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簿記3級・2級の難易度は?合格率・偏差値・勉強時間を徹底解説!

更新日:2024年9月22日

簿記3級・2級の難易度・合格率

 日商簿記検定の3級・2級は、毎年多くの社会人や学生が受験する国内最大級の検定試験です。

 この簿記検定に興味をお持ちの方も多いと思いますが、「実際のところどれぐらい難しいの?」「簡単に合格できるの?」など気になっているのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、簿記3級・2級の難易度について、合格率や偏差値、勉強時間を使って解説していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。簿記2級・FP2級のほか、宅建士、行政書士、司法書士などの資格試験に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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執筆者紹介

【アドバイザー】公認会計士 濱谷慶史

2014年に公認会計士として開業し、監査法人に勤務。3年後、税理士・公認会計士として独立開業を果たす。⇒アドバイザー紹介

簿記3級・2級の難易度は?

簿記3級・2級の難易度は?

 簿記検定試験の難易度を測る指標としては、合格率・偏差値・勉強時間の3つが考えられます。

 あとで詳しく見ていきますが、簿記3級は合格率約40%・偏差値45とされていますので、比較的易しい資格といえますね。

 また、合格するために必要な勉強時間は50~100時間ですので、その気になれば、かなりの短期間で合格が可能です。

 次に、簿記2級は合格率約20%・偏差値58とされていますので、難易度は普通レベルの資格といえます。

 そして、合格するためには200~300時間の勉強時間が必要ですので、2級に関しては、それなりにしっかりとした勉強が必要になってきますね。

簿記3級・2級の難易度
  • 簿記3級:(合格率)約40% (偏差値)45 (勉強時間)50~100時間
  • 簿記2級:(合格率)約20% (偏差値)58 (勉強時間)200~300時間

簿記の合格率は?ネット試験と統一試験の難易度の違い

 それではまず、簿記検定の難易度を測るうえで、一番わかりやすい合格率から見ていきたいと思います。

簿記3級・2級の合格率
  • 3級統一試験:30%~60%前後で変動 ⇒ 約40%
  • 3級ネット試験:40%で一定
  • 2級統一試験:10%~30%前後で変動 ⇒ 約20%
  • 2級ネット試験:40%弱で一定

3級の合格率は約40%

簿記3級の合格率の推移

 簿記3級・2級は、統一試験とネット試験の2種類があり、合格率に差がありますので、それぞれで分けて見ていきます。

※ 統一試験とネット試験の違いについてはこちら⇒簿記のネット試験とは?違いと対策を解説

3級の統一試験は30%~60%前後で変動

 簿記3級の合格率は、統一試験では30%前後から60%前後まで、実施の度に大きく変動しています。

簿記3級の合格率【統一試験】
実施回
(実施日)
受験者数 合格者数 合格率
第153回
(2019.11.17)
80,130 34,519 43.1%
第154回
(2020.2.23)
76,896 37,744 49.1%
第155回
(2020.6.14)
※中止
第156回
(2020.11.15)回
64,655 30,654 47.4%
第157回
(2021.2.28)
59,747 40,129 67.2%
第158回
(2021.6.13)
49,313 14,252 28.9%
第159回
(2021.11.21)
49,095 13,296 27.1%
第160回
(2022.2.27)
44,218 22,512 50.9%
第161回
(2022.6.12)
36,654 16,770 45.8%
第162回
(2022.11.20)
32,422 9,786 30.2%
第163回
(2023.2.26)
31,556 11,516 36.5%
第164回
(2023.6.11)
26,757 9,107 34.0%
第165回
(2023.11.19)
25,727 8,653 33.6%
第166回
(2024.2.25)
23,977 8,706 36.3%
第167回
(2024.6.9)
20,927 8,520 40.7%
出典:日商簿記検定(日本商工会議所)

 このように、低いときでは30%を切る場合もありますし、高いときでは60%を超える場合もありますね。

3級のネット試験は40%で一定

 一方、簿記3級のネット試験の合格率は、例年40%で一定して推移しています。

簿記3級の合格率【ネット試験】
実施日 受験者数 合格者数 合格率
2020年12月~2021年3月 58,700 24,043 41.0%
2021年4月~2022年3月 206,149 84,504 41.0%
2022年4月~2023年3月 207,423 85,378 41.2%
2023年4月~2024年3月 238,155 88,264 37.1%

 このように、統一試験とネット試験とで合格率に違いがありますが、おおむね40%程度の合格率と認識しておけばいいかと思います。

 合格率40%というと、資格試験の難易度としては、比較的易しいといえそうですね。

2級の合格率は約20%

簿記2級の合格率の推移

 次は、簿記2級の合格率について見ていきます。

2級の統一試験は10%~30%前後で変動

 簿記2級の合格率は、統一試験では10%前後から30%前後まで、実施の度に大きく変動しています。

簿記2級の合格率【統一試験】
実施回
(実施日)
受験者数 合格者数 合格率
第153回
(2019.11.17)
48,744 13,195 27.1%
第154回
(2020.2.23)
46,939 13,409 28.6%
第155回
(2020.6.14)
※中止
第156回
(2020.11.15)回
39,830 7,255 18.2%
第157回
(2021.2.28)
35,898 3,091 8.6%
第158回
(2021.6.13)
22,711 5,440 24.0%
第159回
(2021.11.21)
22,626 6,932 30.6%
第160回
(2022.2.27)
17,448 3,057 17.5%
第161回
(2022.6.12)
13,118 3,524 26.9%
第162回
(2022.11.20)
15,570 3,257 20.9%
第163回
(2023.2.26)
12,033 2,983 24.8%
第164回
(2023.6.11)
8,454 1,788 21.1%
第165回
(2023.11.19)
9,511 1,133 11.9%
第166回
(2024.2.25)
8,728 1,356 15.5%
第167回
(2024.6.9)
6,310 1,442 22.9%
出典:日商簿記検定(日本商工会議所)

 このように変動はありますが、簿記2級の統一試験の合格率は、おおむね20%程度と考えておけばいいかと思います。

 簿記3級は40%ですので、簿記2級は、3級の2倍の難しさということになりますね。

 ただし、資格試験としては、合格率20%というのは、普通レベルの難易度といえます。

2級のネット試験は40%前後で一定

 一方、簿記2級のネット試験の合格率は、40%弱で推移しています。

簿記2級の合格率【ネット試験】
実施日 受験者数 合格者数 合格率
2020年12月~2021年3月 29,043 13,525 46.6%
2021年4月~2022年3月 106,833 40,713 38.1%
2022年4月~2023年3月 105,289 39,076 37.1%
2023年4月~2024年3月 119,036 41,912 35.2%

 これはちょっと驚きの結果ですよね。

 統一試験では、20%前後の合格率しかないのに対し、ネット試験では、なんと40%近くもあるんです。

 これは、ネット試験の仕組み上、複雑な問題が作れないため問題が易しくなっているというような話や、統一試験で既に2級を取得している人がネット試験を受け直すため合格率が上がっているというような話もあるようですが、実際のところは、どうなんでしょうかね。。

簿記検定の偏差値は?難易度ランキング

 次は、簿記検定の偏差値について見ていきたいと思います。

簿記3級・2級の偏差値
  • 3級:45(易しい)
  • 2級:58(普通レベル)

3級は偏差値45の易しい資格

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 ところが、資格難易度ランキング | 資格の取り方というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、推定の偏差値を独自に算出するという試みがなされています。

 この数値によると、簿記3級の偏差値は45とされていますので、やはり易しい資格だというのがわかりますね。

2級は偏差値58の普通レベルの難易度

 次に、簿記2級を見てみると、偏差値は58とされています。

 偏差値50台は、普通レベルの難易度ですので、やはり合格率で見たのと同様、簿記2級は、資格試験としては普通レベルの資格といえます。

他資格と比較ランキング|簿記2級は宅建と同等・簿記3級はFP2級と同等

 偏差値だけを単独で見ても、なかなかイメージしにくいと思いますので、他の有名な資格と比較してみたいと思います。

資格名 偏差値
公認会計士 77
税理士 75
簿記1級 67
社会保険労務士 65
 行政書士 62
FP1級 58
簿記2級 58
宅建(宅地建物取引士) 57
FP2級 48
簿記3級 45
ITパスポート 45
出典:資格難易度ランキング | 資格の取り方

 会計資格としては、最難関の公認会計士(偏差値77)、次いで税理士(偏差値75)があり、そこから大きく開いて簿記1級(偏差値67)が続きます。

 そこから、社労士(偏差値65)や行政書士(偏差値62)を挟んでから、FP1級(偏差値58)、簿記2級(偏差値58)、宅建(偏差値57)が、かなり近い難易度で並んでいますね。 

 宅建は、合格率も15%程度ですので、簿記2級の20%と近い難易度といえそうですね。

 また、簿記3級に近い難易度として、FP2級(偏差値48)やITパスポート(偏差値45)があります。

 宅建やFPの難易度については、下記の関連記事を参考にしてください。

簿記の合格に必要な勉強時間は?難易度との相関関係

簿記の難易度と勉強時間の相関図

 次は、簿記の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」で比較してみたいと思います。

簿記3級・2級の勉強時間
  • 簿記3級:50~100時間
  • 簿記2級:200~300時間

簿記3級の勉強時間は50~100時間

 簿記3級に、初心者が合格するためには、一般的に50~100時間の勉強時間が必要といわれています。

 とはいえ、これはあくまでも一般論ですので、人それぞれ、自分で帳簿を付けたことがある方や、数字が得意な方などアドバンテージがあれば、もっと短時間の合格も可能かもしれませんね。

 ちなみに私は、この一般的に必要とされる勉強時間どおり、約60時間の勉強で合格できました。

簿記2級の勉強時間は200~300時間

 そして、簿記3級の合格者が簿記2級に合格するためには、一般的に200~300時間の勉強時間が必要といわれています。

 私の場合は、一般的な勉強時間よりも短い100時間の勉強時間で合格できました。

 私は完全な文系人間なので数学は苦手でしたが、簿記3級を勉強した際に、簿記の効率的な勉強法のコツが掴めたため、一般的に必要とされる勉強時間よりも少ない勉強時間で合格できたんだと思います。

 効率的な勉強法のコツについては、下記の関連記事で紹介しています。

難易度と勉強時間には相関関係がある

 では、この勉強時間を、上記の偏差値のところで比較した有名な資格で、同様に比較してみたいと思います。

 簿記検定を含め、資格試験の難易度は、合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります

有名な資格の難易度と勉強時間の相関表
資格名 偏差値 必要な勉強時間
公認会計士 77 3,000時間
税理士 75 3,000時間
簿記1級 67 1,000時間
社労士 65 1,000時間
行政書士 62 500時間
FP1級 58 400時間
簿記2級 58 300時間
宅建士 57 300時間
FP2級 48 200時間
簿記3級 45 100時間
ITパスポート 45 100時間

 このように、難易度の高い(偏差値の高い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

簿記3級・2級は独学で合格できる?

 ここまでで簿記検定の難易度がどれぐらいのものなのか、ご理解していただけたかと思います。

 では、簿記3級・2級は、独学でも合格できるのでしょうか?合格するには、どんな勉強をすればいいのでしょうか。 

独学でも合格は可能!

 私自身は、簿記3級・2級には独学の勉強で合格しました

 簿記2級までは、独学であっても、市販のテキスト1冊をしっかりと読み、問題集を複数回繰り返すだけで、独学合格も可能な資格です。

 独学の勉強法のポイントは以下のとおりです。

簿記3級・2級のおすすめ勉強法
  • テキストを読む(2周)
  • 問題集を解く(1周)
  • ネット模試を解く(5~10回分)

 独学におすすめのテキストについては、下記の関連記事で詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてください。

独学のコツ

 なお、私自身が独学で簿記の勉強をした際に感じた独学のコツは、以下のとおりです。

簿記の独学勉強法のコツ
  • テキストでは最低限の勘定科目を覚え、解き方を理解すればOK
  • あとは、とにかく問題を解く!
  • 総合問題で心を折られずに粘り強く解く練習をする!
  • ネット試験を受けるなら、早いうちからネット模試を解いておく!

 独学におすすめの勉強法や勉強のコツについては、下記関連記事で詳しく紹介していますので、そちらをご参照ください。

簿記の難易度まとめ

 以上、簿記検定3級・2級の難易度について見てきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

簿記3級・2級の難易度まとめ
  • 簿記3級の合格率は約40%、偏差値は45、勉強時間は50~100時間で易しい難易度
  • 簿記2級の合格率は約20%、偏差値は58、勉強時間は200~300時間で普通レベルの難易度
  • 独学でも合格が可能!

 簿記3級は、易しい資格で、簿記2級は普通レベルの資格ではありますが、どちらも半分以上の受験生が落ちる試験ですので、油断は禁物です。

 しかし、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、しっかりと計画を立てて、とにかく最後までやり切ることができれば、誰でも合格できる資格だと思います。

 ぜひ、簿記の合格を目指して頑張ってください!


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