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測量士補試験の難易度は?合格率や偏差値・必要な勉強時間で徹底比較!

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測量士補試験の難易度は?合格率や偏差値・勉強時間で徹底比較!

更新日:2024年4月12日

測量士補の難易度・合格率

 測量士補試験は、土地家屋調査士の午前試験(測量科目)の免除資格になっていることから、土地家屋調査士を受験する前に測量士補試験を受験される方も多いかと思います。

 とはいえ、「測量士補試験って難しいの?」「簡単に合格できるものなの?」など気になっている方も多いのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、測量士補試験の難易度について、合格率や偏差値・勉強時間・合格点を宅建試験などの不動産系国家資格と比較しながら、ご紹介していきたいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。測量士補・土地家屋調査士をはじめ、宅建士、行政書士、司法書士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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測量士補試験の難易度は?

 まずはじめに、測量士補試験の難易度について、ザックリと概要からご紹介します。

 測量士補試験の合格率は30%前後で、偏差値は47、合格するために必要な勉強時間は200時間が目安とされていますので、国家資格としては普通~やや易しい難易度といえます。

 その気になれば、数ヶ月(3ヶ月前後)の勉強期間で合格することが可能です。

 不動産系の資格と比較すると、宅建より易しく(合格率:15%、偏差値:57、勉強時間:300時間)、賃貸不動産経営管理士よりは難しい(合格率:30%、偏差値:41、勉強時間:100時間)といった位置づけになります。

 ということで、測量士補の難易度について、おおまかなイメージを持っていただけたかと思いますので、以下では、具体的な数値を見ながら、詳しくご紹介していきます。

測量士補試験の難易度
  • 合格率:30%、偏差値:47、勉強時間:200時間
  • 国家資格としては普通~やや易しい難易度
  • 3ヶ月前後で合格可能
  • 宅建より易しく、賃貸不動産経営管理士より難しい

測量士補試験の合格率

測量士補試験の合格率グラフ

 それでは、測量士補試験の難易度を測る指標として、まずは合格率から確認していきます。

合格率は30%前後で推移

 測量士補試験の合格率は、年度によって変動がありますが、おおむね30%前後で推移しています。

 30%というと、それほど高くない難易度と感じますね。

 直近の2023年実施分で見ると、受験者数 13,480人のうち4,342人が合格し、合格率は32.2%となっています。

測量士補試験の合格率の推移
年度 受験者数 合格者数 合格率
平成26年
(2014年)
11,118 4,417 39.7%
平成27年
(2015年)
11,608 3,251 28.0%
平成28年
(2016年)
13,278 4,767 35.9%
平成29年
(2017年)
14,042 6,639 47.3%
平成30年
(2018年)
13,569 4,555 33.6%
令和1年
(2019年)
13,764 4,924 35.8%
 令和2年
(2020年)
10,361 3,138 30.3%
令和3年
(2021年)
12,905 4,490 34.8%
令和4年
(2022年)
12,556 5,540 44.1%
令和5年
(2023年)
13,480 4,342 32.2%
出典:国土地理院

宅建など不動産系資格で合格率を比較

 次に、測量士補試験の合格率を宅建など不動産系資格で比較してみたいと思います。

不動産系資格の合格率の比較表
資格名 合格率
土地家屋調査士 約 9%
マンション管理士 約 9%
宅建 約 15%
管理業務主任者 約 20%
測量士補 約 30%
賃貸不動産経営管理士 約 30%

 このように、一般によく耳にするような不動産系資格の中では、最も高い合格率(難易度が低い資格)だということがわかりますね。

 そうは言っても、実際のところ合格率30%ということは、10人受験すると、7人は落ちる試験だということになります。

 つまり、半分以上の人は落ちるわけです。

 ということで、測量士補試験は、不動産系資格の中でも難易度は低い(合格率は高い)とはいえ、十分な受験対策が必要な試験だと言えますね。

測量士補の合格点は64%の正答(28問中18問)

 次は、測量士補試験の合格基準について見ていきたいと思います。

 合格基準とは何かというと、この点数さえ取れば合格ですという、まさに「合格点」のことです。

 一般に、国家試験では「相対評価」で合否が決まる試験が多く、あらかじめ何%又は何人を合格させるか決められているケースが多くなっています。

 ところが、測量士補試験では、「絶対評価」が採用されており、何点以上正解すれば合格、という合否の決め方になっています。このため、毎年の合格率に変動が生じることにもなります。

 測量士補試験では、択一式(マークシート方式)で、28問が出題され、このうち18問を正解すれば合格です。28問中18問ということは、約64%の正解率ということになりますね。

 6~7割の正解で合格できるのなら、しっかりと勉強していれば、大丈夫そうな感じがしますよね。

 なお、実際には点数で換算されますので、700点満点(1問25点×28問)のうち、450点(1問25点×18問)をとれば合格です。これが合格基準ということになります。 

測量士補の偏差値は?難易度ランキング

測量士補の偏差値の比較グラフ

 測量士補試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。

偏差値は47の簡単レベル

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 しかし、資格難易度ランキングというサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、 独自に資格試験の偏差値が算出され、公表されています。

 ここに掲載されている偏差値によると、測量士補試験の偏差値は47とされています。

 偏差値40台の資格は「簡単」レベルの難易度とされています。

宅建など不動産系資格で偏差値を比較

 次は、宅建など不動産系資格の偏差値と比較してみたいと思います。

 資格難易度ランキングに掲載されている偏差値によると、主要な不動産系資格の偏差値は以下のようになっています。

不動産系資格の偏差値の比較表
資格名 偏差値
土地家屋調査士 64
マンション管理士 61
宅建 57
管理業務主任者 55
測量士補 47
賃貸不動産経営管理士 41

 このように、上記の合格率の比較のところで見たのと同様のランク付けとなっており、不動産系資格の中でも易しい資格ということがわかりますね。

測量士補の合格に必要な勉強時間は?

測量士補の勉強時間の相関グラフ

 次は、測量士補試験の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」で比較していきたいと思います。

必要な勉強時間は200時間

 まず、測量士補試験についてですが、、一般的に、測量士補試験に合格するためには200時間の勉強時間が必要と言われています。

 私自身も、この一般的な時間数と同様に、約200時間の勉強で合格できましたので、概ね200時間というのは信用できる数値だと考えられます。

勉強時間を不動産系資格で比較

 では次は、不動産系資格で、合格に必要な勉強時間を比較してみたいと思います。

 測量士補試験を含め、資格試験の難易度は、合格に必要な勉強時間とある程度の相関関係があります。

不動産系資格の難易度と勉強時間の相関表
資格名 合格率 必要な勉強時間
土地家屋調査士 約 9% 1,000時間
マンション管理士 約 9% 500時間
宅建 約 15% 300時間
管理業務主任者 約 20% 300時間
測量士補 約 30% 200時間
賃貸不動産経営管理士 約 30% 100時間

 このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

 つまり、上述の偏差値の比較や合格率の比較と同様、測量士補試験の難易度は、易しいということになります。

 とはいえ、合格するためには、およそ200時間の勉強が必要になってきますので、何も対策せずに誰でも受ければ合格できる、といった甘い試験ではありません。

 社会人が働きながら勉強することを考えると、200時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないかと思います。

 そこで、1日に2時間を確保するとすれば、200時間÷2時間=100日⇒3~4ヶ月という計算になりますので、これぐらいの期間を想定しておくのがよいのではないでしょうか。

測量士補は独学でも合格できる?

 では、この測量士補試験は、独学でも合格できるのでしょうか。

独学でも合格可能!

 私が測量士補試験を受験した当時は、なかなか独学に適した市販テキストがありませんでしたが、今は、市販テキストもかなり品揃えが良くなってきています。

 ですので、市販テキストだけで、初学者の方でも十分に合格レベルに達することができます。

 基本的には、テキスト1冊+問題集1冊をしっかり取り組めば、合格できるはずです。

 独学の勉強法のポイントは、以下のとおりです。

測量士補の独学勉強法
  • テキスト・問題集を購入する(1冊ずつあればOK)
  • テキストを通読し、全体像を把握する。
  • 文系には「三角関数」が鬼門のため、学生向け参考書で対策する。
  • 章ごとにテキストを読み、そこに対応する過去問を解く。
  • 問題集のみを解いていく(3周程度)。

 測量士補に独学で合格するための勉強法については、測量士補の独学におすすめの勉強法のページで詳しくご紹介していますので、そちらをご参照ください。

 また、独学におすすめのテキストについては、測量士補の独学におすすめのテキスト・問題集のページでご紹介しています。

独学が不安な方は通信講座を受講すれば安心

 ただし、自分でテキストを読んで勉強するのが苦手な方もいらっしゃるかと思います。

 テキストを読んでもよく理解できない、眠くなってくる、といった方は、プロの講義が受講できる通信講座を利用すれば、安心ですね。

 測量士補おすすめ通信講座ランキングのページでご紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。

測量士補の試験制度(試験日・受験資格・試験内容)

 次は、 測量士補の試験日や受験資格、試験内容など、試験制度についてご紹介します。

試験日は年に1回、5月の第3日曜日

 測量士補試験は、年に1回だけ、5月の第3日曜日に実施されます。 

 2023年度(令和5年度)の測量士補試験の日程は、以下のとおりです。

測量士補試験の日程【2024年度】
申込期間 <郵送>
令和6年1月5日(金)~1月30日(火)※消印有効
国土地理院ホームページ(測量士補試験)
試験日 令和6年5月19日(日)
試験時間 午後1時30分~4時30分(3時間)
合格発表 令和6年6月27日(木)午前9時
受験料 2,850円

受験資格はなく誰でも受験できる

 測量士補試験は、年齢、性別、学歴、実務経験などの制約はありませんので、誰でも受験することができます。

試験問題は五肢択一式のマークシートで28問

 測量士補試験は、五肢択一式(マークシート方式)で、測量科目について28問が出題される筆記試験です。

 1問あたり25点の配点で、合計700点満点中、450点以上の正解(28問中18問の正解)で合格となります。

測量士補試験の難易度まとめ

 以上、測量士補試験の難易度についてご紹介してきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

測量士補試験の難易度まとめ
  • 合格率は約30%でそれほど高くない難易度
  • 不動産系資格で比較すると、最も難易度は低い(易しい)
  • ただし、半分以上の人は落ちる試験なので、十分な対策が必要
  • 合否は絶対評価で、合格基準は64%の正解
  • 偏差値は47で国家資格の中では「簡単レベル」に位置付けられる
  • 合格するには200時間の勉強時間が必要
  • 独学でも合格できる!

 測量士補試験は、難易度が高い試験ではありませんが、10人中7人は落ちる試験ですので、油断は禁物です。

 とはいえ、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、しっかりと計画を立てて、とにかく最後までやり切ることができれば、誰でも合格できる資格だと思います。

 ぜひ測量士補試験の合格を目指して、頑張ってください!


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