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社会保険労務士とは?独占業務や仕事内容を解説

更新日:2026年5月12日

社労士とは?独占業務や仕事内容を解説

 社会保険労務士(社労士)は人気資格のひとつですが、実際のところ、どんな仕事をする資格なのでしょうか。

 このページでは、社労士の独占業務や仕事内容について解説したいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年勤めた元公務員。社労士・FP1級・行政書士・司法書士などの国家資格に合格した経験に基づき、15年以上にわたり情報発信している。
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執筆者紹介

社会保険労務士とは?

 社労士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。

 「人」に関する専門家と呼ばれ、労務管理・社会保険のエキスパートとして、独立開業はもちろん勤務社労士として働くこともできます。

社労士とは?
  • 労務管理・社会保険のエキスパート
  • 「ヒト」に関する専門家
  • 独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける

労務管理・社会保険のエキスパート

 社会保険労務士(社労士)は、労務管理・社会保険のエキスパートです。

 労働・社会保険に関する法律の専門家として、企業における人事労務管理をはじめ、社会保険や年金の相談、コンサルティングを行います。

 社労士は、遡ると「労務管理士」と「社会保険士」の2つの資格を起源とします

 両資格は、戦後の復興期において、社会保障制度の整備が急速に進められるなかで、企業の労務管理や社会保険に関する事務を専門的に処理する職業として誕生しました。

 そして、昭和43年に、両制度を併せて法制化した社会保険労務士法が公布・施行され、社会保険労務士が誕生しました。

「ヒト」に関する専門家

 社労士は、企業経営の4要素(ヒト・モノ・カネ・情報)の一つである「ヒト」に関する専門家と呼ばれています。

 企業における採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題に関するサポートを行い、企業の人事・労務管理を支える存在です。

 さらに、個人からの年金の相談や労働に関する相談に応じるなど、業務内容は広範囲にわたっています。

独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける

 社労士は、独立開業はもちろんのこと、社労士事務所で働くほか、一般企業で人事労務を担当するなど多様な働き方が可能です。

 開業している社労士は全体の約54%(社労士法人の社員を含めると約63%)で、残りの約37%が社労士事務所や一般企業で働いています。(社会保険労務士白書2025年版

 一般企業に勤務することが想定されているのは士業の中では珍しく、会社の人事労務をサポートする社労士ならではの制度ですね。

社労士の独占業務と仕事内容

 社労士の仕事は、1号業務・2号業務・3号業務の3つに分かれます。(社会保険労務士法第2条

 このうち、1号業務と2号業務が社労士の独占業務です。

 独占業務というのは、つまり社労士にしかできない業務のことです。

 社労士ではない人が報酬を得て、これらの業務を行うと違法となり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。(社会保険労務士法第27条第32条の2

社労士の独占業務と仕事内容
  • (1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】
  • (2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】
  • (3号業務)コンサルティング業務

(1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】

 1号業務には、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成」「提出代行」「事務代理」「紛争解決手続代理業務」の4つがあります。

申請書等の作成/提出代行

 「申請書等の作成」は、雇用保険、労災保険などの労働保険や健康保険、厚生年金などの社会保険の申請書や届出書を作成する業務で、「提出代行」は、それらの書類を行政機関に提出する手続きを代行する業務です。

 例えば、労働社会保険の新規加入や脱退手続き、資格取得や喪失手続き、そして、健康保険の出産手当金や傷病手当金などの手続きがあります。

事務代理

 「事務代理」は、上記の「提出代行」に加えて、申請書等を提出した後、行政機関からの質問や調査に対応したり、申請が通らなかった場合に主張、陳述等を事業主に代わって行う業務です。

紛争解決手続代理業務

 「紛争解決手続代理業務」は、特定社労士だけが行うことができ、個別労働紛争のあっせんや調停の手続きを代理する業務です。

 特定社労士は、特別研修(中央発信講義・グループ研修・ゼミナール)を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格することで、なることができます。

(2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】

 2号業務は、労働社会保険諸法令に基づき事業主が作成すべき帳簿書類を作成する業務です。

 例えば、労働者名簿や賃金台帳、出勤簿、就業規則などの作成があります。

(3号業務)コンサルティング業務

 3号業務は、企業に対する人事労務管理のコンサルティングや、個人からの年金や労働に関する相談に応じて助言指導を行う業務です。

 3号業務は社労士の独占業務ではないため、社労士以外でも行うことができます。

社労士になるには

 社会保険労務士になるためには、年に1回実施される社労士試験に合格してから、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受ける必要があります。

社労士になるには?
  • 社労士試験に合格する
  • 社労士名簿に登録を受ける
    • 実務経験が2年以上あること
    • 又は、事務指定講習を修了すること
  • 登録には4つの種別がある

社労士試験に合格する

 社労士になるには、まず社労士試験に合格しないといけません

試験日時

 社労士試験は、年に1回、下記の日程で実施されます。

試験日 8月の第4日曜日
試験時間 【選択式】10:30~11:50(80分)
【択一式】13:20~16:50(210分)

試験内容

 試験は、下記科目について、選択式8問、択一式70問が出題される筆記試験(全てマークシート方式)です。

労働科目 労働基準法、労働基準法・労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、労働に関する一般常識
社会保険科目 健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、社会保険に関する一般常識

受験資格

 社労士試験には受験資格が細かく定められており、大きく分けて「学歴」、「実務経験」、「試験合格」の3つの受験資格があります。

学歴要件 ・大学、短期大学、高等専門学校を卒業した方
・大学で62単位以上の卒業要件単位を修得した方
etc.
実務経験要件 ・国家公務員又は地方公務員として行政事務に3年以上従事した方
・社会保険労務士又は弁護士の業務の補助の事務に3年以上従事した方
etc.
試験合格要件 ・司法試験予備試験又は旧司法試験第1次試験に合格した方
・行政書士試験に合格した方
・公認会計士、税理士、司法書士など厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した方
etc.

難易度

 社労士試験の合格率は約6%、合格に必要な勉強時間は1,000時間で、かなりの難関資格です。

 その他、試験内容や難易度などの詳細は下記の関連記事をご参照ください。

社労士名簿に登録を受ける

 社労士試験に合格したあと、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受けるためには、実務経験が2年以上あること、又は、事務指定講習を修了することが要件とされています。

2年以上の実務経験とは

 社労士の登録要件となっている2年以上の実務経験とは、労働社会保険諸法令に関する実務経験を指します。

 例えば、雇用保険や健康保険、厚生年金保険に関する各種届出、労働保険料の申告・納付、就業規則届・36協定届の作成などに関する事務が該当します。(給与計算事務は該当しません。)

 そして、これらの実務経験があることを証明する「従事期間証明書」を勤務先に作成してもらいます。

事務指定講習とは

 事務指定講習とは、全国社会保険労務士会連合会が実施する講習で、これを受講し修了すれば、2年以上の実務経験と同等以上の経験を有するものと認められ、社労士の登録が可能になる仕組みです。

 事務指定講習の正式名称は「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」といい、通称「ジムシテ」と呼ばれています。

 事務指定講習は以下の2段階に分かれています。

  • 通信指導課程(2月1日~5月末までの4ヶ月間)
  • eラーニング講習(7月上旬~9月上旬までの2ヶ月間)

 受講料は77,000円です。

 事務指定講習については、下記関連記事で、私が事務指定講習を体験しながらレポートしていますので、ご参照ください。

登録には4つの種別がある

 社労士の登録には、次の4つの種別があります。

社労士の登録種別
  • 開業登録
  • 社労士法人の社員登録
  • 勤務登録
  • その他登録

開業登録(開業社労士)

 開業登録(開業社労士)は、社労士として独立開業するための登録です。

社労士法人の社員登録(社労士法人社員)

 社労士法人の社員登録(社労士法人社員)は、社労士法人の社員のひとりとして社労士業務を行う場合の登録です。

勤務登録(勤務社労士)

 勤務登録(勤務社労士)は、社労士事務所の従業員として働いたり、社労士事務所ではない民間会社で働く場合の登録です。

 勤務社労士は、その勤務先の業務についてのみ、社労士業務を行うことができる登録なので、自分で顧客と直接契約して社労士業務を行うことはできません。

その他登録(その他社労士)

 その他登録(その他社労士)は、社労士業務を行わない場合の登録です。これは社労士特有の登録形態だと思いますが、社労士会に所属し、研修を受講したり法改正情報を入手できるなどのメリットがあります。


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