社労士とは?独占業務や仕事内容を解説
更新日:2026年1月29日

社会保険労務士(社労士)は人気資格のひとつですが、実際のところ、どんな仕事をする資格なのでしょうか。
このページでは、社労士の独占業務や仕事内容について解説したいと思います。
|
【執筆者】 |
執筆者紹介 |
社労士とは?
社労士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。
「人」に関する専門家と呼ばれ、労務管理・社会保険のエキスパートとして、独立開業はもちろん勤務社労士として働くこともできます。
- 労務管理・社会保険のエキスパート
- 「ヒト」に関する専門家
- 独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける
労務管理・社会保険のエキスパート
社会保険労務士(社労士)は、労務管理・社会保険のエキスパートです。
労働・社会保険に関する法律の専門家として、企業における人事労務管理をはじめ、社会保険や年金の相談、コンサルティングを行います。
社労士は、遡ると「労務管理士」と「社会保険士」の2つの資格を起源とします。
両資格は、戦後の復興期において、社会保障制度の整備が急速に進められるなかで、企業の労務管理や社会保険に関する事務を専門的に処理する職業として誕生しました。
そして、昭和43年に、両制度を併せて法制化した社会保険労務士法が公布・施行され、社会保険労務士が誕生しました。
「ヒト」に関する専門家
社労士は、企業経営の4要素(ヒト・モノ・カネ・情報)の一つである「ヒト」に関する専門家と呼ばれています。
企業における採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題に関するサポートを行い、企業の人事・労務管理を支える存在です。
さらに、個人からの年金の相談や労働に関する相談に応じるなど、業務内容は広範囲にわたっています。
独立開業はもちろん勤務社労士としても働ける
社労士は、独立開業はもちろんのこと、社労士事務所で働くほか、一般企業で人事労務を担当するなど多様な働き方が可能です。
開業している社労士は全体の約54%(社労士法人の社員を含めると約63%)で、残りの約37%が社労士事務所や一般企業で働いています。(社会保険労務士白書2025年版)
一般企業に勤務することが想定されているのは士業の中では珍しく、会社の人事労務をサポートする社労士ならではの制度です。
社労士の独占業務と仕事内容
社労士の仕事は、1号業務・2号業務・3号業務の3つに分かれます。(社会保険労務士法第2条)
このうち、1号業務と2号業務が社労士の独占業務です。
独占業務というのは、つまり社労士にしかできない業務のことです。社労士ではない人が報酬を得て、これらの業務を行うと違法となり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。(社会保険労務士法第27条、第32条の2)
- (1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】
- (2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】
- (3号業務)コンサルティング業務
(1号業務)労働社会保険の手続代行【独占業務】
1号業務には、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成」「提出代行」「事務代理」「紛争解決手続代理業務」の4つがあります。
申請書等の作成/提出代行
「申請書等の作成」は、雇用保険、労災保険などの労働保険や健康保険、厚生年金などの社会保険の申請書や届出書を作成する業務で、「提出代行」は、それらの書類を行政機関に提出する手続きを代行する業務です。
例えば、労働社会保険の新規加入や脱退手続き、資格取得や喪失手続き、そして、健康保険の出産手当金や傷病手当金などの手続きがあります。
事務代理
「事務代理」は、上記の「提出代行」に加えて、申請書等を提出した後、行政機関からの質問や調査に対応したり、申請が通らなかった場合に主張、陳述等を事業主に代わって行う業務です。
紛争解決手続代理業務
「紛争解決手続代理業務」は、特定社労士だけが行うことができ、個別労働紛争のあっせんや調停の手続きを代理する業務です。
特定社労士は、特別研修(中央発信講義・グループ研修・ゼミナール)を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格することで、なることができます。
(2号業務)労働社会保険の帳簿書類の作成【独占業務】
2号業務は、労働社会保険諸法令に基づき事業主が作成すべき帳簿書類を作成する業務です。
例えば、労働者名簿や賃金台帳、出勤簿、就業規則などの作成があります。
(3号業務)コンサルティング業務
3号業務は、企業に対する人事労務管理のコンサルティングや、個人からの年金や労働に関する相談に応じて助言指導を行う業務です。
3号業務は社労士の独占業務ではないため、社労士以外でも行うことができます。
社労士になるには
社労士になるためには、年に1回実施される社会保険労務士試験に合格し、全国社会保険労務士会連合会に備える社労士名簿に登録を受ける必要があります。
登録の要件
社労士として登録するためには、社労士試験の合格に加えて、労働社会保険諸法令に関する実務経験が2年以上あること、又は、事務指定講習を修了することが要件とされています。
- 社労士試験に合格すること
- 実務経験が2年以上あること、又は、事務指定講習を修了すること
事務指定講習とは
事務指定講習とは、全国社会保険労務士会連合会が実施する講習で、これを受講し修了すれば、2年以上の実務経験と同等以上の経験を有するものと認められ、社労士の登録が可能になる仕組みです。
事務指定講習の正式名称は「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」といい、通称「ジムシテ」と呼ばれています。
事務指定講習は以下の2段階に分かれています。
- 通信指導課程(2月1日~5月末までの4ヶ月間)
- eラーニング講習(7月上旬~9月上旬までの2ヶ月間)
受講料は77,000円です。
通信指導課程(2月1日~5月末までの4ヶ月間)
通信指導課程は、配布された教材で自己学習し、課題を郵便で提出し、添削指導を受ける、というものです。
事業所の設置~廃止、従業員の採用~退職まで、社労士が携わる各種届出、申請等について、具体的な事例に基づいて書類を作成し、提出します。
これにより、社労士が事業所に関与する際の基礎的な実務がひととおり学べるわけですね。
eラーニング講習(7月上旬~9月上旬までの2ヶ月間)
eラーニング講習は、コロナ禍前までは「面接指導課程」として4日間の集合研修が行われていましたが、コロナ禍以降、eラーニング講習に変更されたようです。
eラーニング講習では、1科目3時間(8科目)の動画を視聴し、効果測定のための試験が実施されます。
登録の種別(4種類)
社労士の登録には、次の4つの種別があります。
- 開業登録
- 社労士法人の社員登録
- 勤務登録
- その他登録
開業登録(開業社労士)
開業登録(開業社労士)は、社労士として独立開業するための登録です。
社労士法人の社員登録(社労士法人社員)
社労士法人の社員登録(社労士法人社員)は、社労士法人の社員のひとりとして社労士業務を行う場合の登録です。
勤務登録(勤務社労士)
勤務登録(勤務社労士)は、社労士事務所の従業員として働いたり、社労士事務所ではない民間会社で働く場合の登録です。
勤務社労士は、その勤務先の業務についてのみ、社労士業務を行うことができる登録なので、自分で顧客と直接契約して社労士業務を行うことはできません。
その他登録(その他社労士)
その他登録(その他社労士)は、社労士業務を行わない場合の登録です。これは社労士特有の登録形態だと思いますが、社労士会に所属し、研修を受講したり法改正情報を入手できるなどのメリットがあります。
- 独学で合格を目指す場合はこちら⇒ 社労士の独学におすすめのテキスト・参考書
- 独学が不安な方はこちら⇒ 社労士のおすすめ通信講座ランキング

