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測量士補の独学に必要な勉強時間は?おすすめ勉強法を解説

更新日:2024年6月16日

測量士補の独学の勉強時間・勉強法

 測量士補試験は、土地家屋調査士の午前試験の免除を受けるために受験される方も多いかと思います。

 では、測量士補試験に独学で合格するためには、どれぐらいの勉強時間が必要なのでしょうか。また、どんな勉強法で勉強すればいいのでしょうか。

 このページでは、測量士補試験に独学で合格するために必要な勉強時間やおすすめ勉強法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください!

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。測量士補・土地家屋調査士をはじめ、宅建士、行政書士、司法書士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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測量士補の独学に必要な勉強時間は?

測量士補の独学に必要な勉強時間

 それでは、測量士補試験に独学で合格するために必要な勉強時間から紹介していきます。

測量士補の勉強時間
  • 勉強時間の目安は200時間
  • 学習期間は3ヶ月前後が標準的
  • 1日に3時間で2ヶ月、2時間なら3ヶ月、1時間なら半年かかる
  • 短期集中の方が勉強効率は高い
  • 土地家屋調査士の勉強時間は1,000時間のため合計1,200時間

勉強時間の目安は200時間

 一般的に、初心者が測量士補試験に合格するためには、200時間の勉強時間が必要と言われています。

 私自身も、測量士補に独学で合格するために、およそ200時間の勉強をしましたので、一般的に必要とされている勉強時間と一致していますね。

 人それぞれ、予備知識がどれだけあるかなど違いがありますので、200時間というのはあくまでも目安ですが、とりあえずは皆さんも、この勉強時間を参考に学習計画を立てていただければと思います。

学習期間は3ヶ月前後が標準的

 一般的に、測量士補試験の学習期間は3ヶ月前後が標準的です。

 測量士補試験は、例年5月の第3日曜日に実施されますので、その3ヶ月前、つまり、2月の半ば頃から勉強を開始すれば、3ヶ月の学習期間が確保できますね。

 とはいえ、1日あたり何時間の勉強をするかによって、必要な期間はいくらでも変わります。

 私の場合は、1日あたり1時間~2時間の勉強時間で4ヶ月間勉強しました。(1~2時間×4ヶ月≒200時間) 

 合格者の中には、1ヶ月で合格したという人や、半年ほど勉強した人など様々です。

1日に3時間で2ヶ月、2時間なら3ヶ月、1時間なら半年かかる

 では、測量士補の合格に必要な勉強時間が200時間とした場合に、1日の勉強時間によって、必要な学習期間がどのように変化するのか確認しておきたいと思います。

1日の勉強時間 学習期間
3時間 約2ヶ月
2時間 約3ヶ月
1時間 約半年

 例えば、1日に3時間の勉強なら2ヶ月程度の学習期間になりますし、1日に2時間なら3ヶ月程度1日に1時間なら半年程度の学習期間が必要になると考えていただければいいかと思います。

短期集中の方が勉強効率は高い

 社会人が働きながら勉強することを考えると、200時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないと思います。

 そこで、1日に2時間の勉強を目標とした場合、約3ヶ月の学習期間になりますが、少し余裕を持たせて4ヶ月ぐらいを想定しておくのがベターではないでしょうか。

 1日1時間の勉強時間で半年というのもやむを得ないと思いますが、覚えたことを忘れてからまた覚え直すというサイクルが長くなり、勉強の効率が低下しますので、その点はご注意いただきたいと思います。

 もちろん、1日に3時間の勉強時間を確保できる人は、短期集中で2ヶ月というスケジュールも可能です。

 短期集中の方が、繰り返しのサイクルが早くなりますので、勉強の効率は格段に上がります

 このことは、私が司法書士の勉強をした際に、強く実感しました。1日の勉強時間が増えると、こんなにも勉強の捗り方が違うのかと痛感しました。

 1日の勉強時間が2倍に増えれば、勉強が2倍捗るといった単純な話ではなく、3倍にも4倍にも効率が上がるイメージです。1回転するのが早くなればなるほど、記憶の定着が効率的に進むんですね

土地家屋調査士の勉強時間は1,000時間

 ちなみに、土地家屋調査士(午前試験)の免除資格として測量士補を受験する場合は、土地家屋調査士の合格に必要な勉強時間も把握しておく必要があります。

 一般的に、土地家屋調査士試験(午後の部)に初心者が合格するためには1,000時間の勉強時間が必要と言われています。

 私自身も、およそ1,000時間の勉強時間で合格できましたので、測量士補試験と同様に、一般的に必要とされる勉強時間と一致しています。

 ですので皆さんも、測量士補に合格したあと最終的に土地家屋調査士にも合格するためには、測量士補200時間+土地家屋調査士1,000時間=1,200時間かかる、と考えておく必要がありますね。

仕事で忙しい社会人が勉強時間を作る方法

 次は、測量士補試験に独学で合格するための勉強時間の作り方についてです。

 やはり、測量士補試験に挑戦される方は社会人の方が多いと思います。

 毎日仕事で忙しい中で、どうやって勉強時間を作り出すか、本当に悩みどころですよね。

帰宅してから寝るまでの時間で勉強時間を確保する

 私の場合は、毎日、仕事を終えて家に帰り、食事と夕食を済ませてから寝るまでの時間(約1~2時間)で勉強していました。

 やはり、この時間帯が誰でも一番確保しやすく、また、集中できる時間かと思います。

朝早く起きて勉強時間を作り出す

 朝早く起きて勉強時間を確保する方法もありますね。

 仕事から帰ってきてからの時間では、体が疲れ果てて勉強なんてできない、、という方は、朝早く起きるのも良い方法かもしれません。

 私は、測量士補や宅建試験では夜の時間だけで勉強しましたが、管理業務主任者試験の受験勉強の際は、朝1時間早く起きて勉強していました。

 私は、朝早く起きるのが苦手でしたので、この勉強時間の作り方はけっこう辛かったですが、朝起きるのが得意な方には、いい方法だと思います。

スキマ時間で勉強時間を作り出す

 スキマ時間(通勤時間・昼休みなど)を使って勉強することも考えられますね。

 私は車通勤のため通勤時間は使えませんでしたが、電車通勤の方にとっては、電車の中で過ごす通勤時間は、勉強するにはなかなか適した時間ではないでしょうか。

 また、スキマ時間としては、昼休みの時間も、けっこう使えると思います。

 私は、マンション管理士試験の受験勉強の際は、昼休みにスマホを使って勉強していました。

 昼休みは1時間ありましたので、最低でも30分程度は時間が余りますよね。この時間に、休憩所でコーヒーを飲みながら、スマホで勉強していましたね。

 その他にも、賃貸不動産経営管理士試験の受験勉強の際は、朝食のパンを食べながらの時間や、その後のコーヒーを飲みながらの時間も、勉強時間にしていました。

 あとは、司法書士試験のときは、暗記事項をまとめた手のひらサイズの小さな紙切れを自分で作って、移動中に歩きながらチラチラ見ながら、何度も何度も暗唱して覚えていましたね。

 また、FPの試験では、入浴中や布団の中で、その日に勉強した内容を、ひととおり頭に思い浮かべて再生することで、記憶に定着させたりしていました。

睡眠時間を削って勉強時間を作り出す (あまりおすすめできませんが・・・)

 司法書士試験の受験勉強の際は、かなり体に負担をかけてしまいましたが、仕事の残業が多く、どうしても勉強時間が確保できなかったため、夜寝る時間を遅らせて、睡眠時間を1時間削って勉強していた時期もありました。

 元々は6時間程度の睡眠時間でしたが、5時間まで減らしました(夜2時に寝て、朝7時に起きる)。その生活を続けた結果、体に異変が、、、ということで、あまりおすすめできない方法ですが、短い期間なら瞬発力で乗り切ることも可能かもしれませんね。

勉強時間の作り方まとめ

 このように、社会人の方が働きながら勉強時間を確保するのは、なかなか大変だと思います。

 それぞれで工夫しながら、無理のない範囲で勉強時間を作り出していただければと思います。

測量士補の独学におすすめの勉強法

測量士補の独学におすすめの勉強法

 次は、測量士補試験に独学で合格するためのおすすめ勉強法について紹介したいと思います。

測量士補の勉強法
  • テキスト・問題集を購入する(1冊ずつあればOK)
  • テキストを通読して全体像を把握する
  • 文系には「三角関数」が鬼門のため学生向け参考書で対策する
  • 章ごとにテキストを読み、そこに対応する問題集を解く
  • 問題集のみを解いていく (3周程度)

①テキスト・問題集を購入する(1冊ずつあればOK)

測量士補の独学に必要なテキスト・問題集の選び方

 測量士補試験に独学で挑戦するためには、まず、テキストや問題集を購入するところから始めないといけませんね。

 私が測量士補試験の勉強をしていた当時は、独学に適した市販テキストはほとんど出版されていませんでしたので、テキスト選びに苦労しました。

 ですが、最近は市販テキストもかなり充実してきましたので、テキスト探しで困ることはないと思います。

 測量士補試験では、テキストと問題集がそれぞれ1冊ずつあれば合格できます!

 おすすめのテキストについては、下記の関連記事で紹介していますので、そちらをご参照ください。

②テキストを通読して全体像を把握する

 まずは、テキストを一通り読みます

 この際は、とにかくわからないことがあっても気にせずに、ドンドン読み進めることがポイントです。

 細かいところは気にせず、大雑把にイメージを把握するつもりで読み進めるのがいいと思います。

 細かいところを気にしすぎると前に進めなくなり、挫折してしまうおそれがありますので。。

③文系には「三角関数」が鬼門のため学生向け参考書で対策する

 ただし、基礎的な部分がサッパリわからない場合は、立ち止まって理解する必要があります。

 私の場合は、完全な文系人間ですので、三角関数などの計算問題がサッパリわかりませんでした

 そこで、学生向けに三角関数をやさしく解説した参考書を1冊購入することで、なんとか克服しました。

 私と同じ文系の方は、おそらく「三角関数」が鬼門になるはずですので、別途、参考書を1冊購入した方がいいかもしれませんね。

④テキストを章ごとに読み、そこに対応する問題集を解く

 テキストを一通り読み終えたら、次は、問題集を使って問題演習に入ります

 ただし、すぐに問題集を解こうとしても、テキストの最初に書いてあったことなど忘れてしまっていると思いますので、すぐに問題集を解いても挫折感を味わうだけになりかねません。

 そこで、改めてテキストを章ごとに読み直してから、そこに対応する問題集を解いていく、という方法をおすすめします。

 問題集を解く際には、解説を読んでもよくわからないところはテキストの該当部分を確認します。

 問題を解くことによって、テキストを読むだけでは理解できなかった部分も理解できるようになってきますし、テキストには問題を解くために直接必要のない記述も含まれていますので、とにかく一番最初にテキストを読む際は、余計なところで引っ掛からないように注意してください。

⑤問題集のみを解いていく(3周程度)

 このようにして問題集を一通り解き終わった後は、今度は、問題集だけを再度解いていきます。

 このとき、間違えた問題や理解が不十分な問題など苦手な問題にチェックを入れておき、一通り問題集を解き終わったあとに、チェックを入れた苦手な問題の復習を数回繰り返して(3周程度)、学習を仕上げます。

独学で合格するための注意点

 次は、独学で合格するための注意点について、紹介します。

独学の注意点
  • わからなくても、気にせず前に進むこと
  • 悩みこんでしまうのが一番ダメ!
  • 勉強のモチベーションをいかに維持するかがポイント

わからなくても気にせず前に進むこと

 独学の場合は、通信講座や通学講座を受講する場合と違って、わからないことがあっても講師に質問したりすることはできません。

 このため、わからないことが出てきた場合は、自分で悩むか参考書を調べるか、ネットで検索するなど、自分で解決するしかありません

 ただし、ここで深入りをしてしまうと、さっぱり前に進まなくなってしまいますので、これが独学の大きな落とし穴になってしまいます。わからないから悩む、、そして、解決できずに投げ出す。。。

 こうならないようにするためには、気にせず前に進むことです。とにかく進める。

悩みこんでしまうのが一番ダメ!

 悩み込んでしまってはいけません。

 何度も繰り返すうちに、わかることが多くあります。テキストでわからなくても、問題集を解けばわかることもあります。一度解いてもわからなくても、二度目に解いたらわかることもよくあります。

 ですので、とにかく悩み込むんでしまうこと、これが一番ダメです。この点には、くれぐれも注意してください。

勉強のモチベーションをいかに維持するかがポイント

 モチベーションが下がったときに、どうやってモチベーションを上げればいいか、私自身の経験をもとに、挙げてみたいと思います。

  • 友人や家族など周りの人に、宅建試験を受験することを公表する。
     周りの人に言ってしまうと、不合格になると恥ずかしいという気持ちから、頑張ろうという気持ちになりますよね。 X(Twitter)で勉強アカウントをつくるのもいいですね。
  • 勉強する場所を変える。
     いつも同じ場所で勉強していると、だらけてしまいますが、そんな場合は、勉強する場所を変えるというのもいいかもしれません。喫茶店や図書館、コワーキングスペースなどで勉強してもいいですし、外に出るのが難しければ、家の中で、違う部屋に移動するだけでも気分転換になるのではないでしょうか。
  • 何のために宅建試験の合格を目指しているのか思い返す。
     そもそも何のために測量士補の合格を目指しているのか思い返してみれば、またやる気もアップしてきます。
  • 合格したら〇〇をする。といった計画を立てる。
     合格したらご褒美で旅行に行くとか、ご馳走を食べに行くとか、色んな計画を立てるというのもいいですね。
  • 1日に〇時間必ずやると決める。または、〇ページ必ず読むと決める。
     具体的に数値目標がある方が、やる気が出ますよね。達成感も出ます。
  • 根を詰めないで、余裕をもって。休憩を取りながら。
     あまり根を詰めすぎると、精神的にも体力的にも持ちませんので、ほどほどに。
  • 勉強の記録をつける。
     今日は何ページ進んだ、何時間勉強した。という記録を毎日つけましょう。これをすると、達成感が出ます。逆に、今日はあまり進まなかった、、明日はがんばろう!という気持ちにもなります。
  • 勉強が遅れてきたら、随時スケジュールを見直す。
     スケジュールどおりに進まないから、もうダメだ、、間に合わない。。とすぐに諦めてはいけません。ここからが勝負どころです。ここで踏ん張れる人が合格するんです。スケジュールどおりできる人なんていません。妥協できるところは妥協して、最低限・最小限の勉強内容に絞り込んで、スケジュールを見直しましょう。

 独学で測量士補に挑戦する場合、実は、勉強を続けるモチベーションを維持することが一番大変です。

 測量士補試験に合格できるかどうかは、このモチベーションを維持できるかどうか、にかかっているといっても過言ではないと思います。

 つまり、最初に立てたスケジュールどおりに勉強できれば、きっと誰でも合格できると思うんです。

 しかし、スケジュールどおりに勉強ができる人なんて、ほとんどいないと思います。私もそうです。

 私の場合は、スケジュールを崩しながらも、なんとかスケジュールの修正を繰り返し、ぎりぎりのラインで最後の仕上げまで持っていってゴールを迎えるというパターンが多いです。

 とにかく、最低限、テキスト1周問題集2~3周は回せるように、試験当日まで勉強を続けないといけません

測量士補の勉強時間と勉強法まとめ

 以上のとおり、独学で測量士補に合格するための勉強時間や勉強法についてご紹介してきました。

 最後に、ここまでの内容を整理しておきたいと思います。

測量士補に独学で合格する勉強時間と勉強法
  • 勉強時間の目安は200時間程度
  • 勉強期間は3ヶ月前後が標準的
  • 勉強時間は、夜以外にも工夫すれば作り出せる(早起きする、スキマ時間など)
  • テキストと問題集が一冊ずつあれば合格できる
  • おすすめの勉強法は、テキストを通読→テキストを章ごとに読み直しながら対応する過去問を解く→問題集だけを再度解く(3周)
  • 文系には「三角関数」が鬼門のため、学生向け参考書で対策する。
  • 独学では、悩み込むんでしまうことが一番ダメ。とにかく前に進むこと。

 測量士補試験は、合格率は約30%あり、独学でも十分に合格できる試験です。

 とはいえ、100人受ければ70人は落ちる試験ですので油断はできません

 このページでご紹介した勉強時間や勉強法を参考に、しっかりと対策し、独学で測量士補試験の合格を勝ち取ってください!

独学の受験結果

平成17年度合格 : 100点満点中、96点(合格ラインは、65点)

※ 平成25年度までは100点満点でしたが、平成26年度から700点満点に変更になりました。

測量士補試験の合格証書です。国土地理院長の名で発行されています。

合格証書(測量士補試験 平成17年度大阪補第112号 大西雅明)

独学が不安な方は通信講座もおすすめ

 なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には、通信講座もおすすめです。

 下記の記事では、測量士補のおすすめ通信講座を徹底的に比較してランキング形式で紹介しています。費用の安さや合格率の高さなど項目別のおすすめ講座も紹介していますので、参考にしてください。


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