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社労士合格後は登録する?その他登録のメリットと手続きの流れ

更新日:2026年9月10日

社労士合格後は登録する?その他登録のメリットと手続きの流れを解説

 社労士試験に合格後、すぐに社労士として登録すべきかどうか悩む人も多いのではないでしょうか。

 もちろん、独立開業したり社労士として業務を行うなら当然登録は必要です。しかし、一般企業などで仕事を続けながら資格を活かしたい人や、将来的に開業する可能性を残しておきたい人の場合は、すぐに登録すべきか迷いますよね

 社労士には、開業登録や勤務登録のほか、社労士業務を行わない「その他登録」という選択肢もあります。

 そこで、社労士試験に合格したあと登録する必要があるのか、どの登録区分を選べばいいのか、「その他登録」にはどんなメリットがあるのかについて、実際に「その他登録」をした私自身の経験も交えながら解説します。

 また、社労士試験合格から登録までの流れも紹介しますので、登録を考えている方は参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明(社会保険労務士)

市役所に22年勤めた元公務員。社労士・FP1級・行政書士・司法書士などの国家資格に合格した経験に基づき、15年以上にわたり情報発信している。
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社労士試験に合格後は登録する?

社会保険労務士証票(大西雅明、登録番号:第28260053号)

 社労士試験に合格後は、社労士として登録するかどうか、悩む人も多いと思います。

 さらに、社労士には開業登録だけでなく、一般企業に勤務する人や、社労士業務を行わない人のための登録区分もあるため、「登録するかどうか」だけでなく、「登録するならどの区分を選ぶのか」についても考える必要があります。

 ここでは、社労士試験合格後の登録について、実際に「その他登録」をした私自身の経験も交えながら解説します。

必ずしも登録する必要はない

 社労士として業務を行うためには、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受ける必要があります。

 ただし、社労士試験に合格したからといって、必ずしも登録する必要はありません

 そもそも社労士として業務を行う予定がなければ、登録せずにそのままにしておくこともできます。

 社労士試験の合格者としての地位は一生有効です。そのため、「今は登録しない」という選択をしても何も問題ありません。

 しかし、社労士の登録制度は、他の士業とは少し異なる特徴があります。

 一般的に、司法書士や行政書士などの士業では、資格登録をする目的は、独立開業すること、又は士業の事務所に勤務することです。

 そのため、「士業として仕事をするなら登録する。今の仕事を続けるなら登録しない。」というように、登録するかどうかを比較的判断しやすいといえます。

 ところが、社労士の場合はそう単純ではありません。

 社労士には、独立開業する人や社労士事務所で働く人だけでなく、一般企業に勤務する人や、社労士業務を行わない人のための登録区分まで用意されています

 つまり、開業しない場合でも、社労士として登録する選択肢があるということです。

社労士には4つの登録区分がある

 社労士の登録には、次の4つの区分があります

社労士の登録区分
  • 開業登録
  • 社労士法人の社員登録
  • 勤務登録
  • その他登録

開業登録

 開業登録(開業社労士)は、社労士として独立開業し、社労士業務を行うための登録です。自分で顧客と契約し、社労士として業務を行う場合には、この登録をします。

社労士法人の社員登録

 社労士法人の社員として社労士業務を行う場合には、社労士法人の社員として登録します。

勤務登録

 勤務登録(勤務社労士)は、社労士事務所に勤務する場合のほか、一般企業などに勤務しながら登録する場合にも利用される区分です。

 一般企業に勤務しながらというのは、つまり、その会社の人事・労務に関する事務を、社労士として担当するという意味です。(企業内社労士)

 勤務社労士は、その勤務先の業務についてのみ社労士業務を行うことができ、自分で顧客と直接契約して自由に社労士業務を行うことはできません。

その他登録

 その他登録(その他社労士)は、上記の開業社労士、社労士法人の社員、勤務社労士のいずれにも該当しない人が行う登録です。

 その他登録では、社労士として登録し、社労士会に所属しますが、社労士業務(1号~3号)を行うことはできません

 本来、誰でもできる3号業務(コンサルティング業務)であっても、「社労士」の肩書きで行うことはできず、無資格者として行う必要があります。 (つまり、「社労士」と名乗ってはいけない)

 社労士の1号~3号業務については、下記の関連記事をご参照ください。

開業しない場合でも社労士に登録する選択肢がある

 社労士試験に合格した人の中には、独立開業や社労士事務所への勤務を考えていない人も多いと思います。

 例えば、

  • 現在は一般企業に勤務している
  • 現在の会社に勤め続ける予定である
  • 今すぐ独立開業するつもりはない
  • 将来的には社労士資格を活かしたい

という人です。

 こういう場合、「開業しないのだから、登録する必要はない」と考えるかもしれません。

 もちろん、実際に社労士業務を行う予定がなければ、登録しないという選択もあります。

 しかし、社労士の場合は、開業するか、登録しないかの二択ではありません。

 社労士には、社労士業務を行わない「その他登録」という選択肢があります

 つまり、今すぐ開業したり、社労士事務所に勤務したりする予定がなくても、社労士として登録し、社労士会に所属することができます

 ここが、社労士の登録制度の大きな特徴です。

社労士業務をしないのに「その他登録」するメリットは?

 では、そもそも社労士業務を行わないのであれば、なぜ登録するのでしょうか。

 「その他登録」で社労士の登録をすると、社労士会に所属することになります。

 そのため、社労士会が実施する研修に参加したり、最新の法改正情報を入手することができます。

 また、地域の社労士会の活動などを通じて、他の社労士と交流して人脈を作ったり、情報交換をしたりする機会も得られます。

 特に、今は独立開業する予定がなくても、「将来的には社労士として開業する可能性がある」という人にとっては、大きなメリットがあります。

 社労士として実務を行わない期間でも、研修などを通じて実務の知識を身につけ、社労士業界とのつながりを持ち続けることができるからです。

 将来、いざ開業しようと思ったときに、社労士会とのつながりもなく、実務知識もほとんどない状態からスタートするよりも準備が進めやすいのは確かです。

 その意味では、その他登録は、将来の開業に向けて準備しておきたい人にとって、便利な制度だといえます。

社労士の肩書きを活かすこともできる

 その他登録のもう一つのメリットは、社労士として登録していること自体を、自分の仕事に活かせる点です。

 その他登録の社労士は、社労士業務を行うことはできません。そのため、顧客から依頼を受けて社労士業務を行ったり、社労士として個別の相談を受けたりすることはできません。

 一方で、社労士として登録していることに変わりはありません。

 そのため、労働法や社会保険、人事・労務に関する知識を活かして、

  • 専門分野の記事を執筆・監修する
  • セミナーや講演の講師をする
  • 自分の本業で人事・労務の知識を活かす

といった形で、資格や専門知識を活用することが考えられます。

 また、そこまで直接的に仕事へ活用しなくても、名刺などに社労士であることを記載できるだけでもメリットはありますよね。

 社労士は、労働・社会保険に関する専門家です。一般企業で働いている場合でも、社労士としての知識や資格があることは、人事・労務に関する専門性を示す一つの材料になり、専門家として信頼が得られます

私が「その他登録」を選んだ理由

 私自身も、社労士試験に合格したあと、登録するかどうか、そして登録するとしたら「開業」「勤務」「その他」のどの登録を選ぶべきか、悩みました。

開業登録や勤務登録を選ばなかった理由

 そもそも私が社労士を目指したのは、司法書士として会社設立などに携わるなかで、労働・社会保険に関する知識の必要性を感じたことがきっかけです。

 司法書士業務を行ううえでも、会社設立後の手続きや人事・労務に関する知識があれば、より幅広くサポートできるのではないかと考え、社労士を目指しました。

 そのため、社労士試験に合格したあとには、社労士として開業登録し、司法書士と社労士の資格を掛け合わせて業務を行うことも選択肢の一つとして考えていました。

 しかし、現在の私の状況を考えると、すぐに社労士として本格的に開業するのは難しいと感じました。

 私は、司法書士業務以外にも会社を経営しているため、その業務があります。また、今後も他の資格試験に挑戦したいと考えていることもあり、現在は、そもそも司法書士業務をセーブしている状態で、本格的に業務を行っているわけではありません

 次に考えたのが、勤務登録です。

 私が経営する会社の勤務社労士として登録するという選択肢がありました。

 ただ、仮に勤務登録をしたとしても、現在の会社で必要になる社労士業務は、年に1回の標準報酬月額算定基礎届の提出など、限られています。

 そのため、現時点では、その社労士業務のためだけに勤務登録をする必要性も、それほど感じませんでした

将来の可能性を残すために「その他登録」を選んだ

 そこで、最後に残った選択肢が「その他登録」です。

 現在は司法書士業務をセーブしていますが、将来的には、司法書士としての業務も本格的に始動したいと考えています。

 そして、そのときには、せっかく取得した社労士の資格も活かし、司法書士と社労士の知識や資格を組み合わせた業務を行える可能性があります。

 もちろん、実際にそのような形で業務を行うかどうかは、現時点ではわかりません。

 それでも、将来的に社労士として活動する可能性を残しておきたいと考えました。

 そこで、今すぐ開業するのではなく、将来スムーズに社労士として活動を始められるように、「その他登録」を選びました

 その他登録をしておけば、社労士会の研修などを通じて、実務に関する知識を身につけることができます。

 社労士試験の勉強と、実際の社労士実務は別のものです。試験に合格しただけでは、すぐに実務ができるわけではありません。

 将来、社労士として何らかの形で活動する可能性があるなら、試験合格後も継続して実務に関する知識を身につけていく必要があります

 そう考えると、今すぐ開業する予定はないものの、将来的な可能性を残しておきたい私にとって、「その他登録」は一つの合理的な選択肢でした。

ただし、登録には費用がかかる

 もちろん、その他登録にはメリットだけがあるわけではありません。

 社労士として登録すると、登録にかかる費用のほか、社会保険労務士会への入会金や会費などが必要になります。

 その他登録は、開業登録と比べて費用が抑えられているとはいえ、決して小さな金額ではありません。

※ 兵庫県会でその他登録の場合:登録・入会費用12万円、会費7万円/年

 そのため、 「社労士業務をする予定はまったくない」「社労士資格を今後活用するつもりもない」 という場合には、無理に登録する必要はありません

 社労士試験に合格したという事実は、登録しなくても失われません。登録はいつでも検討できますので、費用を負担してまで今すぐ登録する必要があるのかは、よく考える必要があります。

社労士合格後の登録までの流れ

社労士合格後の登録までの流れ

 ここからは、社労士として登録することを決めた場合の、合格後から登録までの流れを解説します。

 社労士として業務を行うためには、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受ける必要があります

 この登録までの流れは、実務経験の有無によって異なります

 まず2年以上の実務経験があるかを確認し、2年以上の実務経験がない場合は事務指定講習を受講します。その後、必要書類を揃えて社労士会で登録・入会手続きを行います。

社労士合格後の登録までの流れ
  • 実務経験が2年以上あるか確認する
  • 2年以上の実務経験がない場合は事務指定講習を受講する
  • 社労士会で登録・入会の手続きをする

実務経験が2年以上あるか確認する

 社労士として登録するためには、原則として2年以上の実務経験が必要です。

 社労士の登録要件となっている2年以上の実務経験とは、労働社会保険諸法令に関する実務経験を指します。

 例えば、雇用保険や健康保険、厚生年金保険に関する各種届出、労働保険料の申告・納付、就業規則届・36協定届の作成などに関する事務が該当します。(給与計算事務は該当しません。)

 そして、これらの実務経験があることを証明する「従事期間証明書」を勤務先に作成してもらい、登録申請書に添付することで、登録が可能になります。

2年以上の実務経験がない場合は事務指定講習を受講する

社労士の事務指定講習

 2年以上の実務経験がない場合は、事務指定講習を受講し、修了することで、2年以上の実務経験と同等以上の経験を有するものと認められ、社労士の登録が可能になります。

 事務指定講習とは、全国社会保険労務士会連合会が実施する講習で、正式名称は「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」といい、通称「ジムシテ」と呼ばれています。

 事務指定講習は以下の2段階に分かれています。

  • 通信指導課程(2月1日~5月末までの4ヶ月間)
  • eラーニング講習(7月上旬~9月上旬までの2ヶ月間)

 事務指定講習の申込みは、11月上旬~下旬までの期間だけ受付されていて、受講料は77,000円です。

 私自身も実務経験がなかったため、実際に事務指定講習を受講しました。通信指導課程やeラーニング講習の内容、費用、実際にかかった時間など、下記関連記事で体験レポートとして詳しく紹介しています。

社労士会で登録・入会の手続きをする

社会保険労務士証票(大西雅明)

 事務指定講習を修了すれば、いよいよ社労士名簿への登録です。

 社会保険労務士になるためには、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録され、かつ、都道府県社会保険労務士会に入会することが必要とされています。

 「登録即入会制度」と呼ばれていて、つまり、社労士名簿に登録して、社労士会に入会しないというのは、あり得ないということですね。

 登録の手続きは、入会予定地の社労士会を経由して連合会に提出することになります。

 入会予定地の社労士会というのは、開業登録(又は社会保険労務士法人の社員登録)については事務所の所在地、勤務登録については勤務先の所在地、その他登録については住所地の都道府県社会保険労務士会です。

社労士会に問い合わせる

 登録を受けるためには、まず入会予定の社労士会に問い合わせるところから始めます

 現在、連合会の社労士名簿への登録は、オンラインでもできる制度になっていますが、結局は書類で社労士会への入会手続きをする必要があり、それと同時に名簿登録の手続きもできるようになっています。

 このため、登録手続きをオンライン申請すると、その手続きだけが余分な手間になるだけなので、オンライン申請はせず、最初から社労士会で手続きすることをおすすめします

 私は、兵庫県社労士会に電話を掛け、「その他登録」で社労士の登録手続きをしたい旨を伝えたところ、必要な書類を郵送するので、それに記入し、必要書類を同封のうえ返送するようにと指示がありました。

提出書類

 社労士会に提出する書類は下記のとおりです。(兵庫県の場合)

  • 登録申請書
  • 入会届
  • 誓約書
  • 会報用原稿
  • 写真票
  • 個人番号カードの両面コピー
  • 合格証書のコピー
  • 事務指定講習修了証のコピー(※実務経験がある場合は、従事期間証明書)
  • 顔写真(3cm×2.4cm)2枚(1枚は写真票に貼付、もう1枚は会員証用・会報掲載用)

登録・入会費用

 登録・入会にかかる費用は下記のとおりです。(兵庫県の場合)

開業 勤務・その他
登録免許税 30,000円 30,000円
登録手数料 30,000円 30,000円
入会金 130,000円 60,000円
合計 190,000円 120,000円

※登録免許税は、収入印紙を登録申請書に貼り付けて納付します。
※登録免許税と登録手数料は、全国共通です。
※その他、徽章(バッジ)を購入する場合は9,480円。私は、社労士業務を行うわけではないので、徽章は購入しませんでした。(記念に欲しいという思いもありましたが。。)

社労士会費・支部会費

 上記は最初の登録時に必要な費用ですが、その後、継続的にかかる費用として以下の会費があります。(兵庫県の場合)

開業 勤務・その他
社労士会会費/年 84,000円 58,000円
支部会費/年 12,000円 12,000円
合計/年 96,000円 70,000円

※納付は半年に1回
※その他、政治連盟に入会する場合は、年会費6,000円

登録・入会手続き

 必要な書類が揃ったら、費用を納付し、提出書類を社労士会へ郵送すれば、登録・入会の手続きは完了です。

 書類に不備がなければ、提出日に応じて登録日が決まっていますので、あとはその日を待つだけです。

 私の場合は、8月上旬に書類を郵送し、9月1日付で登録されました。

社労士証票の交付

社会保険労務士証票(大西雅明、登録番号:第28260053号)

 そして、登録日の翌日(9月2日)に、簡易書留郵便で、社会保険労務士証票(社労士会の会員証)が届きました


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