・・。終わった、、、と思いながらも、目に飛び込んできた文字を、答案用紙に書き込みます。株式の併合、代表取締役の変更、、と。ここでタイムアップ。
第2回目の申請については、ほぼ空欄という、恐ろしい結果になってしまいました。。あとで悔やまれたことは、「委任状 1通」と書かなかったこと、、くそ~。。
合格”前”年度の受験結果
自己採点結果
そして、その結果は、、、
自己採点では
・午前択一:35問中31問(89%正解)
・午後択一:35問中32問(91%正解)
と、合格間違いなし!かと思いきや、
・記述:30点程度(43%正解)
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
という、足切り点を超えるか超えないか、、いや超えないだろう、、という結果になりました。。でも、超えてくれーー!!
と日々、祈っていましたが、結果は、記述で足切りでした。。
こういう結果は、司法書士受験生にとってみれば、”あるある”ですよね。。
成績通知
合計得点は合格点を13点上回っていましたが、やはり記述が足切り点(32点)を超えることができませんでした。
午前は、自己採点より正解が1問多く、32問正解で96点。午後は自己採点どおり32問正解で96点(なんと、全国9位!)。そして記述は、、、不登法17.5点・商登法9.0点で26.5点、、、情けない。。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
司法書士試験の敗因
今回の司法書士試験では、択一は9割超えですが、記述の時間が足りず、4割程度でした。
今回の敗因は、はっきりしています。
模試を一度も受験せず、年度別過去問も一度も解かずに本試験に臨むなど、午後の時間配分を甘く見ていたこと。その結果、「午後の択一に時間をかけ過ぎたこと」です。
時間の配分が、こんなに大きな致命傷になってくるとは思いもしませんでした。「本試験では急いで解けばなんとかなるだろう。」などと軽く考え過ぎていました。大失敗です。。本当に悔やまれます。この半年間の勉強が、、、またもう1年勉強を続けないといけないのか、、、くそぉ~。。
家に帰ってから、予備校がYouTubeで配信している動画を見ていると、午後の択一を速く解くためのテクニックの解説動画がありました。短い選択肢から読むようにしよう。確実に判断できる選択肢があれば、それを軸にして絞り込もう。などです。
あ~、、そういうことか~、、、なぜこの動画を試験前に見なかったんだ、、、
翌年度の司法書士試験に向けた対策
いつまでも悔やんでいても仕方ありません。来年に向けた対策の最優先は、「午後の択一を解くスピードを上げること」です。この点については、ネットで情報収集し、模試を多く受けてスピードアップを図ろうと考えています。
択一知識そのものについては、もう十分ですので、これから9ヶ月間、知識レベルを落とさないようにキープしながら、より速く解けるように知識の精度を上げること。
そして、記述については、長文問題に慣れる必要がありますので、これについても模試や答練で訓練を積むこと。
この方針で、勉強を開始しようと考えています。
合格年度の勉強の記録
それでは次は、合格年度(2021年度)の具体的な勉強内容を記録していきます。
択一対策
【T-1①②】1月頭~3月半ば
クイックマスターを2周(上記の表では「必出3300選」と記載していますが、実際に使用したのはクイックマスター総整理講座のテキストです。)
一問一答部分(左ページ)を解きながら、順次、テキスト部分(右ページ)を確認
1周目は、去年書き込んでいたメモを書き写しながら進めました。(関連ページへのリンクや、でるトコから補充した知識のメモなど)
2周目の段階で、知識があいまいな問題や間違えた問題にチェック。
【T-2①】3月半ば~4月半ば
でるトコ一問一答を1周
知識は、できるだけ全てクイックマスターに落とし込むように、あいまいな知識はクイックマスターのページを開いて確認し、載っていない知識は書き込んでいきました。
【T-3】4月半ば~5月半ば
伊藤塾の答練(択一実戦力養成答練)
時間を測り、制限時間内で解けるように取り組みました。昨年は、いくら時間オーバーしても、「本試験では、もっと急いで解けば大丈夫だろう。」という致命的な戦略ミスを犯しましたので。。
【T-1③】【T-2②】5月半ば~6月半ば
クイックマスターのチェックが入っている問題を復習。さらに全体を1周(3周目)
平行して、でるトコ一問一答のチェックを入れた問題のみを復習
【T-2③】6月半ば~7月頭
でるトコ一問一答の全体を1周(2周目)
<暗記対策>
昨年と同様に、特に抜き出して暗記する必要がある事項(類似論点、関連論点など紛らわしい知識や数字もの)については、別途メモを作成して、スキマ時間で暗記することにしました。
スキマ時間というのは、具体的には、毎日出社しているコワーキングオフィスへの道中(借りている駐車場に車を停めてからオフィスまで約10分歩きます)。
それと、1時間ごとに休憩を取りますので、休憩所への道中(約2分ほど歩きます)。
この時間を使って歩きながら暗記しました。1日に1枚のメモを持っていき、歩きながら完全に暗唱できる状態にまで暗記しました。
このメモについては、「司法書士択一式【知識の横断整理】」のページで公開していますので、興味のある方は、ご覧ください。
記述対策
【K-1】2月~3月半ば
記述式の答案構成や問題文の読み方などをもう少し改善できないかと思い、リアリスティック記述式を購入し、読んでみました。
リアリスティックでは、様々な手法が提案されていましたが、最終的に、「問題文を読む順番」のみを採用し、答案構成その他については、これまで通りいくことにしました。
※ 私の答案構成については、司法書士記述式【答案構成用紙の使い方】のページでご紹介しています。
【K-2】3月半ば~3月末
オートマ雛形集
雛形部分を目隠ししながら、読み進めていきました。雛形は、各社で微妙な違いがあるため、「ケータイ司法書士」と見比べたりしながら、書きやすそうな雛形で覚えていきました。
ちなみに、オートマ商登法では、「年月日次のとおり変更」や「年月日次の者就任」などの書き方をしていますが(ケータイ司法書士も同様)、伊藤塾では「年月日変更」「年月日就任」とだけ書きますので、私は、書く文字量が少なくて済む伊藤塾方式を採用しています。
【K-3】3月半ば~4月半ば
オートマ記述式
去年までは、A4用紙の裏紙などを再利用しながら答案構成をしていましたが、今年は面倒くさかったため、A4ノート(罫線なし)を購入して答案構成用紙として使用しました。
【K-4①】4月半ば~5月半ば
伊藤塾の答練(記述式答案構成力養成答練)
それにしても、伊藤塾の記述式の解説冊子って、どうしてあんなに読みにくいんでしょうか、、本当に独特ですよね(実体判断→架橋判断→手続判断の3段階)。伊藤塾の本科講座を受講している人には、しっくりくるんでしょうけれど、オートマ記述式のようにポイントを押さえた簡潔な解説に慣れてしまうと、伊藤塾の解説冊子は読む気になれない、、解説講義も面倒くさくて聴けない。。
それは去年も受講してわかっていたんですが、やはり記述といえば伊藤塾、という意識が抜けないもので、、、それに、「答案構成」を確立するには最適そうな出題をしてくれますし。
ということで、いつも最初のページに載っている「主要な判断の分かれ目」だけ確認し、どうしてもわからない論点だけ本文の解説を確認していました。
【K-5】5月半ば~5月末
記述式過去問(過去5年分)(LEC合格ゾーン)
去年は、本試験の問題文量の多さに戸惑ってしまったため、そうならないように過去5年分の記述式過去問に取り組みました。(伊藤塾の答練の問題は、本試験よりもコンパクトなため)
【K-4②】6月
伊藤塾の答練(2周目)
2周目として、オートマ記述式か伊藤塾答練のどちらを回すか迷い、最初はオートマをやり始めたのですが、やはり本試験形式の問題を解いた方がいいのではないかと思い直し、伊藤塾の答練をすることにしました。
午後択一の解答スピードアップ対策
そして、今年最大の課題である「午後択一の解答スピードアップ対策」です。
スピードアップ対策としては、以下のとおり取り組みました。
【S-1】4月上旬
ネットで情報収集
【S-2】4月末~6月中旬
LECの模試4回(在宅受験)
【S-3】6月後半
年度別過去問(午後択一のみ過去5年分)
アガルート模試(午後択一のみ)
まず、ネットで情報収集しながら、いくつかの手法を検討しました。
とりあえず、「わからない肢はサッと飛ばし、確実に判断できる肢を軸にして解答を絞り込み、検討する肢を減らす」という方針でいくことにしました。
まぁ、ネットで検索すれば出てくる、ごく当たり前の手法ですね。
ただし、少し違ったのが、「確実に判断できる肢」に関しては、「絶対に×」と判断できる肢だけを使って絞り込みをすることにしました。
なぜかというと、「絶対に〇」というのは、判断誤りが生じる可能性が高いからです。
この方針に基づき、伊藤塾の答練を受験してみたところ、制限時間内に解くことができましたので、これで行こうと決めました。
そして、LECの公開模試・スーパー公開模試を受験しました。合計4回の模試になります。
ところが、午後択一は、いくら頑張っても75分かかってしまいます。
目標は、2分×35問=70分で択一を解き終わり、不登法記述55分、商登法記述55分の時間配分です。
さらに言えば、理想は択一60分で、記述も60分・60分です。
どうにかならないものかと必死で解きますが、結局、4回の模試いずれも、75分かかってしまいました。
う~ん、、、このままでいいものか、それとも、さらにスピードアップを図るべきなのか、悩みました。
実際のところ、択一の最後の方に来ると、もう時間が差し迫ってきて、落ち着いて問題を検討する余裕もなくなってきます。
さらに、記述の時間がどうしても不足してしまい、最後まで全て書き切ることができません。
ということは、このままの方針ではダメなんじゃないかと思い、「絶対に×」と判断できるものだけでなく、「絶対に〇」と判断できる肢も使って、解答を絞り込んでいく必要があるのではないか、と思い始めました。
ただ、すでに模試は4回分すべて受け終わっています。
ということで、ここで急遽、年度別過去問を購入することにしました。本試験2週間前のことです。
LECの合格ゾーンの年度別過去問集を注文しようとしたところ、Amazonも楽天も既に在庫切れ、、万事休すか、、と思いましたが、なんとか伊藤塾の年度別過去問を、伊藤塾の直販で購入することができました。
それと、アガルートの模試(2回分)も購入しました。
これらを使って、午後の択一問題を、毎日30分程度ずつ(17~18問)、時間を測りながら試してみることにしました。
するとやはり、「絶対に〇」と判断した肢で、判断ミスが発生しました。
これは、ヤバい、、どうしよう、、と悩みました。。
ただ、その判断ミスを分析すると、単なる読み違いや勘違いです。用語の意味を、別の用語に読み違えるパターンや、勘違いで、できる・できないを逆に判断してしまうなどです。
ですので、そもそも、このパターンなら「〇」であろうと「×」であろうと同じです。
それにそもそも、「絶対に〇」と判断できるケースは、「絶対に×」と判断できるケースよりも少ないです。「〇」に関しては、それだけ慎重に判断しているということです。
ということで、そのままの方針で続けることにしました。徐々に「絶対に〇」に関する判断ミスも減ってきました。
時間も、およそ60分~70分程度で解けるようになってきました。
ということで、これで午後択一の戦略は確定です!
「絶対に×」と「絶対に〇」の両方を使って選択肢を絞り込む。です。
なお、午前択一に関しては時間的に十分な余裕がありますので、より確実に「絶対に×」だけを使って絞り込む方針にしました。
模試の成績
ちなみに、模試の成績は以下のとおりでした。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
LEC 全国公開模試
【第1回】
午前29問、午後29問、記述41点(合計215.0点) ⇒ 425位/1377人中(C判定)
【第2回】
午前30問、午後27問、記述43.5点(合計214.5点) ⇒ 428位/1437人中(B判定)
LEC全国スーパー公開模試
【第1回】
午前30問、午後30問、記述28.5点(合計208.5点) ⇒ 399位/1501人中(C判定)
【第2回】
午前31問、午後31問、記述49.0点(合計235.0点) ⇒ 149位/1499人中(S判定)
合格年度の受験記録
2021年7月4日(日)、いざ決戦の日です。
当日は、朝6時に起床し、7時に家を出発。試験会場に8時40分頃に到着しました。
お昼は、コンビニのおにぎり3個を用意していきました。
持ち物は、受験票、マークシート用の太字のシャープペン(0.7mm)、記述用のボールペン(ジェットストリーム0.38mm)、多機能ボールペン(記述のメモ書き用のシャープペン(0.5mm)と予備用ボールペン(0.3mm))、ラインマーカー(赤字のフリクションボールペン)、プラスチック消しゴム2個、腕時計、マスク、500mlペットボトルの水です。
午前の択一式試験
午前9時30分から11時30分までの120分間が、午前の択一試験です。
35問の問題を120分で解きますので、1問3分で解いても15分の見直しができます。
開始直後、隣の座席の60~70代のおじいさまの動きが気になります、、鉛筆でシャーッと線を引く音、、どうしてそんな大きな音が出るのか、、、さらに、声も聞こえてきます、「ふぅー」というため息のような声。。
自分が集中できていない証拠だと思い、顔を逆方向に背けて、必死で集中しました。
午前に関しては、時間的に十分な余裕がありますので、じっくりと落ち着いて問題を検討し、「絶対に×」が出てきた時点で解答を絞り込む、という戦略どおりに進めました。
最初の方は、基礎知識で解ける問題が続き、これはみんな得点できる問題ばかりじゃないのか?、、と思ったり、それとも自分の知識レベルが上がったから易しく感じるだけなのか??と思ったりしながら解き続けました。
後半からは、難易度が高そうな問題も出てきましたが、およそ90分で解き終わったと思います。
1問あたり2.5分ぐらいですね。残りの30分で見直しです。解きながら、不安のある問題には印をつけていましたので、その問題の再検討です。
そこで、明らかに答えが変わる問題がありました。これは、かなり確信が持てるものでしたので、答えを修正しました。(⇒修正後の解答が見事に正解!)
それと、全肢を検討していない問題についても、念のために検討しましたが、修正が必要なものはありませんでした。
これで、午前択一は終了。かなりの手応えでした。しかし、ここで安心してはいけません。勝負は午後ですから。
午後の択一式試験
次は午後の部です。午後の部は、13時から16時までの3時間(180分)で、35問の択一問題と2問の記述式問題を解きます。
一般に、午後の択一は1問2分で解いて70分で解き終わり、残り110分を記述式問題に確保する必要があると言われています。
私もこれを肝に銘じて、解答スピードアップに取り組んできました。
最初の10問程度(マイナー科目)は、1問1.5分程度で進み(10問で15分ぐらい)、不登法の中盤に入った辺り(20問)で40分ぐらいになり、なんとか1問2分をキープできていました。
とは言え、不登法は、かなり厳しいです。問題文も長く、悩む問題も多い、徐々に遅れていきます。不登法が終わった段階(27問)で6分オーバーの60分経過。
あとは商登法を2分弱で解けばなんとかなる、、結局、5分オーバーの75分で午後択一を解き終わりました。
ここで一口、水を飲みました。喉がカラカラです。
問題を解きながら喉の渇きを感じていました。脱水で倒れたらどうしようと一瞬頭をよぎりましたが、水を飲む余裕はありませんでした。
ひとまず、想定の70分より5分オーバーですが、なんとか許容範囲ということで、一息つきました。
記述式試験(不動産登記法)
いよいよ、記述式です。
昨年は、不登法の問題文の長さに出鼻をくじかれましたが、今年はそんなことはありません。しっかりと過去問も解きましたし、模試も受けました。
とはいえ、気持ちが高ぶり、焦りまくっていました。しっかりと落ち着いて問題文を検討できるような精神状態ではありません。
その証拠に、答案構成用紙に登記記録をメモする段階で、「根抵当権の債務者」をなぜか書き落としていました。意味不明ですね、、こんなことあり得ないんですが、、、答案構成を進める途中で気づいて書き足しました。(⇒しかしこれが、今回の命取りになります。。)
とりあえず答案構成が終わり、第1欄を記載します。名変・住変を入れてから、会社分割で所有権移転。3枠目は「登記不要」として、ここは特に問題なし。
ちょっと気になったのは、「義務者の印鑑証明書」ですね。会社法人等番号を提供しているため、法人の印鑑証明書は提供不要という理解でいいのかな?と思いました。伊藤塾の答練では注意書きがあり、しっかりと添付させていましたので、取扱いが違うのか、、とにかく添付情報の一覧に入っていないということは提供は不要なんだろうと理解しました。
次に、第2欄を記載します。債務者について名変・住変を入れてから、分割譲渡・・・。
この時点では、会社分割により共用根抵当権になることに、まだ気づいていません。なぜかというと、最初の答案構成の段階で、債務者を書き込むのを忘れていたため、債務者についての検討ができていなかったからです。
分割譲渡の大量の登記事項を必死に書き終わり、3枠目と4枠目を「登記不要」と記載し、第3欄へ。
第3欄に根抵当権の変更登記を記載するために、問題文の事実関係を改めて読み直すと、あれ??と気づきます。分割譲渡した根抵当権の債務者を「(株)はやぶさ」のみとする!?
つまり、共用根抵当権になっていることを教えてくれています。なんと!!
そういうことか!と、ここで気づきました。
しかし、もう滅茶苦茶テンパっています。焦りながら必死にリカバリーを図りました。
第2欄の分割譲渡のところに、無理やり(株)はやぶさを書き足しました。さらに、債務者の名変・住変のところにも、無理やり(株)はやぶさを書き足しました。
このときは、この修正でOKと判断しました、、OKなわけないんですが、めちゃめちゃです。。
そして、第3欄の解答を記載しました。1枠目の「追加する債権」の書き方がわかりませんでしたが、権利者義務者の部分点狙いで記載。2枠目は特に問題なく書けました。
この時点で、不登法に入ってから60分が経過しており、残り時間45分です。
第4欄を検討するかどうか一瞬迷いました。利益相反のことを問われているのだろうと気づいていましたが、ここに時間を割くよりも、商登法に入った方がいいのではないか、と判断し、第4欄は空欄で飛ばすことにしました。
記述式試験(商業登記法)
そして、商登法です。
役員も少なく、別紙も割とシンプルです。これならイケる!と思い、検討を始めました。
第1回目の申請です。うーん、、なんでこんなに登記事項が少ないんだろう、、、普通は第1回目の申請の方が登記事項は多いはずなのに、、と思い、慎重に検討しますが、他に登記事項はありません。3つだけです。
とはいうものの、新株予約権の発行がありますので、記載する文字量は大量です。書き方に迷いながら、ズラズラと根気を持って書き終えました。
正直、去年の自分だったら心が折れてしまうところですが、過去問や模試をしっかりと受験し、大量の文字を書かされるケースもある、ということを認識していましたので、大量の文字を書くことに抵抗はありませんでした。
そして、第2回目の申請に移ります。役員の選任がされたところで、単に就任の登記だけを入れればいいんだと最初は思ったのですが、あれ??公開会社になったんだから退任するんだ!と気づき、危ない危ないと思いながら、退任登記を入れていきました。
新株予約権の消滅にはバッチリ気づきましたが、支配人が選任できないことには、まったく気づきませんでした。そもそもこれは、落ち着いて検討しても気づかないと思います。(択一では当然の知識ですが、記述で気づくのは難しい。。)
ということで、「登記できない事項」に関しては、「なし」と記載しました。
これで、ジャスト16時になり、試験終了ー!!
なんとか一通り、最後まで書き切ることができました。去年は、商登法の第2回目の申請がほぼ白紙でしたので、大きな進歩です。
とにかく疲れました、、ぐったり。。。
合格年度の受験結果
午前択一の自己採点
午前択一の解答速報は、試験会場からの帰り道で配られましたが、とりあえず自宅に帰ってから確認することにしました。
そして、自己採点してみると、午前択一は、なんと全問正解!
ちょっと出来過ぎじゃないか、、と思いつつも、最後に解答を修正した問題が見事に正解していたので、かなり嬉しかったです。
午後択一の自己採点
そして、19時を過ぎ、午後択一の解答速報が出始めました。ちょこちょこと間違えながらも、29問正解。
内訳は、
科目 | 正答数/出題数 |
---|---|
民訴等 | 7問/7問 |
司書・供託 | 3問/4問 |
不登法 | 11問/16問 |
商登法 | 8問/8問 |
合計 | 29問/35問 |
という結果でした。やはり不登法が難しかったぁ~。。とは言え、29問あれば基準点は十分クリアです。
記述(不動産登記法)の自己採点
問題は、最後の砦、記述です。
解答速報が出るまでの時間に、再現答案をWordで作成しました。ただ、添付情報に何を選んだのか覚えていない、、うーん。。
それに、どう書いたのか覚えていないところもチラホラ。。いまいち精度に欠ける再現答案ですが、やむを得ませんね。。
21時過ぎ頃から、解答速報が出てきました。自分の再現答案と照らし合わせます。
第1欄
(1) 変更後の事項のところに、商号や本店といった文言を書いたかどうか記憶があいまい。でも、たぶん書いたと思う。
(2) 添付情報に「コ(登記済証)」を書いたかどうか記憶があいまい。でも、たぶん書いたはず。ここで、印鑑証明書が一覧に入っていないと悩んだわけだから、その登記済証について検討していないわけがない。
(3) 登記不要。これはOK
第2欄
(1) 変更後の事項は、無理やり「はやぶさ」を書き足すという無茶な修正をしてしまったのでアウトですが、目的原因・権利者義務者・添付情報・税額はOKっぽい。
(2)に分割譲渡を書いてしまっているので、0点になるのか、それとも記載内容が合っていれば少しでも点数をくれるのか不明。一応、記載内容としてはOKだと思う。なぜか「債権の範囲」だけ書き漏らしたような気もしますが。。一応、ここは0点として自己採点。
(3)、(4)は登記不要としましたので、(4)だけでも点数をくれないかな~と期待。。
第3欄
(1)の変更後の事項は、追加する債権の範囲が書けませんでしたが、その他、目的原因、権利者義務者はOK。
(2)は、たぶんOK。
第4欄
第4欄は、商登法の時間確保を優先して空欄のため、0点
以上、自分なりに配点をして、採点してみたところ、不登法は18.5点ぐらいかなと思っています。
記述(商業登記法)の自己採点
次に商登法です。
第1欄
第1欄は、ほぼOK。
気になるのは、新株予約権の記載内容の細かいところで、「金1万円」の「金」を書いていないような気がする点や、書く文字量を減らすために「新株予約権の目的たる株式の種類及び数又はその算定方法」の「又はその算定方法」を省略するなど、ほぼ全ての項目で省略したこと。
これってOKなんでしょうかね。。
それと、添付書面・税については、「引受けの申込みを証する書面」を書き漏らした以外は書けていました。
第2欄
第2欄は、支配人の選任を書いてしまったこと以外は、ほぼOK。
新株予約権の登記事由は、模範解答でも「新株予約権の変更」、「新株予約権の一部消滅」、「新株予約権の消滅」など色々な書き方が出ていましたが、私は「新株予約権の消滅」としました。どうなんでしょうかね。。
添付書面は、けっこう書き漏らして、7件中3件しか書けていません。正直、もともと就任承諾書や印鑑証明書は、検討に時間がかかる割になかなか正解できないことから、捨てていましたので。
登録免許税は、支配人の選任を含めてしまったせいで、不正解。
こんな具合で、自分なりの配点による採点では、商登法に関しては、19.5~23.5点ぐらいかなと思っています。この幅は、新株予約権の登記事項の文言の省略がOKかどうかの差です。
ということで、記述の自己採点は、不登法+商登法=38~42点ということで、概ね5~6割程度といった得点になります。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
記述の採点については、LECの再現答案添削サービスの申込みをしましたので、そこでもう少し明らかになってくると思います。ただ、自分の書いた答案をはっきりと覚えていないというのが辛いところですが。。
それに、去年の記述の自己採点では、30点程度と見込んでいましたが、実際には26.5点でした。3.5点のマイナスということです。
もし、今年も同じ現象が起こるなら、自己採点の最低ライン38点から3.5点マイナスすれば、34.5点、、、足切りになるかどうか、かなり際どい点数になってきます。。
自己採点を終えて・・・
今年の司法書士試験では、正直言って、出せるものは全て出し切ったという感覚です。
大きな凡ミス(不登法記述)もありましたが、あの緊張感の中では、あれはあれで自分の限界のような気がします。予備校講師の講評でも、枠ズレをした受験生も多いのではないかと話されていましたし。
択一では、自分の力以上のものが出せたと思います。
もしこれで受かっていなかったら、これ以上、何をすればいいのか、、と悩んでしまいますね。。まぁ、記述の問題演習不足というのが最大の課題なんでしょうけれど。。
なんとか、記述の足切り点を超えてほしい。。超えてくれー!!
、、と祈り続け、ついに司法書士試験に合格することができました!!
基準点は、午前27問・午後22問のところ、私の成績は自己採点どおり午前35問・午後29問。
そして問題の記述はというと、、、基準点34点のところ、なんとスレスレの35点でセーフ!!!
これは冷や汗もんでした。。
※ 当時は記述の配点は70点でしたが、2024年度から140点に変更
とはいえ、択一で高得点が取れているため、総合得点では、140位の成績で合格することができました!(筆記試験合格者 613人中140位ですので、上位23%ぐらいですね。)