FP3級・2級の独学に必要な勉強時間は?おすすめ勉強方法を紹介!
更新日:2024年8月27日
FP(ファイナンシャルプランナー)試験は、3級も2級も超人気資格ですが、その合格率は、3級は80%以上、2級は50%以上あり、国家資格としては取得しやすい資格です。
※ 1級になると極端に難易度が上がりますが。。
このため、FP2級までなら、市販のテキスト1冊・問題集1冊だけで、独学でも十分に合格が可能です。
ただし、この簡単そうに思えることを毎日続けるというのが、一番大変なことなんですが。。
では、このFP3級・2級に独学で合格するためには、どれぐらい勉強すればいいのでしょうか。そして、どんな勉強をすればいいのでしょうか。
このページでは、FP3級・2級に独学で合格するために必要な勉強時間やおすすめ勉強方法・コツなど、どうすれば独学で合格できるのか、実際に独学で合格した私の経験に基づき詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
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FP3級・2級の独学に必要な勉強時間は?
それでは、FP試験(FP技能士検定)に合格するために必要な勉強時間から紹介していきたいと思います。
- FP3級は100時間(80~150時間)の勉強時間が目安
- ⇒ 1日2時間なら2ヶ月弱の学習期間
- FP2級は200時間(150~300時間)の勉強時間が目安
- ⇒ 1日2時間なら3ヶ月強の学習期間
【3級】100時間の勉強時間が目安
FP3級に初心者が合格するためには、一般的に100時間(80~150時間)の勉強時間が必要と言われています。
とはいえ、これはあくまでも一般論です。人それぞれ予備知識がどれだけあるか、実務経験があるかなど違いがありますので一概には言えません。
私の場合は、FPと試験科目が重複する宅建試験(不動産・相続などの科目が重複)の学習経験がありましたので、一般的な勉強時間よりやや少ない65時間で合格できました。
初心者の場合は、とりあえず100時間というのを目安として、学習計画を立てていただければと思います。
【3級】1日2時間なら学習期間は2ヶ月弱
では、FP3級の勉強時間が100時間とした場合に、1日あたりの勉強時間によって学習期間がどれぐらいかかるのか整理すると、下表のようになります。
1日の勉強時間 | 学習期間 |
---|---|
3時間 | 約1ヶ月 |
2時間 | 2ヶ月弱 |
1時間 | 3ヶ月強 |
例えば、1日に3時間の勉強時間なら、約1ヶ月の学習期間になりますし、1日に2時間なら2ヶ月弱、1日に1時間なら3ヶ月強の期間が必要になると考えて、スケジュールを組んでいただければいいかと思います。
私の場合は、1日平均1時間で、約2ヶ月間勉強しました(合計65時間)。
【2級】200時間の勉強時間が目安
一方、FP2級に合格するためには、200時間(150~300時間) の勉強時間が必要といわれています。
3級のちょうど2倍の勉強時間ですね。
私も、FP2級は130時間の勉強で合格できましたので、3級の65時間のちょうど2倍の勉強時間でした。
一般的に必要とされる時間よりも、やや少ない勉強時間でしたが、これも3級と同様に、宅建などの学習経験のアドバンテージによるものだと思います。
【2級】1日2時間なら学習期間は3ヶ月強
では、FP2級についても、1日あたりどれぐらいの勉強をすればいいのか整理すると、下表のようになります。
1日の勉強時間 | 学習期間 |
---|---|
3時間 | 2ヶ月強 |
2時間 | 3ヶ月強 |
1時間 | 7ヶ月弱 |
例えば、1日に3時間の勉強時間なら2ヶ月強の期間になりますし、1日に2時間なら3ヶ月強、1日に1時間なら7ヶ月弱の期間が必要になると考えてスケジュールを組んでいただければいいかと思います。
私の場合は、1日平均1.5時間で、3ヶ月間勉強しました(合計130時間)。
宅建・簿記など他資格と勉強時間・難易度(合格率)を比較
ちなみに、FP試験の合格に必要な勉強時間は、宅建や簿記検定などの人気資格と比べると、どのような位置づけになるのでしょうか。
下の表は、FP1~3級、簿記1~3級、宅建の合格に必要な勉強時間と難易度(合格率)の一覧表です。
資格名 | 必要な勉強時間 | 難易度(合格率) |
---|---|---|
簿記1級 | 1,000時間 | 10% |
FP1級 | 500時間 | 学科10%・実技90% |
宅建士 | 300時間 | 15% |
簿記2級 | 300時間 | 20% |
FP2級 | 200時間 | 学科40%・実技50% |
簿記3級 | 100時間 | 40% |
FP3級 | 100時間 | 学科70%・実技70% |
この表を見ると、FP3級の100時間というのは、かなり易しい資格というのがわかりますね。簿記3級と勉強時間は同等ですが、合格率はかなり高いです。
FP2級の200時間というのも、宅建よりまだまだ易しい位置づけです。ただし、簿記3級よりは難しいですね。
FP1級になってようやく、宅建の勉強時間を超えてきます。
ということで、FP3級・2級あたりまでは、宅建よりも取りやすい資格というのがわかりますね。
- FP3級は、簿記3級と同等~易しい
- FP2級は、宅建より易しく、簿記3級より難しい
FP3級・2級の独学におすすめの勉強方法
次は、FP3級・2級に独学で合格するための勉強法について、紹介したいと思います。
私がおすすめする勉強法は、以下の7つのステップです。これは、私が実際に独学で合格した際の勉強法になります。
FP試験は、3級も2級も、試験内容に大きな違いはありませんので、3級・2級共通の勉強法としています。
- テキスト・過去問を選ぶ(1冊ずつあればOK)
- テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く
- 上記の1科目が終わるごとに、過去問を復習する
- 上記の全科目が終わったら最初から過去問を解き直す(間違えた問題にチェックを入れる)
- 科目ごとに、チェックが入っている問題を復習する
- 総合問題(模試)を解く
- 総復習(チェックが入っている問題を解く)
①テキスト・過去問を選ぶ
まずは、FP試験の勉強をするためのテキスト選びから始めましょう。
そして、そのテキストに対応した過去問も併せて選びます。
独学の場合、テキストと過去問がそれぞれ一冊ずつあれば合格できます!
FP試験の独学におすすめのテキストや問題集については、下記の関連記事で詳しく紹介していますので、そちらをご参照いただければと思います。
②テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く
独学用のテキスト・過去問が決まったら、いよいよ勉強開始です!
まずは、テキストを章ごとに読んでいきます。
そして、章を読み終わるたびに、その章に対応する過去問を解きます。
読みっぱなしで次に進んでしまうと、せっかく読んだ知識が頭に何も残りませんが、テキストを読んだ後すぐに問題を解くことで、その章の重要知識が認識でき、記憶に少しでも残すことができます。
FP以外の試験によっては、まず試験範囲の全体像を把握・理解してから詳細な勉強に入る必要がある試験もありますが、FP試験の場合は、それぞれの科目がほぼ独立しているため、最初に全体像を把握しておく必要はありません。
このため、その都度その都度、一旦完成させていく勉強法が適していると思います。
ちなみに、問題を解く際に、テキストに書いてあった内容が頭に浮かばないときは、必ずテキストを読み返します。過去問の解説を読んで納得するだけではダメです。
なお、まだ1周目ですので、過去問には、間違えた問題にチェックを入れたりする必要はありません。
③上記の1科目が終わるごとに、過去問を復習する
このようにして、「テキストを章ごとに読む&対応する過去問を解く」を進めていき、1科目が終わったら、その科目の過去問を解き直します。
この際の解き方は上記と同じです。テキストの内容が頭に浮かばないときは、テキストを読み返します。過去問にチェックを入れるのはまだ不要です。
そして、次の科目に進み、勉強法②と③を繰り返していきます。
④上記の全科目が終わったら最初から過去問を解き直す(間違えた問題にチェックを入れる)
このようにして、テキストと過去問の平行学習をしながら、全6科目が終わったら、次は過去問だけを再度解いていきます。
解き方自体は、これまでと同様、テキストの内容が頭に浮かばないときはテキストを読み返す、ですが、今回は、間違えた問題や知識が曖昧な問題には、あとで復習できるようにチェックを入れておきます。(チェック欄がある問題集なら、そこにチェックを入れる。チェック欄がないなら、☆印を入れるなど)
このようにして、1科目の過去問を解いていきます。
⑤科目ごとに、チェックが入っている問題を復習する
そして、その科目の過去問を解き終わった段階で、チェックを入れていた問題を再度解き直します。
知識がまだ曖昧な問題には、もう一つチェックを入れておきます。(チェック欄がなければ、☆☆印を入れるなど)
このダブルチェックの問題は、よほど苦手な問題のはずなので、翌日に勉強を始める前などのタイミングで、再度解くようにしましょう。
そして、次の科目も同様に進めていきます。
⑥総合問題(模試)を解く
このようにして、全科目の過去問の解き直しが終われば、もう全体の8~9割ぐらいの勉強が済んでいます。
ここで一旦、総合問題を解いて、知識の定着具合と本試験での時間配分などの確認をしてみましょう。
模試(予想問題集)の1回分が解ければいいので、問題集に模試が付いているものなら、それを解くだけで構いません。模試が付いていない問題集なら、模試を別途購入して解いてみます。
FP3級は、試験時間には十分な余裕がありますので、時間配分については、そこまで気にする必要はありません。
ただし、FP2級の実技試験は時間的に余裕がなく、かなり急いで解かないと制限時間に間に合いませんので、その辺りの時間感覚を、模試で把握しておく必要があります。
⑦総復習する(チェックが入っている問題を解く)
そして、最後の総復習です。
過去問のチェックが入っている問題を、再度解くようにします。ダブルチェックの問題だけでなく、ひとつチェックの問題から解き直しておく方が安心ですね。
これで、最低2回、チェック問題は計5回(ダブルチェック問題は6回)、過去問を解いたことになりますね。
これで完成です。
私が実践した具体的な勉強スケジュール
では、上記の勉強方法に沿って勉強した私の具体的な勉強スケジュールを紹介しておきたいと思います。
3級のスケジュール(合計65時間)
FP3級は、以下のスケジュールで勉強しました。
まず、テキスト&過去問の一巡目として、「テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く」・「科目ごとに過去問を復習する」に45時間かかりました。
FP3級には、最短30時間で合格できるといった記事もネットで見かけますが、テキスト・過去問の一巡だけで45時間かかった私からすると、30時間というのはちょっと信じられませんね。。。
次に、復習に入っていきます。「過去問を解き直す」・「科目ごとにチェックが入っている問題を復習する」に15時間でした。
そして、「総合問題(模試)を解く」に2時間。
最後の「総復習する」に3時間で合計65時間の勉強スケジュールでした。
勉強内容 | 勉強時間 |
---|---|
・テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く ・科目ごとに、過去問を復習する |
45時間 |
・過去問を解き直す ・科目ごとにチェックが入っている問題を復習する |
15時間 |
・総合問題(模試)を解く | 2時間 |
・総復習する | 3時間 |
合計 | 65時間 |
2級のスケジュール(合計130時間)
FP2級についても同様に、以下のスケジュールで勉強しました。
まず、テキスト&過去問の一巡目として、「テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く」・「科目ごとに過去問を復習する」に78時間かかりました。
次に、復習として、「過去問を解き直す」・「科目ごとにチェックが入っている問題を復習する」に33時間。
そして、「総合問題(模試)を解く」に6時間。
最後の「総復習する」に13時間で、合計130時間の勉強スケジュールでした。
勉強時間としては、3級のちょうど2倍になりましたね。
勉強内容 | 勉強時間 |
---|---|
・テキストを章ごとに読み、対応する過去問を解く ・科目ごとに、過去問を復習する |
78時間 |
・過去問を解き直す ・科目ごとにチェックが入っている問題を復習する |
33時間 |
・総合問題(模試)を解く | 6時間 |
・総復習する | 13時間 |
合計 | 130時間 |
独学の効率的な勉強方法のコツ
FP3級・2級を独学で勉強する際のステップ・手順については上記のとおりですが、効率的に勉強するためのコツについて、以下でお伝えしておきたいと思います。
- ①問題集を解くことで、テキストの記憶をする
- ②テキストの確認した箇所に線を引く
- ③列挙型の知識は問題集に問題を書き足す
- ④類似知識はテキストにリンクを張る
①問題集を解くことで、テキストの記憶をする
上記の勉強法②のところで、「問題を解く際に、テキストに書いてあった内容が頭に浮かばないときは、必ずテキストを読み返します。」と書きました。
FP試験は、ほぼほぼ暗記試験です。知識として頭に入っているかどうか、試験問題を解く際に、その知識を思い出すことができるかどうか、が問われる試験です。
ですので、思い出すときは、必ずテキストを思い出すようにします。問題集の解説を思い出すわけではありません。
テキストと問題集に記憶が分散してしまうと、正確な知識にならず、ロスが出てしまいます。
必ずテキストを思い出すことを徹底することで、知識をテキスト1ヶ所に集約することができます。
問題集を解くことは、テキストの知識を思い出す訓練です。問題集を解くことで、テキストを記憶するんです。問題を解くときは、テキストに載っている内容を必ず思い出すよう徹底しましょう。
これは、私にとって、暗記系資格の勉強における鉄則だと思っています。
②テキストの確認した箇所に線を引く
曖昧な知識の確認のためにテキストを読み返したときは、そのポイントとなる箇所に鉛筆などで線を引くようにしましょう。
マーカーで引いても構いませんが、引き間違いや引き過ぎなどで修正したいときに修正できないので、私は、いつでも消せるようにシャープペンで引いています。
シャープペンでも、下線、四角く囲む、丸く囲む、など変化をつけることもできます。
③列挙型の知識は問題集に問題を書き足す
FPの試験対策としては、基本的には問題集に載っている問題が解けるようになれば十分ですが、関連知識として、ひとまとめに暗記しておきたい知識については、自分で問題集に書き足すようにしていました。
例えば、タックスプランニングの科目なら、所得税が非課税になるのは?損益通算ができないのは?確定申告が必要な場合は?青色申告の特典は?消費税が非課税になるのは?など列挙型の知識ですね。
こういうひとまとめの知識は、問題集で、なかなか全部を聞いてくれませんので(解説のなかで、関連知識として挙げてくれますが)、こういう場合は自分で問題を書き足しておくといいですね。(全パターンは?など一言で。)
その問題は解けるから、要チェック問題にはならない。でも、その他の関連知識までは、しっかりと暗記できていない、という場合ですね。
こうすることで、過去問と同レベルの出題でありながら、問題集で直接的に出題されていないため本試験で解けない、というパターンを防ぐことができます。
④類似知識はテキストにリンクを張る
類似する制度やよく似た知識は、混同してしまって覚えにくいですよね。本試験でも、そこを突いてくるケースがあります。
そういう類似知識は、テキストの余白などに、お互いのページ数をメモ書きし、それぞれのページを見るたびに、関連ページも確認するようにすれば、混同せずに正確に記憶できるようになります。
例えば、健康保険の出産手当金・傷害手当金の支給額は2/3、労災保険の休業補償は60%、雇用保険の育児休業は67%。住宅ローン控除は所得2,000万円以下で50㎡以上(1,000万以下なら40㎡以上)、住宅取得資金の贈与の非課税は所得2,000万円以下で50㎡以上240㎡以下(1,000万以下なら40㎡以上240㎡以下)。などの類似制度の知識ですね。
こういう類似知識は、ひとまとめに覚えておかないと、知識が混同してしまって本試験で間違えてしまいます。
FP試験の勉強時間と独学勉強法まとめ
以上、FP3級・2級の独学に必要な勉強時間や勉強法・コツについて、紹介してきました。
最後に、ここまでの内容をまとめておきます。
- FP3級は、100時間(80~150時間)の勉強時間が目安【1日2時間なら2ヶ月弱の勉強期間】
- FP2級は、200時間(150~300時間)の勉強時間が目安【1日2時間なら3ヶ月強の勉強期間】
- FP試験のおすすめ勉強法は7ステップ
①テキスト・過去問を選ぶ
②上記の1科目が終わるごとに、過去問を復習する
③科目ごとに、過去問を復習する
④上記の全科目が終わったら最初から過去問を解き直す(間違えた問題にチェックを入れる)
⑤科目ごとに、チェックが入っている問題を復習する
⑥総合問題を解く
⑦総復習 - FPの効率的な勉強法のコツ
①:問題集を解くことで、テキストの記憶をする
②:テキストの確認した箇所に線を引く
③:列挙型の知識は問題集に問題を書き足す
④:類似知識はテキストにリンクを張る
FP3級・2級は、合格率も高く、国家資格としては比較的易しい資格です。
独学であっても、テキスト1冊をしっかり読み、問題集を複数回繰り返すだけで、短期間で十分に合格できます。
独学合格を目指して、ぜひFP試験に挑戦してみてください!
FP試験の独学にかかった費用
ちなみに、私がFP試験対策に要した費用は、テキスト・問題集の購入費用として、3級・2級の合計で7,370円でした。
これは、独学ならではのお安さですね。
このほかに、FP試験の受験手数料として、3級は8,000円、2級は11,700円の費用がかかります。
FP3級
・みんなが欲しかったFPの教科書3級 1,760円
・みんなが欲しかったFPの問題集3級 1,650円
FP2級
・みんなが欲しかったFPの教科書2級 1,980円
・みんなが欲しかったFPの問題集2級 1,980円
独学によるFP試験の受験結果
私が独学でFP試験を受験した結果は次のとおりです。
FP3級
【試験結果】
令和5年5月試験 学科:60点満点中58点、実技:100点満点中100点
【合格証書】
FP2級
【試験結果】
令和5年9月試験 学科:60点満点中56点、実技:100点満点中87点
【合格証書】
短期合格を目指すなら通信講座もおすすめ
当ページでは、独学で勉強することを前提に、おすすめ勉強法や勉強時間などを紹介してきましたが、独学が不安な方や、さらなる短期合格を目指したい方には通信講座もおすすめです。
下記の記事では、おすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式で紹介しています。初心者向け講座のほか、費用の安い講座、合格率の高い講座、サポートの充実した講座など目的別のおすすめ通信講座も紹介していますので、参考にしてください。