公認会計士の勉強時間は?独学におすすめの勉強法

公認会計士試験は、司法試験や弁理士試験と並ぶ難関資格とされています。
このページでは、公認会計士試験に合格するために必要な勉強時間や、おすすめ勉強法について紹介したいと思います。
|
【監修者】 |
![]() 監修者紹介 |
|
|
|
|
【執筆者】 |
執筆者紹介 |
公認会計士は独学で合格できる?
まずはじめに、そもそも公認会計士試験は、独学でも合格できるのでしょうか。
- 独学での合格も不可能ではない
- ただし、働きながらではなく勉強に専念する必要がある
- 教材は、予備校・専門学校のものを利用する
- 予備校の通信講座を受講するのが最も手軽
独学での合格も不可能ではない
公認会計士試験は超難関資格のため独学で合格することは極めて困難であり、実際に独学で合格できる受験生はごく少数です。
とはいえ、公認会計士試験は独学での合格も不可能ではありません。
ただし、働きながらではなく勉強に専念する必要がある
独学でも合格できるとはいえ、公認会計士試験はボリュームが多い点が合格を難しくしている要因の一つです。
このため、合格するためには働きながらではなく、勉強に専念する必要があると考えられます。
試験には科目免除制度などもありますが、2年などの期間限定のため、長期で合格を狙いにくい試験です。
教材は、予備校・専門学校のものを利用する
また、独学可能といっても、独学で利用する教材に関しては、予備校・専門学校の教材を利用する必要があります。
というのも、公認会計士試験の受験生の大半が予備校のテキストや問題集を利用しているからです。
さらに、公認会計士試験に特化した教材は本屋には置いていないことが多く、市販の書籍自体の数もそれほどありません。
予備校の教材のみを入手する方法は、ネットオークション等で入手することも可能ですが、会計・税務は特に基準や法令に毎年改正があり、また会計士試験は毎年出題の傾向というのがありますので、過年度の教材や問題集は使わない方がベターです。
独学で勉強する場合のおすすめテキストや問題集については、下記の関連記事を参考にしてください。
予備校の通信講座を受講するのが最も手軽
最新の教材のみを入手するのが大変なので、もっと手軽に試験を受験したい方は、予備校・専門学校の通信講座を受講するのが最も手軽といえます。
なお、通信講座と通学講座の違いは、下記のとおりです。
- ① 講義をライブで受けるかWeb(又はDVD)で受けるかの違い
- ② 受験仲間の勉強の進捗を把握しやすいか否か
- ③ 手軽に受験仲間や教師に質問が可能か否か
- ④ 周りに人がいる環境によるモチベーションアップの有無
※ 予備校によって、通信講座でも自習室の利用は可能です。
特に、通信講座では、自分のペースで勉強できるというのはメリットである反面、勉強に必要なカリキュラムをこなすための強制力が働かないというデメリットもあります。
自身の勉強管理がきちんとでき、モチベーションがしっかり維持できる環境を整えられるなら、通信講座でも十分といえます。
予備校の通信講座を受講する場合は、下記の関連記事を参考にしてください。
公認会計士の合格に必要な勉強時間は?

公認会計士試験に合格するためには、3,000時間程度の勉強時間が必要になります。
3,000時間の勉強時間を単純に日割計算すると、下記のようになります。
| 1日の勉強時間 | 学習期間 |
|---|---|
| 4時間 | 2年 |
| 6時間 | 1年半 |
| 8時間 | 1年 |
もし1日に4時間の勉強時間なら2年かかりますし、6時間なら1年半、8時間なら1年ほどかかる計算です。
これはあくまでも単純計算のため、実際には、1日に6~8時間を目標に勉強をして、およそ1年半~2年程度が目安となります。
- 合格に必要な勉強時間は3,000時間程度
- 勉強期間は1年半~2年程度
- 1日の勉強時間は6~8時間
短答式試験の対策

公認会計士試験は、短答式試験(マークシート方式)と論文式試験(記述式)の2種類があります。
短答式試験に合格した人だけが、論文式試験を受けることができます。
合格基準は、総得点の60~70%が基準ですが、その年の試験の難易度により合格基準は変動します。また、1科目でも満点の40%未満の科目がある場合は、それだけで不合格になってしまいます。
短答式試験には短答式Ⅰと短答式Ⅱがあり、それぞれ12月と5月に実施されます。このため、ご自身の勉強スケジュールにあわせて受験することが可能です。
短答式Ⅰで不合格だったとしても、短答式Ⅱで合格すれば、その年の8月の論文式試験を受験することができます。
ただし、第Ⅱ回短答式を受験するということは、論文式試験の直前期に論文式対策に集中できないため、その意味では不利になることに注意が必要ですね。
なお、短答式試験に全科目合格すれば、2年間短答式試験が免除になります。
試験科目と試験時間・出題数
公認会計士 短答式試験(マークシート)の科目に応じた試験時間と出題数・配点は、下記のとおりです。
なお、令和8年(2026年)第Ⅰ回短答式試験(令和7年12月実施)から、下表の赤字(下線)部分のように、試験時間と出題数が変更されました。
| 科目 | 試験時間 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 企業法 | 60分⇒50分 | 20問 | 100点 |
| 管理会計論 | 60分⇒75分 | 16問⇒18問 | 100点 |
| 監査論 | 60分⇒50分 | 20問 | 100点 |
| 財務会計論 | 120分⇒150分 | 28問⇒35問程度 | 200点 |
さらに、令和9年(2027年)第1回短答式試験から、英語による出題が行われることになりました。(令和7年12月16日発表)
【対象科目】短答式試験の財務会計論・管理会計論・監査論の3科目
【規模感】短答式試験の総得点の1割程度
科目ごとの試験対策
公認会計士 短答式試験における科目ごとの試験対策を解説します。
- 企業法
- 管理会計論
- 監査論
- 財務会計論
企業法
企業法は、会社法及び金融商品取引法が主な出題範囲となります。
問題は、与えられた4つの文章の中から、正しい内容の文章の組み合わせを6つの選択肢から選ぶ形式が主となります。
管理会計論
管理会計論では、理論問題と計算問題の両方が出題されます。
特に、計算問題はスピードが重視され、計算が苦手だと時間切れになってしまいます。
計算問題は1問1問のボリュームは小さいので、いかに全てを早く正確に解くかが合否の分かれ道になります。
計算問題の選択肢は基本的に数値になりますので、選択肢がヒントになることもあります。
理論問題は考え込んでしまうリスクがあるため、計算問題から解く方が多いです。
監査論
監査論は、基本的に理論問題のみですが、テストサンプル数を計算させるような問題も出題されます。
主に監査基準が出題範囲となりますが、実務指針の細かい部分に関する出題もあります。
出題形式は企業法と同様、正しい文章の組み合わせを6つの選択肢から選ぶ形式が主となります。
財務会計論
財務会計論は、管理会計と同様、理論問題及び計算問題の両方が出題されます。
会計士試験の中心科目であるため、ボリュームが多く、試験時間も2倍以上の150分になっています。
また、問題の後半には総合問題があり、多く配点されています。
総合問題といっても、全て解かなくても部分的に解答が可能なため、焦らず解答できる部分を解答していくのが合格への近道となります。
論文式試験の対策
公認会計士の論文式試験は、短答式試験の合格者だけが受験することができます。
短答式試験と大きく異なるのは、マークシート方式ではなく記述式という点です。
また、応用力が問われ、会計基準や監査基準、会社法にそのまま記載してある内容が問われることは基本的にありません。
試験中は、法規集が配布されますので、そもそも論文式試験においては法規集の内容を暗記すること自体がさほど重要ではなくなります。
論文式試験はどの科目もボリュームが多く、また難易度も非常に高いため、すべての問題を解かなければならない短答式試験とは異なり、「どの問題を捨てるか」という取捨選択の判断も重要になってきます。
論文式試験の合格は「得点率」が基準となり、各科目の点数のトータルで合否は決定しません。これは偏差値と似たようなものと考えて問題ありません。
つまり、1科目でも得意な科目があると、得点率が非常に高くなり、合格しやすくなります。逆に、1科目でも平均より大きく下回る点数を取ってしまうと、非常に不利になります。
また、主要科目である会計学は、他の科目と異なり得点率に大きく差が出やすいです。主要科目であるがゆえに、この科目で高得点を狙えれば非常に有利になります。
論文式試験は、短答式試験の出題科目よりさらに「租税法」と選択科目の2科目が追加されます。
選択科目は、経営学・経済学・民法・統計学から選択可能です。選択科目については、それぞれボリュームや特徴がありますので、慎重に選択する必要があります。
試験科目と試験時間・出題数
公認会計士 論文式試験の科目ごとの試験時間・出題数・配点は、以下のとおりです。
| 科目 | 試験時間 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 監査論 | 2時間 | 大問2つ | 100 |
| 租税法 | 2時間 | 大問2つ | 100 |
| 会計学(午前) | 2時間 | 大問2つ | 100 |
| 会計学(午後) | 3時間 | 大問3つ | 200 |
| 企業法 | 2時間 | 大問2つ | 100 |
| 選択科目※ | 2時間 | 大問2つ | 100 |
| ※経営学・経済学・民法・統計学 | |||
必須科目の試験対策
公認会計士 論文式試験における必須科目の試験対策を解説します。
- 監査論
- 租税法
- 会計学(午前)
- 会計学(午後)
- 企業法
監査論
論文式試験開始後の最初の科目が公認会計士の独占業務である監査論の科目になります。
大きく大問が2つあり、それぞれ理論の一問一答、総合問題での応用力を問う問題が出題される傾向があります。
見たことのないような問題文であっても、解答すべき事項は基礎的な内容であることが多いので、何を問われているのかを見極めることが重要です。
租税法
租税法は、短答式試験にはない科目ですが、他の科目と比較して、ボリュームが非常に大きい科目です。
法人税・所得税・消費税のほか、相続税なども過去の出題範囲に含まれています。
合格するためには、まず法人税でしっかり点を取ることが重要です。
消費税は1問間違えると、他の問題も必然的に間違えてしまうリスクがあるため、留意です。
問題のボリュームが大きく、難易度も高いものが出題されるので、時間に余裕をもって解ける人はほとんどいないかもしれません。解くべき問題の取捨選択が重要視されます。
基本的に大問2つのうち第1問が理論問題、第2問が計算を主とした問題が出題される傾向にあります。
会計学(午前)
会計学とまとめられていますが、内容は管理会計となります。
大問2つとも計算問題となり、小問の中にところどころ理論問題を挟む傾向となっています。
理論問題は問題文全体を把握していなくても解ける場合があるので、まずは理論問題から解くという方法も考えられます。
会計学(午後)
会計学とまとめられていますが、内容は財務会計となります。
受験生の多くが手堅く点数を稼いでくるため、得点率に差が出る部分で、公認会計士試験において合否を大きく左右する主要科目となります。
また、試験時間も3時間と長く、午前の管理会計の後でもあるため、集中力が必要とされます。
主に計算問題と理論問題の融合問題で出題される傾向があります。
重要論点である連結会計、企業結合会計等は出題頻度が高い傾向にあります。
企業法
企業法の出題範囲は主に会社法で、金融商品取引法から出題されることもあります。
試験中は会社法法規集が配布されるため、試験の内容は主に判例や条文の趣旨を問う内容になります。
解答するうえで、根拠となる条文を明確に記載することが重要になってきます。
結論を導くための起承転結といった論述力も試されます。つまり、文章の中で矛盾があると、減点されてしまうので、まずは実際に書く前に、文章の構成を練ることも重要になってきます。
また、1つの問題に対する論述量が圧倒的に他の科目よりも多いため、書いた文章を修正することが非常に手間になり時間の大きなロスになるので注意が必要です。
選択科目の傾向
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
経営学・経済学・民法・統計学の4つの選択科目から1つだけ受験科目を選択することが可能です。
受験生の多くは経営学を選択する傾向があります。
経営学が多く選ばれる理由としては、経営学部出身者が受験生に多いこと、また、相対的に民法や経済学よりボリュームが少ないことが挙げられます。
選択する受験生が経営学の次に多いのは統計学です。ボリュームがそれほど大きくないこと、計算問題のため、安定して点数を稼ぐことができる、などのメリットがあります。
いずれにしても、得意な科目があれば、得点率を大きく稼ぐことのできる科目となります。
公認会計士の独学におすすめの勉強法

次は、私が実際に公認会計士試験の受験勉強の際に実践していた勉強法を紹介したいと思います。
- 楽しく勉強する - 自分なりの整理ノートを作成
- 理解して勉強する - 自分なりに図を作って整理
- 効率良く勉強する - 重要性を意識
①楽しく勉強する - 自分なりの整理ノートを作成
正直なところ、勉強は内容が難しければ難しいほど辛く感じるものです。
もしかしたらそうでない方もいるかもしれませんが、少なくとも自分はどちらかというと”勉強が全然面白くありません派”でした。
この面白くない勉強を、少しでも面白くするために、例えば、自分なりの「整理ノート」を作るのがおすすめです。
参考書に既にまとめられているかもしれませんが、それでもとにかく自分なりに図を作ってまとめるんです。

重要な問題だけを集めて自分なりの問題集を作成
よく、マーカーでライン引いてるときって楽しくありませんか?ライン引きすぎて意味がなくなることもあるかもしれませんが、勉強しようと前向きになったという点で、意味があることなのかなと思います。受け身の勉強に楽しみを見出すのは難しいかと思います。
ただし、マーカー引くことが目的になったらダメです。あくまでモチベーション上げるために自分なりの整理図などの勉強のためのプロダクトを作成する。そこまで行くと勉強する姿勢ができているので、後は理解することです。
②理解して勉強する - 自分なりに図を作って整理
公認会計士の論文式試験は、理解力・応用力を問う内容が主となります。
このため、勉強方法で気を付ける点は、理解して覚えるということです。
丸暗記した記憶は忘れやすく、理解して得た記憶は忘れにくいです。当たり前かもしれませんが、理解して覚えるには、その周辺の情報も把握しないといけないので、丸暗記より少し手間がかかり、つい敬遠してしまいます。
しかし、それは決して遠回りではなく、近道になると断言します。
マーク式の短答式試験なら丸暗記でも対応可能ですが、論文式試験に対応することはできません。丸暗記だと論述に矛盾ができて、大幅に減点されてしまいます。
また、論文式試験では、法規集が配布されますので、暗記した内容をそのまま吐き出すこともありません。
理解する勉強をするための近道として、自分なりに図を作って整理するのがおすすめです。上述の「整理ノート」の話です。
生産管理のツールとして、「QC7つの道具」というのがあります。簡単に言うと、データを解析し、関係を図解化するものです。

まずは自分なりの整理図を作成してみる
これを使えというわけではなく、あくまでわからなければ図解化して文章を整理し理解しましょう、ということです。文章だと読んでもわけがわからなくとも、マトリックス表や組織図みたいな枝分かれの図にして整理すると一瞬で整理できたりします。
また、アウトプットをひたすら繰り返すことも重要になります。
③効率良く勉強する - 重要性を意識
公認会計士試験は、そのボリュームが非常に大きいため、勉強の効率性が重要になります。
効率性を働かせるためには、重要性を意識することが大切です。
時間は有限ですから、勉強するにしてもひとつひとつ優先度を設けていきます。
明らかに出題可能性が低い論点は、ほどほどに目を通して、重要な論点に時間を割きます。
受験生全体が勉強方法にシビアであるため、重要性の低い論点は、他の受験生も点が取れない、だから差がつかない、という意識を常に持っておくことが必要です。
以上より、公認会計士試験の学習は想像以上に大変なものですが、運に左右されず、勉強しただけ努力が報われる試験だと思っています。
簿記などの商業系の資格をお持ちの方でさらに上を目指したい方、将来的に企業の経済活動を支援する広いフィールドでの活躍をしていきたい方、ぜひ公認会計士試験にチャレンジしてみてください!


