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FP試験3級・2級・1級|試験日・受験資格・試験内容などの概要

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FP試験3級・2級・1級|試験日・受験資格・試験内容などの概要

更新日:2024年3月27日

FP試験|試験日・受験資格・合格率・試験内容

 これからFP試験に挑戦しようとお考えの方は、どんな試験制度になっているの?試験はいつ実施されるの?誰でも受験できるの?どんな問題が出題されるの?など気になっているのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、FP試験の試験制度や試験日、受験資格、試験内容などについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。FP2級をはじめ、宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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FP試験とは

 FP試験とは、国家資格「FP技能士」になるための「FP技能検定」と、民間資格「AFP・CFP」になるための「AFP認定研修・CFP資格審査試験」があります。

FP技能士(国家資格)

 FP技能検定は、「日本FP協会」と「きんざい」の2団体が実施しており、3級・2級・1級の3段階に区分されています。

※ 日本FP協会・・・NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
※ きんざい・・・一般社団法人 金融財政事情研究会

 このFP技能検定には、「学科試験」と「実技試験」があり、両方に合格することで、お金の専門家であるFPの知識を有する者として、「3級~1級 FP技能士(国家資格)」を名乗ることができます。

※ FP・・・ファイナンシャル・プランナー
※ FP技能士・・・ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
※ FP技能検定・・・ファイナンシャル・プランニング技能検定

日本FP協会ときんざいの違い

 日本FP協会ときんざいの一番大きな違いは、実技試験の科目です。

 学科試験については、共通の試験問題が出題されますので違いはありませんが、実技試験に関しては、下記のように試験科目に違いがあります。

実施団体 実技試験の科目
FP協会 3級 資産設計提案業務
2級 資産設計提案業務
きんざい 3級 個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務
2級 個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務、中小事業主資産相談業務

 このような実技試験科目の違いから、きんざいのFP試験は、保険会社や金融機関に勤務している方が団体受験したり、会社から指示されて受験したりするケースが多く、FP協会とは受験者層が異なります

 このため、きんざいの受験者は合格へのモチベーションが低く、FP協会と同じ問題が出題される学科試験においても、きんざいの方が合格率が低くなると言われています。(3級学科:FP協会85%前後、きんざい55%前後)

※ その他、試験会場が異なることや、合格証書の発行者名・デザインが異なるといった違いもあります。

FP協会ときんざいの共通点

 なお、FP協会もきんざいも、資格の価値は同じです。どちらも「FP技能士」であることに違いはありません。

 また、試験日程や合格基準、受験料、受験資格なども同じです。

AFP・CFP(民間資格)

 AFP・CFPは、日本FP協会の民間資格であり、日本FP協会が、AFP認定研修やCFP資格審査試験を実施しています。

※ AFP・・・アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー(民間資格)
※ CFP・・・サーティファイド ファイナンシャル プランナー(民間資格)

 AFPは、2級FP技能士に相当する位置づけで、「2級FP技能検定の合格&AFP認定研修の修了」により、AFP認定者になることができます。

 CFPは、1級FP技能士に相当する位置づけで、「AFP認定者がCFP資格審査試験6科目に合格&CFPエントリー研修・実務経験等」により、CFP認定者になることができます。

 なお、CFPの6科目に合格すれば、1級FP技能検定の学科試験が免除になります。

 逆に、1級FP技能検定に合格したとしても、CFP試験の免除はありません。

 FP技能士は、試験に一度合格すれば、その資格は一生有効ですが、AFP・CFPは、2年ごとの更新が必要になります。

 このように、FP試験は、かなり複雑な試験制度になっていますが、当ページでは、国家資格としてのFP技能検定を中心にご紹介していきます。

FP試験3級・2級・1級の試験日

 それでは、FP試験の試験日・スケジュールなどから、ご紹介していきます。

FP3級の試験日はCBT試験により随時実施

 FP3級試験は、2024年度からCBT試験に完全移行します。

 CBTとは「Computer Based Testing」の略称で、全国各地のテストセンターの会場でパソコンを使って試験問題に解答する形式です。

 このCBT試験では、パソコン画面に試験問題が表示されますので、選択肢をマウスでクリックして解答する形になります。

 CBT試験は、各テストセンターごとに随時申し込みが可能で、いつでも受けたいと思えば、すぐに来週にでも受験することができます(最短、3日後の試験日に申し込み可能)。

CBT試験への移行日程

 CBT試験への移行は、日本FP協会では、一斉方式のペーパー試験は2024年1月試験をもって廃止され、2024年4月4日からCBT試験に完全移行が予定されています。

 きんざいでは、2023年11月1日からCBT試験が開始され、2024年1月試験まではペーパー試験と平行実施、2024年1月試験が終わった後は、CBT試験に完全移行が予定されています。(※暫定措置あり)

試験時間

 FP3級試験の実施時間は、日本FP協会・きんざい共通で、下記のとおりです。

区分 試験時間
学科 90分
実技 60分

 これまでのペーパー試験では、学科試験の試験時間は120分でしたが、CBT試験化に伴い、90分に短縮されました。

 出題数に変更はありませんので、単純に試験時間だけが短くなるわけですが、もともと3級の学科試験は試験時間にかなりの余裕がありました。

 このため、30分程度で解き終わる人も多く、大部分の人が途中退席するほどでしたので、時間短縮は実態に合わせたものであり、特に影響はないものと考えられます。

受験料

 FP3級試験の受験料についても、日本FP協会・きんざい共通で、下記のようになっています。

区分 受験料
学科 4,000円
実技 4,000円

日本FP協会 FP技能検定(公式サイト)

きんざい FP技能検定(公式サイト)

FP2級の試験日は年に3回(5月・9月・1月の日曜日)

 FP2級試験は、年に3回、5月・9月・1月の日曜日に実施されます。(日本FP協会・きんざい、いずれも共通)

 例年、第1回は5月の第4日曜日、第2回は9月の第2日曜日、第3回は1月の第4日曜日に実施されています。

実施回 例年の試験日
第1回 5月の第4日曜日
第2回 9月の第2日曜日
第3回 1月の第4日曜日

 いつでも受験できるFP3級に比べると年に3回しか受験できないのは不便に感じますね。

 とはいえ、そもそも国家試験は、年に1回しか実施されない試験も多いですので、年に3回あるだけでも、かなり受験しやすい試験です。

試験日程【2024年度】

 2024年度のFP2級の試験日程は、下記のとおり予定されています。

FP2級の試験日程【2024年度】
実施回 受付期間 試験日 合格発表
第1回 3月15日(金)~4月5日(金) 5月26日(日) 6月28日(金)
第2回 7月2日(火)~7月23日(火) 9月8日(日) 10月21日(月)
第3回 11月13日(水)~12月3日(火) 1月26日(日) 3月7日(金)

試験時間

 FP2級試験の実施時間は、学科試験は午前中の120分で、実技試験は午後の90分で実施されます。

区分 試験時間
学科 10:00~12:00(120分)
実技 13:30~15:00(90分)

 試験時間は、学科試験はまだ多少の余裕がありますが、実技試験は時間的にかなり厳しいので、解答の時間配分には注意が必要です。

受験料

 受験料についても、日本FP協会・きんざい、いずれも共通 です。

区分 受験料
学科 5,700円
実技 6,000円

試験会場

 FP試験は、全国47都道府県の各主要都市で、試験会場が用意されています。

 居住地にかかわらず、どこの試験会場でも選べるようになっています。

 なお、FP協会・きんざいのそれぞれで別々に、会場が用意されます。

日本FP協会 FP技能検定(公式サイト)

きんざい FP技能検定(公式サイト)

FP1級の試験日は学科・実技が別日程で実施

 FP1級の学科試験は、きんざいのみ実施され、FP協会では実施されません。(FP協会ではCFP6科目試験がFP1級学科試験に相当)

 きんざいのFP1級学科試験は、FP2級と同様、年に3回、5月・9月・1月の日曜日です。

 また、実技試験は、原則、学科試験(又はCFP6科目)に合格しないと受験できませんので、学科試験とは別の日程で実施され、きんざいでは年3回(6月・9月・2月)、FP協会では年1回(9月)の実施となります。

試験日程【2024年度】

 2024年度のFP1級(きんざい学科試験)の試験日程は、FP2級と同様、年に3回、5月・9月・1月の日曜日に実施されます。

FP1級(きんざい学科)の試験日程【2024年度】
実施回 受付期間 試験日 合格発表
第1回 3月15日(金)~4月5日(金) 5月26日(日) 6月28日(金)
第2回 7月2日(火)~7月23日(火) 9月8日(日) 10月21日(月)
第3回 11月13日(水)~12月3日(火) 1月26日(日) 3月7日(金)

 そして、FP1級(きんざい実技試験)の試験日程は、下記のとおりです。

 学科試験と実技試験の関係は、例えば、第1回の学科試験(5月)に合格した場合は、合格発表が6月下旬になりますので、実技試験は第2回(9月)以降の受験になり、第2回(9月)の学科試験なら第3回(2月)の実技試験という具合に、1回ずつ後ろにズレる形になります。

FP1級(きんざい実技)の試験日程【2024年度】
実施回 受付期間 試験日 合格発表
第1回 3月下旬~4月中旬 6月上旬~中旬 7月11日(木)
第2回 7月中旬~8月上旬 9月下旬 10月25日(金)
第3回 11月中旬~12月中旬 2月上旬~中旬 3月14日(金)

 FP協会のFP1級(実技)は、年に1回だけ、下記の日程で実施されます。

FP1級(FP協会実技)の試験日程【2024年度】
受付期間 試験日 合格発表
7月11日(木)~8月1日(木) 9月8日(日) 11月6日(水)

試験時間

 FP1級学科試験の実施時間は、基礎編が午前中の150分で、応用編は午後の150分で実施されます。

FP1級(きんざい学科)の試験時間
区分 試験時間
基礎編 10:00~12:30(150分)
応用編 13:30~16:00(150分)


FP1級(実技)の試験時間
FP協会 きんざい
13:30~15:30(120分) 12分ずつ2回

受験料

 受験料は、下記のとおりです。実技試験は高額ですね。。

区分 FP協会 きんざい
学科 -- 8,900円
実技 20,000円 28,000円

FP試験の受験資格

 次に、FP試験の受験資格について、解説します。

FP3級は実質的に誰でも受験可能

 3級FP技能検定の試験要綱では、受検資格として、「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」と定められています。

 しかし、FP試験を受験しようとする人は、今後、そのFPの知識を活用しながら生活することになるわけですから、みなさん「FP業務に従事しようとしている者」に該当すると推定されますし、それを証明するような書類の提出も不要ですので、実質的には、誰でも受験が可能です。

FP3級の受験資格
  • FP業務に従事している者または従事しようとしている者【実質的に誰でも受験可能

FP2級は明確な受験資格の定めあり

 一方、2級FP技能検定に関しては、明確な受験資格が定められており、以下のいずれかに該当する必要があります。

FP2級の受験資格
  • 3級FP技能検定の合格者
  • FP協会のAFP認定研修を修了した者
  • FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
  • 金融渉外技能審査(旧 金財FP)3級の合格者

FP業務の実務経験とは

 FP業務とは、資産の設計・運用・管理及びこれらに係わる相談業務、コンサルティング業務等をいい、以下のいずれかに該当する場合は、おおむね実務経験として認められます。なお、この実務経験については、自己申告となっており、証明する書類の提出等は求められていません

・証券会社、保険会社、銀行、クレジット会社などの金融機関に勤務している方
・保険会社(代理店)の職員
・税理士、弁護士、司法書士、行政書士などで、資産に関する相談業務に従事している方
・会計事務所の職員
・不動産会社、建設会社など土地建物取引・建築・相談業務に従事している方
・投資顧問会社の職員
・生活協同組合などの共済等の担当職員
・商品先物取引会社の職員
・一般事業会社および官公庁の福利厚生担当者および、金融・財務・経理担当者
・商事会社の商社金融担当者、商事会社やコンピュータ会社等の金融機関営業担当者および、ソフト開発担当者

FP3級に合格せずにFP2級を受験するには

 私は、3級FP技能検定に合格して受験資格を得てから、2級を受験しましたが、お金を掛けても構わない方は、先にAFP認定研修を修了すれば2級FP技能士の受験資格が得られます

 AFP認定研修は、資格予備校(LEC、大原、ユーキャン、フォーサイトなど)でも実施されており、主に通信講座として用意されています。

AFP認定研修の検索画面(日本FP協会)

 AFP認定研修の費用は、2万円~8万円程度が相場です。AFP認定研修を兼ねる形で、2級FP技能士対策講座が受講できる形態になっています。

 ですので、FPの受験対策を、独学ではなく、通信講座で勉強しようと考えている方は、最初から「AFP認定研修&2級FP技能士対策講座」を、通信講座で受講するのがベストですね。

 ただし、AFPの認定には、入会金として10,000円、年会費として12,000円が必要になりますので、その点はご注意ください。

FP1級の受験資格はさらに高いハードルあり

 FP1級(きんざい学科試験)の受験資格は、下記のとおり、さらに高いハードルが定められています。

FP1級(きんざい学科試験)の受験資格
  • 2級FP技能検定の合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
  • FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
  • 金融渉外技能審査(旧 金財FP)2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者

 このように、「FP2級の合格者+1年以上の実務経験者」又は「5年以上の実務経験者」が、FP1級(きんざい学科試験)を受験することができます。

 さらに、FP1級の実技試験を受験するには、下記の要件を満たす必要があります。(FP協会・きんざい共通)

FP1級(実技試験)の受験資格
  • 1級FP技能検定(学科試験)の合格者(合格日の翌々年度末までに限る)
  • きんざいのFP養成コース修了者(修了日の翌々年度末までに限る)で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
  • FP協会のCFP認定者
  • FP協会のCFP資格審査試験の6科目合格者(合格日の翌々年度末までに限る)

 1級FP(学科)合格者、FP養成コース修了者、CFP6科目合格者に関しては、その翌々年度末までが受験の期限になっていますので、その点には注意が必要です。

FP試験の試験内容

 次は、FP技能検定の試験内容・試験科目出題形式・出題数について、ご紹介します。

試験科目

 FP試験の学科試験・実技試験のそれぞれの試験科目は、以下のとおりです。

学科試験

 FP技能検定3級・2級・1級の学科試験の試験科目は、次の6科目です。これは、FP協会もきんざいも、3級も2級も共通しています。(※FP協会は1級学科の実施なし)

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用
  4. タックスプランニング
  5. 不動産
  6. 相続・事業承継
学科試験の試験科目(3級・2級・1級共通)
試験科目 主な試験内容
ライフプランニングと資金計画 社会保険、公的年金・企業年金、住宅取得資金など
リスク管理 生命保険、損害保険、第三分野の保険など
金融資産運用 預貯金、債権、株式、投資信託など
タックスプランニング 所得税、住民税、法人税、消費税など
不動産 不動産取引、建築基準法などの法令、税金など
相続・事業承継 相続、相続税、贈与税、財産評価など

実技試験

 実技試験は、FP協会では、3級も2級も1級も、資産設計提案業務の1科目のみです。

 きんざいの3級では個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務の2科目から1科目を選択して受験します。

 きんざいの2級は、個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務の4科目から1科目を選択して受験する形になります。

 きんざいの1級は、資産相談業務の1科目のみです。

 ただし、いずれも学科試験の知識の範囲に含まれていますので、横断的に出題されたり、具体事例に基づいて出題されるなど、応用的な出題になるだけで、試験範囲としては学科の範囲に含まれます。

実技試験の試験科目
FP協会 きんざい
3級 資産設計提案業務 ①個人資産相談業務
②保険顧客資産相談業務
の2科目から1科目を選択
2級 資産設計提案業務 ①個人資産相談業務
②中小事業主資産相談業務
③生保顧客資産相談業務
④損保顧客資産相談業務
の4科目から1科目を選択
1級 資産設計提案業務 資産相談業務

出題形式・出題数

 FP試験の 各級ごとの出題形式・出題数は、以下のとおりです。

FP3級

 FP3級試験は、2024年度から全てCBT方式で実施されますので、パソコンの画面上で、クリックして解答を選択する形式になります。

<学科>

 3級の学科試験は、FP協会・きんざいともに共通で、○×式30問+三択式30問で計60問が出題されます。

<実技>

 FP協会の3級の実技試験は、三択の問題が20問出題されます。

 実技試験といっても、三択で、1~3から答えを選ぶだけのことです。

 きんざいの3級は、三択の問題が、事例形式で5題(15問)出題されます。

FP2級

<学科>

 2級の学科試験は、FP協会・きんざいともに共通で、マークシート方式で60問(四択式)が出題されます。

<実技>

 FP協会の実技試験は、記述式で40問が出題されます。出題形式は、〇×式、四択式、多肢選択式、計算結果の記入など、多彩です。

 とはいえ、答えを選ぶか、計算結果の数値を記入するかのいずれかですので、実技とはいえ、恐れることはありません。

 きんざいは、記述式で、事例形式で5題(15問)が出題されます。出題形式は、FP協会と同様、〇×式、多肢選択式、計算結果の記入、など多彩になっています。

FP1級

<学科(きんざいのみ)>

 1級の学科試験は、きんざいのみ実施しており、「基礎編」と「応用編」とに分かれています。

 基礎編は、マークシート方式で50問(四択式)が出題されます。

 応用編は、記述式で、事例形式で5題(15問)が出題されます。出題形式は、計算問題が中心で、計算結果の数値だけを記入するパターンと、計算過程も含めて記述するパターンの両方があります。計算問題のほかにも、空欄記入形式の知識問題も出題されます。

<実技>

 FP協会の実技試験は、記述式で、FPの試験科目の全範囲から出題され、択一・語群選択・空欄記入に加え、論述式もあります。

 きんざいは、面接形式、つまり、口頭で出題され、口頭で答える形式です。試験範囲は、不動産と相続・事業承継が中心になります。

出題形式・出題数
FP協会 きんざい
3級 学科 (CBT試験)
○×式、三択式
実技 (CBT試験)
三択式20問
(CBT試験)
三択式5題(15問)
2級 学科 マークシート60問
(四択式)
実技 記述式40問
(〇×式、四択式、多肢選択式、計算結果の記入)
記述式5題(15問)
(〇×式、多肢選択式、計算結果の記入)
3級 学科 --- 【基礎編】
マークシート50問(四択式)
【応用編】
記述式5題(15問)
(計算結果or計算過程+計算結果の記入、空欄記入)
実技 記述式2題(20問)
(択一・語群選択・空欄記入・論述)
面接形式
(12分×2回)

合格点・合格ライン

 FP試験は、「絶対評価」方式の試験になっています。

 つまり、この点数さえ取れれば合格という「合格点(合格ライン)」が決まっているということですね。

FP協会・きんざい、3級・2級・1級ともに共通で、6割の点数を取ることができれば合格です。

合格基準
FP協会 きんざい
3級・2級 学科 60点満点で36点以上
実技 100点満点で60点以上 50点満点で30点以上
1級 学科 -- 200点満点(基礎編100点・応用編100点)で120点以上
実技 100点満点で60点以上 200点満点で120点以上

FP試験の受験者数・合格者数・合格率

 次は、FP試験の受験者数・合格者数・合格率などの統計データをご紹介していきます。

受験者数

 FP試験の受験者数は、年間3回分を合計すると、おおむね3級は17万人2級は18万人が受験するという、国内有数の人気資格です。

 同規模の資格でいうと、日商簿記の3級が30万人、2級が15万人、宅建試験の20万人あたりと肩を並べる超人気資格ということになります。

 受験者数の内訳は、FP3級は、全体17万人のうち、FP協会が11万人、きんざいが6万人で、FP2級は、全体18万人のうち、FP協会が8万人、きんざいが10万人ぐらいになっています。

年間受験者数(概数)
FP協会 きんざい 合計
3級 11万人 6万人 17万人
2級 8万人 10万人 18万人
1級 1千人 1万5千人 1万6千人

合格率

FP試験の合格率

 次に、合格率については、当ページ冒頭にも記載したとおり、FP協会の方が、かなり高くなっています。

 FP3級では、FP協会は、学科が85%、実技も85%と高い合格率を示しています。

 一方、きんざいは、学科が55%、実技は50%(各科目平均)と、FP協会よりもかなり低くなっています。

 FP2級では、FP協会は、学科が50%、実技は60%ですが、きんざいは、学科が25%、実技40%(科目平均)となっており、こちらもきんざいの方がかなり低いですね。

 この合格率の差は、受験者層の違い(きんざいは団体受験などで半強制的に受験する受験生が多い)が理由として考えられています。

 また、FP1級は、3級・2級までとは比較にならないほど一気に合格率が下がり、きんざい学科試験の合格率は10%しかありません。その一方で、実技はFP協会95%、きんざい85%という高い合格率になっています。

合格率(概数)
FP協会  きんざい 2団体平均
学科 実技 学科 実技 学科 実技
3級 85% 85% 55% 50% 70% 70%
2級 50% 60% 25% 40% 40% 50%
1級 -- 95% 10% 85% 10% 90%

 なお、FP協会・きんざいの2団体を平均すると、FP3級の合格率としては、学科・実技ともに70%、FP2級の合格率は、学科40%・実技50%、FP1級の合格率は、学科10%・実技90%と捉えることができます。

FP3級・2級・1級の合格率
  • FP3級:学科70%・実技70%
  • FP2級:学科40%・実技50%
  • FP1級:学科10%・実技90%

日本FP協会の合格率

 次は、FP協会・きんざいのそれぞれについて、具体的な数値を見ながら、合格率の推移を詳しく見ていきます。

FP3級

FP3級の合格率の推移(日本FP協会)

 まずは、FP協会の3級です。

 学科・実技ともに、85%前後で推移しているのがわかります。

FP協会
3級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.1 25,170 21,479 85.34% 24,237 19,257 79.45%
2020.9 31,247 28,011 89.64% 31,319 27,574 88.04%
2021.1 31,272 27,494 87.92% 31,607 27,348 86.53%
2021.5 36,378 30,284 83.25% 36,691 28,122 76.65%
2021.9 36,368 30,801 84.69% 37,414 30,119 80.50%
2022.1 39,495 34,364 87.01% 40,324 36,595 90.75%
2022.5 39,231 32,707 83.37% 38,810 35,058 90.33%
2022.9 34,616 27,963 80.78% 33,246 28,072 84.44%
2023.1 39,839 33,961 85.25% 38,633 34,127 88.34%
2023.5 35,568 31,388 88.25% 34,759 30,182 86.83%
2023.9 31,431 23,505 74.78% 31,130 24,180 77.67%
2024.1 39,370 32,732 83.14% 38,531 33,351 86.56%
出典:日本FP協会

FP2級

FP2級の合格率の推移(日本FP協会)

 次は、FP協会の2級です。

 学科は50%前後、実技は60%前後で推移しているのがわかりますね。

FP協会
2級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.1 23,968 10,032 41.86% 18,980 11,884 62.61%
2020.9 25,117 12,355 49.19% 20,163 11,567 57.37%
2021.1 26,437 11,638 44.02% 22,474 15,958 71.01%
2021.5 26,799 14,902 55.61% 20,608 13,739 66.67%
2021.9 26,352 13,324 50.56% 21,294 12,832 60.26%
2022.1 27,889 11,576 41.51% 23,186 13,061 56.33%
2022.5 27,678 13,617 49.20% 23,237 14,432 62.11%
2022.9 26,265 11,074 42.16% 21,516 12,167 56.55%
2023.1 29,466 16,537 56.12% 23,994 14,283 59.53%
2023.5 24,727 12,072 48.82% 22,167 12,991 58.61%
2023.9 23,917 12,804 53.54% 20,892 10,867 52.02%
2024.1 26,563 10,360 39.00% 24,632 15,055 61.12%
出典:日本FP協会

FP1級

FP1級の合格率の推移(日本FP協会)

 次は、FP協会の1級です。

 FP協会の1級は、学科試験は実施していませんので、実技試験だけの数値になります。

 すべて90%以上の高い合格率になっていますね。これは、簡単だということではなく、全員がFP1級学科試験(又はCFP6科目)の合格者だということを忘れてはいけません。

FP協会
1級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.9 -- -- -- 523 511 97.7%
2021.9 -- -- -- 1,201 1,126 93.8%
2022.9 -- -- -- 1,198 1,186 99.0%
2023.9 -- -- -- 1,005 967 96.2%
出典:日本FP協会

きんざいの合格率

 次は、 きんざいの合格率です。

FP3級

FP3級の合格率の推移(きんざい)

 きんざいの3級の合格率は、学科が55%前後、実技は50%前後で推移しています。

きんざい
3級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.1 27,744 18,154 65.43% 31,147 15,318 49.17%
2020.9 35,659 24,706 69.28% 39,480 18,589 47.08%
2021.1 26,158 16,673 63.73% 33,608 19,257 57.29%
2021.5 23,248 11,117 47.81% 26,841 14,270 53.16%
2021.9 27,607 14,718 53.31% 28,415 13,154 46.29%
2022.1 23,175 14,490 62.52% 25,051 11,520 45.98%
2022.5 19,407 9,517 49.03% 22,365 11,681 52.22%
2022.9 21,018 9,125 43.41% 21,819 10,792 49.46%
2023.1 21,923 12,278 56.00% 21,406 10,907 50.95%
2023.5 17,297 9,364 54.13% 17,946 10,733 59.80%
2023.9 18,314 6,812 37.19% 17,811 10,309 57.87%
2024.1 17,185 7,974 46.40% 14,466 7,032 48.61%
出典:きんざい

FP2級

FP2級の合格率の推移(きんざい)

 きんざいの2級は、学科が25%前後、実技が40%前後で、かなり低い合格率で推移していますね。

きんざい
2級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.1 40,110 11,557 28.81% 32,494 12,495 38.45%
2020.9 63,741 21,102 33.10% 56,739 27,287 48.09%
2021.1 50,905 11,927 23.42% 40,738 18,571 45.58%
2021.5 44,736 15,133 33.82% 30,634 13,714 44.76%
2021.9 43,499 11,076 25.46% 32,094 12,848 40.03%
2022.1 41,803 8,154 19.50% 31,106 14,105 45.34%
2022.5 36,863 8,152 22.11% 23,272 7,634 32.80%
2022.9 34,872 5,495 15.75% 23,392 8,901 38.05%
2023.1 36,713 10,676 29.07% 23,913 8,404 35.14%
2023.5 27,239 4,772 17.51% 18,939 7,480 39.49%
2023.9 28,094 6,393 22.75% 18,690 7,627 40.80%
2024.1 29,226 3,881 13.27% 19,377 8,047 41.52%
出典:きんざい

FP1級

FP1級の合格率の推移(きんざい)

 きんざいの1級は、学科が10%前後と、極めて低い合格率で推移しています。

 一方、実技は80%を超えていますが、そもそも全員がFP1級学科試験(又はCFP6科目)の合格者ですから、易しい試験と言えるわけではありません。

きんざい
1級
学科 実技
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2020.1 7,049 833 11.81% 710 603 84.92%
2020.9 9,948 1,494 15.01% 798 689 86.34%
2021.1 8,884 884 9.95% 1,521 1,346 88.49%
2021.5 7,348 1,474 20.05% 1,066 909 85.27%
2021.9 7,134 930 13.03% 1,341 1,142 85.16%
2022.1 7,958 531 6.67% 1,119 961 85.88%
2022.5 6,192 582 9.39% 742 638 85.98%
2022.9 5,347 657 12.28% 474 401 84.59%
2023.1 6,146 638 10.38% 754 649 86.07%
2023.5 4,831 170 3.51% 737 625 84.80%
2023.9 5,023 653 13.00% 196 157 80.10%
2024.1 5,226 456 8.72%
出典:きんざい

FP協会・きんざいどちらを受験すべき?

 このように、FP協会ときんざいには、合格率に大きな開きがあり、FP協会の方が合格率がかなり高くなっています。

 では、FP協会を受験した方が合格しやすいのかというと、そういうわけではありません。

 学科試験については、まったく同一の問題が出題され、合格基準も同じですので、どちらを受験しても、合格しやすさは同じです。

 違いは、実技試験の試験科目です。

 FP協会の実技試験は、3級・2級ともに、資産設計提案業務の1科目のみです。

 一方、きんざいは、3級は個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務の2科目から1科目を選択して受験し、2級は、個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務の4科目から1科目を選択して受験する形式になっています。

 FP協会の資産設計提案業務は、きんざいの個人資産相談業務に相当します。

 ですので、中小事業主や生保顧客、損保顧客をお客様として対応する仕事をされている方は、きんざいを受験するのがいいですね。

 そうでない方は、FP協会・きんざいのどちらを受験しても構わない、ということになりますね。

 なお、FP試験の難易度や合格率については、以下の関連記事で詳しく解説していますので、興味のある方はそちらもご参照ください。

FP試験は独学でも合格できる?

 では、FP試験は、独学でも合格できるのでしょうか。

 私自身は、独学でFP試験に合格することができました。今の時代、ネットで検索すればすぐにわかりますが、独学で合格している方は数多くいらっしゃいます

独学におすすめの勉強法・テキスト

 FP試験は、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み込み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、十分に合格可能な資格です。

 独学の勉強法のポイントは、以下のとおりです。

FPの独学におすすめの勉強法
  • テキストを章ごとに読み、対応する問題集を解く
  • 科目ごとに、問題集を復習する
  • 問題集のみを解く(間違えた問題にチェックを入れる)
  • 科目ごとに、チェックが入っている問題を復習する
  • 総合問題(模試)を解く
  • 総復習(チェックが入っている問題を解く)

 FP試験に独学で合格するための勉強法については、下記の関連記事で詳しくご紹介していますので、そちらをご参照ください。

 また、独学におすすめのテキストについては、下記の記事でご紹介していますので、そちらを参考にしてください。

必要な勉強時間・スケジュール

 FP3級に、初心者が合格するためには、一般的に100時間程度(80~150時間)の勉強時間が必要といわれています。

 この100時間という勉強時間を達成するために何ヶ月かかるのか逆算すると、以下のようになります。

【FP3級】100時間を達成するのに必要なスケジュール
1日の勉強時間 勉強期間
3時間 約1ヶ月
2時間 2ヶ月弱
1時間 3ヶ月強

 また、FP2級に合格するためには、200時間(150~300時間) の勉強時間が必要といわれています。3級のちょうど2倍の勉強時間ですね。

 2級も同様に、必要な期間を逆算すると以下のようになります。

【FP2級】200時間を達成するのに必要なスケジュール
1日の勉強時間 勉強期間
3時間 2ヶ月強
2時間 3ヶ月強
1時間 7ヶ月弱

独学が不安な方は通信講座もおすすめ

 なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には、通信講座もおすすめです。

 下記の記事では、FPのおすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式でご紹介しています。初心者向け講座をはじめ、費用の安さや合格率の高さ、サポートの充実度など項目別のおすすめもご紹介していますので、参考にしてください。

FP試験の実施機関/公式サイト

FP技能士検定試験は、日本FP協会・きんざいの2団体が実施しています。

NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス5F
TEL:03-5403-9700(代表) FAX:03-5403-9701

一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)
〒160-8519 東京都新宿区南元町19
TEL (03)3358-1161 ※検定試験に関する問合せ先 TEL (03)3358-0771


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