土地家屋調査士の口述試験対策【私の体験談】
更新日:2024年10月16日
土地家屋調査士の筆記試験に合格すれば、あとは口述試験のみです。
土地家屋調査士試験では、口述試験に落ちた人はいないと言われています。
事実、私が受験した年度の大阪会場では、ネットに公開されている合格者の受験番号を確認したところ、筆記試験の合格者はすべて口述試験にも合格していました。
このページでは、実際に土地家屋調査士試験に合格した私の口述試験対策や、口述試験で問われた質問など、私の体験を元に紹介していきたいと思います。
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土地家屋調査士の口述試験とは?
それではまず、土地家屋調査士の口述試験とはどのようなものなのか、解説したいと思います。
口頭の質問に口頭で解答する試験(面接形式)
土地家屋調査士試験には、筆記試験と口述試験があり、筆記試験に合格した人だけが口述試験に進むことができます。
口述試験とは、受験生が一人ずつ部屋に入って面接官2人の前に座り、口頭で出題される質問に対して口頭で解答する試験です。
筆記試験では、紙に書いてある問題文を読んで、その正誤を判断する形式ですが、口述試験では、耳で問題を聞いて、自らの言葉で答えを説明する必要があるわけです。
これは、筆記試験とはまた違った難しさがありますよね。
試験日程は平日のため注意
口述試験は、筆記試験の合格発表があってから、約2週間後の平日に実施されます。土日ではありません。
仕事がある方は事前に調整が必要ですので、注意してください。
筆記試験の合格発表 | 令和7年1月8日(水)16時 |
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口述試験の試験日 | 令和7年1月23日(木) |
最終合格発表 | 令和7年2月14日(金)16時 |
口述試験の内容と一人あたりの時間
口述試験の内容(試験範囲)は、不動産登記法・土地家屋調査士法の2科目で、計15問程度が出題されます。
具体的な出題内容については、後述の「口述試験で問われた質問【体験談】」を参考にしてください。
所要時間は、一人あたり、およそ15分程度です。
当日の服装・持ち物
口述試験の当日、私は服装はスーツで、カバンは黒のリュックで行きました。
実際、出席者のほぼ全員がスーツを着ていましたので、服装に関しては、何も迷わずスーツを着ていけばいいと思います。
カバンは、スーツに合う普通のビジネスバッグなどを持っていけば問題ありません。
持ち物は、「口述試験の受験票」と「筆記用具(黒のボールペン)」です。あとは、待ち時間に知識の確認ができるテキストや、飲み物などを持っていけばいいと思います。
- 口頭で出される質問に対して口頭で解答する試験
- 合格発表の2週間後の平日に実施される。
- 試験科目は、不動産登記法・土地家屋調査士法の2科目
- 出題数は、計15問程度
- 所要時間は、一人あたり15分程度
- 服装は、迷わず「スーツ」
- 持ち物は「口述試験の受験票」、「筆記用具(黒のボールペン)」 その他
土地家屋調査士の口述試験の対策
では、土地家屋調査士の口述試験の対策は、何をすればいいのでしょうか。
筆記試験の合格発表後に記憶を呼び戻す
そもそも、土地家屋調査士の筆記試験が終わってから合格発表までに、約3ヶ月もの期間があきます。
この3ヶ月間は、大抵の人は、まったく勉強しないと思います。私もそうでした。
ですので、筆記試験の合格発表が出てから口述試験までの約2週間の間に、口述試験の対策をすることになるわけです。
口述試験の試験範囲「不動産登記法」と「土地家屋調査士法」の2科目について、筆記試験の学習に使用したテキストを使って、ひととおりの記憶を呼び戻しておく必要がありますね。
口述試験で問われる質問(過去問)を情報収集する
また、予備校においても、口述試験の対策が実施されています。
LECの口述試験対策
私の場合は、当時LECが無料で配布していた「口述クリアブック」という口述試験対策の冊子を活用しました。
しかし現在、この「口述クリアブック」は「口述試験対策講座(2,500円)」の教材になっているため、有料です。※LECのコース・パック講座受講生は無料
このLECの冊子には、試験当日の会場での流れや口述試験で問われる論点(過去問)などが掲載されています。
実際、私が受けた口述試験でも、この論点の中からいくつかの質問が出されましたので、この冊子はとても役に立ちました。
その他、LECでは、口述模試も実施しています。(LECのコース・パック講座受講生は無料)
アガルートの口述試験対策
アガルートでは、無料で視聴できる「口述試験対策講座」を提供しています。
この講座では、実際の口述試験の様子を再現した動画が視聴できます。
東京法経学院の口述模試
東京法経学院では、「受講生を対象」に、口述模試が無料で実施されています。
東京法経学院の受講生の方は、この口述模試を受験すれば、準備万端ですね。
なお、模試の受験はせずに、「口述試験受験対策資料」のみを請求することも可能です。
日建学院の過去問
日建学院の単年度版の過去問集に、口述試験の質疑応答例が掲載されています。
土地家屋調査士 令和5年度本試験問題と解説&口述試験対策集 著者: 日建学院 (著), 齋木公一 (監修) 出版社: 建築資料研究社 発売日: 2024/1/16 ページ数: 126ページ サイズ: B5判(一般的なテキストより大きい) 価格: 1,320円 |
その他、ネットで検索すれば、過去に口述試験を受験された方のブログなどで情報が得られると思います。
口述試験で問われた質問【体験談】
では、実際に私が口述試験で問われた内容についてご紹介します。
口述試験では何が問われるか
口述試験で私の受けた質問の要旨は下記のとおりです。質問の内容は、おそらく試験会場によって異なっていると思います。
実際には、不動産登記法関連と土地家屋調査士法関連との質問が、交互に出題されましたが、下記では順不同に並べています。
「土地家屋調査士制度の目的は。」の問いは一番目の質問でしたが、あとの順番は何の関連もなく、ばらばらでした。
口述試験の質問の要旨 (平成19年大阪会場 午前の部)(順不同)
- 土地家屋調査士制度の目的は。
- 法務局に備え付けられている土地に関する図面にはどのようなものがあるか。
- 法14条地図の制度の目的は。
- 法14条地図は、具体的にはどのようなものがあるか。
- 地図に準ずる図面は、具体的にはどのようなものがあるか。
- 法14条地図には具体的に何が記載されているか。
- 建物の合体とは、どのようなことか。
- 建物の合体があったときは、どんな申請をするか。
- 建物の合体があったときは、どんな申請をするか。表題登記がない場合、表題登記のみある場合、所有権の登記がある場合、に分けて答えよ。
- 表題登記のない建物が合体した場合は、どのような登記をするか。
- 表題部所有者が異なる建物同士が合体したときの、申請者はだれか。
- 土地家屋調査士は、業としてどんな業務をすることができるか。
- 土地家屋調査士になる資格を有するものが、土地家屋調査士となるには、どのような手続きが必要か。
- 土地家屋調査士の登録の拒否は、どんな場合にされるか。
- 土地家屋調査士でない者が、土地家屋調査士の業務を業としておこなった場合はどうなるか。
口述試験を受けて感じたこと
口述クリアブックやネット上の情報からは、毎年必ず「土地家屋調査士の職責と業務を行う上での心構え」について問われる、とのことでしたので、それをしっかりと準備していました。
ところが、その質問は聞かれず、「調査士制度の目的は。」がそれに代わって聞かれました。確かに、聞かれて当然と思われる質問ですが。。
「法14条地図には具体的に何が記載されているか。 」の質問に関しては、事前にバッチリ準備していたので、待ってました!とばかりにスラスラスラ~っと記載事項を喋りながら、逆に、こんなにスラスラ言うのも変に思われるかな?と心配しながら答えた記憶があります。
それと、とにかく「合体の登記」について、しつこく何度も問われたのは不思議でしたね。。きちんと答えたはずなんですが、私の回答が不十分だったのかもしれません。
それならそうと言ってくれればいいのに、違う質問を間に挟みながら何度も何度も似たようなことを聞かれたので、とても不安でした。。。
口述試験の対策まとめ
以上、私の口述試験対策と、実際に問われた質問についてご紹介してきました。
口述試験では、基本的に、筆記試験を通った人なら、ある程度は回答できる事項ばかりが問われるはずですので、それほど神経質になって対策をする必要はないと思います。
ただし、LECの冊子等の中で、問われる可能性が高いと言われている事項のうち、暗記が必要な事項については、しっかり対策しておいた方がいいと思います。