司法書士になるには?合格後の研修・登録までの流れを解説
更新日:2026年8月14日

司法書士という資格に興味を持ったものの、司法書士になるにはどうすればいいの?試験に合格した後は何をするの?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
司法書士試験に合格後、すぐに司法書士として業務を始められるわけではありません。新人研修で実務に必要な知識を身に付けたうえで、司法書士の登録手続きをする必要があります。
そこで、司法書士になるにはどんな手順を踏めばいいのか、試験合格後に何をするのか、研修・登録を経て勤務司法書士や独立開業に至るまでの流れを、私の実体験を交えながら解説します。
※ 新人研修の詳細はこちら⇒ 司法書士の新人研修とは?中央研修・ブロック研修・配属研修を体験レポート!
|
【執筆者】 |
執筆者紹介 |
司法書士になるには?全体の流れ

司法書士になるには、大きく分けて2つの方法があります。
まず一つ目は、司法書士試験に合格する方法です。もう一つは、一定の実務経験を積んだうえで、法務大臣の認定を受ける方法です。
この中で、司法書士試験に合格して司法書士になるのが一般的な方法です。
試験合格後は、新人研修を受講し、司法書士名簿への登録や司法書士会への入会などの手続きを経て、司法書士として業務を開始することになります。
司法書士になるまでの大まかな流れをまとめると、次のようになります。
- 司法書士試験に合格する(又は法務大臣の認定)
- 新人研修を受講する
- 司法書士名簿に登録・司法書士会に入会する
- 司法書士として働く(勤務/独立開業)
このように、司法書士試験に合格した後は、研修や登録などの手続きを経て、実際に司法書士として業務を行えるようになる、という流れを把握しておいてください。
1. 司法書士試験に合格する
司法書士になるには2つの方法がありますが、司法書士試験に合格する方法が一般的です。
まずは、この司法書士試験の概要から解説します。
年に1度だけ試験が実施される
司法書士試験は、年に1度だけ実施される国家試験で、「筆記試験」と「口述試験」の2段階で行われます。
筆記試験の合格者を対象に口述試験が実施され、最終的に合格することで、”司法書士になる資格”を取得することができます。
司法書士の試験日や試験科目、合格率、難易度などについては、下記の関連記事で詳しく解説していますので、これから受験を目指す方は、合わせてご覧ください。
受験資格に制限はない
司法書士試験には、年齢や学歴などによる受験資格の制限はありません。
そのため、誰でも受験を目指すことができます。
司法書士になるには、法学部を卒業している必要はありませんし、法律系の資格や実務経験がなくても受験することができます。
ただし、司法書士試験は非常に難易度の高い試験ですので、受験資格に制限がないからといって簡単に合格できる試験ではありません。
実際に私自身も、合格までには約3,000時間の勉強時間を費やし、四回目の受験でようやく合格することができました。
法務大臣の認定とは?
司法書士になるためのもう一つの方法が、法務大臣の認定を受ける方法です。
一定期間、裁判所事務官・書記官や法務事務官、検察事務官などに従事し、法務大臣の認定を受けた方は、試験に合格しなくても、司法書士になる資格を得ることができます。
2. 司法書士合格後は新人研修を受講する
司法書士試験に合格しただけで、すぐに司法書士として業務が行えるわけではありません。
試験に合格後(又は法務大臣の認定後)は、原則として1年以内に司法書士の登録を予定している方を対象にした新人研修が用意されています。
この新人研修には、中央研修・ブロック研修・配属研修の3種類があります。
中央研修では、司法書士制度の歴史や業務の成り立ち、職責・倫理などを学び、ブロック研修では実務で必要とされる知識、実務に直結する知識を学びます。
また、配属研修では、一定期間、実際に司法書士事務所に配属され、実務を学ぶことができます。
さらに、認定司法書士になるための特別研修もあります。ただし、特別研修は新人研修とは別のもので、認定司法書士を目指す人だけが対象です。(とはいえ、ほとんどの合格者が特別研修を受講します。)
新人研修については、私自身が実際に受講した経験をもとに、中央研修・ブロック研修・配属研修の内容や期間、費用、働きながら受講できるかなどを下記の記事で詳しく紹介しています。
3. 司法書士の登録・入会手続きをする
新人研修を受講した後は、司法書士として業務を行うために、司法書士名簿への登録や司法書士会への入会手続きを進めます。
”司法書士となる資格”を有していても、司法書士名簿に登録されていなければ、司法書士として業務を行うことはできません。
私自身も、新人研修を終えた後、司法書士の登録・入会手続きをし、その後、独立開業するという流れで進めました。
司法書士名簿への登録・司法書士会への入会
司法書士として業務を行うためには、司法書士会を経由して日本司法書士会連合会が備える司法書士名簿に登録し、事務所を設置する予定地の司法書士会に入会することで、司法書士になることができます。
具体的な手続きとしては、登録・入会を申請すると、司法書士会の役員との「登録面接」を経て、日本司法書士会連合会の「登録常務会」で登録が認められれば、司法書士名簿に登録されることになります。
なお、新人研修の修了前であっても司法書士名簿に登録し、司法書士会に入会することは可能ですが、研修自体は必ず受講する必要があります。
ただし、司法書士会によっては、新人研修の修了が入会条件となっているところもあるようですので、事前にご確認ください。
司法書士登録にかかる費用
司法書士の登録には、登録免許税や登録手数料のほか、司法書士会への入会金などの費用がかかります。
ただし、登録免許税や登録手数料など全国共通のものと、司法書士会によって金額が異なるものがありますので、具体的な金額については各司法書士会で確認してください。
例えば、私が登録している兵庫県の場合なら、下記の金額になります。
- 登録免許税 30,000円
- 登録手数料 25,000円
- 入会金 40,000円 ※所属する司法書士会によって異なります。
- バッジ代(徽章代) 7,000円 ※所属する司法書士会によって異なります。
- 合計 102,000円 (兵庫県の場合)
- ※その他、住民票・身分証明書の取得費用がかかります。
また、実際に司法書士として独立開業する場合は、登録・入会費用だけでなく、事務所、職印、複合機、業務ソフトなどの開業費用も必要になります。
私自身が実際に独立開業した際にかかった費用については、下記の関連記事で詳しく公開しています。
4. 司法書士になる(勤務/独立開業)
司法書士になる場合、司法書士事務所に勤務するか、独立開業するかの二つのルートがあります。
勤務の場合は、試験合格後すぐに就職活動を始めて勤務する方もいらっしゃいますし、新人研修が終わってから勤務を始める方もいらっしゃいます。
一方、独立開業の場合は、新人研修が終わってから開業するのが一般的です。
私の場合は、新人研修が終わってから、司法書士事務所への勤務を経ずに、すぐに独立開業しました。いわゆる「即独」です。
勤務司法書士として働く
司法書士として働き始める場合の大原則が、勤務司法書士として働くルートです。
司法書士事務所に勤務すれば、先輩司法書士の仕事を間近で見ながら、登記申請や書類作成、顧客対応など、試験勉強だけでは身につけられない実務を経験することができます。
将来的に独立開業を考えている場合でも、まずは勤務して実務経験を積んでから開業するのが一般的なルートです。
特に、試験勉強では、実際の依頼者とのやり取りや法務局・金融機関との対応などを経験する機会はありません。
そのため、よほどの事情がない限りは、勤務を経験してから独立することをおすすめします。
勤務を経ずに独立開業(即独)する
では、司法書士事務所での勤務を経ずに、いきなり独立開業することはできるのでしょうか。
結論としては、勤務を経ずに独立開業する「即独」も可能です。
司法書士の即独には、試験合格までに司法書士事務所で補助者として実務経験を積んだうえで試験合格後に独立するケースと、実務経験がないまま試験合格後に独立するケースがあります。
ただし、実務経験なしでの即独は、当然ながら簡単ではありません。
私自身も、試験合格後、勤務を経ずに実務経験なしで独立開業する道を選びました。
即独する場合は、配属研修の受講は必須で、いつでも相談できる先輩や同期などの人脈を作っておくことが大切です。
私の即独経験から感じたことや、即独に向けて準備したこと、実際にかかった開業費用などについては、以下の記事で詳しく記録していますので、即独を考えている方は、そちらを参考にしてください。
司法書士合格後に登録しないとどうなる?
司法書士試験に合格した後、すぐに司法書士として登録しないといけないの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
司法書士試験に合格後、すぐに独立開業を目指して登録手続きに進む人がいる一方で、とりあえずは勤務先を探したり、今後の進路を考えたりしながら登録時期を検討する人もいます。
ここで気になるのが、合格後に登録手続をせず、放置していても大丈夫なの?という点ですね。
安心してください。「司法書士試験の合格」は一生有効です。
このため、司法書士試験に合格後、登録せずに放置していても全く問題ありません。
そして、新人研修は、1年以内に司法書士の登録・入会を予定している方を対象にしていますので、将来、実際に司法書士として登録しようと思い立ったときに新人研修を受ければ大丈夫です。
司法書士になるには何年かかる?
司法書士になるには何年ぐらいかかるの?というのも気になるところですよね。
司法書士になるまでの期間は、試験に合格するまでにどれくらいの年数がかかるかによって大きく変わります。
司法書士試験は、最短1年半ぐらいの勉強期間で合格できる人もいますが、逆に、10年ほどかけて合格する人もいます。
合格までの平均受験回数は4回と言われていますので、一般的には4年ぐらいは見ておいた方がいいと思います。
そして、試験に合格してから司法書士の登録までは、数ヶ月から半年ほど見ておけば大丈夫です。
私の場合は、司法書士試験には4回目の受験で合格し、その約半年後に登録しました。
司法書士になるには費用はいくらかかる?
司法書士になるまでには、試験勉強の費用だけでなく、合格後の新人研修や司法書士登録・入会などにも費用がかかります。
大きく分けると、次のような費用があります。
- テキスト・問題集・通信講座などの勉強費用
- 司法書士試験の受験手数料
- 新人研修の受講費用
- 司法書士登録・入会にかかる費用
- 独立する場合の開業費用
司法書士試験の勉強するには、独学でも最低10万円はかかりますし、講座を受講すれば40万円ぐらいはかかります。
また、独立開業する場合は、事務所、職印、複合機、電話・FAX、業務ソフト、事務用品、実務書など、様々な準備が必要になります。
私の場合は、勉強費用に約80万円かかり(学習期間が長かったため独学でこの金額です)、登録・入会から開業までに約60万円かかりましたので、合計で約150万円かかった計算になります。
私自身が実際に即独した際にかかった開業費用については、下記の記事で詳しく紹介していますので、これから独立開業を考えている人は参考にしてください。
司法書士になる方法まとめ
以上、司法書士になるにはどうすればいいか、試験合格後の新人研修、登録、勤務・独立開業までの流れについて解説してきました。
司法書士になるための一般的なルートは、
- 司法書士試験に合格
- 新人研修を受講
- 司法書士の登録・入会
- 勤務又は独立開業
という流れです。
司法書士試験は、非常に難易度の高い試験なので、まずは試験に合格することが大きな目標になります。
しかし、試験合格後も新人研修や登録などの手続きがありますので、「合格した後に何をするのか」まで含めて、司法書士になるまでの道のりを考えておくことが大切です。
私自身も、司法書士試験に合格した後、新人研修を受講し、司法書士登録を行ったうえで、独立開業しました。
これから司法書士を目指す方は、まずは試験合格を目指し、合格後は新人研修や登録、そして勤務・独立開業など、自分に合った進路を考えてください。
- 独学の方はこちら⇒ 司法書士の独学におすすめのテキスト
- 独学が不安な方はこちら⇒ 司法書士の通信講座おすすめ予備校ランキング

