社会保険労務士とは?独占業務や仕事内容を解説
更新日:2026年9月8日

社会保険労務士(社労士)は人気資格のひとつですが、実際のところ、どんな仕事をする資格なのでしょうか。
このページでは、社労士の独占業務や仕事内容について解説したいと思います。
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社会保険労務士とは?
社労士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。
「人」に関する専門家と呼ばれ、労務管理・社会保険のエキスパートとして、独立開業はもちろん勤務社労士として働くこともできます。
- 労務管理・社会保険のエキスパート
- 「ヒト」に関する専門家
- 独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける
労務管理・社会保険のエキスパート
社会保険労務士(社労士)は、労務管理・社会保険のエキスパートです。
労働・社会保険に関する法律の専門家として、企業における人事労務管理をはじめ、社会保険や年金の相談、コンサルティングを行います。
社労士は、遡ると「労務管理士」と「社会保険士」の2つの資格を起源とします。
両資格は、戦後の復興期において、社会保障制度の整備が急速に進められるなかで、企業の労務管理や社会保険に関する事務を専門的に処理する職業として誕生しました。
そして、昭和43年に、両制度を併せて法制化した社会保険労務士法が公布・施行され、社会保険労務士が誕生しました。
「ヒト」に関する専門家
社労士は、企業経営の4要素(ヒト・モノ・カネ・情報)の一つである「ヒト」に関する専門家と呼ばれています。
企業における採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題に関するサポートを行い、企業の人事・労務管理を支える存在です。
さらに、個人からの年金の相談や労働に関する相談に応じるなど、業務内容は広範囲にわたっています。
独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける
社労士は、独立開業はもちろんのこと、社労士事務所で働くほか、一般企業で人事労務を担当するなど多様な働き方が可能です。
開業している社労士は全体の約54%(社労士法人の社員を含めると約63%)で、残りの約37%が社労士事務所や一般企業で働いています。(社会保険労務士白書2025年版)
一般企業に勤務することが想定されているのは士業の中では珍しく、会社の人事労務をサポートする社労士ならではの制度ですね。
社労士の独占業務と仕事内容
社労士の仕事は、1号業務・2号業務・3号業務の3つに分かれます。(社会保険労務士法第2条)
このうち、1号業務と2号業務が社労士の独占業務です。
独占業務というのは、つまり社労士にしかできない業務のことです。
社労士ではない人が報酬を得て、これらの業務を行うと違法となり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。(社会保険労務士法第27条、第32条の2)
- (1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】
- (2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】
- (3号業務)コンサルティング業務
(1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】
1号業務には、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成」「提出代行」「事務代理」「紛争解決手続代理業務」の4つがあります。
申請書等の作成/提出代行
「申請書等の作成」は、雇用保険、労災保険などの労働保険や健康保険、厚生年金などの社会保険の申請書や届出書を作成する業務で、「提出代行」は、それらの書類を行政機関に提出する手続きを代行する業務です。
例えば、労働社会保険の新規加入や脱退手続き、資格取得や喪失手続き、そして、健康保険の出産手当金や傷病手当金などの手続きがあります。
事務代理
「事務代理」は、上記の「提出代行」に加えて、申請書等を提出した後、行政機関からの質問や調査に対応したり、申請が通らなかった場合に主張、陳述等を事業主に代わって行う業務です。
紛争解決手続代理業務
「紛争解決手続代理業務」は、特定社労士だけが行うことができ、個別労働紛争のあっせんや調停の手続きを代理する業務です。
特定社労士は、特別研修(中央発信講義・グループ研修・ゼミナール)を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格することで、なることができます。
(2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】
2号業務は、労働社会保険諸法令に基づき事業主が作成すべき帳簿書類を作成する業務です。
例えば、労働者名簿や賃金台帳、出勤簿、就業規則などの作成があります。
(3号業務)コンサルティング業務
3号業務は、企業に対する人事労務管理のコンサルティングや、個人からの年金や労働に関する相談に応じて助言指導を行う業務です。
3号業務は社労士の独占業務ではないため、社労士以外でも行うことができます。
社労士になるには
社会保険労務士になるためには、年に1回実施される社労士試験に合格してから、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受ける必要があります。
- 社労士試験に合格する
- 社労士名簿に登録を受ける
- 実務経験が2年以上あること
- 又は、事務指定講習を修了すること
社労士試験に合格する
社会保険労務士になるためには、まず社労士試験に合格する必要があります。
社労士試験は年に1回実施される国家試験で、労働法や社会保険法など、幅広い科目から出題されます。
合格率は6%程度と低く、難関国家資格の一つです。
なお、社労士試験を受験するためには、学歴・実務経験・試験合格など、定められた受験資格のいずれかを満たす必要があります。
試験日程や試験内容、受験資格、難易度などについては、次の記事で詳しく解説しています。
また、社労士試験の合格に向けて勉強を開始される方は、下記の記事を参考にしてください。
- 独学で合格を目指す場合はこちら⇒ 社労士の独学におすすめのテキスト・参考書
- 独学が不安な方はこちら⇒ 社労士のおすすめ通信講座ランキング
社労士名簿に登録を受ける
社労士試験に合格した後、社労士として業務を行うためには、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿への登録が必要です。
ただし、登録を受けるためには、実務経験が2年以上あること、又は、事務指定講習を修了することが要件とされています。
2年以上の実務経験とは
社労士の登録要件となっている2年以上の実務経験とは、労働社会保険諸法令に関する実務経験を指します。
例えば、雇用保険や健康保険、厚生年金保険に関する各種届出、労働保険料の申告・納付、就業規則届・36協定届の作成などに関する事務が該当します。(給与計算事務は該当しません。)
そして、これらの実務経験があることを証明する「従事期間証明書」を勤務先に作成してもらいます。
事務指定講習とは
事務指定講習とは、全国社会保険労務士会連合会が実施する講習です。
実務経験が2年以上ない場合でも、事務指定講習を修了することで、社労士の登録に必要な要件を満たすことができます。
事務指定講習の内容や費用、実際の受講の流れについては、私自身の体験をもとに、下記の関連記事で詳しく紹介しています。
なお、社労士試験に合格したからといって、必ずしもすぐに登録する必要はありません。
社労士の登録には複数の選択肢があり、すぐに開業する予定がない場合でも、自分の状況に応じて登録を検討することができます。
社労士試験合格後に登録するべきか迷っている方や、登録の種類、登録までの流れについては、次の記事で詳しく解説しています。

